シンデレラダービー 〜にゅーじぇねれーしょん〜 作:電動ガン
沖野トレーナーが出張になった。だがいつ帰ってくるのか連絡しても返事が無い。どうしたんだろ。
「ははは!!!ブルー!!!今日は俺だ!!!」
「よろしくお願いします阿笠トレーナー。」
「もう!トレーナー!顔が暑苦しいって!!」
今日はタイシンさんのトレーナー、阿笠トレーナーとのトレーニングだ。沖野トレーナーが帰ってくるまで小寺トレーナー、阿笠トレーナー、羽柴トレーナー持ち回りでやるらしい。
「もう・・・トレーナーは・・・」
「はは・・・大丈夫ですよタイシンさん。」
「ブルーも暑苦しい時は言って良いから。」
「はい。」
「よし!それじゃ早速コース行くか!多分アイツが先行ってるから!」
「ユッコはもう先に行ってるの?気が早いなぁ・・・」
「ユッコ?」
「うんもう1人の担当。なんというか・・・変な子だよ。」
「ふーん・・・」
ユッコって聞くと前世のあの子が思い浮かぶ。同僚の感じがする。そしてコースに出た。
⏰
「ムムムムーン!」
「おうユッコ!捗ってるか!」
「はいトレーナー!スプーン全然曲がりません!」
「おいおい走ってたんじゃないのか!」
「サイキックトレーニングです!」
やっぱり。あの子だった。
「あ!凛ちゃん!」
「裕子・・・」
「あれ?ブルー知り合いなの?」
「まぁ・・・」
「トレーナー!凛ちゃんも担当したんですか!?」
「おう!一時的にな!」
「そうなんですか!」
「はぁ・・・アホが2人になって・・・」
「あはは・・・」
タイシンさんは頭痛が痛いみたいな顔してる。
「裕子。名前なんていうの?」
「ユッコです!中等部1年!」
「え?」
「ユッコです!」
ユッコだけ?冠名とか無いの?
「珍しいでしょブルー。三文字だけの名前は私もなかなか聞かないよ。」
「私もです。」
「他に聞いたのはカラテ先輩くらいかな・・・」
「エスパーがきえちゃいました・・・」
「あはは・・・」
「よし!今日は全員追い込みが作戦だからタイシンに倣え!」
「はい。」
「はーい!」
「わかった。」
「タイシン、離しすぎるなよ。」
「わかってるよ。」
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「はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・」
「ふはぁーーーーー!!!!」
「どう、みんな。」
タイシンさんを追いかけたり、逆に追いかけられたり。かなり走った。そして追い込みの技術が洗練されていくのがわかる。タイシンさんすごいな・・・
「はははは!お疲れ!!!まずは水飲むんだ!!!」
「はい・・・」
「ごくごく!」
「タイシン、どうだ?」
「ユッコはまだまだ。ブルーは及第点ってとこかな。」
「そうか、スピカにはゴールドシップがいるからな。追い込みの師匠だろう。」
「ゴルシと比べられるってなんかやだな・・・」
「ははははそう言うな!正直、追い込みの技術だったらタイシンよりゴールドシップを評価するぞ俺は。」
「それは・・・まぁ・・・あいつわけわかんない追い込み脚してるし・・・」
「5バ身離れた最後方からぶち抜く追い込み脚を持つのはアイツだけだろうな。」
「悔しいけど・・・」
「そうだな。タイシンはもう時間は無いが。まだ走る事はあるんだ。ドリームカップに向けて頑張るぞ。」
「うん。」
「お前達!もう行けるか!」
「行けます・・・!」
「私も!!」
「よし!じゃあもう一回だ!!!今度はタイシンを追いかけろ!!!」
「はい!」
「はーい!!!」
またまた併走を熟した。途中裕子がへばって別トレーニングに行ったが、それくらい。タイシンさんとすごく併走をした。ドリームトロフィーに行くのに全く衰えた様子が見えない。すごいな・・・
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翌日。まだ沖野トレーナーは帰ってこない。どこ行ったのほんとに。
「よろしくお願いします。羽柴トレーナー。」
「よろしくお願いします。今日トレーニングするメンバーを紹介しますね。」
「はい。」
「まず1人目、知ってますね。トップロードです。」
「よろしくねブルーちゃん!」
「2人目、カラテナカノさんです。」
「押忍!!よろしく凛ちゃん!」
「3人目、ユカリオーケストラさんです。」
「久しぶりですね、凛ちゃん。」
「みんなよろしく。」
ここでも同僚がトレーナーに見つかってるみたい。良かった。
「ナカノさんとユカリさんはまだ本格化したてですので軽めに行きます。ブルーさんはトプロと併走のちペース走に移ってください。」
「はい!」
「はい。」
「行きましょうブルーちゃん!」
「はい。」
まずは私とトップロードさんの併走らしい。小手調べされてるのかな。
「行きますよー!ブルーちゃん!」
「はい!」
ドン!!!とトップロードさんが加速する。これ併走だよね!?
「くっ・・・!」
「あはははは!」
めっちゃ速い!!!!これが菊花賞バか・・・!!!一周して戻ってくる。そこには怖い顔した羽柴トレーナーが。
「トプロ。」
「はい!!!」
「ブルーさんをあんなに離してどうするんですか。併走って言いましたよね。」
「え、えと・・・つい・・・!」
「次、飛ばしすぎたらロイヤルビタージュースですからね。」
「ひぃ!」
ロイヤルビタージュースってなんだ・・・?なんかやばそうなジュースだ・・・トップロードさんが顔を青くしている。
「ぶぶぶブルーちゃん!もう一回行きましょう!」
「はい。」
もう1周。今度はトップロードさんは飛ばしすぎなかった。
「ふぅ!」
「はぁ・・・」
「ブルーさん、戻ってきましたね。」
「はい。」
「まずは水飲んで。そのままでいいので聞いてください。」
「ごく。」
「次はペース走です。ブルーさんの気性では問題無いと思ってますが、飛ばしまくる逃げ、先行ウマ娘を追い込みが捉え続けるというのは膨大なストレスです。掛かりやすいと言いましょうか。」
「はい。ごく。」
「そこで、トップアスリートのトプロを一定の距離で捉えつつ、スパートでぶち抜くというトレーニングをします。速いですよ。掛からない様に気持ちを抑えながらペースを考えてください。」
「ごく。はい。」
「いいですか?ぶち抜く感覚を覚えるんですよ。この感覚が追い込みには重要になります。」
「はい。」
「それでは行ってきてください。」
「はい。」
「はーい!」
今度はトップロードさんをぶち抜くのか・・・出来るの?まじ?
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「はぁー・・・はぁー・・・はぁー・・・」
「ふぅー!」
ぜ、全然ぶち抜けない・・・それもそうか・・・菊花賞バなんだぞ・・・
「トプロ。」
「ひぃ!トレーナーさん!」
「これはブルーさんにぶち抜く感覚を覚えさせるトレーニングだと言ったはずですよ。」
「は、はい!で、でも、えと・・・」
「ロイヤルビタージュースです。」
「やだーーーーーーー!!!!!」
トップロードさんが地面に転がって駄々を捏ね始めた。そんなにやばいものなのかあのジュース。
「あ、あの・・・凛ちゃん。」
「なに有香。」
「あのジュース。そんなにヤバいのなんですかね・・・」
「あー・・・」
「ふふ、ちょっと飲んでみたいですね。」
「ゆかりちゃん!?」
「ゆかり・・・ほんと?」
「はい。トレーナーさん。」
「なんですか。ユカリさん。」
「そのジュース、ちょっと飲んでみてもいいですか。」
「ええ・・・」
「ゆかりちゃん、辞めといた方が・・・」
「ちょっとだけですよ。」
「はい!」
そう言ってゆかりはぐいっと全部行った。ああ・・・!
「うぐ・・・!」
「ゆかりちゃん!!!」
「だ、大丈夫・・・?」
「だ、大丈・・・うぶ。」
「ゆかり!?!?」
ゆかりの顔が見るも無惨なしわしわ顔に。こんな顔前世でも見たことない。
「うう・・・」
「ゆかりちゃーーーーん!!!」
「ああ・・・全部行くから・・・」
「ユカリさん、カップケーキです!食べてください。」
ゆかりはしわしわ顔で、カップケーキを食べた。今度はみるみるニコニコ顔になっていった。
「美味しい・・・」
「ゆかりちゃん・・・」
「ええ・・・」
「このジュースはこのカップケーキとセットが普通なんですよ。」
トップロードさんの顔がぱあぁと明るくなった。
「トプロはジュースだけですけど。」
絶望顔になった。そしてジュースを無理矢理飲まされ・・・
「・・・。」
「うわ・・・」
「ああ・・・」
「そうなりますね。」
トップロードさんは動かなくなった。あのしわしわ顔は私は忘れないだろう。そんな感じの沖野トレーナー不在のトレーニングの日々であった。