シンデレラダービー 〜にゅーじぇねれーしょん〜 作:電動ガン
トレセン学園。これは後から調べたんだけど正式名称は「日本ウマ娘トレーニングセンター学園」、英語表記では「Japan Uma Musume Training Schools and Colleges」となる。URAが管轄するものでは日本最高峰のレベルとされており、生徒数2000人弱というマンモス校。私立か公立かは不明。規模の大きさから学費の高さについても度々言及されており、例外もあるが生徒達の実家はそれなりに裕福なケースが多いようである。最寄りは京王電鉄京王線府中駅。
「う、受かった・・・」
私はトレセン学園からの合格通知を手にして震えていた。まさか本当に受かるとは・・・テストはボロボロ。レースは3着。面接は緊張しっぱなしだった。まさか本当に受かるなんて・・・それからはてんてこまいである。寮に入るから準備をして。制服の採寸をして、教科書を買ったりして。大変。
「ブルー!!準備出来た!?」
「はーい!」
荷物を集荷に出して。家での準備は済ませた。そして入学式の日。
・・・・・・
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・・・
・・
・
「で、あるからしてッ!新入生諸君には健全なレース人生をッ!」
入学式で理事長先生が挨拶してる。嘘でしょ。あれ理事長?子供じゃん。どうなってんの。
「以上!理事長挨拶であるッ!」
パチパチと拍手する。いやートレセン学園・・・どうやら一筋縄では行かないらしい。
⏰
入学式が終わり、教室のオリエンテーション。主に学園の施設の紹介だったり案内だったり。食堂が凄かった。まぁ2000人いる生徒を受け入れるんだもんね。そりゃでかくなるか。
「この先を行くと体育館です。プールも併設されているんですよ。」
へーとかふーんとかそんな返事が帰ってきて担任の先生は苦笑している。2度目の中学校生活だが、もう前世とは一回転して180度違うので面白い事になりそうだ。
「以上が皆さんが主に利用するであろう施設の紹介です。他は皆さんの足で見学してみてくださいね。」
「はーい。」
「へーい。」
「それでは教室に戻りますよ〜」
ぞろぞろと教室に戻る。その時だった。別なクラスの子達が歩いて来ていた。
「ミッちゃんはそこんとここう思うわけですよ!エレちゃんは!?」
「えーミッちゃんそれは強行突破過ぎだよー」
ッッッ!?!?あ、あれは・・・
「・・・?」
「どったのミッちゃん。」
「い、いや・・・なんでも・・・」
未央・・・未央!?まさか・・・いや・・・でも・・・気の所為かも・・・
「ナリタブルーライトさーん行きますよー」
「あ、はい。すみません・・・」
未央・・・未央なの・・・?じゃあ・・・卯月も・・・?いや・・・今は考えても仕方がない。とりあえずは学園生活に集中しないと・・・
「ナリタブルーライトさーん?」
「すみません・・・」
私は・・・教室に戻った・・・
・・・・・・・
・・・・・・
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・・・・
・・・
・・
・
「ふぅ。」
オリエンテーションが終わり、寮へ。私は確か・・・栗東寮、だったはず。
「こっち・・・?であってるよね。」
「あ。」
「え?」
「ナリタブルーライトじゃない。」
「あ、ダイワスカーレット・・・先輩。」
「スカーレットで良いわよ。長いでしょ?」
「じゃあ・・・スカーレット先輩。」
「うんうん。無事受かったのね。おめでとう。」
「ありがとうございます。」
ウロウロしてて出会ったのはジャージ姿のダイワスカーレット先輩であった。相変わらずデカいツインテ。
「こんなところでどうしたの?コースに行きたいの?」
「あ、いえ。寮に・・・」
「寮?全然別方向よ。まぁ広いしわかんなくなるのはよくあることね。案内してあげる。」
「あ、ありがとうございます。」
「どっちの寮なの?」
「栗東寮です。」
「そうなの。一緒ね。」
「そうなんですか。」
ポテポテと歩いて栗東寮に向かった。その間スカーレット先輩はいろんな話をしてくれた。寮の細かい決まり事や頼りになる人物。そういえばハヤヒデさんやタイシンさんトップロードさんは・・・どっちの寮なんだろ。
「でね・・・あ、着いたわ。」
「おお・・・」
「ちょっと待っててね・・・フジセンパーイ!いますかー!」
スカーレット先輩がフジ先輩とやらを呼ぶが返事は無い。いないのかな。
「いないのかしら・・・」
「みたいですね・・・」
「はいはーい。」
「あ。いたみたい。」
そう言って出てきたのは・・・モッフモフの白毛の頭。うお。
「おやスカーレット・・・フジはちょっと席を外して・・・」
「そうなんですか。」
「もしや・・・ブルーか!?」
「お久しぶりですハヤヒデさん!」
「ブルー・・・ブルー!!!」
ハヤヒデさんにぎゅーっと抱きしめられる。ハヤヒデさん大きいから苦しい。
「そうか!トレセンに受かったんだな!おめでとうブルー!」
「あ、ありが・・・く、くるし・・・」
「あ、あのハヤヒデ先輩・・・苦しそうですよ・・・」
ハヤヒデさんは本家との交流で出会ったウマ娘だ。ブライアンさんという妹がいるのに私も妹の様に可愛がられていた。
「すまないブルー・・・つい嬉しくて・・・」
「い、いえ・・・私も嬉しいです。」
「こちらに来たと言うことはブルーも栗東寮なんだな。ブルーは私の妹も同然だ。同じ寮だからいつでも頼ってくれ。」
「はい。」
「スカーレット君。ここまで連れてきてくれてありがとう。後は私が引き継ぐよ。見るにトレーニングの途中だろう。」
「はい。じゃあ後はよろしくお願いします。」
「ああ。任された。」
そう言ってスカーレット先輩は去っていった。あとは・・・
「さ、ブルー。部屋に案内するよ。ブライアンとタイシン君もトップロード君も居るぞ。」
「そうなんですか。楽しみです。」
「えーっと部屋割りの書類は・・・」
ハヤヒデさんが入口の横の・・・おそらく管理人室らしきとこに入ってばさばさと書類を掻き分けている。そういえば2人部屋なんだっけ。同室は誰になるんだろう。
「まいったな・・・寮が再編成されたから新入生の書類が分からない・・・」
「手伝います・・・」
「すまない・・・助かる。」
2人でばさばさと書類を分ける。私の名前見つからないな・・・まぁ半分の1000人がいるもんね・・・
「うーん・・・」
「あった!これだ。」
「おお。」
その書類にはナリタブルーライト。407の部屋番号が割り振られていた。だがそれだけで、同室が誰かとは書いてない。
「ふむ・・・行こうか。荷物はもう届いてる筈だ。」
「はい。」
⏰
部屋に着いた。ハヤヒデさんがコンコンとノックをするが返事は無い。
「今はいないのかもしれないな。まぁ大丈夫だ。」
ガチャと扉を開けて中に入る。中は綺麗に整頓されていて右側のベッドが使われている様だった。左側のベッドに五つほどのダンボールが置かれている。私の送ったダンボールだ。
「同室が誰かってわからないんですか?」
「同じく407に配された書類を見つけられれば良いんだが・・・あの中から見つけられるか?」
無理でしょ。
「その顔を見ればわかる。無理だな。だから同室が帰ってくるまでのお楽しみだ。」
「ええ・・・」
「ふふ・・・まぁ悪い子はいないから大丈夫さ。」
「でも・・・」
「大丈夫だよ。それでは私は戻るよ。」
「あ、ありがとうございました。」
「いいんだ。それよりあまり店を広げ過ぎないようにな。」
「はい。」
よし。それじゃあ荷解きをしよう。
・・・・・・・
・・・・・・
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・・・・
・・・
・・
・
荷解き、終わった。棚の引き出しを何となく開けてみたら同室が使用中だったみたいで、でっかいブラジャーが出てきた。くっ。私は敗北感と共に引き出しに戻した。
「さて時間は4時か・・・」
ご飯の時間は6時からだった筈。まだ時間あるな。
「うーん・・・」
寮の中、見回ってみるかな?あ、それより。
「ブライアンさんとタイシンさん、トップロードさんに連絡取ってみるか・・・」
シュポ!とグループにトレセンの寮に入りましたと投げた。ブライアンさんから何だと。と帰ってきただけであった。2人はトレーニング中なのかな。
「ふふ・・・」
ブライアンさんから今行く。部屋はどこだ。と帰ってきた。407です。と返信すると既読が付いて・・・しばらくすると・・・コンコンとノックがされた。
「はーい。」
「私だ。」
ガチャとドアを開けると息を切らしたブライアンさん。そんな急いで来なくても・・・
「久しぶりだなブルー。」
「はい。お久しぶりです。」
「栗東寮だったんだな。」
「はい。」
「何か困ってる事は無いか。」
「今の所は無いですね。」
「そうか。姉貴には会ったか。」
「はい。部屋に案内してもらいました。」
「そうか。」
ブライアンさんは私のベッドにどっかりと腰掛けるとむすっと口を開いた。
「ブルー、トレセン学園は一筋縄では行かんぞ。」
「知ってます。」
「本当か?まだ模擬レースも開催されてないし他のウマ娘の実力はわからんだろう。」
「まぁ・・・」
「そうだな・・・今日は遅いから明日、コースに行くぞ。予約を取っておく。」
「え?」
「なんだ嫌なのか?」
「もう走るんですか?」
「早く始めるのに越した事は無い。やるぞ。」
「ええ・・・」
「ふふ・・・未来の三冠ウマ娘を自らの手で育てるのも悪くない。」
「・・・え?」
なんかえらい方向に話が飛んでる!!!マズイ・・・明日死ぬほど走らされそうだ・・・
「ふふ・・・ふふふ・・・」
「ええ・・・」
ふとシュポ!とウマホが鳴った。見るとタイシンさんからおめでとうの一言。トップロードさんからおめでとう!今度走ろうね!と一言。
「どうした。」
「いえ、タイシンさんとトップロードさんから・・・」
「なるほど。じゃあ明日そいつらも呼ぶか。」
「え?」
「併走もさせよう。そのほうがブルーのためになる。」
マズイ・・・三冠バと皐月賞バと菊花賞バに囲まれる・・・
「ふふ・・・あいつらもブルーの実力を知りたい筈だ。」
「ええ・・・」
「本格化はしたのか?」
「いえ。まだっぽくて。」
「そうか・・・本格化したらまた面白い事になるだろう。」
「あ、ハイ。ソウデスネ。」
「ふふっ・・・」
みんな走る事に頭が支配され過ぎている・・・これがトレセン学園か・・・その時、プルルと電話が鳴った。私じゃない。
「チッ・・・エアグルーヴだ・・・」
「エアグルーヴ?」
「もしもし。」
ブライアンさんが電話に出ると怒声が電話口から聞こえる。うわぁめっちゃ怒ってるな。
「わかったわかった。今から行く。じゃあな。」
「ええ・・・」
「ちょっと呼ばれたから行く。じゃあな。」
「あっはい。」
そう言ってブライアンさんは戻って行った。エアグルーヴって誰?
「まぁいいか。」
時間は5時。まだ夕飯には早い。
「ちょっと早いけど行ってみようかな。」
私は寮の食堂に向かう事にした。席、時間通り行ったら取れないかもしれないし。
「お、すごい。」
寮の食堂もめっちゃ広い。流石トレセン学園。何もかもデカいな。
「ふぅ〜ん・・・」
「お、新入生?」
「あ、はい。」
「こっちおいでよ。」
「お話しよ〜」
先輩だと思うウマ娘に声をかけられた。まぁいいか。楽しそうだし。
「君名前は〜?」
「ナリタブルーライトです。ブルーって呼んでください。」
「ブルーちゃん!可愛いね〜」
「ナリタっていうとあそこか〜」
「分家、ですけどね。」
「いやいや分家でも勢いあるところじゃん?ブライアン先輩とかタイシン先輩とかトップロード先輩とか。」
「知り合いだったりする?」
「そうですね。」
「みんな〜お待たせ〜」
「お〜スマイル〜今新入生捕まえたとこ。」
「可愛いよ〜」
もう1人いたのか。なんて顔向けたら・・・私は、顎が外れそうになるほど驚いた。
「う、卯月・・・?」
「凛・・・ちゃん・・・?」
そこにはウマ娘になっているとはいえ島村卯月そのものと言える子が立っていたのだから。