シンデレラダービー 〜にゅーじぇねれーしょん〜 作:電動ガン
菜々さんに会った。だけど菜々さんはなんか独特な雰囲気で・・・メイド服だった。
「お久しぶりですねぇ凛ちゃん!」
「あ、はい・・・」
「キャハ⭐︎スーパーウサミン!17歳でぇーす!」
「ここでも17歳なんだ・・・」
「そうです!菜々はどこでも永遠の17歳!頑張ってますよぉー!」
「頑張らないと17歳ではいられないんだ・・・」
「はう!」
菜々さんは崩れ落ちた。
「うう・・・菜々・・・若返ったんで・・・17歳でもイケるもん!」
「そう・・・それでなんでメイド服着てるの?」
「大学部は服装自由なんですよぉ。」
「菜々さぁん。」
「なんですかまゆちゃん。」
「凛ちゃんとかけっこして欲しいんです。」
「・・・レースではなく?」
「はぁい。かけっこです。」
「ふぅん・・・なるほどなるほどぉ。」
菜々さんは私の周りをぐるぐると回りながら観察し始めた。それで何かわかるの・・・?
「ふんふん・・・全体的な筋比率は良いですねぇ・・・トモも・・・かなり鍛えられています。良いトレーナーに巡り合ったんですねぇ。」
「う、うん。」
「わかりました!では伝説の三冠バの立場を久しぶりに利用してコースを抑えます!」
「わぁ。」
「ええ・・・」
「ふふふ・・・かけっこは菜々も久しぶりです!滾りますねぇ〜〜〜」
「そうなんだ・・・」
「ドリームカップは戦場ですからね。みんな目が血走っててちょっと怖いんですよね・・・」
「そう・・・」
「うふふまゆもご一緒して良いですかぁ?」
「どうぞどうぞ!他にも呼びましょうか?」
「あ・・・いや・・・」
「呼びましょう!」
「じゃあ礼子さんと志乃ちゃん呼びますか。」
「ええ・・・」
「では〜シュポ!」
シュポ!と菜々さんがLANEを送る。本当に呼ぶの?
「ではすぐにコース抑えますね〜もしもしたづなさん?」
菜々さんはたづなさんに電話をかけたみたいだ・・・
「はい・・・はい!ではそれで!」
「どうでしたぁ?」
「今から1時間後に2時間だけ第8レース場が空くそうです!そこでやりましょう!」
「はぁい!」
「・・・。」
「あれ?どうしました凛ちゃん。楽しみじゃないですか?」
「え、あ、いや・・・えと・・・」
「・・・凛ちゃん・・・」
「・・・なるほど。」
菜々さんは何か勘付いたようだ・・・
「ふんふん・・・まゆちゃん。」
「はい?」
「そういう感じで菜々を呼んだんですねぇ。」
「まぁはい。」
「少々凛ちゃんには・・・走る喜びを教えてあげないといけません。」
「え・・・?」
「凛ちゃん?」
「・・・何?」
「凛ちゃんはウマ娘に生まれて。ちょっと良くない感じにメンタルが変化したみたいです。」
「・・・?」
「凛ちゃんはヒトの心のままなんです。」
「・・・そうなんだ。」
「私たちは転生者だから仕方のないことなのかしれません。だけどレースで競うのには致命的です。」
「・・・うん。」
「凛ちゃんは・・・昔、小さい頃かけっことかしてました?」
「・・・してない。」
「そうですか。本来ならそうやってウマ娘の心を養うんです。私も小さい頃からかけっこして勝ち負けを経験してました。まゆちゃんもそうですよね?」
「そうですねぇ・・・まゆは倶楽部に通ってました。」
「まゆちゃんもなかなかやりますねぇ。」
「うふふ・・・」
「・・・。」
「凛ちゃん。今こそ。ウマ娘の原風景を見ましょう。小さい頃に作る筈だった思い出を、今。作りましょう。」
「・・・うん。」
「それで凛ちゃんが求める物を得られる筈ですよ。」
「・・・そうなんだ。」
「はい!・・・あ。」
シュポ!とLANEの通知音がした。菜々さんかな。
「あちゃー。」
「どうしたんですか?」
「礼子さんと志乃ちゃんは二日酔いで動けないそうです。」
「あらら・・・」
「仕方ないですねぇ・・・漸くお酒飲めるようになったからってハメを外し過ぎです!」
「あはは・・・」
「もう!・・・では行きましょうか。着替えて、第8レース場に集合です!」
「はぁい。」
「はい。」
・・・・・・・・・
・・・・・・・・
・・・・・・・
・・・・・・
・・・・・
・・・・
・・・
・・
・
第8レース場。平坦なコースだが距離が3000メートルあるコースのレース場だ。私が着く頃には、着替えた菜々さんとまゆがもう着いていた。
「ごめん、遅くなった。」
「大丈夫ですよぉ。」
「まゆも今来たところです。」
「準備運動しましょう!」
「はい。」
3人で準備運動する。もう手慣れたルーティンだ。
「さてージョギングしますよぉ。」
「はぁい。」
「はい。」
コースを走り出す。だが・・・ここで様子が違った。3人並んで走り出したんだが。菜々さんがちょっと抜け出してチラッとこっちを見た。私は困惑するだけだったがまゆも負けじと菜々さんを追い始めた。そしてついに菜々さんとまゆが追いかけっこを始めた。ええ・・・
「はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・」
「ふぅ!あはは・・・」
「・・・???」
「・・・なるほど。」
菜々さんはまた1人うなづいている。なんだろう。
「さぁ走りましょう!!」
「うん、でも・・・」
「はい?」
「かけっこってどうやるの?」
「うーん・・・なんでもありですよ。」
「なんでもあり?」
「はい!好きなように走りましょう!そうですね・・・負けたらカフェテリアのケーキ一個奢りってことで。」
「えっ。」
「そんなの菜々さんの一強じゃないですかぁ。」
「そんなのわかりませんよ。頑張ってくださいねぇ!」
「ええ・・・」
「うう!」
こうしてかけっこが始まった。
⏰
「はぁ・・・ふぅ・・・」
「はぁ・・・はぁ・・・」
「ふはぁーーーー・・・」
特に何も変哲も無く走っている。
「凛ちゃん。」
「はぁ・・・はぁ・・・何?菜々さん。」
「もっと好きに走っても良いんですよ。」
「え?」
「かけっこは自由です!ずーっと1番が良かったらずっと先頭を走ってもいいんです!今度は凛ちゃん先頭を走ってみてください!」
「ええ・・・はい。」
「まゆちゃん行きますよぉ。」
「はふぅ。はぁい。」
今度は先頭走れって。まぁやってみるか。
「よーいドン!」
走り出す。先頭に出るよう走る。まゆはともかく菜々さんは手加減・・・してると思う。
「はぁ・・・ふぅ・・・!」
思ったより苦しくない。それに先頭って言うのも・・・まぁ悪くない。
「ふふふ。行きますよぉ!」
ドン!!!と後ろから気迫が放たれた。その瞬間菜々さんが私の隣を走り去る。くっ・・・!
「うふふケーキはいただきます!!!」
「このっ・・・!!」
菜々さんを追う・・・なんだろうこの感じ。菜々さん・・・どういう走りなの!?
「ふふふ・・・」
「!?」
菜々さんは抜けそうで抜けない。でもちょっと抜ける様な走りで走ってる。どんな走り!?
「はっ・・・はっ・・・凛ちゃん気が付きましたかぁ。」
「まゆ!?」
「これが菜々さんの強さ・・・抜けそうなのに絶対に抜けない走りですよぉ。」
「!?」
「ふふふ・・・菜々の本気、見せちゃいますよ!」
スン・・・と不思議な感覚で菜々さんが加速・・・いや・・・したのか・・・加速・・・?いやしたのか。加速。そんな感じで加速した。まだ抜けそう。だが抜かそうとすると・・・
「あれ・・・!?」
「ふふふ・・・」
「抜かせない!?!?」
絶妙に加速と減速を駆使され惑わされる。なにこれ!?!?
「
「!!?」
今度はヌルっと加速した!!!どういう脚なの!?
「菜々のモノです!!!!!」
そして私は菜々さんを差しきれず、2着。まぁまゆには先着したしいっか・・・
「はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・」
「はぁ・・・ふぅ・・・はぁ・・・」
「ふふふ、どうですか菜々の実力は。まぁ本気でも無いし全力でも無いんですが。」
「勝つ未来が見えない・・・」
「それが菜々の戦法ですから。」
「凛ちゃん・・・菜々さん・・・すごいでしょう・・・?」
「すごい・・・」
「ふふふ。ウサミン星人は手が届きそうで、届かない。星の海の住人ですからね。」
「あはは・・・」
「ふへぇ・・・」
「さて!どうですか凛ちゃん。楽しかったですか?」
「え、えと・・・どうだろ・・・」
「そうですか・・・うーん・・・」
「へーイ!!!」
「みなさーん。」
「?」
「あ!美優さん!ヘレンさん!」
「菜々が楽しそうな事してるって聞いたから馳せ参じたわよ!」
「私も・・・ちょっとだけお邪魔したいなと思って。」
「いいですよぉ!」
「ふわぁ。」
「ええ・・・」
「準備運動するからちょっと待ちなさい凛、まゆ。」
「ふふ。菜々ちゃんと走るなんて距離適正が合わなくて・・・なかなか無いですから。」
「ふーん。」
「お二人も強いですよぉ凛ちゃん。ヘレンさんなんか菜々さんがいなかったら無敗の三冠バだったんで幻の三冠とか言われてるんですよぉ。」
「そうなんだ。」
「ヘーイ!!!まゆ!!!私は日本の三冠に収まる器ではなかった。現にアメリカ三冠を取っているもの。」
「普通日本で三冠になれなかったからってアメリカ行って三冠取ろうなんて思わないですよぉ。」
「ヘーイ!!!」
「ふふ・・・あれ?菜々ちゃん?」
「おそらく・・・凛ちゃん・・・少数では・・・」
「菜々ちゃん?」
「あ!はい!」
「大丈夫ですか?」
「大丈夫ですよ!凛ちゃんの為にも人数は多い方が良いかなーって思ってたところですし!!」
「・・・?」
ヘレンと美優さんが加わってかけっこがまた始まった。そしてこの2人も、尋常ではない実力を見せられるのであった。