シンデレラダービー 〜にゅーじぇねれーしょん〜 作:電動ガン
2月になった。まだ全然寒い。カーディガンが手放せない。まぁ1年中カーディガン着てるんだけど。そしてトレーニングだが壮絶だ。スズカ先輩に逃げて差す練習させられてるし、ゴルシに大噴火させられてるし。
「よし。」
今日のトレーニング終わり。もうトレーナーに見守られる事無く出来る。
「ブルーちゃん、今日は終わりよ。」
「はい。」
「私はまだ走るけどどうする?」
「もう上がろうと思います。」
「わかったわ。お疲れ様。」
「お疲れ様でした。」
さぁてどうするかな。カフェさんとこ行ってコーヒー飲むか。
「よし、行こう。」
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理科準備室。今日もコーヒーの良い匂いする。
「こんにちは。」
「やぁやぁブルー。お疲れ様だねぇ。」
「いらっしゃい・・・ブルーさん・・・」
「コーヒー飲みに来ました。」
「わかりました・・・すぐ準備しますね・・・」
今日はレイジー・レイジーいないのか?静かだ。
「今日はシキさんと・・・フレデリカさんは・・・遅くまで・・・トレーニングするそうです・・・」
「ふーん。」
「ちょっとシキの考察を聞きたい所だったんだがトレーニングなら仕方ないねぇ・・・」
「タキオンさんは・・・また怪しい薬を作ってます・・・」
「怪しく無いよ。尻尾の脱毛症に苦しむ子の依頼を受けて毛生え薬を作っているのさ。」
「嘘です・・・さっき薬品が・・・光ってました・・・」
「まぁ私が作るんだから多少光はするさ。」
「まったく・・・」
タキオンってそんなものまで作れるんだ・・・
「ブルーさん・・・タキオンさんの薬は絶対に飲まないでくださいね・・・」
「わかった。」
「辛辣だねぇ。」
カフェさんがコポコポとサイフォンでコーヒーを淹れている。すごい良い匂い。
「お待たせ・・・しました・・・キリマンジャロ・・・です・・・」
「いただきます。」
一口・・・うん。めっちゃ美味い。
「・・・ヒー・・・おい・・・」
「うん・・・おいし・・・」
「?・・・誰か・・・来た様です・・・」
「すみません・・・」
「こんにちは・・・」
「いらっしゃい・・・ませ・・・」
「やぁやぁやぁこんな所によく来たねぇ。まずはこの薬をグビっと行ってくれたまえよ。」
「えっ。」
「怪しい・・・変な匂いする・・・」
入って来たのは泰葉と千鶴だった。
「泰葉、千鶴。」
「あ、凛ちゃん。」
「どうも。」
「どうしたの?」
「コーヒーの良い匂いがして・・・」
「カフェテリアでコーヒー売り切れだったんです。」
なんと。カフェテリアでコーヒー売り切れ。そう言う事もあるのか。こっち来て良かった。
「コーヒーですね・・・私は・・・マンハッタンカフェと言います・・・宜しければ・・・コーヒーいかがでしょう・・・」
「是非いただきたいです。」
「サイフォン・・・?本格的だ・・・」
「なんだ。カフェのお客さんか。なかなかモルモットになってくれる子が来ないねぇ。」
そりゃ進んでモルモットになる子は来ないでしょ。
「ちょうど・・・ブルーさんに・・・淹れてたので・・・人数分・・・あります・・・どうぞ・・・」
「わぁ・・・ありがとうございます。」
「良い匂い・・・」
3人でコーヒーを飲む。タキオンはなにやら薬品を混ぜ、煙を出している。その煙大丈夫?
「美味しい・・・」
「ほんとに美味しい・・・」
「ふふ・・・良かったです・・・」
タキオンはなんか集中してるので無視して・・・4人でカフェさんの次走の話をしていた。
「万葉ステークス・・・またもや・・・ニシノアイバフラワさんに・・・してやられました・・・」
「夕美さんすごく強いですね・・・」
「そんなに・・・」
「やばい・・・」
「ですが・・・目下の目標は・・・天皇賞で・・・決着を付ける・・・ことです・・・絶対に・・・勝ちます・・・」
「頑張ってください!」
「応援します。」
「カフェさんすごい・・・」
「ですが・・・ダイヤモンドステークスでも・・・ぶつかりそう・・・なんですよね・・・長距離の・・・レースに集中してるっぽくて・・・」
「完全にステイヤーなんですね。」
「長距離って大変そうだけど・・・」
「確か・・・ブルーさんも・・・ステイヤー・・・ですよね?」
「え?ええ、そうだよ。」
「昨今の・・・ステイヤーは・・・信じられない・・・強さの・・・ステイヤーが・・・多いです・・・ニシノアイバフラワさんは・・・ともかく・・・ライスシャワーさん・・・とか・・・」
知らない名前が出てきたな・・・ライスシャワー?なんかめでたい名前だ。
「ライスシャワー?」
「知らない・・・先輩?」
「はい・・・高等部・・・2年・・・です・・・漆黒の刺客・・・と言われて・・・いて・・・凶悪な・・・マーク戦法を・・・駆使する・・・先行のウマ娘・・・です・・・」
「へぇ。」
「怖そう・・・」
「ふーん・・・」
「まぁ・・・本人は・・・ちょっとおどおどした・・・子なので・・・レースにならなければ・・・怖くない・・・ですよ・・・?」
「そうなんですか。」
「ほっ・・・」
「ねぇ・・・カフェさん。」
「なんです・・・か・・・?」
「ライスシャワーって・・・あの子?」
「?」
そこには理科準備室の入り口でタキオンといつの間にか来たフレデリカに絡まれ、ひんひん鳴いてる片目が髪で隠れた小さなウマ娘がいた。
「ふんふんふふーん・・・ライスちゃん先輩フレちゃんに会いたかったのー?」
「ひう・・・あう・・・」
「ライスシャワー君・・・毛生え薬の実験体になってくれないかい?」
「ふええ・・・もっともふもふになっちゃう・・・」
それを見たカフェ先輩は速かった。フレデリカにカフェオレを手渡し、タキオンにコブラツイストを仕掛けジャーマンスープレックスで理科準備室の奥へ放り投げた。
「ライスさん・・・大丈夫ですか・・・?」
「ひぅう・・・カフェさん・・・ライス、コーヒー飲みに来ただけなのにぃ・・・」
「大丈夫・・・大丈夫ですよ・・・今準備しますね・・・」
そう言ってカフェさんはライスシャワー先輩を私達のいる席へ誘導した。ライスシャワー先輩は何の躊躇いもなく私達の前に座った。肝据わってる・・・
「こんにちは。」
「こんにちは。」
「こんにちは・・・」
「はう・・・こ、こんにちは・・・」
「すごい・・・漆黒の刺客・・・」
「えぅ・・・ライス、そんなにすごくないよ・・・?」
「ハッ・・・聞こえてた・・・」
「ライスシャワー先輩もコーヒー好きなんですか?」
「う、うん・・・ブラックは飲めないけど・・・好きだよ?」
「カフェさんのは特に美味しいですよね。」
「うん!カフェさん、コーヒー淹れるの上手だから・・・豆も拘ってるし・・・」
「お待たせ・・・しました・・・」
「わぁ・・・」
ライスシャワー先輩は砂糖を4つ入れてクピクピ飲みだした。可愛い。
「すみませんライスシャワー先輩、いきなりこんな事聞くのもどうかと思うんですけど・・・」
「な、なに?」
「あ、私オカザキナンバーです。ライスシャワー先輩の勝利したレースってなんですか?」
「弥生賞とか・・・青葉賞とか・・・かな?トライアルレースは勝てるんだけど・・・本番のG1で勝てなくて・・・」
「そうなんですか。重賞ウマ娘になるだけでも大変なのに・・・」
「えへへ・・・」
「私、ケイエスチヅルです。私もステイヤーなんですけど・・・長距離のコツってなんだと思いますか?」
「ケイエスチヅルさん・・・私には・・・聞いてくれないんですね・・・」
「ふぁっ!?!?いいいいいえ・・・深い意味はなく・・・」
「ふふ・・・冗談です・・・」
「ほっ・・・」
「うーん・・・そうだね・・・やっぱりスタミナを鍛える事かな。長いレースだし。最後に末脚を出す事になるからスタミナが無いと全然スパートかけられなくなっちゃうから。」
「なるほど・・・スタミナトレーニング苦手なんですよね・・・」
「ふふっ・・・でも必要な事だよ。ステイヤーはとにかくスタミナ!頑張ってね。」
「はい。」
「まぁ・・・それでも・・・すごいウマ娘がいると・・・競り負けちゃうんだけどね・・・カフェさんとか・・・ニシノアイバフラワさんとか・・」
「ああ・・・」
「天皇賞は・・・ライスが絶対勝つ・・・!」
「ライスさん・・・私も負けませんよ・・・」
「うん・・・!」
「でもまずは・・・ダイヤモンドステークス・・・ですかね・・・」
「カフェさんも出るんだ・・・ライスも頑張らないと・・・」
2人はすごくやる気に溢れている。ライスシャワー先輩もちょっとおどおどしてるけどすごい熱意がある。私も負けてらんないな。まぁ・・・シニアの先輩と比べるのは違うかもしんないけど・・・