シンデレラダービー 〜にゅーじぇねれーしょん〜   作:電動ガン

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ヌッ

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第45話 芽生え

2月のある日。日曜日。私はハヤヒデさんの併走トレーニングしたいというお願いがトレーナー経由で3回来たので受ける事にした。いやどんだけ懇願してんのさ。

 

「ふふ・・・やっとブルーと併走トレーニング・・・」

 

「はぁ・・・」

 

「さぁやろう!ブルー!」

 

「はい。」

 

「ごめんねブルーさん、ハヤヒデが・・・」

 

「いえ、中本トレーナーも気にしないでください。」

 

今日輝子と由里子はいない。休みにしたと言っていた。

 

「ブルー、ビワハヤヒデは戦績はナリタブライアンに劣るが間違いなくナリタブライアンより格上のウマ娘だ。気をつけろ。下手な逃げも追い込みも通用しない。併走だから着いて行く事だけを考えろ。勝負しようとするな。間違いなく折れる。」

 

「むぅ。沖野トレーナー、私はそんなに物騒なウマ娘か?」

 

「十分物騒だよ。」

 

「むぅ・・・」

 

「じゃ。行ってこい。流石に最初から飛ばしてはこないだろうから。」

 

「うん。」

 

そうして併走を開始した。それまでは良かったんだけど・・・

 

・・・・・・・・

 

・・・・・・・

 

・・・・・・

 

・・・・・

 

・・・・

 

・・・

 

・・

 

 

「はぁ・・・ふぅ・・・」

 

「ふふ。ブルー、ここらで一回勝負と行かないか?」

 

「へ?」

 

「大丈夫手加減はするさ。だが本気だ。格上と勝負するというのは得る物がいっぱいある筈だ。」

 

「まぁ・・・」

 

「他に格上と戦った事はあるか?」

 

「同じチームの先輩とか・・・圧倒的な格上だと菜々さん・・・スーパーウサミンかな。」

 

「なるほど・・・ウサミン先輩と戦った事があるのか・・・」

 

「かけっこですけど・・・」

 

「十分だ。よし、なら大丈夫だな。」

 

「はい。」

 

「なぁビワハヤヒデ。」

 

「なんだい沖野トレーナー。」

 

「アレは使わないよな?」

 

「さて、どうかな?」

 

「ハヤヒデ!ダメよ!」

 

「トレーナー・・・私はそんなに信用ないかい?流石にデビューもしていないブルーにアレを使う程容赦無くなった覚えは無いよ。」

 

「トレーナー?アレって何?」

 

「ああ、ビワハヤヒデはな。現在確認されている3人の"領域"の使い手の1人なんだ。」

 

「領域?」

 

「ああ・・・ウマ娘の不思議の中でもトップクラスに不思議な物・・・レース中に限界を超えた加速を見せる事がある。その時他のウマ娘は幻覚に似た現象に襲われるんだ。それが"領域"だ。」

 

「ふーん・・・」

 

「スーパーウサミン、シンボリルドルフ、ビワハヤヒデ。この3人が明確な領域使いとされているんだよ。」

 

「そうなんだ。」

 

「他にも領域なんだか未満なんだかわからない現象が起きたと報告はあるんだが・・・本人がよくわかってなくて未確認な場合が多い。」

 

「領域って私でも使えるのかな。」

 

「どうだろう・・・レース中に限界を超えた超集中状態になれば発動するとか言われてるんだが・・・さっき言った3人は自在に出してるからなぁ・・・はっきりしたことは言えん。」

 

「ふーん。」

 

「大丈夫だブルー。未熟なブルーには使わないよ。怖いものでもあるからね。」

 

「そうですか・・・ちょっと体験してみたかったですけど・・・」

 

「ふふ、トレーナーに怒られてしまうから許してくれ。」

 

「はい。」

 

「ブルーさんはステイヤーなんですってね?じゃあ3000メートルにしましょうか。」

 

「はい。」

 

「ふふふ。楽しみだ。」

 

さて・・・マッチレースは初めてじゃないし、胸を借りるつもりで頑張ろう・・・ハヤヒデさんなら花を持たせてくれたりするかな?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

3周した。かなり手加減されたな。本気と言うことなので追いつこうとするとあっという間に加速されたけど。楽しい。

 

「はぁ・・・ふぅ!」

 

「良い感じだぞブルー、だがもう少し末脚に切れ味が欲しいな?」

 

「・・・はい。」

 

「ふふふ落ち込むことは無い。格上に対しては切れ味が足りないというだけで同格に対しては間違い無く勝てるだろう。ブルーは強くなってるよ。」

 

「ありがとうございます。」

 

「ハヤヒデ、そろそろ時間よ。」

 

「え?もうそんな時間か?」

 

「ええ。ブルーさんに負担をかけ過ぎるのも良くないわ。」

 

「ブルー・・・もう少しいけないか?」

 

「いけます。」

 

「ダメよブルーさん。格上を相手取るというのは思っているより体にもメンタルにも負担になるの。これ以上やると筋肉痛じゃすまなくなる。」

 

「・・・はい。」

 

「落ち込まないでくれブルー。また今度もやろう。」

 

「はい!」

 

「ブルー、ちょっと脚見るからこっちきてくれ。」

 

「わかった。」

 

芝の上に座って脚を診てもらう。

 

「・・・少々疲労が多いな。」

 

「え?そうなの?」

 

「ああ。明日の朝練はやらないでくれ。」

 

「わかった。」

 

「じゃ、ブルー。私達は戻るよ。またな。」

 

「あ、はい。」

 

ハヤヒデさん達は戻っていった。私も帰ろ。

 

「お、ブルー帰るか。」

 

「うん。」

 

そうしてスピカのトレーナールームに戻った・・・

 

・・・・・・・

 

・・・・・・

 

・・・・・

 

・・・・

 

・・・

 

・・

 

 

トレーナールームに戻るとテイオー先輩がいた。今日休みじゃなかった?

 

「ブルー!カラオケ行くよ!」

 

「え?」

 

「あれー?トレーナー説明してないのー?」

 

「今からするんだよ。ほい、ブルー。」

 

そう言って渡されたのは一個のファイル。結構分厚い。なにこれ。

 

「それはウイニングライブの振り付けだ。」

 

「へぇ。」

 

「ブルーは6月にはデビューだからな。そろそろダンスレッスンとボーカルレッスンしとかないと。」

 

「そうなの。」

 

「だからテイオーさまが指導するぞよ!」

 

「あ、はい。」

 

「それ見て振り付け覚えて、テイオーに教わってこい。」

 

「わかった。」

 

「じゃ!ブルー!いっくよー!」

 

「はい。」

 

カラオケに繰り出す事になった。まぁ振り付けくらいすぐ覚えられるし。大丈夫でしょ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

駅前のカラオケ店で練習中。

 

「響けファンファーレ〜♪」

 

「・・・。」

 

「手を伸ばせば〜」

 

「・・・。」

 

「君だけの道を〜」

 

「教えることが何もない!?」

 

ガーンとショックを受けるテイオー先輩。仕方ないじゃん。振り付け覚えれば簡単だし、1着、2着、3着、バックダンサーと覚える事は多いがそれだけだ。歌も昔取った杵柄。歌える。

 

「う〜!」

 

「いや、出来るんならいいじゃないですか・・・」

 

「う〜!スペちゃんもスカーレットもウオッカも大変だったのに!!!」

 

「はぁ・・・」

 

「う〜・・・もはや粗探ししてる自分が悔しい・・・」

 

「あはは・・・」

 

「そうだ!」

 

「うぇ。」

 

テイオー先輩は何か思いついたようだ。余計な事じゃないと良いが・・・

 

「自分の色を出そう!」

 

「え?」

 

「ちょっと待ってね〜」

 

テイオー先輩はどこかへ電話をかけ始めた。

 

「もしもし!うん!ボクだよ!あのね・・・」

 

「じゅごー」

 

その間にアイスコーヒーを飲む。今度はフロートにしよ。

 

「うん!駅前のカラオケにいるから!来てね!マッハで!!!」

 

「もぐ。」

 

フライドポテト美味いな。塩分補給。

 

「ふう!今自分の色を出す先生呼んだから!それまで普通にカラオケしよ!」

 

「あ、はい。」

 

普通のカラオケが始まった。テイオー先輩歌うま。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そしてしばらく待つとバァン!と扉が開いた。静かに開けてよね。

 

「はぁ・・・はぁ・・・デジたん・・・参上・・・」

 

「待ってたよ!デジタル!」

 

「はふ・・・それで迷えるウマ娘ちゃんは?」

 

「ブルーだよ!」

 

「はひょおおおおブルーさん!!!」

 

騒がしいな大丈夫なの?

 

「デジタルはそこんところ上手いし、厳しいから任せても大丈夫だよ。」

 

「そうなんですか。」

 

「はい!不肖デジたん!ウイニングライブには一家言あります!お任せくださぁい!!!」

 

「そっか。それじゃよろしく。」

 

「はい!それじゃ早速メイクデビューを・・・」

 

「うん。」

 

歌唱中。

 

「・・・。」

 

「・・・。」

 

「ふぅ。どうだった?」

 

自分の色を出すと言うからやってみたけど。どうだろう。大丈夫かな。

 

「教える事が何もない!?」

 

「あにょ〜これデジたん要ります?」

 

「ええ・・・」

 

「しっかり自分の色出してるし!!!それどころか所どころファンサしてなかった?!」

 

「ウイニングライブってそう言うものじゃ・・・」

 

「眼福なんですけどぉ〜〜〜そうですねぇ・・・1着の振り付けならいいんですけど。あたし1着やるんで2着の振り付けやってもらえませんか?」

 

「わかった。」

 

歌唱中。

 

「教える事が何もない!?」

 

「きっちりファンサ込みで出来てますねぇ・・・」

 

「まぁ。ダンスレッスンは昔からしてたし。」

 

「歌も大丈夫・・・ほんとに教える事無いよ。」

 

「デジたんも問題無いように見えますねぇ。かなり手慣れています。」

 

「そう・・・それじゃどうするの?」

 

「ファンサバリバリバージョン作ろう!!!」

 

「あ、それ良いですねぇ。」

 

「ええ・・・」

 

こうして3人で歌いまくった。メイクデビューだけで何回歌ったかわからない。ダンスも様々なバージョンが生み出され、必要に応じて使いわけようと言う事になった。他の曲が来ても手を抜かないように頑張ろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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