シンデレラダービー 〜にゅーじぇねれーしょん〜 作:電動ガン
2月のある日。もう3月が近い。私はカフェさんの理科準備室でコーヒーを飲みながら駄弁っていた。
「うにゃー!共同通信杯勝てなかったー!!」
「フレちゃんもクイーンカップ負けちゃったー」
「ふーん。」
レイジー・レイジーの2人は勝ったり負けたりしてるらしい。それでも負けても掲示板入り。強い。
「ふにゃ〜タキにゃん脚速くなる薬作って〜」
「私よりシキの方が知識あるだろう。」
「いや〜?シキちゃん所詮大学レベルの知識ですし〜?ウマムスコンドリアの研究とかはタキにゃんの専門分野じゃん。」
「それはそうだがわからない事の方が多いっていつも言ってるだろう。それと、これの見解を求めたいんだがねぇ。」
「んにゃ〜どれどれ〜?」
「ん〜フレちゃん阪神ジュベべべべフィリーズは気持ちよく勝てたのにな〜」
「フレデリカは結構振れ幅あるんだね。」
「ジュベナイルフィリーズ・・・ですね・・・フレデリカさんは・・・やる気で・・・変わってますから・・・」
「んっふふ〜ご褒美があればフレちゃんも頑張るよ?でも大阪ジュテームフィリーズのご褒美がコンビニシュークリーム1個だったからやる気どっかいっちゃった!」
「はぁ・・・」
「まぁ・・・やる気が・・・あれば・・・強いですから・・・」
「トレーナーは苦労するね。」
「ですね・・・」
コーヒーを一口。相変わらずうま。今日はバームクーヘン持ってきたのでそれも食べる。
「もふもふ。」
「美味しい・・・」
「フレちゃんもう一個欲しいなー?」
「いいよ。はい。」
「さんきゅーじゅてーむ。」
「英語なのかフランス語なのかどっちかにして。」
「あっははは〜」
「タキにゃんこれ正気なの。これじゃ光るのは患部だけじゃなくて爪まで冷光する羽目になるよ。」
「ううーむ。少々薬剤の回りを意識し過ぎたか・・・じゃあこっちはどうだ?」
「タキにゃんこれじゃ発光する前に内部で分解されちゃうよ。」
「むむむむ・・・!なかなか上手く行かないねぇ!!!!」
「アタシ的にはこっち加えて血流を抑える方が良いと思うにゃ〜」
「・・・ふむ?だがこれだとさっき言った内部で分解される事にならないかい?」
「血流で流される分を計算してぶち込むんだよ〜擬似ナノマシンだね。コロニーさえ出来れば大丈夫。」
「ほうほう・・・流石シキだ!これなら上手く行く可能性が高い!出来たらトレーナー君で実験しよう。」
「にゃはは〜」
あっちは物騒な話してるな・・・タキオンのトレーナー・・・南無・・・
「そうだ・・・ブルーさん。」
「なに?」
「来週・・・新しい豆が・・・届くんです・・・一緒に味見したいので・・・良かったら・・・また来てください・・・」
「わかった。」
その時、理科準備室に誰か入ってきた。
「カフェ。」
「トレーナー・・・さん・・・どうしましたか・・・?」
入ってきたのはカフェさんのトレーナーさんだった。七三分けで、薄い黒縁メガネしてる。出来るサラリーマンみたいな感じ。
「トレーニングの内容を変更したからメニューを持ってきた。確認してくれ。」
「はい・・・」
「む、君は・・・」
「どうも。」
「ナリタブルーライト君・・・であってるかな?」
なんか意外にも朗らかに笑う人だった。勝手に脳内で鬼畜メガネにしてしまった。反省。
「はい。そうです。」
「そうか。カフェからよく話を聞くよ。仲良くしてくれてありがとう。僕は晴山。よろしく。」
「あ、いえ。よろしくお願いします。」
「君の担当トレーナーは誰かな?」
「沖野トレーナーです。」
「沖野さんか・・・良かったら今度併走を申し込みたいんだ。ステイヤーがちょっと捕まらなくてね。」
「私でカフェさんの相手になるでしょうか・・・」
「偵察に行ったカフェから様子を聞いているから大丈夫。」
「ちょっと・・・!トレーナーさん・・・!しー・・・!」
「おっと・・・」
偵察・・・?私カフェさんに偵察されてたの・・・?
「カフェさん・・・」
「すみません・・・ブルーさん・・・」
「いえ今度からは普通に会いにきてくださいよ。」
「今度は・・・そうします・・・」
「ナリタブルーライト君。どうだい?」
「私でいいなら・・・」
「そうか。時を見て沖野さんに申し込みに行くね。」
「はい。」
そう言って晴山トレーナーは帰っていった。爽やかだ・・・
「ブルーさん・・・おかわり・・・どうですか・・・?」
「あ、いただきます。」
「晴山トレーナー、行った?」
「何してるのフレデリカ。」
「ちょっとね〜」
「フレデリカさんは・・・私のトレーナーに・・・熱烈なスカウトを・・・受けていたんです・・・」
「へぇ・・・」
「あはは〜」
「あまりにも・・・お熱なので・・・私がシメました・・・」
「ああ・・・」
「フレちゃん流石にちょっとテレテレかも〜」
フレデリカ顔が赤い・・・そしてここまで言うスカウト・・・どんなだったんだろう。ちょっと見てみたい。
「まぁ・・・他所のトレーナーの所に・・・行ったんですけどね・・・」
「あはは・・・」
「その時の・・・悔しがり様は・・・見るに耐えませんでした・・・」
「うわ・・・」
あのトレーナーさんが?まじで見てみたくなったな。
「さて・・・どうぞ・・・」
「ありがとう。」
「フレデリカさんも・・・カフェオレおかわりです・・・」
「ありがとう〜」
コーヒー飲みながら穏やかな時間を過ごした・・・
・・・・・・・・
・・・・・・・
・・・・・・
・・・・・
・・・・
・・・
・・
・
その日の夜。お風呂から上がって部屋でまったりしていたらトレーナーから全体LANEが来た。緊急で明日面倒見れないしメニュー用意出来ないから休み、との事。
「ふーん。」
「ま、まれにある事よ。トレーナー何故か人気だから。多分1日出張とかでしょ。」
「そうなんですか。」
稀にある事なのか、じゃあ普通に休んで大丈夫か。
「寝ましょブルー。」
「はい。」
さて・・・寝よう。明日休みになったが平日だ。午後からどうしようかな・・・
「すぅ・・・」
まぁ明日考えればいっか。
⏰
翌日。暇なのだが、他のみんなはトレーニングがある。加蓮と奈緒を誘っておやつ食べに行こうとしたらトレーナーにスカウトされたとのこと。良かったね。
「暇だ・・・」
適当に散歩するか。そうしよう。
「おや。」
「?」
「ナリタブルーライト。」
振り返ったらなんとシンボリルドルフ会長が。どうしたんだろう。校門に何か用かな。
「どうしたんですか・・・?」
「いや・・・ちょっとな。」
「?」
「ちょっと・・・生徒会室が乗っ取られてしまってな・・・」
「!?」
どう言うこと!?大問題じゃないの!?
「も、戻った方が良いのでは・・・」
「いや・・・今日は完全に休みにしろ。貴方には妹がいるだろう?と脅されてしまった・・・」
あ、なんか大した事じゃないんだなってわかった。多分エアグルーヴ先輩辺りが乗っ取ったんだろう。
「流石にスマイルを出されたら私も引き下がるしかない・・・くっ・・・エアグルーヴ・・・私が従わなかったらスマイルに何をするつもりなんだ・・・」
その時、ウマホが鳴った。電話っぽい。私じゃない。
「もしもし・・・」
会長のか。そしてすぐに青い顔をした。
「・・・わかった。スピーカーにする。」
『・・・聞いているか。近くにいるウマ娘。』
「あ、はい。」
『その声・・・ナリタブルーライトか?』
すげーな今の一言でわかったのか。電話の声はエアグルーヴ先輩だ。
『すまないが・・・会長を引き受けてどこかに出かけてくれないか。』
「ああ・・・はい・・・」
『会長。聞こえてますね。従わなければ妹がどうなるか・・・』
「わ、わかった・・・スマイルには手を出すな。」
『それは会長次第です。おい。』
『えへへ・・・お姉ちゃん?』
「スマイル!!!」
『あふ・・・ん・・・お姉ちゃん・・・』
「スマイル!!どうしたんだ!?」
『ん・・・んぅ・・・もぐ・・・』
「スマイル!!返事をしろ!!スマイル!!」
『この通り、妹は私達の手中にあります。さ、会長。行ってください。』
「くっ・・・!!エアグルーヴ・・・!!!」
『スマイルちゃんマフィンよ〜』
『スマイル、こっちはカヌレだ。』
『紅茶よ〜』
『わぁい!』
なんだこの茶番。スマイルは明らかに餌付けされてるでしょ。会長は動揺し過ぎ。そして電話が切れた。
「・・・というわけだ。」
「はぁ・・・」
「ナリタブルーライトはどこに行こうとしてたんだ?」
「急に休みになったので散歩に行こうかなって思ってまして。」
「着いて行っても良いだろうか。」
「良いですよ。」
そして2人で校門を出て、柵沿いに歩き始めた。すると・・・
「ひ、裕美ちゃん・・・見えない・・・」
「ほたるちゃん頑張って・・・もう少し・・・」
「ふええ・・・」
なんか見たことある顔のウマ娘2人が柵の向こうを覗こうと頑張っていた。