シンデレラダービー 〜にゅーじぇねれーしょん〜   作:電動ガン

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メンコっていい匂いしそう。スズカのメンコはすはす。

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第48話 メンコ!

3月になった。というか春休みになった。まぁトレーニングはあるんだけど。ある日のトレーニング終わりに私は聴力検査?みたいなのを受ける事になった。

 

「なにこれ。」

 

「聴力検査・・・だな。」

 

そう言って連れてこられたのは半畳程の個室。多分ゲートくらいの狭さの部屋だ。ヘッドホンも何もない。なにこれ。

 

「中に入ってくれ。」

 

「ええ・・・」

 

「ブルーは別にゲート難なんて事はないだろう?」

 

「そうだけど・・・」

 

なんか圧迫感あって入りたくない。何するのここで。私の知ってる聴力検査じゃない。

 

「ブルーをレース場に連れて行った時もなんともなかったが、これがレースを走るとなったら話は別だ。受けてくれないか?」

 

「・・・わかった。」

 

「あ、そうそう。入る前に。」

 

「?」

 

「ブルー、映画館とか平気か?」

 

「映画館?」

 

こっちではまだ映画とか見に行った事ない。わからない。

 

「行った事無いよ。」

 

「そうか・・・じゃあやっぱりこれは必要だ。ほら入って。」

 

「・・・。」

 

黙って入って小さな椅子に座る。」

 

『ブルー聞こえるか。』

 

「聞こえるよ。」

 

どこかにスピーカーあるの?わからない位置にあるのか・・・?

 

『じゃあ聴力検査始めるぞ。カメラで様子は見てるから安心してくれ。』

 

「わかった。」

 

そして聴力検査が始まった。

 

「・・・?」

 

大分・・・大分小さく・・・わーみたいな歓声が聞こえる。それは徐々に大きくなっていき・・・

 

「!?」

 

ものすごい大音量になった。うるさい!!!私は思わず立ち上がりドアノブに手をかけた。だが開かない。

 

「!?」

 

もはや爆音に包まれた部屋で蹲る。これが聴力検査!?拷問じゃないの!?

 

「・・うう。」

 

そして爆音が収まり、トレーナーがドアを開けてくれた。

 

「ブルー、大丈夫か?」

 

「うう・・・トレーナー!今のなに!?」

 

「何って・・・聴力検査だ。」

 

「拷問でしょ!!!」

 

「まぁ大分わかった事がある。トレーナールームに戻るぞ。」

 

「うん・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

トレーナールームでコーヒーを飲む。うう・・・まだキンキンする・・・

 

「よし、出来た。」

 

「何が?」

 

「ブルー、出掛けるぞ。」

 

「え?」

 

「umacaとウマホ忘れるな。新宿まで行くから。」

 

「わかった。」

 

新宿に何しに行くんだろう。

 

・・・・・・

 

・・・・・

 

・・・・

 

・・・

 

・・

 

 

 

新宿着いた。トレーナーはてくてく歩いていく。それに着いて行くと・・・

 

「ここだ。」

 

「ここ?」

 

そこはウマ娘用品店。結構大きな店だ。何か買うものあるの?

 

「連絡はしてあるから。行くぞ。」

 

「うん。」

 

中に入る。中は蹄鉄やらシューズやら。専門店らしい様相だ。結構賑わってる。

 

「すみません沖野です。メンコの相談の連絡行ってると思うんですけど。」

 

「少々お待ちください。」

 

「メンコ?」

 

「おう。スズカも付けてるだろ?あれをブルーも作る。」

 

「なんで?」

 

「今日やった聴力検査はな、実際にレース場で受ける歓声と同じものなんだ。ブルーはそれで取り乱していた。メンコで完全に防げる訳じゃないがある程度は予防出来る。いちいち歓声で調子崩してられないだろ?」

 

驚いた。あの爆音コースの上で聞くのと同じ物なのか。確かにかなり不快だった。大きな音がこんなに苦手だったなんて・・・ウマ娘になったせいかな。

 

「お待たせしました〜沖野様、こちらのウマ娘さん用ですか?」

 

「はい。分厚めの生地で作ってください。」

 

「かしこまりました〜それじゃウマ娘さん、お名前は?」

 

「ナリタブルーライトです。」

 

「ブルーちゃん!よろしくね〜まずはお耳のサイズ測っていきますね〜」

 

「はい。」

 

メジャーで耳の長さなどを図られて行く。ちょっとくすぐったい。

 

「はい終わりました!それではサイズ合うものをお持ちします〜」

 

「お願いします。」

 

そう言って店員さんはすぐ3つのメンコを持ってきた。ふーん。

 

「まずはこちらを付けてくださ〜い。」

 

「はい。」

 

スポ。両耳に付ける・・・いやどうやって付けるの。

 

「どうだブルー。」

 

「どうやって付けるの。」

 

「あらら〜失礼しますね〜」

 

そう言われて店員さんに付けてもらう。なるほど結構ぐいぐい押し込むのね。

 

「どうですか〜?」

 

「どうだブルー。」

 

「あんまり変わらない。」

 

「そうか・・・」

 

「これじゃ生地が薄いのかもしれませんね〜」

 

スポ!とメンコが取られて別なメンコを付けられる。

 

「今度はどうでしょう〜」

 

さっきよりくぐもって聞こえるが・・・これであの爆音本当に防げるの?

 

「うーん・・・」

 

「微妙そうだな・・・」

 

「では最後の、どうぞ〜」

 

3つ目のメンコを付ける。うわ、ものすごいモコモコ。耳がふわふわする。

 

「どうだブルー。」

 

「え?なに?」

 

「ブルー付け心地はどうだ。」

 

「聞こえない。」

 

「ブルー!!!付け心地!!!どうだ!!!」

 

「うーんモコモコ。それによく聞こえない。」

 

「なるほど。これにします。」

 

「は〜い。ではブルーちゃん。デザイン決めましょうね〜」

 

スポ!とメンコを取られた。あのメンコあったかくていいな。

 

「色はどんなのがいいですか〜」

 

「深い青で。」

 

「デザインはどうですか〜」

 

「うーんあんまり派手なのは。」

 

「ワンポイントどうしますか〜」

 

「うーん。」

 

デザインを決めて行く。多分レース毎に付けるものじゃなくて日々付けるものだと思うからなるべくかっこよくて可愛い物がいい。

 

「それでは〜・・・こんな感じでどうでしょう〜?」

 

「いい感じ。」

 

菱形の星の模様があしらわれて、小さく3つの星のアクセサリーの付いたメンコ。可愛いしかっこいい。

 

「お、いいじゃないか。これにするのか?」

 

「うん。」

 

「じゃあお作りしますね〜1週間ほどおまちください〜」

 

・・・・・・・

 

・・・・・・

 

・・・・・

 

・・・・

 

・・・

 

・・

 

 

1週間後。

 

「ブルー。メンコ届いたぞ。」

 

「ほんと?」

 

小さな箱を開ける。すると梱包材に包まったメンコが姿を現した。むふん。

 

「わー!ブルーちゃんのメンコ可愛いです!」

 

「良いデザインですわね。」

 

「ブルーちゃん良かったわね。」

 

「なんだよーあたしに頼めばもっと派手な奴にしたのにー」

 

「むふん。」

 

早速付ける。モコモコ。あったかい。

 

「ブルーちゃん可愛い!」

 

「え?」

 

「かっこいいですわ。」

 

「なんて?」

 

「ブルーちゃん聞こえてる?」

 

「え?」

 

スポ!とトレーナーにメンコを取られる。

 

「ブルー最初は聞こえづらいと思うがその内慣れる。なるべくメンコ付けて過ごしてくれ。」

 

「わかった。」

 

「(ゴルシちゃん念話できるぜ)」

 

「うわぁ!?」

 

なにそれ!?頭の中に声が響いた。

 

「ゴールドシップさん念話はびっくりさせるからいきなりはダメだと前に言ったではありませんか。」

 

「わりーわりー。」

 

「ブルーちゃん私とお揃いね。」

 

「はい。」

 

スポ。とメンコを付ける。聞こえづらい。本当に慣れるの?

 

「まぁ大きな音に敏感なのは仕方ないですわ。」

 

「映画館で貸してもらえる耳あてと似てる。」

 

「あたしも大昔はメンコ付けてたぜ。」

 

「へ〜」

 

まぁ慣れるって言ってたし。大丈夫か。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翌日、クラスメイトには可愛い可愛い連呼され、キタちゃんとダイヤには私達も欲しいと強請られ、スマイルとミツボシには褒められ、なかなか騒がしい日を送った。そして・・・

 

「慣れてきたな・・・」

 

くぐもったのはそのままだが聞き取れる様になった。まさか1日で。ウマ娘の適応力には驚かされるばかりだ。

 

「ふひょ・・・!」

 

「ん?」

 

なんか物音がしたので廊下で振り向いた。そこにはびくんびくんと痙攣するデジタル。よだれ垂らして白目を剥いている・・・ええ・・・

 

「はひ・・・ブルーさんのメンコ・・・可愛いすぎりゅう・・・うひ・・・ふひ・・・」

 

「・・・。」

 

変態だ・・・私は無視する事にした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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