シンデレラダービー 〜にゅーじぇねれーしょん〜 作:電動ガン
4月になった。もう1年経ったのか。時間が早い。まぁそれは置いといて。今4月の頭なのでそろそろ新入生の合格通知が届く頃。私の時もてんやわんやだったなぁ。
「・・・。」
「ありゃーブルーちゃん・・・」
今日は何故かスカイ先輩とトレーニングしている。なんでもスカイ先輩はトレーナーを決める為に仮契約を繰り返していろんなトレーナーの所で見定めてるんだそうな。
「私、ほとんど置いてかれちゃったよ。」
「まぁ・・・私は本格化して長いですし・・・」
「この遅れを取り戻すのは至難の技だなー。」
「・・・。」
スカイ先輩は沖野トレーナーから渡された仮メニューを熟して一休み。本格化は私の方が早かったがスカイ先輩は底が知れない。まだ私に逃げでも追い込みでも追いつけないが、毎回策を仕込んでてヒヤッとさせられていた。
「よっし。スピカのやり方も大分わかったし。次のトレーナーに行こうかなー」
「頑張ってください。」
「もちろん。でも6月のメイクデビューには間に合いそうにないなー。」
「まぁ・・・それは・・・」
「本格化が遅いって難儀だねー。」
「ううーむ・・・」
本格化の時期は本当に人によってまちまちだ。私は相当早かったんだと思う。
「じゃーね。セイちゃんトレーナーさんに挨拶してくるわー」
「はい。」
そうしてスカイ先輩は去っていった。無事にトレーナー見つかって欲しい。
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ある日。私は図書館で資料を読み漁っていた。来るメイクデビューがどこでやるのかはわからないけど、予想を付けてレース場の勉強だ。
「・・・。」
「りーんちゃん。」
「藍子、どうしたの?」
「何読んでるのかな、と思って。」
「これだよ。」
ヒソヒソ声で本を見せる。福島レース場の資料。
「ふーん・・・メイクデビューですか。」
「うん・・・まだどこでやるかはわからないんだけどね。」
「私は東京から近いといいなー。」
「そうすると激戦区だよ。」
「そうなんですよね・・・でも遠征ってちょっと不安で。」
まぁメイクデビューから遠征はちょっと大変かもしれない。でもレースを走っていたら遠征なんて慣れっこになるんじゃない?
「大丈夫だよ。どうせ走ってたら日本中駆け回る事になるんだから。」
「うーんそうじゃなくて・・・私のんびり屋だから・・・」
この世界でもゆるふわタイムあるの?それは困るな・・・
「うーん・・・ま、そういうとこもトレーナーに任せちゃおう。」
「トレーナーさんって大変ですねぇ。」
「まぁ私達の為に存在するんだから。存分に使えば良いと思うよ。」
「そうですか・・・」
そう言って藍子は本を抱えて去っていった。遠征か。私も近いとこがいいけど。なんだかなぁ。
「・・・。」
ま、何処になっても頑張るだけだ。メイクデビューから躓くような事は避けたいな。
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またある日。今日はコースでの走り込みがメニューに書かれていたので予約を取ってあるコースへ向かった。うん。結構走ってるな。
「よし。準備運動して・・・」
いっちに。いっちに。アップは念入りに。怪我の防止になるからね。怪我なんてしたくない。40分ほど掛けてアップしてコースの中に入ろうとすると、金毛の髪がこちらに迫っていた。なに!?
「凛ちゃぁぁぁ〜〜〜ん。」
「うわ!?フレデリカ!?」
「凛ちゃん!!!」
ぎゅ〜〜〜っと抱きしめられた。フレデリカコース周回中じゃないの。
「う〜〜〜ん。」
「く、苦しい・・・」
「あ!ごめ〜んね?」
「ぷは・・・どうしたの?」
「見つけたから来ちゃった!」
「はぁ・・・」
「あはは〜」
「おーいフレちゃん。」
「あ!トレーナー!」
フレデリカのトレーナーは初めて見るな。金髪、青い目、外人さん?
「やぁ僕は結目。君は?」
「ナリタブルーライト。チーム・スピカです。」
「よろしくナリタブルーライトさん。フレちゃんが邪魔してごめんね?」
「いえ・・・」
この人外人かと思ったら名前が日本人だった。ハーフなのかな。
「・・・?」
「あっ・・・」
「ああ、この髪ね。僕のお父さんがフランス人なんだ。ハーフなんだよね。」
「すみません・・・」
「良いんだ!事実目立つからね。」
「ね〜トレーナー?今日のご褒美なーに?」
「今日のメニューをちゃんと熟したら、きゃらめるハウスのキャラメルラテとロールケーキだよ。」
「わーお!フレちゃん元気になった!行ってきまーす!」
ぴゅーんとコースに戻って行くフレデリカ。現金だなぁ・・・
「じゃあ僕も行くね。」
「あ、はい。」
結目トレーナーもフレデリカを追って行ってしまう。私も始めよう。
「よし。」
今日は20キロメートル走れって言われてるし。頑張らなきゃ。
⏰
「はふ・・・ふぅ。」
20キロ終わり。スタミナ作りだから一気にやり切った。疲れた。
「ごく・・・」
カバンから水を取り出し一気飲み。美味い。
「ぷは・・・」
「おーいブルー。」
「!」
沖野トレーナーだ!こないだの注射からなんか警戒してしまうな。
「うー!」
「威嚇するなよ・・・今日は注射じゃないよ。」
「じゃあなに?」
「蹄鉄がそろそろ使用限界だと思ってな。大分取り替えてないだろ。」
「あっ・・・」
そういえば取り替えてない。シューズを脱いで見てみると蹄鉄がペラペラ。これは危ない。
「やっぱりな。トレーナールーム来いよ。付け替えるから。」
「わかった。」
トレーナールームに戻った。
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・・・・・・
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「ひゃっほおおおおおう!!!」
「いえええええええ!!!!」
「ふっっふうううううう!!!」
トレーナールームは阿鼻叫喚だった。やたらとテンションが高いゴルシ、ウオッカ先輩、メジャー先輩。何事?
「なんだお前ら何してるんだ?」
「おおおおおおおお!!!!トレピッピ!!!あたし今焼きそば30000個は売れそう!!!!」
「いやトレーニングしろよ。」
「うおおおおおおおお!!!!今ならバイクより速く走れる!!!!!」
「ウオッカ、お前元からバイクより速く走れるだろ。」
「アタシさまスプリンターズステークス勝てそう!!!」
「お前一回勝ってるだろ。」
なんだなんだ。なんでこんな元気なんだ。ふとテーブルを見ると・・・空になったパフェグラス。
「あ!!お前ら!!!やる気アップスイーツ食べたな!?!?」
「え、なにそれ。」
「たづなさんが売ってるんだよ。ウマ娘が元気になるスイーツ。カフェテリアで受け取るんだ。」
「へぇ・・・」
そんなのがあるのか。ちひろさんのスタドリみたいなものかな?プロデューサーがいつもすごい本数飲んでたの思い出す。
「まずい・・・あれはレース前に食わせる物なのに・・・お前ら!!!なんでもない日に食べやがって!!!」
「いええええええええ!!!!!」
「ふうううううううう!!!!!」
「やっほおおおおおお!!!!!」
このテンションの上がり様は何か危ない薬でも入ってるんじゃないかと怪しむ他無い。やばいでしょ。
「すみませんちひろです、駿川さんからやる気アップスイーツの申請があったと聞きまして・・・」
「あ!ちひろさん!こいつらが勝手にやりまして・・・」
「まぁ・・・トレーナーさんもこのテンションに着いて行くのは大変でしょう。そんな貴方に!このスタドリは如何ですか?」
「え?スタドリ?」
「はい!これを飲めば眼精疲労から骨折まで治るすごいドリンクですよ!」
「ええ・・・」
ちひろさんこっちでも売ってるのか。大丈夫?
「ちょっとちひろさん。それ大丈夫なの?」
「大丈夫ですよ。前世でプロデューサーさんが飲んでた本物程ではないですけど。」
「ええ・・・」
「ささ!トレーナーさん!ぐいっと!普段なら300円ですけど今ならサービスです!」
「じゃあ・・・頂きます。」
トレーナーはぐいっとスタドリを飲んだ。
⏰
「ひゃっほおおおおおおおう!!!!!!」
「いええええええええええい!!!!!!」
「やっほおおおおおおおおう!!!!!!」
「最強うううううううううう!!!!!!」
ハイテンションが4人になった。もうダメだこりゃ。装蹄どころではない。
「うーんおかしいですね・・・こんな元気になる成分入ってないんですけど・・・」
「ええ・・・どんな物なんですか。ちひろさん。」
「中身はウマビタンBと一緒ですよ。トレセン仕様でスタドリって名前なんです。プラシーボこわぁ・・・」
「はぁ・・・」
今日はもう仕事にならないな。装蹄は明日にしてもらおう・・・と思ったら。この騒ぎは1週間続くのであった。スズカ先輩が嫌そうな顔してたのが笑う。