シンデレラダービー 〜にゅーじぇねれーしょん〜   作:電動ガン

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もう入学の話してる

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第53話 新学期

4月の半ば。春休みが終わり、入学式があった。後輩達が入ってきて、私の学年がひとつあがった。

 

「うーん。」

 

「凛ちゃん。次、移動教室だよ。」

 

「ん、わかった。泉。」

 

新しいクラスで去年見つけられなかった泉、さくら、亜子が同じクラスになった。前世では年は同じでも学年は違った筈なんだけど・・・誕生日も前世と一緒なだけに謎が増えてる。

 

「なんや凛さん。まだ眠たい?」

 

「そうだね亜子・・・連日トレーニングしんどくて。」

 

「わぁ私達も頑張ってるけどそんな強度高くやってないなぁ。」

 

「さくら達は本格化がまだだからでしょ。」

 

「そっかぁ〜」

 

まぁぼちぼちやっている。そして同じクラスになった同僚はもう1人・・・

 

「凛ちゃん。」

 

「響子。」

 

響子である。スマイルが散々探して見つからなかった響子がいるのだ。なんで見つからなかったかと言うと、寮が違くて、トレーニング後も寮の掃除や洗濯、料理のお手伝いで他には目もくれず帰っていたかららしい。家事好きは前世と一緒のようだ。

 

「凛ちゃん、おにぎり食べる?」

 

「え?おにぎり?」

 

「うん。昨日寮で作った炊き込みご飯が余って作ってきたの。まだ3つあるからひとつどうぞ?」

 

「じゃあもらおうかな。」

 

響子から炊き込みご飯のおにぎりをもらい、移動教室の準備。このおにぎり美味っ。

 

「もふもふ。」

 

「ふふ、喉に詰まっちゃうよ。」

 

「ごくん。美味しいよ響子。」

 

「ありがと。行こう?」

 

「うん。」

 

そんなこんな新年度を過ごしている。だが私はメイクデビューの準備でトレーニングがなかなか仕上がって来ている。手を抜けない。それに勉強も難しくなった。前世に無いレース知識の部分が私を困らせている。まぁレースを走る学校だから仕方ないけど、このレース知識、週12コマもあって量も質もあるからほんと困る。テストも大変。頑張らないと・・・

 

・・・・・・

 

・・・・・

 

・・・・

 

・・・

 

・・

 

 

今日も今日とてトレーニングだ。がんばるぞー。おー。

 

「よし。」

 

もらったトレーニングメニューを眺める。ふむふむ。タイヤ引きと坂路。それが終わったらみんなのとこで水風船避け。げっ、タオル2枚しか持ってきてないよ。

 

「・・・。」

 

まぁいいか。さっさと熟しちゃおう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ふぅーーーーー・・・」

 

よし終わり。みんなのところ行こう。

 

「よう。ブルー。」

 

「待ってましたわ。」

 

今日のピッチャーはマック先輩か。まいったなぁ。タオル2枚じゃ足りないぞ。

 

「さて、さっそく行きますわよ!!」

 

「はい。」

 

「その前にブルー。」

 

「?」

 

トレーナーが私のおでこに手を当て、自分のおでこと比べて熱を測っている。うそ、熱ある?

 

「・・・気のせいか。」

 

「ほっ・・・」

 

「うーんマックイーン、今日の水風船避けは中止だ。」

 

「えー!」

 

「え、大丈夫だよトレーナー。」

 

「いや・・・今日のトレーニングやってるところを少し見たがいつもより息が切れるのが早かった。もしかしたら感冒の予兆かもしれない。」

 

「感冒?」

 

「風邪の事だよ。今日は休め。」

 

「・・・わかった。」

 

「じゃあ私は鬱憤晴らしにそこら辺の木にぶつけて来ますわ。」

 

「こら勿体ない事すんな!」

 

「よよよ・・・」

 

「ブルー、トレーナールームに葛根湯あるから飲んで行け。」

 

「わかった。」

 

今日の水風船投げは中止になった。流石に風邪の予兆があるのにびしょ濡れはまずいだろうしね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

トレーナールーム戻ってきた。さて葛根湯はどこにあるんだ。

 

「うーん・・・」

 

引き出しをゴソゴソと漁るが見当たらない。どこだ?

 

「むぅ・・・」

 

「あー疲れたわー」

 

「あ、メジャー先輩。」

 

「およブルー。どした?」

 

「葛根湯どこにあるのか知りません?」

 

「かっこんとう。」

 

不思議顔のメジャー先輩。知らないっぽいな。

 

「バカ姉はバカだから葛根湯のお世話になった事は無いわよ。」

 

「スカーレット先輩。」

 

「何おう!!!」

 

「事実でしょ。葛根湯はここよ。」

 

そう言って来客用のお茶とか置いてある棚をゴソゴソするスカーレット先輩。

 

「あった。」

 

「おお。」

 

「はい。風邪気味なのブルー?」

 

「いや、風邪引きそうだってトレーナーが。」

 

「・・・。」

 

スカーレット先輩が私のおでこにおでこくっつけて熱を測る。

 

「熱は無い・・・でもトレーナーの予想って結構当たる確率高いのよね。」

 

「そうなんですか。」

 

「今日か明日には熱出すと思うわ。今日はもう寝てなさい。」

 

「はい。」

 

「おいこらアタシ様を無視するな!」

 

「バカ姉は黙ってて。」

 

「またバカって言ったな!?」

 

ギャーギャー騒ぐメジャー先輩。2人は冷蔵庫からドリンクを出してクーラーボックスに詰めると行ってしまった。そうか。トレーナーの予想は当たるのか。

 

「・・・。」

 

嫌だな・・・熱出すの。なんとかならないかな。

 

「・・・むぅ。」

 

まぁいい。今日は早く帰って寝とこう・・・

 

・・・・・・・・・

 

・・・・・・・・

 

・・・・・・・

 

・・・・・・

 

・・・・・

 

・・・・

 

・・・

 

・・

 

 

その日の夜。私はトレーナーの予想通りに熱を出した。

 

「うーん・・・」

 

「やっぱりね。」

 

マスクを付けたスカーレット先輩に氷枕を用意してもらった。昼間は寒気もダルさも無かったのになんでわかったんだろう。

 

「はい薬。」

 

「ありがとうございます・・・」

 

「たづなさんに連絡して授業欠席の申請してもらったから。大人しくしときなさいよ。」

 

「すみません・・・」

 

「良いから。じゃ、寝るわよ。」

 

「はい・・・」

 

電気を消す。そしてそのまま目を瞑り、熱で頭痛がするなかなんとか寝ようとした。

 

「・・・。」

 

頭痛い・・・薬が効いてくるまでまだ掛かるな・・・

 

「・・・。」

 

少し・・・眠くなった・・・このまま・・・

 

「すぅ・・・」

 

明日は・・・もうちょっと楽になってるといいな・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「凛。」

 

・・・プロデューサー?

 

「凛。」

 

どうしたのプロデューサー、そんな遠くで。

 

「凛。お前なら出来る。」

 

何が?あんまりよく聞こえないよ。

 

「凛。俺たちは、そっちへ辿り着けなかった。」

 

なに?プロデューサー。こっちに来てよ。もっと近くで顔見せて。

 

「凛。」

 

だから何。

 

「ちひろさんを、解放してやってくれ。」

 

ちひろさん?なんで?

 

「ちひろさんは、もう十分苦労した。こっちでも、そっちでも。」

 

どう言うこと?ちひろさん、何したの?

 

「凛、頼む。」

 

待ってよプロデューサー。どこ行くの。

 

「凛、みんなにも頼むが、お前も頼りだ。」

 

プロデュ・・・いやプロデューサーのみんな。

 

「凛。」

 

「渋谷さん。」

 

「凛ちゃん。」

 

「渋谷。」

 

「凛。」

 

「凛さん。」

 

「凛ちゃん。」

 

「渋谷ちゃん。」

 

「渋谷さん。」

 

「凛ちゃん。」

 

うわああああああ頭に一気に流れ込んでくる。

 

「ちひろさんを・・・頼む。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はっ。」

 

起きた。スカーレット先輩はまだ寝てる。

 

「熱は・・・」

 

体温計で測る・・・38.9分。人間だったら高熱だけど私はウマ娘。ちょっとまだ熱あるかなってくらい。

 

「ふう・・・」

 

顔洗お。ちょっと汗かいたかも。ついでに体も拭こう。

 

「よし・・・」

 

洗面所でお湯を出して・・・ジャージを脱ぐ、ちょっと冷えた。

 

「うーん結構汗かいたな・・・」

 

あの夢はなんだったんだろう。プロデューサーが・・・いや、プロデューサーのみんなが。ちひろさんを頼むって・・・ちひろさん、こっちでも元気にやってると思うけどなぁ。

 

「ん・・・」

 

体を拭いて、顔を洗う。スッキリ。

 

「もう一眠りしよう・・・」

 

ベッドに戻って、目を閉じる。すぐに眠気が襲ってきた。体力が落ちたみたいだ。

 

「うう・・・ん・・・」

 

今度はさっきみたいな夢見ないといいな。久しぶりの再会だけど気持ち悪かった。

 

・・・・・・・

 

・・・・・・

 

・・・・・

 

・・・・

 

・・・

 

・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜???side〜

 

「まだ・・・ですね・・・」

 

役者が揃うのはまだ。もう少し、もう少しなんだ。

 

「でも、大学部があったのは幸運でした。」

 

これで揃う。揃えば・・・私の勝ちみたいな物だ。

 

「ふふふ・・・うふふ・・・」

 

ああ・・・早くみんなに会いたい。みんなに会って・・・そして・・・

 

「輝きの、向こう側へ。」

 

そう、あそこへ。辿り着きたいのだ。私は。

 

「待っていてくださいね。プロデューサーのみんな。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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