シンデレラダービー 〜にゅーじぇねれーしょん〜 作:電動ガン
5月の半ば。NHKマイルカップがあり、美嘉が勝った。美嘉はダービー出ないらしい。ふーん。
「ふーん・・・」
「美嘉ちゃん凄かったですね!」
「流石美嘉ねーだ!」
カフェテリアで新聞を見ながらいつもの3人でお茶。コーヒー美味い。
「まゆはダービーか。」
「ですね。」
「ままゆはダービーかぁすごいなぁ。」
「来年は私達だよ。」
「だといいなぁ。」
「まぁ・・・でも・・・」
「今は・・・」
「メイクデビュー・・・」
そうだ。まずはメイクデビューだ。あと1ヶ月も無い。どうなることやら・・・流石にメイクデビューで同僚と当たる事は避けたい。が・・・ほんとにどうなることやら・・・
「みんな〜!」
「ファル子先輩!」
「こんにちはファル子先輩!」
「こんにちは!」
「みんなもうすぐメイクデビューだね!」
「はい!」
「頑張ります!」
「私も!」
「うんうん!そんなみんなに私からのアドバイス!」
「え?」
「なんですか?」
「?」
ファル子先輩はスゥッと息を吸うと・・・ゴアッと気迫が溢れ出した。
「絶対に。絶対に他の皆を叩き潰す感覚を忘れないこと。」
「・・・!」
「え・・・」
「う・・・」
「忘れないで。レースの勝者は。誰かを踏み躙って立ってるの。」
「・・・はい。」
「・・・。」
「はい・・・」
「・・・さて!」
ふわっとファル子先輩の気迫が霧散する。いつものファル子先輩だ。
「みんなの勝利ライブの準備しておくからね!」
「勝利ライブ?」
「うん!また路上ライブしよ!」
「怒られたんじゃぁ・・・」
「大丈夫大丈夫!一回怒られるくらいへーきへーき!」
「いや・・・それ・・・私達も怒られる・・・」
「わぁっ!やりましょう!」
「やろうやろう!」
「はぁ・・・2人とも・・・」
「がんばろーね!」
「はい!」
「はーい!」
「はぁ・・・」
勝利ライブ・・・また路上ライブか。エアグルーヴ先輩にまた怒られる・・・まぁでも準備してくれるっていうし、ライブやりたかったし。たまには良いか。
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・・・・・・・
・・・・・・
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・・・・
・・・
・・
・
トレーニング。私のメイクデビューが近いからトレーナーが新入生より私に付いてくれている。
「よし。良いぞブルー。」
「はぁ・・・ふぅ・・・うん。」
「メイクデビューまで後少しだ。このまま仕上げて行くぞ。」
「わかった。」
メイクデビューは万全にしたい。不安要素は・・・やはり同僚。同僚はみんな強い。出走が被ったら勝率がグンと下がる。だがこればっかりは天に祈るしかない。
「・・・。」
「作戦はどうする?逃げか・・・追い込みか・・・」
「それは・・・トレーナーがパドックで見て決めて。」
「わかった。」
「・・・ふぅ。」
来月の頭になったら出走表が出る。それを見て・・・覚悟を決めよう。
「ブルー、スズカが来たらもう一度やるから。水飲んで休憩しろ。」
「うん。」
そして、水飲んで休憩。スズカ先輩が来たら、追い込みと逃げの特訓をやるらしい・・・スズカ先輩全然追いつけないけど。
「うーん・・・いや困ったなブルーの適正は・・・」
「何?」
「逃げと追い込みの脚質。そして適正じゃない距離。どう足掻いても距離はマイルになるし、脚質は合わなかったから最悪だ。こんなに難しいレースをする事になるのは初めてだ。」
「うん・・・」
「まぁ・・・そこは全部俺に任せろ。勝つのが難しいだけで勝てないわけじゃない。ジュニア期は辛いかもしれんが・・・そこさえ抜ければブルーの独壇場と行ってもいい。」
「そうかな・・・」
「そうだ・・・何より、楽しく走ってくれれば。俺はそれでいい。」
「楽しく、か・・・」
楽しく・・・どうすれば楽しいかな。好きな様に走れば・・・楽しいかな・・・
「・・・。」
「どうした?」
「楽しくって・・・どうすればいい?」
「そうだなー・・・好きな様に走ってもいいし、相手に委ねても良い。好きな相手と走れれば楽しいって奴もいるぞ。」
「そっか・・・」
「ブルーは無いか?そういうの。」
「うーん・・・」
「どうだ?」
「私は・・・強い相手が良い。強い相手と戦って・・・勝つのが楽しい・・・と思う。」
「そっか・・・好戦的だなぁ〜」
「もう!いいでしょ!」
「そうだな!じゃあまずスズカに勝てる様になってみるか!」
「え。」
無理でしょ。何言ってんのトレーナー。強い相手っていうのは私と同世代でっていう意味だよ。
「すみません、遅れました。」
「おう来たか。スズカ。」
「あの・・・これ・・・」
「ん?なんだこれ。」
「フクキタルから・・・今日のブルーちゃんの運勢を占ってもらったら・・・固いグミを食べるのが吉だって。」
「あー・・・ブルー?」
「ええ・・・」
「ブルーちゃん、一口食べてみる?」
「じゃあ・・・いただきます。」
あむ。甘い。みかん味のグミ。
「ふふふ・・・」
「スズカ・・・占い、信じてるのか?」
「だって・・・神戸新聞杯覚えてますか?大大大吉って占いにでたフクキタルに、私負けてるんですよ?」
「あいつも不思議なウマ娘だよな・・・スズカのスパートに追いつく末脚って・・・なんだあれ・・・」
「それ以降少し信じる事にしたんです。」
「そうか・・・」
このグミ美味しい。もう一個食べよ。
「あむ。」
「よし。ブルー。行くぞ。」
「うん。」
こうしてスズカ先輩とトレーニングした。なんと。一回だけだがスズカ先輩に先着した。グミの効果かな?それ以降ムキになったスズカ先輩を差し切る事は出来なかった。
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・・・・・・・
・・・・・・
・・・・・
・・・・
・・・
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5月後半ダービーの日。まゆ、フレデリカ、芳乃、翠が出走する。誰が勝つかわからないな・・・
「どきどきします!」
「おーみんな出てきたよ!」
寮のテレビで観戦中。いつもの3人。あと寮のみんな。今年のダービーバが誰になるのかみんな気になっている。
「すげーこれがダービーかぁ。」
「あはは〜ミッちゃんもダービーは気分違うかな?」
「はいスカイ先輩!目標は秋の天皇賞だけどやっぱりダービーも出たい!」
「強欲だな〜でもそういう強欲さって大事だよ。」
「はい!」
「ブルーちゃんもダービー出たい?」
「ですね・・・ネイチャ先輩。中距離はどうなるかわからないんですけど・・・」
「そっか。まぁ憧れる分にはただだよ。」
「スマイル・・・あれ?スマイル?」
ふと見るとスマイルがいない。どこ行った?
「あそこ。キングといる。」
「あ。」
まぁいいか。その時、テレビからファンファーレが流れた。もうすぐ出走だ。
「はじまるよ!」
「わー。」
ゲートイン・・・
「出た!」
「あれ?まゆ!?」
まゆがなんとハナを切った。なんで!?今まで差しだったよね!?
「どうしたんだろう・・・」
「何か作戦かな。」
「どうなってますか?」
「まゆが逃げた。」
「え?」
まゆはどんどん先頭を駆けていく。どうなるんだ・・・?
「もう800メートル・・・」
「まゆが先頭以外は普通だ。」
「まゆちゃんが逃げなんて・・・どうしたんだろう。」
もう1200を過ぎた。まだまゆは先頭。というかリードを開き始めた。そのまま行ける・・・?
「2000を過ぎました!」
「そろそろ後ろが来るんじゃない・・・?」
「そうだね・・・」
フレデリカと芳乃が迫り始めた。芳乃あんな走り出来たんだ。のんびりしてるからレースとか出来ないと思ってたよ。
「まゆちゃん!」
「いけっ・・・まゆ・・・!」
「ままゆいけー!!!」
リードを切り崩しながらまゆはまだ先頭。だがやはり逃げは適正じゃ無いと思う。かなり走りづらそう。
「残り200!」
「どきどきだ・・・!」
「まゆちゃんダービーバですか!?」
「いや!フレデリカが来たよ!」
まゆにフレデリカが迫る・・・そして、並んだ。残り50。フレデリカか・・・まゆか。
「ゴールしました!」
「どっち!?どっちが勝った!?」
「わかんない!」
判定は・・・写真。1着2着が写真。3着は芳乃で・・・翠は6着。
「・・・。」
「・・・。」
「・・・。」
「いや長くない?」
長い・・・どうなった。どうなった?
『1着は!!!ハナ差でニッポーママユ!ハナ差5センチでニッポーママユ!!』
「まゆちゃん!良かったぁ・・・」
「フレデリカは惜しかったね。」
「すごいなー。」
今年はまゆがダービーバか・・・良かったね。まゆ。来年は私がダービーバになってやるんだから。