シンデレラダービー 〜にゅーじぇねれーしょん〜   作:電動ガン

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時間経過早すぎてコントロール出来ない。これが作品が勝手に進むと言うことか・・・

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第58話 5月の半ば

5月の半ば。NHKマイルカップがあり、美嘉が勝った。美嘉はダービー出ないらしい。ふーん。

 

「ふーん・・・」

 

「美嘉ちゃん凄かったですね!」

 

「流石美嘉ねーだ!」

 

カフェテリアで新聞を見ながらいつもの3人でお茶。コーヒー美味い。

 

「まゆはダービーか。」

 

「ですね。」

 

「ままゆはダービーかぁすごいなぁ。」

 

「来年は私達だよ。」

 

「だといいなぁ。」

 

「まぁ・・・でも・・・」

 

「今は・・・」

 

「メイクデビュー・・・」

 

そうだ。まずはメイクデビューだ。あと1ヶ月も無い。どうなることやら・・・流石にメイクデビューで同僚と当たる事は避けたい。が・・・ほんとにどうなることやら・・・

 

「みんな〜!」

 

「ファル子先輩!」

 

「こんにちはファル子先輩!」

 

「こんにちは!」

 

「みんなもうすぐメイクデビューだね!」

 

「はい!」

 

「頑張ります!」

 

「私も!」

 

「うんうん!そんなみんなに私からのアドバイス!」

 

「え?」

 

「なんですか?」

 

「?」

 

ファル子先輩はスゥッと息を吸うと・・・ゴアッと気迫が溢れ出した。

 

「絶対に。絶対に他の皆を叩き潰す感覚を忘れないこと。」

 

「・・・!」

 

「え・・・」

 

「う・・・」

 

「忘れないで。レースの勝者は。誰かを踏み躙って立ってるの。」

 

「・・・はい。」

 

「・・・。」

 

「はい・・・」

 

「・・・さて!」

 

ふわっとファル子先輩の気迫が霧散する。いつものファル子先輩だ。

 

「みんなの勝利ライブの準備しておくからね!」

 

「勝利ライブ?」

 

「うん!また路上ライブしよ!」

 

「怒られたんじゃぁ・・・」

 

「大丈夫大丈夫!一回怒られるくらいへーきへーき!」

 

「いや・・・それ・・・私達も怒られる・・・」

 

「わぁっ!やりましょう!」

 

「やろうやろう!」

 

「はぁ・・・2人とも・・・」

 

「がんばろーね!」

 

「はい!」

 

「はーい!」

 

「はぁ・・・」

 

勝利ライブ・・・また路上ライブか。エアグルーヴ先輩にまた怒られる・・・まぁでも準備してくれるっていうし、ライブやりたかったし。たまには良いか。

 

・・・・・・・・

 

・・・・・・・

 

・・・・・・

 

・・・・・

 

・・・・

 

・・・

 

・・

 

 

 

トレーニング。私のメイクデビューが近いからトレーナーが新入生より私に付いてくれている。

 

「よし。良いぞブルー。」

 

「はぁ・・・ふぅ・・・うん。」

 

「メイクデビューまで後少しだ。このまま仕上げて行くぞ。」

 

「わかった。」

 

メイクデビューは万全にしたい。不安要素は・・・やはり同僚。同僚はみんな強い。出走が被ったら勝率がグンと下がる。だがこればっかりは天に祈るしかない。

 

「・・・。」

 

「作戦はどうする?逃げか・・・追い込みか・・・」

 

「それは・・・トレーナーがパドックで見て決めて。」

 

「わかった。」

 

「・・・ふぅ。」

 

来月の頭になったら出走表が出る。それを見て・・・覚悟を決めよう。

 

「ブルー、スズカが来たらもう一度やるから。水飲んで休憩しろ。」

 

「うん。」

 

そして、水飲んで休憩。スズカ先輩が来たら、追い込みと逃げの特訓をやるらしい・・・スズカ先輩全然追いつけないけど。

 

「うーん・・・いや困ったなブルーの適正は・・・」

 

「何?」

 

「逃げと追い込みの脚質。そして適正じゃない距離。どう足掻いても距離はマイルになるし、脚質は合わなかったから最悪だ。こんなに難しいレースをする事になるのは初めてだ。」

 

「うん・・・」

 

「まぁ・・・そこは全部俺に任せろ。勝つのが難しいだけで勝てないわけじゃない。ジュニア期は辛いかもしれんが・・・そこさえ抜ければブルーの独壇場と行ってもいい。」

 

「そうかな・・・」

 

「そうだ・・・何より、楽しく走ってくれれば。俺はそれでいい。」

 

「楽しく、か・・・」

 

楽しく・・・どうすれば楽しいかな。好きな様に走れば・・・楽しいかな・・・

 

「・・・。」

 

「どうした?」

 

「楽しくって・・・どうすればいい?」

 

「そうだなー・・・好きな様に走ってもいいし、相手に委ねても良い。好きな相手と走れれば楽しいって奴もいるぞ。」

 

「そっか・・・」

 

「ブルーは無いか?そういうの。」

 

「うーん・・・」

 

「どうだ?」

 

「私は・・・強い相手が良い。強い相手と戦って・・・勝つのが楽しい・・・と思う。」

 

「そっか・・・好戦的だなぁ〜」

 

「もう!いいでしょ!」

 

「そうだな!じゃあまずスズカに勝てる様になってみるか!」

 

「え。」

 

無理でしょ。何言ってんのトレーナー。強い相手っていうのは私と同世代でっていう意味だよ。

 

「すみません、遅れました。」

 

「おう来たか。スズカ。」

 

「あの・・・これ・・・」

 

「ん?なんだこれ。」

 

「フクキタルから・・・今日のブルーちゃんの運勢を占ってもらったら・・・固いグミを食べるのが吉だって。」

 

「あー・・・ブルー?」

 

「ええ・・・」

 

「ブルーちゃん、一口食べてみる?」

 

「じゃあ・・・いただきます。」

 

あむ。甘い。みかん味のグミ。

 

「ふふふ・・・」

 

「スズカ・・・占い、信じてるのか?」

 

「だって・・・神戸新聞杯覚えてますか?大大大吉って占いにでたフクキタルに、私負けてるんですよ?」

 

「あいつも不思議なウマ娘だよな・・・スズカのスパートに追いつく末脚って・・・なんだあれ・・・」

 

「それ以降少し信じる事にしたんです。」

 

「そうか・・・」

 

このグミ美味しい。もう一個食べよ。

 

「あむ。」

 

「よし。ブルー。行くぞ。」

 

「うん。」

 

こうしてスズカ先輩とトレーニングした。なんと。一回だけだがスズカ先輩に先着した。グミの効果かな?それ以降ムキになったスズカ先輩を差し切る事は出来なかった。

 

・・・・・・・・

 

・・・・・・・

 

・・・・・・

 

・・・・・

 

・・・・

 

・・・

 

・・

 

 

5月後半ダービーの日。まゆ、フレデリカ、芳乃、翠が出走する。誰が勝つかわからないな・・・

 

「どきどきします!」

 

「おーみんな出てきたよ!」

 

寮のテレビで観戦中。いつもの3人。あと寮のみんな。今年のダービーバが誰になるのかみんな気になっている。

 

「すげーこれがダービーかぁ。」

 

「あはは〜ミッちゃんもダービーは気分違うかな?」

 

「はいスカイ先輩!目標は秋の天皇賞だけどやっぱりダービーも出たい!」

 

「強欲だな〜でもそういう強欲さって大事だよ。」

 

「はい!」

 

「ブルーちゃんもダービー出たい?」

 

「ですね・・・ネイチャ先輩。中距離はどうなるかわからないんですけど・・・」

 

「そっか。まぁ憧れる分にはただだよ。」

 

「スマイル・・・あれ?スマイル?」

 

ふと見るとスマイルがいない。どこ行った?

 

「あそこ。キングといる。」

 

「あ。」

 

まぁいいか。その時、テレビからファンファーレが流れた。もうすぐ出走だ。

 

「はじまるよ!」

 

「わー。」

 

ゲートイン・・・

 

「出た!」

 

「あれ?まゆ!?」

 

まゆがなんとハナを切った。なんで!?今まで差しだったよね!?

 

「どうしたんだろう・・・」

 

「何か作戦かな。」

 

「どうなってますか?」

 

「まゆが逃げた。」

 

「え?」

 

まゆはどんどん先頭を駆けていく。どうなるんだ・・・?

 

「もう800メートル・・・」

 

「まゆが先頭以外は普通だ。」

 

「まゆちゃんが逃げなんて・・・どうしたんだろう。」

 

もう1200を過ぎた。まだまゆは先頭。というかリードを開き始めた。そのまま行ける・・・?

 

「2000を過ぎました!」

 

「そろそろ後ろが来るんじゃない・・・?」

 

「そうだね・・・」

 

フレデリカと芳乃が迫り始めた。芳乃あんな走り出来たんだ。のんびりしてるからレースとか出来ないと思ってたよ。

 

「まゆちゃん!」

 

「いけっ・・・まゆ・・・!」

 

「ままゆいけー!!!」

 

リードを切り崩しながらまゆはまだ先頭。だがやはり逃げは適正じゃ無いと思う。かなり走りづらそう。

 

「残り200!」

 

「どきどきだ・・・!」

 

「まゆちゃんダービーバですか!?」

 

「いや!フレデリカが来たよ!」

 

まゆにフレデリカが迫る・・・そして、並んだ。残り50。フレデリカか・・・まゆか。

 

「ゴールしました!」

 

「どっち!?どっちが勝った!?」

 

「わかんない!」

 

判定は・・・写真。1着2着が写真。3着は芳乃で・・・翠は6着。

 

「・・・。」

 

「・・・。」

 

「・・・。」

 

「いや長くない?」

 

長い・・・どうなった。どうなった?

 

『1着は!!!ハナ差でニッポーママユ!ハナ差5センチでニッポーママユ!!』

 

「まゆちゃん!良かったぁ・・・」

 

「フレデリカは惜しかったね。」

 

「すごいなー。」

 

今年はまゆがダービーバか・・・良かったね。まゆ。来年は私がダービーバになってやるんだから。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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