シンデレラダービー 〜にゅーじぇねれーしょん〜   作:電動ガン

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ちひろさんの呪い


間話 真名:シンデレラバトン

きらきら

 

きらきら

 

良いなぁ。それ。私も欲しい。

 

きらきら

 

きらきら

 

綺麗だなぁ。どうして私は持ってないの?

 

きらきら

 

きらきら

 

「ちひろさん。」

 

違う。私はシンデレラバトン。輝きを欲する者。

 

きらきら

 

きらきら

 

私も欲しい。きらきら。みんな持ってた。私も欲しい。

 

きらきら

 

きらきら

 

どうして・・・私には、きらきら・・・無いんだろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「むにゃ・・・」

 

朝5時。今日も目覚ましが鳴る前に起きた。まぁいつものルーティンだし。遅刻するよりはいいよね。

 

「・・・よし。」

 

シャワーを浴びて、スキンケアして、尻尾のお手入れして、お化粧して、いつもの服に着替えて。出勤!

 

「おはようございます!」

 

トレセン学園の前で先輩のたづなさんと挨拶運動。みんな元気だ。良いな・・・っと私はまだ若い。

 

「おはようございます!」

 

おはよう。おはよう。おはよう。みんなに元気に挨拶する。どうか、私の現役時代みたいな事にはなりませんように。

 

「おっと。」

 

風が吹いた。帽子が飛ばされそうになる。隠してるわけじゃないけど。耳が露出するのはなんか・・・いや。

 

「おはようございます!」

 

元気に挨拶。朝から元気が良いと。その日一日元気でいられる。

 

「おはようございます!」

 

「!」

 

きらきら

 

きらきら

 

きらきらだ!私も・・・欲しい。きらきら・・・おっと。

 

「・・・。」

 

頭を振って、頭の中を整理する。もう・・・きらきらは良いんだ。私は手に入らなかった。でも・・・

 

きらきら

 

きらきら

 

きらきら・・・欲しい・・・どうやったら手に入るの?きらきら・・・

 

「ちひろさん?」

 

「あっ・・・はい!」

 

「ふふ。まだ眠かったですか?」

 

「そうですねー起きがけのコーヒーを飲まなかったのでちょっとまだ・・・」

 

「あらあら。じゃあ授業が始まったらカフェテリアでコーヒー飲んでから行きませんか?」

 

「いいですね〜」

 

私は千川ちひろ。これは前世の名前を使ってる。私は転生者だ。この世界の本当の名は・・・シンデレラバトン。みんなには、秘密。

 

・・・・・・・・・・

 

・・・・・・・・・

 

・・・・・・・・

 

・・・・・・・

 

・・・・・・

 

・・・・・

 

・・・・

 

・・・

 

・・

 

 

 

お昼ご飯を食べて、午後の勤務まで少し時間があります。たづなさんはこの時間は某所でゆっくりしているんですが、私はよく学園内を見回りにでています。

 

「むきー!聞いてくださいよちひろさん!」

 

「幸子ちゃん落ち着いて・・・」

 

「輝子さんがボクのお菓子をまたキノコと交換していったんですよ!せめて交換するなら調理済みの物にして欲しいって毎回言ってるのに!」

 

今日は幸子ちゃんに捕まってしまったので茶室で文句を聞いています。幸子ちゃんは小さな四つ入りのドーナツを齧りながら怒っています。

 

「聞いてますかちひろさん!」

 

「聞いてますよ。」

 

「見てくださいこの有様を!!!ボクが楽しみにしてたお菓子達がしいたけの原木にすり替わっていたんです!これは許せません!!!」

 

「あはは・・・」

 

きらきら

 

きらきら

 

きらきら・・・眩しいきらきら。私も・・・欲しい。

 

「ふぎゃ!!!ちひろさん!?!?」

 

「えっ?」

 

気がついたら幸子ちゃんの顔を鷲掴みにしていました。いけないいけない。

 

「ちひろさん!いくらボクがカワイイからと言って手中に収めようとするのはいただけません!!!ボクは撫でて愛でて眺めるのが正しい行いです!!!」

 

「あ・・・ごめんね。」

 

「フフーン!許してあげますよ!ボクはカワイイので!!!」

 

きらきら

 

きらきら

 

ああ・・・欲しいなぁ。きらきら。

 

「・・・。」

 

「・・・ちひろさん?」

 

「あっ・・・ごめんね幸子ちゃん。もう行かないと。」

 

「そうですか!お仕事頑張ってください!」

 

「ええ。またね。」

 

危ない。危ない。手に入らないって、わかってるのに。手を伸ばしてしまう。きらきら。きらきらが。欲しい。

 

「・・・。」

 

切り替えよう。きらきらは忘れよう。午後は、理事長の部屋で書類の整理だ。

 

「ちひろさん、来ましたね。」

 

「はい、私のはどれですか?」

 

「こちらをお願いします。」

 

大量の書類。こちらも前職で慣れた物だ。

 

「よいしょ・・・」

 

「ちひろさん早いですね。」

 

「まぁ前職で慣れてますからね。」

 

「そうでしたか!あの・・・ちひろさん。」

 

「はい?」

 

「あまり聞くべきでは無いと思うんですが・・・前職は何を?」

 

「前職はアイドル事務所の事務員です。ホワイト寄りのちょいグレーみたいな職場だったんですけど・・・」

 

「えと・・・無くなってしまったんですよね?」

 

「ですね。社長含む幹部が脱税をやらかしまして・・・」

 

「ああ・・・」

 

「それで事務所解散。退職金も出ず無職になったわけです。」

 

「なるほど。苦労しましたね。」

 

「いえいえ、貯金はそこそこあったんで。それほどでも。」

 

「そうでしたか。」

 

流石に現役時代の事は知らない・・・と思いますね。たづなさんも理事長も。まぁパッとしない戦績でしたし、目立つ事もしてないですしね。

 

「・・・。」

 

「えと・・・これは電話・・・」

 

「・・・。」

 

「理事長・・・これポケットマネー・・・」

 

「・・・。」

 

「うわ・・・これも・・・」

 

・・・・・・・・・・

 

・・・・・・・・・

 

・・・・・・・・

 

・・・・・・・

 

・・・・・・

 

・・・・・

 

・・・・

 

・・・

 

・・

 

 

 

書類作業を終えて。たづなさんと見回りに出ました。生徒だけではなくトレーナーさん他、いろんな人の手助けをする為です。理事長秘書とその秘書補佐というそこそこの権力がある者の助けはそれなりに必要になるでしょう。トレーナールームのある棟を進んでいると何やら騒がしい声が聞こえました。

 

「なんでしょう。」

 

「ここですね。」

 

頭をドアに近づけ、中の声に聞き耳を立てました。

 

「うわーん!あたしのドーナツ!」

 

「すぐ!すぐ買ってくるから!」

 

「あわわわ・・・」

 

「法子ちゃんとりあえずお煎餅食べる?」

 

「食べる!」

 

「・・・。」

 

「・・・。」

 

「大丈夫そうですね。」

 

「ですね。」

 

「とりあえず行きましょうか。」

 

「はい。」

 

そしてトレーナー棟を後にすると、なんと爆発音が聞こえました。結構大きかった。

 

「ちひろさん!」

 

「はい!」

 

私たちは走りました。爆発音のあった場所は理科室付近。それがわかったたづなさんは・・・

 

「タキオンさんですね・・・」

 

「ええ・・・」

 

理科準備室に辿り着き、ガラッと扉を開けます。

 

「タキオンさん!」

 

「どうしましたか!?」

 

「おや、たづなさんとちひろさんじゃないか。」

 

入った理科準備室は少々散らかってはいますが・・・あれ?爆発したにしては散らかってません。

 

「いやいやいや、今回は私じゃないよ。」

 

「爆発するなんてタキオンさん以外考えられませんよ。」

 

「本当。本当だとも。」

 

「すみません・・・たづなさん・・・ちひろさん・・・」

 

「カフェさん?」

 

「今回の爆発・・・私のせいです・・・」

 

「え?」

 

「コーヒーサイフォンが・・・横着したら・・・爆発しまして・・・」

 

「えええ・・・」

 

「サイフォン式コーヒーって爆発するもんですか・・・?」

 

「まったく、カフェ。貸した容器が木っ端微塵だよ。弁償してくれるかい?」

 

「すみません・・・全面的に私が悪いので・・・弁償します・・・」

 

私はキョロキョロと見渡すと机の下に隠れているフレデリカちゃん、志希ちゃん、小梅ちゃん、凛ちゃん、奈緒ちゃんを見つけました。わぁ・・・きらきら・・・!たくさん・・・!

 

「とりあえず、どうして爆発したのか説明してもらえますか?」

 

「はい・・・今日は・・・コーヒーを飲みにくる人数が多かったので・・・最近導入した・・・サイフォンで淹れてたんですが・・・・アルコールランプを3つ使って・・・一気にやろうとしたら・・・ボン・・・と・・・」

 

「怪我は無いんですね?」

 

「ありません・・・」

 

「それなら良かったです。もう!カフェさん!貴方もくれぐれも気をつけてくださいね!」

 

「すみません・・・」

 

「・・・。」

 

「片付けは私達がやりますので皆さんは外に出て・・・ちひろさん?」

 

「・・・。」

 

「ちひろさん?」

 

「きらきら・・・」

 

「え?」

 

「え・・・?あっ・・・ごめんなさい、ちょっとびっくりしちゃって。」

 

「ちひろさん片付けますので手袋を探してきてくれませんか?」

 

「たづなさん手袋ならここにあるよぉ。」

 

「ありがとうございます。」

 

「じゃあ塵取りもってきますね。」

 

私とたづなさんで理科準備室を片付けました。きらきら・・・行っちゃった・・・

 

「よし、これでいいですね。」

 

「掃除機掛けましょう。」

 

掃除機をかけて・・・よし、これで終わり。サイフォンは・・・もうダメですね。木っ端微塵です。

 

「私はゴミを捨ててきます。ちひろさんはみんなを。」

 

「はい。」

 

みんなを呼んで、普通にコーヒーメーカーでコーヒーを淹れるように言いました。ここは・・・きらきらが多くて・・・ちょっと目眩がしそうです。

 

「ちひろさんありがとう〜」

 

「助かったよちひろさん。」

 

「ごめん・・・なさい・・・」

 

「にゃはは〜〜普通にしてたらサイフォンって爆発しないんだけどにゃ〜」

 

「いやいやサイフォンに火力を求めた時点でおかしかったろ。」

 

「もう!本当に気をつけてくださいね!」

 

厳重注意をして・・・私はたづなさんの元に向かいました。ああ・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

きらきら・・・欲しかったなぁ・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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