シンデレラダービー 〜にゅーじぇねれーしょん〜   作:電動ガン

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第65話 VSナオ、カレン

レースがスタートした。1勝クラス、私の2戦目だが、どう言う状況かと言うと・・・

 

「くっ・・・」

 

ちょっと高速だ。逃げで走る奈緒がみんなを引き上げてかなり速い。トレーナーが言ってた。今日の中山レース場は、URAが芝の改良してからの第一回目のレースで、高速バ場だって。

 

「このペースだと・・・自分のペースを守ると置いてかれる・・・!」

 

自分のペースを守ると置いてかれて離されてしまう。どうする。私は追い込みを選択したがトレーナーは見誤ったか・・・?

 

「・・・。」

 

合わせてペースを上げておく、これが吉と出るか凶と出るか・・・

 

「ちっ・・・」

 

・・・・・・・・

 

・・・・・・・

 

・・・・・・

 

・・・・・

 

・・・・

 

・・・

 

・・

 

 

side セカンドサイド

 

ペースは作った!トレーナーの言う通り高速化し易いバ場だから先頭で先駆けてそのままゴール!あたしの作戦だ!上手くいけばいいが・・・

 

「はぁ・・・はぁ・・・」

 

凛が同僚は強いって言ってた。だとしたら警戒するのは加蓮と凛だが・・・凛は最後尾だからわかる。だが加蓮は走り出したら気配を見失った。今どこにいる?

 

「はぁ・・・!はぁ・・・!」

 

先頭キッツイな!!!このペースでずっと先頭でいられるか!?スタミナ保つか!?1800メートル保つトレーニングはしてたけど・・・!!!

 

「くっ・・・!!!」

 

同僚は強いって言ってたけどあたしは例外だ。そんな強くない。勝つ為には策を凝らし、相手をハメ続け、圧倒しなければならない。

 

「逃げは・・・ッ!!!後ろを封じて・・・!!!スタミナ全開で走る・・・!!!」

 

わざとブレて走る。ロスになるけど、斜行になるから後ろは不意に追い越せなくなるこれだけで先頭を走るのは少し楽になる。

 

「はぁ・・・はぁ・・・!!!」

 

ハロン棒は・・・800を過ぎた!まだ・・・

 

「はぁ・・・はぁ・・・!!!」

 

まだみんなが仕掛けるには早い・・・もう少しリードを稼ぎたいけど・・・ちょっとペース上げ過ぎたか!?みんな速くて全然離せない!!!

 

「しくったかな・・・!!!」

 

1000メートルを超えようとしたら・・・横にヌルっと割り込んでくる影が・・・!なんだ!?

 

「ふふ・・・奈緒!!!」

 

「加蓮!?」

 

「悪いねー」

 

加蓮はスルッと加速してハナを奪った。くそ・・・加蓮はここから仕掛けるのか!?

 

「ちくしょう・・・!!!」

 

「あははー奈緒ーそんな無理して加速して大丈夫ー?」

 

「やってやれないことはない・・・ッ!!!」

 

「ふーん・・・」

 

「いくぞ・・・!!」

 

「じゃあ・・・テンジンカレンちゃん、本気出しまーす。」

 

ハナを奪った加蓮が更に加速し、私との差を広げていく。この速度で!?マズイ・・・!!!あたしの最高速度はそこまでじゃない・・・!!!

 

「くぅ・・・!!!」

 

1200を通過。そうしたら・・・

 

「なんだ!?」

 

「なおー!!!!」

 

「凛!?」

 

「いくよー!!!」

 

「いいっ!?」

 

凛が物凄い速度で追い縋ってくる。あっという間にあたしを抜かして加蓮を追う。ここまでか・・・!?

 

「ちくしょう・・・!!!」

 

諦めてたまるかよ・・・!!!

 

・・・・・・・・・

 

・・・・・・・・

 

・・・・・・・

 

・・・・・・

 

・・・・・

 

・・・・

 

・・・

 

・・

 

 

 

sideテンジンカレン

 

「ふふ・・・」

 

トレーナーに見つかって、メイクデビュー勝って。まさかこんなに早く奈緒と凛と戦えるとは思えなかった。

 

「出来れば・・・G1とかでやりたかったけどねー」

 

アタシの武器はロングスパートに耐えれる脚と、スタミナ。早めに抜け出して、みんなと距離を離す。こうしてメイクデビューも勝った。だけど私は短距離とマイルまで。1800は些か長い。だけど・・・

 

「1勝クラスで・・・ぶつかるとなるとここしか無いと思ってた・・・予想的中!ここでグンっと勝って!バネにしていこ!!」

 

奈緒を抜かして先頭に立ったら後ろから物凄い気配がする。この気配は凛!!!

 

「かーれんー!!!」

 

「来た!!」

 

「加蓮ーーー!!!」

 

「あはは!!!凛行くよ!!!」

 

加速する!!!なんかみんなスピードが速くて短距離みたいだから流れに乗って加速出来た!!!このまま!!!

 

「はぁーーーーー!!!」

 

「うおおおーーーーー!!!」

 

凛の事も調べてる。凛は高いトップスピードとスタミナがある。追い込みだからトップスピードに乗るのに時間が掛かる。ここまで来たのはすごいけどまだスピードに乗るのは無理だよね?

 

「あははっ!!」

 

「くっ・・・!!!」

 

恐らく1800も凛に取っては短い筈。なら私にもこの距離で勝ち目はある。多分・・・奈緒はもう上がってこない。なら・・・!!!

 

「ふふふっ・・・!!!」

 

1600を通過した。このまま・・・勝つ!!!

 

「はぁぁぁーーーーー!!!!」

 

「ああぁぁぁーーーー!!!!」

 

凛と一騎討ち・・・になるかと思ってた。ここまでは。

 

「こんにゃろーーーーーーーー!!!!」

 

「うえ!?」

 

「えっ!?」

 

奈緒!?奈緒が物凄いスピードで上がってきている!?そんな!?なんで!?奈緒はトップスピードに難があった筈!!!どうして!?いや今は良い!!!もっと離さないと!!!間に合う・・・!?

 

「だりゃああああーーーーーー!!!!」

 

「くっ・・・!!はぁぁああーーー!!!」

 

「うおおおーーーー!!!」

 

残り100!!!マズイ・・・マズイ!!!

 

 

・・・・・・・・

 

・・・・・・・

 

・・・・・・

 

・・・・・

 

・・・・

 

・・・

 

・・

 

 

 

sideナリタブルーライト

 

マズイ!!!奈緒は沈んだ筈じゃなかったの!?あそこから吹き返すなんて・・・どうして!?

 

「はぁっ・・・!?はぁっ・・・!?」

 

奈緒は・・・少しずつ私を抜いて・・・加蓮を抜いて・・・!!!先頭に立った!!!負ける・・・!?!?

 

『ゴーーーーーール!!!!先頭を駆け抜けたのはセカンドサイド!!!2着はナリタブルーライト!!!僅かな差でテンジンカレン!!!』

 

はぁ・・・はぁ・・・負けた・・・!?私・・・負けたの・・・!?

 

「うはぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・奈緒・・・すご・・・」

 

「はぁ・・・はぁ・・・うあああ〜〜〜〜」

 

加蓮は膝を突いて息を整えており、奈緒は芝に倒れ伏している。私は・・・

 

「また・・・最高速度に・・・全力を出せなかった・・・」

 

悔しさが身に染みる。奈緒と加蓮は前世では共に高め合う仲間だった。戦う事なんて皆無だった。それが・・・

 

「うう・・・!!!」

 

私はそそくさとコースを後にした・・・そして控室。

 

「ブルー。」

 

「トレーナー・・・」

 

「負けちまったな・・・」

 

「うん・・・」

 

トレーナー・・・ごめん・・・

 

「ごめん・・・トレーナー・・・」

 

「なぁに。レースなんだ。勝ったり負けたりなんて日常茶飯事さ。そう気を落とすな。」

 

「でも・・・」

 

涙が流れてくる・・・悔しい・・・悔しい・・・!!!

 

「うう・・・!!」

 

「ははは・・・ブルー、悔しいのはわかるが次もあるんだぞ。」

 

「うん・・・」

 

「いやーでもセカンドサイドの爆発力は凄かったな。あそこのトレーナーの青木と話した時はトップスピードが課題なんて言ってたんだが・・・」

 

「うん。」

 

「まぁブルーは2000以上じゃないと厳しいな。ジュニアはかなり大変だ。とりあえず2着だから賞金は出るが・・・ホープフルステークスまでしっかりレースに出続ければ出走賞金額は満たせるだろう。」

 

「そうなの?」

 

「ああ。まさかここから全部負けるとかだったら流石に考えるが・・・」

 

「負けないから・・・」

 

「そうだな。」

 

トレーナーがお茶を出してくれたのでぐいっと一気飲み。冷たいお茶美味しい。

 

「よし!ブルー!ウイニングライブ頼んだぞ。」

 

「うん。」

 

「じゃあ。体操服早く着替えな。芝塗れだぞ。」

 

「わかった。」

 

そう言ってトレーナーは出て行った。着替えるか・・・

 

「よいしょ。」

 

体操服のゼッケン。12番ナリタブルーライト。外だからイケると思ったけど・・・甘かったな。流石、同僚は強い。

 

「ふぅ・・・」

 

汎用衣装に着替えた。すぐにウイニングライブだ。制汗スプレーで簡単に整えたけど・・・匂わないか・・・?

 

「すんすん・・・大丈夫。」

 

「すみませーん。」

 

「はーい。」

 

ドアから呼ばれた。多分スタッフ。ウマ娘のスタッフが入ってきて書類を机に置いた。

 

「これウイニングライブの出入りです。ステージが改修で階段が多くなっているので気をつけてください。」

 

「はい。」

 

「それでは。」

 

「ありがとうございます。」

 

書類読んどこう。階段多くなってるってどの辺だろう。

 

「ここか。」

 

ふむふむ・・・よし。リハーサル無いからね。気をつけよう。

 

「ブルー。」

 

「トレーナー?」

 

ガチャリとドアが開く。入ってきたのは・・・

 

「は、ハヤヒデさん・・・」

 

「やぁ。」

 

入ってきたのはハヤヒデさんだった。な、なんで?

 

「ちょっとトレーナーに会いたいと言ったらな・・・通してくれた。」

 

「そうですか。」

 

ウイニングライブまで1時間あるから大丈夫か・・・どうしたんだろう。

 

「ブルー、どうだ。公式戦で負けた気分は。」

 

「・・・普通に悔しいです。」

 

「そうだな。だがそんなに心配いらないようだ。」

 

「?」

 

「ブルー、君はまだ熱を失ってない。」

 

「・・・?そりゃそうですよ。たった一回負けたくらい。」

 

「そうだな・・・だが、多いんだ。そのたった一回で、何もかも折れてしまうウマ娘というのは。」

 

「・・・。」

 

「ウマ娘というのは気儘で、負けず嫌い。そして結構驕りがあるものなんだ。」

 

「はぁ・・・」

 

「それもそう、中央に来る様な子は、地元で負け知らず、エリートと呼ばれる子達だ。」

 

「はい。」

 

「だから特に・・・メイクデビューで勝って、更に調子付いた子は1勝クラスでトレセンを去る。」

 

「・・・。」

 

「ブルーがそれに当て嵌まるんじゃないかと思って・・・急いで来たが、杞憂だったな。」

 

「・・・。」

 

「そもそも私・・・エリートなんて思ってなかったので・・・」

 

「ふふ、そうか。」

 

ハヤヒデさんはそう言うと立ち上がった。

 

「じゃあ私もウイニングライブ見て帰るから、しっかりやるんだぞ。」

 

「はい。」

 

「それじゃ、またな。」

 

ハヤヒデさんは帰っていった・・・トレセンは、エリートの学校だが、入る者が多くいれば立ち去る者もいる・・・そうなんだよな・・・

 

「・・・。」

 

今回のレースでも・・・折れた子はいるんだろうか・・・

 

「・・・ダメ。」

 

立ち去る子が気になるのはわかる。だけどそれに引っ張られてはダメだ。気をつけないと・・・

 

「よし。」

 

ウイニングライブ20分前。ちょっと早いけど行こう。

 

「2着のパートは初めてだけど・・・まぁ大丈夫か。」

 

行こう!とりあえずしっかりウイニングライブはやらなきゃ!そして・・・次こそ勝つ!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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