シンデレラダービー 〜にゅーじぇねれーしょん〜   作:電動ガン

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第68話 三戦目の正直

私の三戦目。福島芝1800メートル。今度こそ勝たないと。

 

「ブルー、調子はどうだ。」

 

「トレーナー、えっと・・・」

 

調子で言うと。ギリッギリに絶好調に持ってこれた感じ。調子は良い。でも今日は結構同僚が出走するレースだ。全然油断できない。

 

「パドックで見た感じだと・・・後方から勝負を決める子が調子が良さそうだった。」

 

「わかった。作戦は?」

 

「今日は・・・逃げだ。それも最初から全力疾走。他の追随を許さない。爆逃げをしろ。」

 

「爆逃げ・・・わかった。」

 

「ペースを見誤ったら一巻の終わりだ。一応1800を逃げ切るスタミナはつけさせたと思ってはいるが・・・」

 

「そうだね・・・なんとかやってみる。」

 

「頼んだぞ。これで勝ったら寿司でも食って帰るか!」

 

「いいね。わかった。」

 

「よし!じゃあ楽しんでこい!!!」

 

「うん。」

 

・・・・・・・・・・・・

 

・・・・・・・・・・・

 

・・・・・・・・・・

 

・・・・・・・・・

 

・・・・・・・・

 

・・・・・・・

 

・・・・・・

 

・・・・・

 

・・・・

 

・・・

 

・・

 

 

ゲート前。今日は爆逃げ。とにかく集中しないと。乱されてペースが狂ったら終わりだ。気をつけろ。

 

「凛ちゃん!」

 

「加奈。」

 

加奈に声をかけられた。加奈はこの暑さで少し汗をかいているようだ。まぁ私もだが。

 

「久しぶりだね!学園では会わなかったね。」

 

「そうだね。まぁ学園は広いし、生徒もいっぱいいるから。」

 

「ふふ!でも事務所のみんないっぱいいて楽しいよ!」

 

「そっか。」

 

「凛ちゃ〜ん!」

 

「うわっ。雫。」

 

後ろからドタプンと抱きつかれる。雫だ。この恵まれたプロポーションはこっちでも健在か。

 

「凛ちゃん久しぶりですね〜」

 

「そうだね。」

 

「まさかレースを走るとは思いませんでした!」

 

「そう?」

 

「加奈ちゃんも頑張りましょう〜!」

 

「おー!」

 

「ふふ・・・」

 

他のみんなは・・・チラ見してはいるが集中したいようだ。加奈と雫以外は話しかけてくる様子は無い。

 

「ほらゲートインだよ。2人とも。」

 

「は〜い。」

 

「頑張ろうね!」

 

「うん。」

 

ゲートイン。私は7番。真ん中だ。さて。やるか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ガッシャン。

 

ドン!!!とスタートを切った!と思ったら!!!

 

「!?」

 

「!?」

 

合わせてきた子がいる!!!誰・・・!?横を見たら・・・あずき!!!

 

「ふっ・・・!!!」

 

「ちぃッ・・・!!!」

 

あずきも逃げだとは思わなかった。しかも同じ爆逃げに出た。マズイ。どうする。爆逃げはハイペースを作らなきゃならない。あずきと競り合ってたらスタミナが切れる可能性が高い。ハナは譲るか・・・

 

「・・・!」

 

「・・・。」

 

あずきは私が大人しくハナを譲ったのに驚いて振り返っていた。ちょっと集中出来てないぞ。大丈夫?この分だと垂れるな・・・

 

「後ろは・・・」

 

「・・・。」

 

「!?」

 

後ろにピッタリ張り付いてるのがいる!!!誰・・・穂乃果!!!嘘でしょ!?穂乃果も逃げなの!?

 

「くっ・・・!!!」

 

200を通過。前はあずき、私、穂乃果で形成されている。そこから離れて後方集団。どういう展開だこれは・・・

 

「・・・。」

 

ペースを守れ。ペースを守れ・・・スズカ先輩から学んだ逃げて差す、までは行かないでも逃げてもスパートは出来るようになってる。400を通過・・・

 

「あははっ・・・」

 

「!?」

 

横から声が聞こえた。なんで・・・?見ると・・・いつの間にか上がってきていた加奈。すごい。気配を感じなかった。

 

「凛ちゃん・・・はぁ・・・はぁ・・・そのペース、大丈夫・・・?」

 

「!!」

 

マズイ!!!ささやき戦法だ・・・耳を貸すな!!!加奈がそんな戦法を使うとは思わなかった。そして加奈は私に効かないと分かったら少し下がって後ろの穂乃果に狙いを定めた様だった。南無。

 

「はぁ・・・!!はぁ・・・!!」

 

800を通過。まだキツくない。まだ走れる。だがあずきを何とかしないとダメか・・・?後ろの穂乃果は加奈と下がっていった。耳を貸しちゃったらしい。まぁいい。

 

「フッ・・・!!!」

 

「!!!」

 

あずきにピッタリ張り付く。あずきは小柄だからスリップストリームは望めないが威圧感を与えて鈍らせよう。この分だと1400付近で垂れる。その時抜かせば良い。

 

「凛・・・!!ちゃん・・・!!」

 

「くっ・・・!!」

 

加奈!!!しぶとい!!!というかよくこのペースで着いて来られるな!!!爆逃げ、あずきと2人で破滅逃げと言ってもいいペースだぞ!!!加奈はよくそんな中こねくり回してくるな!!!

 

「凛ちゃん・・・あずきちゃん・・・垂れそうだよ・・・!!」

 

「・・・。」

 

「はぁ、はぁ、はぁ。ふふ・・・もう我慢出来ない!!!」

 

「えっ。」

 

1200を通過。次の瞬間加奈が飛び出して来た。私とあずきを抜いて先頭に立つ。まだ600あるのに!?掛かってるんじゃないの!?

 

「あはははっ!!!」

 

「くっ・・・」

 

それだけでは終わらなかった。後ろから、圧が来る。プレッシャーがすっ飛んできた。

 

「ッ・・・!!!」

 

保奈美・・・!?穂乃果・・・!?どちらにしろもう差し追い込みが詰めてくるというのはよっぽど末脚に自身があるのか・・・!!!だけど・・・だけどさぁ・・・!!!

 

「末脚の自信は・・・私にもある!!!」

 

加速!!!加速加速加速!!!足が千切れそうになる。肺が焼き付きそう。頭が酸欠だ。だがまだ走れる。前を走る加奈とあずきを抜かして先頭に立つ。久しぶりだな・・・先頭の景色!!!

 

「はぁぁぁぁぁぁああああああああ!!!!!」

 

1600を・・・いま通過!!!後はもう真っ直ぐ走るだけ!!!全力全開!!!

 

「ぎっ・・・!!あああああああああ!!!!」

 

突き放せ!!!勝つんだ!!!私が!!!勝つ!!!!!!

 

『・・・・・・ーーーーールイン!!!1着はナリタブルーライト!!!2着は3バ身差でテクスチャカナ!!3着はクビ差でマイスギホノカ!!!」

 

「はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・!!!か、勝った!!!」

 

私は拳を突き上げた。大歓声に包まれたて、コースを後にした。

 

・・・・・・・・・・・・・・

 

・・・・・・・・・・・・・

 

・・・・・・・・・・・・

 

・・・・・・・・・・・

 

・・・・・・・・・・

 

・・・・・・・・・

 

・・・・・・・・

 

・・・・・・・

 

・・・・・・

 

・・・・・

 

・・・・

 

・・・

 

・・

 

 

 

「はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・」

 

「ブルー!!!」

 

「トレー・・・ナー・・・」

 

体操服で汗を拭いながら戻る途中トレーナーが迎えに来てくれた。

 

「ほら酸素吸え。」

 

「う、ん・・・」

 

酸素缶で深呼吸して整える。あー・・・疲れた。

 

「すまないブルー・・・」

 

「トレーナー?」

 

「今回は逃げより追い込みの方が良かったかもしれん・・・」

 

「そう、なの?」

 

「ああ。本来ならアズキピーチロンもマイスギホノカも競り合ってくる予定じゃなかったんだ。急に作戦変更してきたみたいでな。」

 

「そう・・・なんだ・・・」

 

「ブルーはよく頑張った。これで次からは二勝クラスに上がれるぞ。」

 

「うん・・・!!」

 

「まずは休んでウイニングライブだ。」

 

「わかった。」

 

酸素缶をトレーナーに返して控室に入る。トレーナーに出て行ってもらいシャワー浴びて着替えよう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

夜。ライブ終わって合宿に帰ってきた。

 

「ふぅーーーーー・・・」

 

「閃烈なる蒼光よ。此度のレース如何であったか?」

 

「大丈夫。勝ったよ。」

 

「おお!!流石である。」

 

「ふふ。さて蘭子。ご飯食べに行こ。」

 

「うむ。」

 

ホテルのレストランに向かった。蘭子はるんるんで歩いている。私も今日はカレーの気分だ。バイキングだし、カレーあるよね。

 

「む・・・」

 

「どうしたの蘭子。」

 

「あそこ・・・あの者、我らが同僚ではないか?」

 

「え?」

 

途中のロビーにあるテレビの前でソファーに座っている茶髪・・・鹿毛。誰だろう。

 

「行ってみるぞ。」

 

「あ、蘭子。」

 

蘭子がずんずんと近づいていき、座っていたウマ娘も気づいたのかこっちを向いた。その手にはタブレットとペン。その子は・・・

 

「やはり!同僚であったか!!」

 

「おお。蘭子ちゃんに凛ちゃんじゃないっスか。」

 

「比奈さん。」

 

「久しぶりっスねー2人もいたんスね。」

 

「そうだよ。」

 

「創生せし乙女よ!久しぶりであるな!」

 

「はいはい。」

 

比奈さんはさらさらとタブレットにお絵描きしている。相変わらず上手い。向こうではアイドルを引退した後、自信の経験を活かした漫画家になって大ベストセラーを出していた。

 

「2人は夏合宿っすよね。トレーナーさんは誰っスか?」

 

「沖野トレーナーだよ。蘭子も一緒。」

 

「沖野さんっスか。なるほど。良いチームに入ったっスね。」

 

「比奈さんは?」

 

「アタシは長波トレーナーさんっスよ。チームティタウィンのトレーナーさんっス。」

 

「へぇ〜」

 

「他のメンバーは誰がいるのだ?」

 

「他のメンバーは春菜ちゃんと川島さん、朋ちゃんにマキノちゃんっス。」

 

「うわ同僚ばっか。」

 

「っスよね〜」

 

またもや同僚に遭遇した。まだ会えてない同僚いるし、早く会いたいな。多分みんなウマ娘で元気だろうけど。レースでぶつかるのはちょっと御免被りたいけど・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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