飲み物全般、味が薄くなるので極力氷は入れないで欲しい。しかし、氷抜きで注文すれば、今度は大して冷えていないものが出てくるのは明白だ。だから結局、僕はいつものようにアイスティーを注文して、馬鹿みたいにシロップを入れた。
氷が解ける前に飲み切ってやろうとストローに口をつけたとき、閑散で静謐とした店内にドアベルの澄んだ音が響いた。気にせず一口飲んで追加のシロップを入れてかき混ぜると、足音は迷いなく僕のいるテーブルへと向かってきた。立ち止まった足音が言う。
「いる?」
「いるさ」
僕は机を指で叩いて自分の姿を露わにして、同時にこのテーブル周りの音を遮断する。彼女は、中経夢は僕の正面に座った。僕は改めて彼女を見た。どこにでもいる、ちょっと顔がいい高校生。だが、その個性は一級品だ。個性「探しもの」。他人の探しているものが近くにある時、その場所を正確に知ることが出来る個性だ。
「連絡してきたって事は、見つかったと思っていいんだね?」
僕は鏡の破片を握り込む。嘘の看破、リジェネと諸々の耐性、移動速度上昇、疲労回復、血行促進などのエンチャントが施されたナガレボシの最新作だ。
「もちろん」
彼女は懐から印のついた地図を取り出した。赤いバツ印は市街地の名前もない家屋についていた。工場や研究室ではないということは、それは人工物ではない。特異な個性を持つ人間だ。
「一般人、か」
「いや、一般人じゃない。私の個性はこの場所の地下を指した。結構深めの場所だよ」
そう言うと彼女は何か逡巡して、口を閉じた。僕は再び地図を見た。
「近くに死穢八斎會の拠点がある。関連性はあると思う?」
「正直、かなり怪しい」
僕は天井を見上げて息を吐いた。彼女の個性が間違えることはない。
今度は絶対に失敗しない。
僕は地図を畳んで立ち上がった。
「ありがとう。報酬は契約通り君の口座に振り込んでおくよ」
「いらないんだけど」
「いるだろ。税金は心配しなくていい。僕の金だからそんなものには引っ掛からない」
「だから、いらないって。まだ他に候補が見つかるかもしれないし」
そうだ、と彼女は言った。
「今度の文化祭に来てよ。うちのクラス、パンケーキ焼くことになったの。割引してあげるから、さ。今回の分はそれでいいよ」
「ああ、全部終わったらね」
僕は指を鳴らして彼女の記憶を改変した。彼女の時間をこれ以上奪う訳にはいかない。「まだ見つかる」って海外にでも行く気なのか。まあ、記憶がない部分は情報の齟齬が発生しないように丁寧に埋めたから、日常生活に支障は出ない。報酬にも色を付けておこう。元同級生の誼というやつだ。
某日。
「さあ、カチコミだ」
僕が呟くのと同時に、ナガレボシの背嚢からひとりでに抜き放たれたカッターナイフが表門のカギを切断する。僕たちはガラガラと戸を開けて悠々中へ侵入した。
「ナガレボシ。本当に透視のエンチャントはないのか」
「ない」
「じゃあ、しょうがない。だが、この辺りは地盤が脆い。あまり派手にやると崩落するぞ」
「ああ、知っている」
カッターナイフの刃が伸びる。8cmを超えて、1m、10m、20m。刃は僕たちの足元を円形に切り取って、僕たちはスッと落下した。一発で引き当てるとは運がいい。あとはナガレボシがカッターで地下までの地層を細切れにすれば、はい、地下通路到着。
僕は懐から個性看破+その他のエンチャントが施されたサングラスを取り出して装着。サーモグラフィーで前が見えなくなった。僕はサングラスを外した。
「ナガレボシ。コンパスは?」
「目的地は右」
僕たちは歩き始めた。これだから、ナガレボシは連れて来たくなかったんだ。全部あいつ一人でいい。何かあれば一旦ナガレボシに投げてから考えるというのが最適解になっている。必然的に頼りすぎてしまう。
「全て切るか?」
「ああ」
ナガレボシの背嚢から追加のカッターが九本伸びる。ひとりでに動き出したそれらは、それぞれ扉の蝶番とラッチボルトを切断して次々と扉を廊下へ倒していく。僕たちはそれを跨いで目的地へと突き進んだ。
切れ味、リーチ、自律のエンチャント。馬鹿げた性能だが、自律が入っているなら僕には効果がない。僕は脳内チェックリストに〇をつけた。
あっという間に一つの扉に辿り着いた。警戒色に囲まれた、プレス機のような分厚い鉄の扉だ。ランプが点灯していて、どうやら中に人がいるようだ。
「ナガレボシ、中のモノを傷つけず開けられるか?」
「ああ」
ナガレボシは一つのカギと南京錠を取り出した。知っている。類感のエンチャントだ。カギの差し込まれた南京錠がカチリと解除音を響かせると同時に、扉が唸りをあげてゆっくりと開いた。果たして、中にいたのはペストマスクの不審者と椅子に拘束された幼女だった。ペストマスクはメスを持っていて、幼女の腕からは血が流れていた。
迷わずサングラスをかける。ペストマスクの個性はハ〇レンみたいな分解と再構成、幼女の方は生物を対象にした巻き戻しだった。なるほど。取り敢えず、止まってもらおうか。僕が手を叩くと、二人は硬直した。
神をこねこねしてから、個性の精度が上がった気がする。以前は複数の人間を経由させなければ成り立たなかった気付きと忘却のループが一人に対して掛けられるようになった。これはいい成長なのか?
ナガレボシに幼女の応急処置を頼むと、ナガレボシはなにかを取り出して気付けば傷は塞がっていた。僕はサングラスのつるを持ってくるくる回した。
「よし、担いで帰るぞ」
「彼女は児童誘拐を許すのか?」
正論で刺すなよ。これくらいなら許してくれる……いや、自分の為にってところは嫌がりそうだ。しょうがない、僕は認識阻害を解除した。
幼女は目の焦点を合わせながら後退りした。
「あ、え? あ、あなたたちは?」
「あー」
僕はチラッとナガレボシを見た。
「児童保護団体の者だ。君を回収助けに来たんだ」
幼女は怯えているようだ。
「どうやって、ここが?」
「傷だらけの子供を見たって通報があってね」
「わたし、そとにでてない、です」
「内部告発――ここの組の人が教えてくれたんだよ」
ここで顔色をチェック。ああ、すごい疑われてる。
「そこで突っ立ってる人はここで一番偉いけど、だからって全部正しいことをするわけじゃない。それを止めて欲しかったんだろう」
伝わったかな。伝わったらしい。ナガレボシが手を振ると拘束具は弾け飛んだ。僕は彼女の手を取って立ち上がらせ、部屋から出ようとする。が、その手に抵抗を感じて立ち止まった。
「どうした?」
問いかけるが、幼女はうつむいて何も答えない。ナガレボシを見るが、肩を竦めただけだった。なにか持って行きたいものでもあるのかと聴けば、幼女は横に首を振る。
「わたしは、でちゃいけないの」
一瞬疑問符が浮かぶが、直ぐに理解する。そう教育されていたのだ。じゃあ記憶消すか。
個性を発動しようとすると、ナガレボシに手をつかまれた。人間とはかけ離れたひび割れた石のような感触が冷たく伝わる。
「それは誘拐だ」
「本気で言ってる?」
顔は無く、声はラジオの音声。ナガレボシから感情は一切読み取れない。
「説得しろと? 歪な思想を刷り込まれた小学生以下を相手に?」
オーナメントのような頭が縦に揺れる。僕はいくつかの案を脳内に巡らせて、ため息をついた。
分かったよ。分かった。やってやろう。けど、使える手段はすべて使わせてもらう。
「はぁ、神様だったからか? その無意味な善性は」
ナガレボシはやはり答えなかった。
ぱちんと指を鳴らすと、ペストマスク――多分若頭――の意識が戻る。拷問部屋に居た筈なのに、気付けば客室でソファに座っているというのはなかなか混乱する状況だろう。しかし、だからと言ってソファを分解して距離を取るのはどうなんだ?
「こんにちは」
人間のコミュニケーションは挨拶から始まる。これはカチコミではなく交渉なのだから、相手に安心してテーブルについてもらう必要がある。この状況での挨拶はあまり常識的とは言えないかもしれないが、強キャラ感を出せる上に会話の可能性を見出してもらうという一石二鳥の手なのだ。
「じゃあ、ソファ戻して。交渉しよう」
「交渉?」
相手が席に着く様子はない。これはむしろ好都合だ。座っている方が心理的に上位に立てる。
「そう警戒せずとも。内容は簡単だ」
僕は隣に座っている幼女を指した。
「彼女の開放」
「見返りは?」
「好きな金額を言えばいい」
解体しないであげる、なんて言うことも出来たが、その程度の脅しには屈しなさそうなタイプだった。だからこその経済支援。そもそもヤクザ全体がヒーローという職の誕生で落ち目だ。というかほとんど潰れてるし、残っているのはこの死穢八斎會くらい。分解と再構成の個性があっても、一人で稼ぐのは無理がある。フロント企業もそこまで稼いでいなさそうだし、この地下の拡張具合を見るに経済難だ。
「……それは壊理の個性を知って言ってるのか?」
「勿論」
エリ、エリねえ。
「もしかして外国人?」
エリに聞くが、首を横に振る。
「どういう漢字を書くのかな」
「理を壊すと書いて壊理だ」
答えたのはマスクだった。なるほど、理を壊すねえ。
「いいネーミングセンスだね」
「何が面白い」
「時間遡行とはいえ生物限定の個性持ちにつけるには大層な名前だと思ってね。別に名付けた人を批判するわけじゃないけど、定義が広すぎる気がする」
いや、それはもういい。本筋に戻そう。
「で、答えは?」
「断る」
「理由は?」
「替えが利かない存在だからだ」
僕はその答えを鼻で笑った。望んでいた答えまで半分だ。
「そんなに個性が大事かよ」
「分かって言ってるのか? こいつの個性は――」
「聞いたか? エリちゃん。こいつは君のことを見ちゃいないよ。見ているのはその個性だけだ。全く、冷たい奴だね」
僕は彼女に自分のジャケットを着せてやった。エリの強張った肩から、ほんの少しだけ力が抜けた気がした。こうした物理的に近接した接触が心理的な近接につながるのだ。
「僕たちは君を保護する。個性がなんであれ、関係ない。痛い思いはしなくていいし、無理に個性を使う必要もない」
手に握った鏡のかけらを空中に投げてキャッチする。反射で確認したエリの表情はすぐれない。しかし、なかなか話さないな。年齢は分からないが、僕の言葉が理解できているところを見るに、小学生になる年ではあるだろう。これだけ自分に有利な環境でも自分の意見ひとつ言わずに黙り込んでいる。目の前に恐怖の対象たるペストマスクがいるからか? いや、僕が彼を無効化しているところは見た筈だ。しゃべらないように教育していた? 悲鳴を抑える目的も考えれば近い気がする。だが、しっくりこない。これは外付けの理由じゃない。彼女の内部で構成されたものだ。例えば、そう。
「エリちゃん。君があまりおしゃべりをしない理由を考えていたんだけど。もしかして、ひょっとして、何もしなければ上手くいくなんて考えているんじゃないかな」
コイントスのように鏡を弾く。表情を見るに、どうやら正解らしい。
「止まない雨はない、明日がある。時間が問題を解決するっていうのは間違いじゃないけど、今回はそうじゃないかもしれないよ。若頭君に質問だ。彼女の個性をどんなことに使うつもりだ?」
僕の質問に、彼は言葉に詰まった。
「……それは言えない」
「言えないようなことに使うらしいよ。言えないってことは少なくとも良いことではないだろうね。分かっただろう。君がここから出ないかぎり、その個性は人を傷つけ続ける」
僕は彼女に手を差し伸べた。
「僕たちに個性は効かない。それに、僕は人の個性を止められる。もちろん、君の個性も。君に個性の使い方を教えることだって出来る」
さあ。
「こっちに来なよ」
彼女はおずおずと手を伸ばして、僕の手を――。
「おい、勝手に話を進めるな。これは俺との交渉だろうが」
「いや、最初からこれは彼女との交渉だ。彼女はきっと何時でもここを出られた。彼女を閉じ込めていたのはお前じゃない。彼女自身だ」
僕は僕の手に重なった彼女の手を見つめる。そして今、契約は成った。
「じゃあ、望む金額を言うといい」
「ふざけるな、早くそれを――」
「まあ、それなりの額を送金しておくよ。エリちゃん。最後に挨拶しておいた方がいいんじゃないかな」
僕がそういうと彼女はソファから立ち上がって、ペストマスクにぺこりとお辞儀した。
「いままで、ありがとうございました」
ペストマスク唖然としていた。気持ちは分からなくもない。けど、きっと理解するころには忘れているだろう。僕は腕時計を見た。そろそろ時間かな。
「取り敢えず二十億送っておいたから、足りないようなら言ってくれ。覚えていたら」
僕がそういうや否や、ナガレボシはどこからか切符の束を取り出した。その内の「地下➡家」と書かれた三枚が束を離れてふわりと僕たちの前に提示された。パチンという音と共に切符と空間に穴が開くのを見て、僕は僕たち三人に認識阻害を付与した。
そして、次の瞬間にはあの303号室に立っていた。
「お帰りなさい。ここが君の新しい家だ」
僕はリビングへつながるドアを開けた。
「ズルをした」
「あー。どれのこと言ってる?」
無機質なラジオの音声は時間を感じさせない。昨日の麻雀の話なのか、半年前のAm〇ngUsの話なのか。僕は記憶を彼方まで飛ばすが、自力で正解に辿り着く前にナガレボシが結論を話した。
「壊理のことだ」
「まあ、流石に気付くか。半ば洗脳状態だったのにあっさり組織を離れたしな。少しあからさま過ぎたか」
そんなに難しいことはしていない。彼女がペストマスクの話す内容を都合の悪いところだけ聞き取れないようにしただけだ。あと、ちょっと思考誘導したり恐怖を消したりしただけだ。
「一から説得しようとするのは時間がかかるし、出来なかった時のリスクが大きい。君だって、悪質なDVを見逃したい訳じゃないだろう?」
ナガレボシは沈黙した。僕はエリに視線を伸ばす。
「それより、今は彼女が個性を制御できるようにするのが先決だ。子供というのは気紛れだ。彼女はそれに限らないかもしれないが、思い立ったが吉日。始めるなら今しかない」
僕は洗面所からリビングに移動する。途中で振り返るが、やはりナガレボシは何も言わなかった。
リビングの扉を開けると、丁度エリが七音に個性を使ったところらしかった。頭部の角から光が迸り、七音の体が変化――しない。僕は瞬時に半径10km以内の人間をエリの個性の対象から外した。
「あ、止まった」
「順調かな?」
僕がそう尋ねると、七音が答えた。
「個性の"制御"は出来るようになって来ている」
「おお、凄いじゃないか」
僕はエリを褒めた。褒めて伸ばすのが僕の方針だった。
「だが、時代的や状態的な巻き戻しは出来ても、時間的な巻き戻しは出来ないらしい」
なるほど。そもそも、それらの巻き戻しが何か一応整理しておこう。時代的な巻き戻しは、現代人を戦国時代の一般兵にするような歴史的な巻き戻し。状態的な巻き戻しは、単に年齢が若くなったり、傷が戻ったりするのみの身体的な巻き戻し。時間的な巻き戻しは、記憶も体もその時に戻す時間を対象とした巻き戻しだ。
概念である時代的な巻き戻し、具体性のあるが状態的な巻き戻し出来るなら、具体化されている時間的な巻き戻しが出来ないはずがない。
「うーん。なら、少し勉強しようか」
僕が取り出したのは、ト〇とジェ〇ーのDVDだった。
「ちょっと古くない?」
トランスポーターが文句を言うが、僕は着々とDVDをプレイヤーにセットし、チャプターを選択した。そうして上映を開始して五分経った頃、床には笑いころげるトランスポーターの姿があった。バカすぎる。
僕は目的の場面になったので、一時停止をして状況の説明をした。
「エリ、見えるかな。ト〇は次のシーンで、待ち伏せしていたジェ〇ーによってぺったんこになる。けど、今の彼はその未来を知らない。ここまでいいかな?」
頷くのを確認して、僕は再生ボタンを押した。まもなく、ト〇は曲がり角で待ち伏せしていたジェ〇ーにフライパンで殴られ平らになった。僕は空かさず逆再生で先ほどのシーンに戻した。
「さて、これで時間は巻き戻ったね。じゃあ、このト〇は自分がぺったんこになると知っているかな」
エリはしばらく考え込んで、言った。
「しらない、とおもう」
「それは、なんで?」
「だって、ト〇のじかんが、いっしょにもどっちゃったから」
ああ、分かったか。
「その通りだ。僕がリモコンでビデオの時間を巻き戻したとき、ト〇の世界の時間も、ト〇の経験も、ぜんぶフライパンで殴られる前に戻ったんだ。今のト〇にとっては、これから曲がり角を曲がるのは初めてのことだ」
僕は再生ボタンを押した。画面の中では、ト〇が呑気に角を曲がろうとしている。
「エリ、君が巻き戻した七音は巻き戻される前のことも覚えていた。本当なら覚えていない、いや、知らないことになる筈なのに。今度は、七音の時間を全部巻き戻してみよう」
画面では、フライパンによってト〇が再び平らになっていた。
見終わったDVDを仕舞って、再度七音を巻き戻してもらう。
「時間ごと、全部を巻き戻すんだ」
エリが両手で触れると、角から光が溢れた。僕は七音のゲームに関する記憶をすべて消した。七音は巻き戻す期間を七秒に設定した。間もなく個性は発動し、七音が光に包まれる。
「時間を、戻す」
エリのつぶやきが横で聞こえた。光が収まると、そこには特に変わった様子のない七音がいた。よし、確認しよう。
「スプ〇3の縦長ステージどう思う?」
「クソ」
「よし、消す前に戻ってるな」
「え、お前俺の記憶消したの?」
ねえ消したの? と何度も聞いて来てうるさいので、少し黙ってもらう。
「ともかく、これで新しい技術は習得出来たな。正直、もう少し時間はかかるかと思っていたけど。君はずいぶん賢いな」
エリの笑顔を見ながら、僕はロードマップを見直す。よし、こっちの準備は整った。後は、障害を全て排除するだけだ。
「彼女」の敵はそう多かったわけじゃない。騒動を起こす度、僕が痕跡を消して回ったからだ。その頃は個性への理解が足りず、完全に跡形もなく情報を消せていた訳じゃないが、それでも敵足り得るのは「彼女」の周囲の人間だけだった。
要は、身内の犯行である可能性が高い。やはり、個性の集いのメンバーか?
トランスポーター、七音、僕は彼女の耐性を貫通するほどの出力を持ち合わせない。となると、残りは――。
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