久しぶりの投稿ですが、番外編です。
一番星の片割れの、黒曜石の眼を持った少女の話。
子供の頃のことは昨日のことのように思い出せる。
母に殴られる時に庇ってくれた姉の長い紫のかかった長い髪。
姉の口から米粒と血がついたガラスを恐る恐る取り出した時の緊張感。
自分たちに『愛してる』と嘯いた母を気持ち悪いと思ったこと。
小3の頃に母が刑務所に入れられ、親戚は私と姉の引き受けを拒否し、児童養護施設に引き取られた。
•••その3年後、姉は施設から飛び出した。
子供ながらに、姉が今どこにいるのだろうと不安になった。だが一番疑問に思ったのは、何故私を置いていったのか、だった。
私は必死に考え、考え、周りの子から『お前が嫌いだったんじゃないか』とか『邪魔だったんじゃない?』とか、『そもそも忘れてたんじゃない?』と言われたが気にせず、『いつか姉が迎えに来てくれる』と自己暗示をかけて辛い日々を過ごしていた。
2年後、私は殺連直営の施設に引き取られた••••モルモット『00231号』として。
その施設は、私を含めた300人の孤児がいた。
それぞれ3班に別れ、まず一つの電球とテーブルしかないホールに6ヶ月閉じ込められた。
餓死でバタバタ死んでいった。
ある日パンが数個、投げ入れられた。
奪い合いが起きた。
髪を引っ張られて、殴られて、パンを奪われた。
必死になって取り返した。
後ろから首を絞め、泡を吹いて動かなくなるまで絞め続けた。
初めて人を殺した。
その後もパンを奪おうとする子が出てきた。
殺した。
だが次第にパンも無くなった。
死んだ子の死体を食べた。
解放された。
20人しか生き残らなかった。
それからは地獄の訓練が始まった。
幼さまざまな武器の取扱い及び、格闘技の訓練。
拷問を受ける訓練。
各国の言語の取得、高度且つ過酷なサバイバル訓練。
訓練に遅れれば射殺。
格闘技訓練で負ければ射殺。
脱走すれば射殺。
自殺者が出れば連帯責任で拷問。
私の班は20人中たったの3人しか生き残らなかった。
他の班のメンバーと会ったのは1年後、15歳の頃だった。
300名いた同期は12人程度に減っていた。
この訓練が終われば君たちは自由だと、無機質な機械音声は言った。
その時私の心の中のどこかで、現実には無かった姉が迎えに来ると約束してくれた記憶が流れ込んだ。死ねない。ここで死ぬことはできない。姉に会うんだ。迎えに来れなかったとしても絶対に探しだす。そのためなら何でもする。体を差し出しても、意識がある状態で内臓をえぐり出されても、片目を抉り出されてもいい。
何なら人を殺すなんて、朝飯前だ。
無機質な機械音声は言った。
『殺し合え、自由になれるのは1人だけだ』
殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す
気づけば、全員皆殺しにしていた。訓練終了を知らせに来た黒服の男たちも。取り押さえようとやってきた銃を持った男たちも。
後から聞いた話だが、この施設は人為的に強い殺し屋を産み出す上でどのような訓練が必要なのか、何をどれまで追い込めば倫理観を無くし、尚且つ心が壊れないのかなど、それを調べるためだけの実験施設だったそうだ。
いわば、道具の性能を調べるための試験場だった。
でもどうでもいい。殺して生きよう。そうやって生きていけばいつか姉が迎えに来てくれる。
その後私はJCCに入学、同期主席になった。
"彼ら"に会ったのは、JCCに入って1年後だった。
「アンタが"死神"?ハハっ殺気が廊下までダダ漏れだったぜ?」
「•••こいつ誰」
「坂本くん知らないの〜?君より強いらしいよ」
「••••アナタ達は誰?」
「あっ、自己紹介しとくわ。赤尾リオン」
「坂本太郎」
「僕は南雲与一、よろしくね〜先輩!」
「よろしく••••で、何のよう?」
「突然で悪いけど•••データバンクって知らない?」
「••••?」
「知らねぇのかよ•••"死神"ってそもそもデータバンクって知ってるか?」
「•••"死神"って私のこと?」
「ーーっえ、マジ?」
「自分から名乗ってるんだと思ってた〜•••1年次の時に暗殺科の同期半分を殺したから"死神"って呼ばれてるんだけど、今初めて知ったって顔してるよ〜」
「んじゃ坂本と似たようなもんか」
「おい」
「え〜全然似てるよ〜?他人と自分のことには全然興味がないところとか、あと前見ないでもカツ丼の食券当てるところとかさ〜」
「••••もういい?」
その日から彼らに頻繁に会うようになった。
「せんぱ〜い、匿って〜!!」
「•••何?」
「あら星野ちゃん。そこを退いてくれる?校長室に無断侵入したお馬鹿さんを指導しないといけないの」
「あれは先輩の指示です!!」
「いや•••「あらそうなの?じゃあお馬鹿さん"たち"ね?」
数分後
「•••動けない」
「ギャハハ!!!」
「先生〜こいつもやってくださいよ〜」
「そのつもりよ?」
「ゲッ!?覚えてろよ南雲!!」
南雲与一と指導を受けた。
「・・・もういい?」
「待った・・・よっしゃできた!!」
手の爪が薄い紫色になった。
「やっぱ先輩にはこの色合うな・・・何なら足にもーーげっ!?爪剥がしてんじゃん!!うっげ〜」
「・・・何がいいのか分からない」
「あ〜?・・・私も晶にやってもらうまで興味なかったけどよぉ、何かウキウキするんだよな〜。あ、私が死んだら爪のマニキュア見て思い出せよ?」
「・・・思い出す」
赤尾リオンにマニキュアを塗ってもらった。
「星野先輩、俺と戦ってくれ」
「・・・何で?」
「何となく・・・?」
「・・・いいよ」
「いや〜派手にやったね〜?」
「うっわ・・・教頭に怒られんぞー」
「・・・満足?」
「・・・満足です」
坂本太郎と心ゆくまで殺し合った。
教頭が現れる。
「コォラァァァ!!この問題児四天王がぁぁぁ!!!!」
「やっば〜」
「おい逃げんぞ!」
「・・・動けない」
「・・・同じく」
「ちっ!南雲はユキを運べ!!坂本は私が!!」
「校舎半壊させやがって!!待てぇぇぇぇ!!!」
「貸しひとつな?」
「・・・この間ジュース奢っただろ。それでチャラだ」
「往生際悪いよ〜坂本くん」
「・・・この運び方より俵担ぎの方がいいと思うけど?」
「え〜?別にいいじゃないですか〜?」
「坂本、もしかして南雲って・・・」
「・・・初めて先輩に会った時から様子変だったな」
「「つまりそういう・・・」」
「・・・・・・2人には悪いけど死んでもらうよ?」
「おいおい照れるなよ!童貞か〜?!」
「往生際悪いぞ、南雲」
「殺す」
「・・・揺らさないで」
「お、いっそここで告れば?仲人役になってやるって坂本が言ってたぜ?」
「言ってない」「・・・」
((仲人ってなんだ?/なんだろう?))
「あはは〜ご祝賀のお礼は死体袋でいいかな?」
南雲と坂本が殺し合い、赤尾と二人で観戦していると
「あらあら鬼ごっこの次は殺し合いですか?元気でよろしいですね?」
「・・・逃げたら?」
「「「賛成」」」
楽しかった。
初めての友達だ。
それは今も変わらないだろう。
こんな
でも意地悪なカミサマはそうさせなかった。
SAKAMOTODAYSじゃ坂本太郎と楽が好き。
早く登場させたい。