懐刀のコマタナさん   作:放仮ごdz

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待たせたな!いや本当に待たせました、コマタナさん再開していきます。どうも、放仮ごです。ネタバレしないでどうにかこうにか目的を果たそうと迷走していたけど、諦めて一気に核心へ迫ることにしました。

今回はあのキャラが参戦。楽しんでいただけたら幸いです。





※前回までのあらすじ
 すっごく強いコマタナさんと仲間たちと共に、ゆめのあとちを経由してヒウンシティまでやってきたソウリュウシティの家出ご令嬢、ソハヤ。ビリジオンの襲撃やコマタナさんダウンやダストダスから人助けなどいろいろあったが、シッポウシティから同行したアーティとジム戦の約束をしていて……?


まさかの出会いだよコマタナさん

「コマタナさん、どうしてあそこにいたの?」

 

「ナタッ」

 

 

 人助けをして病院で一夜明かした翌日。早朝でまだ人が少ないヒウンストリートを歩きながら、両手で抱えたコマタナさんに問いかけるソハヤ。

 

 

「うーん、聞いといてなんだけどわかんないや、あはは……でも、ヒウンシティまで来たよ。あともう少しで、辿り着ける」

 

「ナタッ!」

 

「うん、一緒にあの人に会おう!その前に、アーティさんと戦わないと。約束だし」

 

 

 ヒウンシティに入るなりポケモンセンターまで案内して別れたジムリーダーを思い出しながら、ヒウンストリートを抜けて海沿いの道を歩くソハヤ。朝焼けが綺麗なそこで見えた景色に、息をのむ。水平線から太陽が昇るその光景は、幻想的で。

 

 

「見てみてコマタナさん!綺麗~……」

 

「本当に綺麗……ね、プラスル、マイナン!」

 

 

 隣から聞こえてきた声に振り返ると、両肩におうえんポケモンのプラスルとマイナンを乗せた菖蒲(あやめ)色の髪の少女がいた。茶色い太眉に垂れ目と穏やかそうな顔立ちが印象的で、ブラウスとスカートの上からニット生地らしき藤色の長いカーディガンをゆったりと羽織っている。その少女は隣のソハヤに気付くと、目を輝かせた。

 

 

「あっ!そのコマタナ、すっごく!可愛いですね!」

 

「え、あ、はい。コマタナさんといいます」

 

「さん付け、かわいい!小ぢんまりとしていて両手で抱えられているその姿、実にキュートです!それに……相当強いですね。刃や体に残った傷跡からわかります」

 

「っ!」

 

 

 コマタナさんを褒め称え始めた少女に空返事をするソハヤだったが、コマタナさんの力を見抜かれて驚く。少女は両手を後ろで組んで、逆光を背負いながら微笑んだ。

 

 

「一目でわかりました。カキツバタが言ってたソハヤさんとコマタナさんって貴方たちのことですよね?私はタロ。ブルーベリー学園のニ年生です」

 

「か、カキツバタって……あにぃのことを知ってるんですか!?」

 

「お、落ち着いて。カキツバタ、あにぃって呼ばれてるんだ。へえ~」

 

「あ、えっ、えっと……」

 

 

 いたずらっぽく笑うタロに赤面するソハヤ。タロは満足したのかプラスルとマイナンを乗せたまま手すりに寄り掛かって笑った。

 

 

「私はカキツバタと同じリーグ部でね。ソハヤさんについて可愛い妹分だって教えてくれたの。まさかこんなところで会えるなんて思わなかった!私は父がうるさいから休日を使って里帰りに来てて、今からブルーベリー学園に帰るところだったけど、なんでここに!?」

 

「え、いや、その……」

 

「ナタッ」

 

 

 問いかけてくるタロにたじたじになる主人を見て、コマタナさんが刃を小さく構えて威嚇する。それを見て、一瞬たじろぐもすぐ満面の笑みを浮かべ頬を両手で押さえて「かわいい」と短く呟き儚く微笑むタロ。その大人っぽい所作に、見惚れてしまうソハヤ。この人なら他言はしないだろうと確信をもって、告げた。

 

 

「私の目的は、ブルーベリー学園に行って編入試験を受けることです」

 

「ブルーベリー学園に?それはまたどうして」

 

「………その、えっと。あにぃに、会いたいから。あにぃと一緒にまた過ごしたいから。そのために、私を縛る親から家出して、あにぃに拒絶される悪夢を夢の跡地でムシャーナに食べてもらってから、ヒウンシティまで来たんです!」

 

 

 顔を紅くさせコマタナさんを抱えながらそう告白するソハヤに、タロはぷるぷると両の拳を握ってなにかを我慢するかのように震えている様だった。ソハヤとコマタナさんだけでなく、プラスルとマイナンも心配そうにタロを見つめていると。

 

 

「んんんんもぉおおおおおっ!かわいい大明神ッッッ!!!」

 

「うひゃあ!?」

 

「プラ!?」

 

「マイ!?」

 

「ナタッ!」

 

 

 両手をいきなりバッと広げ、ソハヤに抱き着くタロ。その拍子にプラスルとマイナンが海に投げ出され、慌ててコマタナさんが跳躍。その身をプラスルとマイナンの下、海の上で回転させることで小規模な"たつまき”を起こし、自身もそれに乗ってプラスルとマイナンを回収しながら埠頭に戻った。ちなみにこのコマタナさん、しれっとドラゴンタイプの技である"たつまき”を剣技でやって見せた。そのとんでも妙技を見て正気に戻ったタロは、柔らかいそれを押し付けられて、"冷凍ビーム”でも喰らったかの如くかちんこちんに固まってるソハヤを放して駆け寄った。

 

 

「あ!ごめんね、プラスル!マイナン!コマタナさん、ありがとう!」

 

「ナタッ。…ナタッ!」

 

「はっ」

 

 

 コマタナさんに呼びかけられてこちらも正気に戻るソハヤ。タロが両手を合わせて謝った。

 

 

「ごめんなさい!私、かわいいものに目が無くて……貴女の想い、すっごくキュートでした!いよっ、大明神!」

 

「恥ずかしいのでやめてください……」

 

「でも一つだけ言わせてね。ブルーベリー学園に連絡はした?」

 

「え?」

 

 

 タロの問いかけに目が点になるソハヤ。その様子に「やっぱり…」と苦笑いなタロ。

 

 

「一応、ブルーベリー学園も列記とした学校だからね。編入するなら親の承諾とか書類とか諸々用意しないと……もしかして、知らなかった?」

 

「行って土下座すれば何とかなるかなと……」

 

「女の子がそんな簡単に土下座するなんて言ったらダメですよ?」

 

「はい……じゃあ、どうしよう……」

 

 

 途方に暮れるソハヤ。その様子もかわいいと目を輝かせるタロだったが、さすがに不謹慎だったのですぐにやめて人差し指を立てた。

 

 

「私も親から逃げ出したくなる気持ちはわかります。まあうちのは過保護すぎるっていうアレですけど……でも、自由になって恋のために生きる!素敵です!」

 

「え、や、恋ってわけじゃ……ごにょごにょ……」

 

「だからこうしましょう!ブルベリー学園はブルベリーグという制度もあるぐらい、ポケモンバトルの強さが物を言う場所!さっき、アーティさんとバトルするっていう話が聞こえました!なので、私にそれを見せてください!そこで撮った映像を校長に送って私とアーティさんの推薦ってことで直談判してみましょう!」

 

「え、え。えええええええええええええええええええええ!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 数刻後、開いたばかりの朝一でソハヤとタロはヒウンジムを訪れていた。

 

 

「というわけで、撮影と見学してもよろしいでしょうか!」

 

「ヤーコンさんの娘さんの君の頼みならもとより断るつもりはないけど、ソハヤさんのためなら喜んで協力するよ」

 

「なんでこんなことに……」

 

「ナタッ」

 

 

 アーティが二つ返事で許可をし、観客席にスマホロトムを構えたタロが座る中、チャレンジャー側に立ったソハヤはげんなりする。しかし、そもそも見通しの悪かった自分のためにここまでやってくれるのだ。頑張らないと嘘だ、と気合を入れて掌を上にしてボールを乗せる形で掴んで構える。

 

 

「ルールは2VS2のシングルバトル。チャレンジャーは入れ替えていいがジムリーダーの方は勝ち抜きルール。どうぐは禁止。問題ないかな?」

 

「はい!お願いします!」

 

 

 

ジムリーダーの アーティが 勝負を しかけてきた!

 

 

 

「狙うは圧勝だよ、コマタナさん!」

 

「そう簡単に突破はさせないぞ、ペンドラー!」

 

 

 ソハヤが繰り出したのは絶対の信頼を置くコマタナさん。アーティが繰り出したのはメガムカデポケモンのペンドラー。コマタナさんは、そのペンドラーを見て警戒心を跳ね上げた。その様子を見て、確信するソハヤ。

 

 

「そのペンドラー、もしかして…!」

 

「そうさ、ヤグルマの森の問題児コンビの片割れだ!初陣だ、暴れろペンドラー!」

 

「ナタッ!」

 

「ペンドッ!!」

 

 

 ヤグルマの森では辛酸を舐めさせられた相手同士、因縁の対決が始まった。




タロ登場。可愛いもの好きにはソハヤは刺さる模様。

というわけで遂に判明。あにぃと慕うカキツバタに会うためだけにブルーベリー学園に乗り込もう、というのがソハヤの目的でした。

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