懐刀のコマタナさん   作:放仮ごdz

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どうも、放仮ごです。ちょっと凝ってたら時間がかかりました申し訳ない。

今回は最後のオリキャラ四天王「シオリ」登場。楽しんでいただけたら幸いです。


テラスタルだよコマタナさん

 ブルーベリー学園には学園内専用通貨としてBP(ブルーベリーポイント)システムというものが存在する。スマホロトムに通知される「道具を一定数拾う」「特定のタイプのポケモンを捕獲する」「おまかせバトルを一定数行う」などの課題を、ブルーベリー学園が世界に誇るという広大な海中庭園「テラリウムドーム」内で達成すると貰えるポイントで、貯めることで購買部や学生食堂、果てには自販機だったり様々な用途に利用できる。

 

 これが結構死活問題で、BPがないといくら現金を持ってようが食事もできないアイテムも買えない。なので私はもっぱら「おまかせバトルを行う」をコマタナさんに任せて日々稼いでいるのだが、一定数をクリアすると「ボーナスミッション」という通常より大量のBPをもらえる課題が追加される。で、それをやろうと思ったのだけど。

 

 

 

 

 

野生のテラスタルポケモンと戦おう!

 

 

 

 

 

 

 テラスタルって何ですか……?(汗)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 というわけで聞きに来た。今日はあにぃ以外にはタロさんとアトラさん、そして生徒会副会長らしい眼鏡が似合うネリネさんがいた。

 

 

「あぁ、まだ授業で習ってなかったんだねぃ。確かにイッシュではなじみのない言葉だからしょうがないと思うぜぃ」

 

「テラスタルはね、パルデア地方独自の現象で、他にはキタカミの里っていう場所とここブルーベリー学園でしか確認できてない現象なんですよ。なんと、そのタイプの力がパワーアップし、いわゆるタイプ一致技の威力が大幅に強化されるんですよ!」

 

「テラスタルはねぇ、「テラスタルオーブ」にためられたぁテラスタルエネルギーのえーきょーをうけてぇ、ぴっかぴかのほーせきのようにひかりかがやいて「テラスタイプ」をあらわすテラスタルジュエルがのっけたすがたになるんだぁ」

 

「ここのテラスタルは特例で、教務主任のブライア先生が開発に関わっているドーム上空の「テラリウムコア」の影響で起きている様です」

 

「ほへー」

 

「ナタッ」

 

「相変らず飲み込むのに時間がかかるみたいだねぃソハヤ」

 

 

 タロさん、アトラさん、ネリネさんの説明に頭がパンクして呆けるしかできない私と抱えられてるコマタナさんを見て、頬杖を突きながら笑うあにぃ。すると、扉が開いて知らない生徒が顔を出した。

 

 

「お疲れっすー」

 

 

 それは、通りがかった十人中十人が振り向くような美少女だった。何故かライトノベルを手にした、冬服の制服の上から白いマフラーを首に巻いた、茶色が混ざった黒髪をツインテールにしていて、赤と蒼のオッドアイが怪訝そうに細められる。

 

 

「なんすか?この空気。久々に来たのは悪かったけど、それだけで排斥するんすかカキツバタサン」

 

「なにかにつけてオイラに喧嘩売るのやめような?事情は分かってるけどさ。おっと、紹介忘れてたねぃ。この子が最後のリーグ部四天王、シオリさ。強さだけなら四天王で一番じゃないかな」

 

「へーへー。カキツバタサンにはどうせ勝てないっすよ……」

 

 

 あにぃの説明にげんなりするシオリさん。なんか皮肉気な人だなあ。

 

 

「そうだ、ちょうどよかったシオリ。そこのソハヤを連れてテラスタルポケモンを倒してきてくれねいかい?」

 

「はあ?なんで俺が……」

 

「今度相手してやるからさ。頼むよ」

 

「言質とりましたっすからね!ほら、いくっすよ新入り!」

 

「ちょろかわいい……」

 

 

 なんかタロさんが恍惚としているのをよそに、シオリさんは私の手を取って部室を後にして走り出した。

 

 

「あ、その子まだリーグ部入ってないよ……って行っちゃった」

 

「あれ、帰ってきた……いや違う?」

 

「たのもー!キタカミ最強のあたしをリーグ部に入れなさい!すぐチャンピオンになってやるわ!」

 

「きょうはにぎやかだねぇ」

 

「ゼイユ……来たのですね」

 

 

 わたしたちが後にした部室でそんな会話があったとかなんとか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「テラスタルを知らないって珍しいな。テラスタルオーブが無くても存在ぐらいは珍しくないはずだけど。もしかして転入生っすか?」

 

 

 テラリウムドームの入り口から繋がってる亜熱帯気候のサバンナ地帯、サバンナエリア。イッシュ地方のリゾートデザートほどじゃないけど暑いし空気が乾燥している。もう何度目かになるけど、この広さにはやっぱり感動する。おっと、自己紹介を忘れてた。

 

 

「はい、ソハヤって言います……こちらはコマタナさん」

 

「ナタッ」

 

「なんでさん付け?」

 

「コマタナさんを呼び捨てでなんて呼べないです」

 

「そういうもんかね。ああ、紹介するよ。こいつが俺の相棒のトロピウスだ」

 

「ピウスッ!」

 

 

 そう言ってシオリさんが繰り出したのは見たことのない葉っぱで翼を形成しているドラゴンのようなポケモン。首から果実と思わしき房が生えている。なんだろあれ。

 

 

「くさの……ドラゴン……!?」

 

「おい」

 

「ひゃい!?」

 

 

 驚いていると、ドスの効いた声が聞こえてきて。恐る恐る振り返ると、憤怒の感情を浮かべたシオリさんが。な、なんで?なんか間違えた?コマタナさんが警戒するのを抱き止める。今油に火を注ぐのはダメだ。

 

 

「トロピウスはくさ・ひこうだ。二度とドラゴンなんかと間違えんな」

 

「ご、ごめんなさい!」

 

「乗れ。行くぞ」

 

 

 ……ソウリュウシティで生まれ育ったからドラゴンなんかって言われるとちょっと嫌だけど……なにか理由があるのかな……?そんなことを考えていると、サバンナエリア西部にあるサバンナスクエアにある洞窟までトロピウスに乗せてもらってやってきた。“そらをとぶ”ってすごい…!うちのバルチャイもいつかこれぐらい飛べるかなあ!

 

 

「ほら、テラスタルポケモンを倒すんだろ。そこに一匹いるはずだ。俺は手を出さないからな。まあテラスタルも知らない初心者にはきついと思うっすが……」

 

「わかりました!」

 

「即決っすか!?」

 

 

 コマタナさんがいれば怖いものは何もない。シオリさんに促されて洞窟へ突入する。瞬間、灼熱の風が襲い、それを私の腕のコマタナさんが“かまいたち”で斬り払う。中にいたのは……なんというべきか、巨大な電球の様な宝石を頭に乗せた宝石の如く全身がキラキラしたひふきポケモンのブーバーだった。

 

 

「今のは“ねっぷう”……気を付けてコマタナさん!テラスタルの話が本当なら、今のブーバーはほのおタイプじゃないよ!」

 

「ナタッ!?」

 

「うん、じゃあどうしようって話だよね!とりあえず、タイプを探る!“アイアンヘッド”!」

 

 

 本来はほのおタイプ故に効果が少ない“アイアンヘッド”を指示。まるで砲弾の様なコマタナさんが縦横無尽に洞窟の壁や床や天井を蹴って次々と叩き込む。あー、威力を見てどのタイプか推察するつもりだったけど……コマタナさんには関係ないよね!

 

 

「何タイプでも関係ないよね!ギア上げてこ!コマタナさん!“ロックカット”!」

 

「ナッタァアアアッ!!」

 

 

 アイアンヘッドで猛攻を叩き込みながら全身を刃で研ぎ、空気抵抗が下がってさらに加速するコマタナさん。重く、速い砲弾が縦横無尽にブーバーに襲い掛かるがしかし、ブーバーはまだ立ってる。なんで!?

 

 

「コマタナさん、確かに強いが相手が悪い。はがねタイプなのが響いたな」

 

「え、どういうこと!?」

 

 

 すると洞窟の入り口に背中を預けたシオリさんが腕を組みながらそんなことを言ってきた。まったく意味が分からないんだけど!?はがねタイプだからってなんであの猛攻が効かな……うん?ブーバーの頭の電球が眩く輝いて何かが迸って……あ。

 

 

「もしかして……電気?電磁力ってこと…?」

 

「そういうことだな。でんきテラスで迸る電気エネルギーを完全に物にしている。技ですらない、単なる技術だ。コマタナさんじゃ刃先すら触れられないぞ」

 

 

 つまりコマタナさんは弾かれまくってただけってことで……しかも“ねっぷう”まで煽られてるのを必死に切り裂いて防いでいる。ええ、どうしよう。コマタナさんの技は物理がほとんどで、数少ない遠距離技である“かまいたち”も……。

 

 

「ブゥバッ!」

 

「準備中に砕かれる…!」

 

 

 今コマタナさんが着地して放とうとしていた“かまいたち”はチャージが必要な技だ。コマタナさんは風の刃の塊にして攻防一体にしていたが、それは“かみなりパンチ”と思われるチョップで破壊されてしまう。なんて威力だ。コマタナさんの“かまいたち”が破壊されるなんて……。

 

 

「こ、コマタナさん!なんか飛び道具は……」

 

「ナタッ……」

 

 

 私の問いかけに首を横に振るコマタナさん。放たれる“ねっぷう”や“かみなりパンチ”をいなしてはいるものの、やはり電磁力で弾かれて決定打がない。このままじゃコマタナさんが疲弊して負けてしまう。じり貧だ。実力では絶対負けてない、だけど勝てないなんて……!

 

 

「ど、どうしよう……」

 

「……カキツバタサンめ。こうなるとわかってて俺についていかせたっすね。食えない人っす」

 

 

 すると見かねたのかシオリさんがネストボールをお手玉の様にして放り投げ、右手でキャッチしながら私の前に出る。っていや、コマタナさん以上にダメだよ!?

 

 

「と、トロピウスはくさ・ひこうだって……」

 

「ああ、そうだな」

 

「あのブーバー、実質ほのおとでんきの複合ですよ!?」

 

「正確にはでんきタイプだな」

 

「他にポケモンが!?」

 

「いや、今日は置いてきたっす」

 

「無茶ですよ!?」

 

「まったく。カキツバタサンが俺をなんて紹介したのかもう忘れたっすか」

 

 

 その問いかけに、脳裏にあにぃの言葉がフラッシュバックする。―――――「この子が最後のリーグ部四天王、シオリさ。強さだけなら四天王で一番じゃないかな」。そうだ、この人は。ブルベリーグチャンピオンのあにぃがそう呼ぶほどの。

 

 

「……リーグ部四天王、最強……」

 

「そういうこった。さっきトロピウスをドラゴンっぽいって言ったな。冗談じゃない。俺はくさタイプで頂点を目指す。クソババア(母親)フスベの連中(イブキとか)を見返してやるんだ。こんなやつに負けてたまるかっすよ。……トロピウス」

 

 

 狭い洞窟内にトロピウスが繰り出される。これじゃあトロピウスの飛行能力も意味がない。四つの脚でずっしりと地面を踏みしめ狭そうに長い首を下げるその姿は、格好の的だ。ブーバーが“ねっぷう”を放ちながら“かみなりパンチ”を繰り出してくる。コマタナさんが間に割り込もうとするも、トロピウスはコマタナさんの首根っこを咥えてポイッと背後に投げてきた。慌てて受け止める。

 

 

「なにを!?」

 

「邪魔だってさ。なあ、トロピウス。“ワイドガード”そして“せいちょう”」

 

 

 葉っぱをばら撒いて形成した障壁で“ねっぷう”を受け止め、“せいちょう”によるぐぐーんという動きで“かみなりパンチ”を跳ねのけるトロピウス。そして、その四枚の葉っぱの様な翼が凄まじい勢いで羽ばたかされる。

 

 

「ぶちかませ!“リーフストーム”!!!」

 

 

 そして、洞窟内を埋め尽くす葉っぱの嵐が解き放たれた。凄まじい勢いで渦を巻き、燃焼した傍から飲み込んで沈下させる葉っぱの渦はそのままブーバーを飲み込んで天井に叩きつけ、次々と葉っぱがブーバーに叩きつけられていく。もうそれは“このは”とかじゃない。“はっぱカッター”も違う。一撃一撃が重い、コマタナさんのメタルクローの連撃の様な……。そして。

 

 

「ブゥバァアアアアアアアッ!?」

 

 

 岩盤に背中から叩きつけられて天井を突き破り、空が見え瓦礫と共に天高く打ち上げられるブーバー。あまりの威力に、呆然とするしかない。しかも、それだけじゃない。葉っぱがいまだに追いかけ、ブーバーを飲み込んで凄まじい勢いで急降下させてきた。まだ、倒せてないから追撃を…!?

 

 

「“のしかかり”だ!」

 

 

 そして、〝リーフストーム”に飲まれて勢いよく地面に叩きつけられた瞬間に合わせてトロピウスが勢いよく伸ばして振り下ろした首が“のしかかり”、ブーバーは地面に埋められて葉っぱまみれで目を回す。

 

 

「こ、これがブルベリーグ四天王……」

 

「ナタッ……」

 

「ま、相手が悪かったな」

 

 

 抱えたコマタナさんと共に戦慄する。私の目指す“あにぃの隣”は、コマタナさんがいても、あまりに遠すぎた。それを実感した。




カキツバタ曰く四天王最強、シオリが登場。フスベと因縁のあるくさタイプつかい。元ネタはセツナやアトラと同じく別の小説のキャラのいわゆるスターシステムです。

シオリは現在お気に入りユーザ限定公開のめちゃくちゃ前に書いてたちょっと黒歴史で未完の「東方仮面郷~とある禁忌の仮面黙示録(インデックス)~」の主人公「博麗詩織里」が由来。ムツキの元キャラである「博麗夢月」の娘として登場したキャラだったりします。あ、でもコマタナさんでの母親はさすがにムツキじゃないです。

でんきテラスブーバーは原作にいた……はず。現在他県にいる妹にswitchを貸してるため確認できないけどたしかいたはず。

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