懐刀のコマタナさん   作:放仮ごdz

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どうも、放仮ごです。こちらではお久しぶりです。プロットはできてるのだけど繋の話で難航してました。

 前回、課題が見つかったため修行回です。楽しんでいただけたら幸いです。


修行するよコマタナさん

 でんきテラスタルのブーバーに負けて数日。私達は今日も今日とて放課後にリーグ部に通っていた。正確にはリーグ部ではなく、リーグ部で合流したシオリさんと一緒にサバンナエリアのブルべ四天王専用のバトルフィールドにいるのだが。

 

 

「バルチャイ!〝ついばむ”!」

 

「キレイハナ。〝ドレインパンチ”」

 

 

 シオリさんのキレイハナの舞うような動きの裏拳がバルチャイに突き刺さる。なすすべなく錐揉み回転しながら吹き飛ぶバルチャイ。そんなぁ。

 

 

「ソハヤ。あんた本当にコマタナさん以外は弱いっすね」

 

「ううっ……」

 

「苦手なタイプに対抗する簡単な手段は一つだけ。苦手なタイプに有利なポケモンを使う、っす。だからコマタナさんは禁止で俺の手持ちのどれかを倒すんだ」

 

「わかってますけど!コマタナさん抜きで四天王から一本取れとか無理ですよ!?」

 

 

 もう既にモノズ、メラルバが死屍累々で転がっている中にバルチャイが放り投げられる。あのキレイハナ可愛い顔して容赦ない……。

 

 

「無理なんて言葉はポケモンがいる限りありえない言葉だと覚えておくっす。例えコイキングでもガブリアスを倒せることだってあるんだ」

 

「それ物理的に無理では……?」

 

「不可能じゃないっす。それより……もう一匹、切札持ってるよな?それも、でんきタイプに対抗できるポケモンが。なんで出さない?俺を舐めてるっすか?」

 

 

 そう言ってキレイハナを引っ込めるシオリさん。その背後では、コマタナさんがこちらを見ながらぐぐぐっと堪えているのが見えた。コマタナさんの弱点は私のピンチにすぐ反応しちゃうことらしい。だから自制心を鍛えるために私がどれだけピンチになっても見ているだけ、という修行内容をあにぃから告げられたのだ。……っと、現実逃避してる場合じゃなかった。最後の一匹……デスバーンの入っているボールを取り出して見つめる。

 

 

「この子はちょっと危険で……自分から戦ってくれる気にならない限りは使うつもりが無くて……」

 

「それで、ブーバーの時みたいになったらどうするつもりだ。あれは俺がいたからなんとかなったが、コマタナさんが手も足も出ず、お前が死んでいてもおかしくなかった。それでも、そいつの気分次第だと言い訳するんすか?」

 

「え、いや……」

 

「フスベシティで生まれ育った身から言わせてもらうと、危険なポケモンなんてゴロゴロいる。そんなポケモンも御してこそのポケモントレーナーっす。それに、どんなに危険だろうと気にすんな。どうせ、俺には勝てねえ」

 

「デスッバァアアンン……」

 

 

 するとシオリさんの言葉が癪に障ったのか、ボールの隙間から指を出してこじ開けて外に出てくるデスバーン。もう慣れて来たけど心臓に悪い……。ああ、怒ってるなあ。

 

 

「デスバーンか、珍しいな。ガラルの最強のジムリーダーの手持ちとして有名だったか……で?この置物がどう危険なんだ?」

 

デスバーンの“ポルターガイスト”

 

「あ、待ってデスバーン……」

 

 

 周囲の岩や木を地面から引っこ抜いて浮かばせるデスバーンを慌てて止めようとするも、デスバーンは頭に来てるのか止まらない。四方八方取り囲んで一斉に叩き込んでしまう。

 

 

「キノガッサ。〝マッハパンチ”」

 

 

 しかしそれは、一瞬のうちにすべて粉々に粉砕され、その中心にはシオリさんと繰り出されたであろうキノガッサが立っていた。

 

 

「どうした?その程度っすか?」

 

「デスッバァアアンン!」

 

 

 ならばと、〝シャドーボール”を握ったすべての腕を伸ばして叩き込むデスバーン。〝マッハパンチ”はかくとうタイプの技、打ち消すことはできない。しかし。シオリさんはまるで動じてなくて。

 

 

「この程度どうにかできないとカキツバタサンには勝てないんすよね。〝マッシュパンチ”」

 

「はえ?」

 

 

 きらきら光る何かを纏ったキノガッサの腕が凄まじい速度で伸び縮みしたかと思えば、全てのシャドーボールが消し飛ばされて、そして何故かデスバーンは眠ってしまった。え、なんで!?あと聞き間違いかな?マッシュパンチ!?

 

 

「〝きのこのほうし”を纏って〝マッハパンチ”名付けて〝マッシュパンチ”だ」

 

「先生!先制技で〝ねむり”状態にするのは反則だってバトルのやかたで言ってました!」

 

「あまい!そんなこと言ってるからカキツバタサンに負けるんだあ!」

 

「理不尽!え、それに勝ってるあにぃやばくないです?」

 

「やばいっすよ!」

 

 

 あにぃのすごさを再認識。そしてシオリさん、反則ギリギリの技を習得してるのは、だいぶやけっぱちなんだなと。

 

 

「それよりもほら、次の手持ちを……」

 

「あ、全滅です」

 

 

 メラルバ、モノズ、バルチャイ、デスバーン。コマタナさん以外のメンバー全滅です。シオリさん強すぎ。

 

 

「六匹持ってないのか。まあそれは仕方ないっすね……というか。初心者トレーナーでこのメンバー、正気か?」

 

「え?」

 

「コマタナさんも含めて高い熟練度が進化に必要なポケモンばかり……デスバーンなんか進化条件すら不明なポケモンっすよ!?育成難易度激高で連れてるトレーナーも少ない。ちゃんと育成するつもりあるのか?」

 

「え。そうなんですか?」

 

 

 よく知らなかったけどそうなのか。倒れている皆を見る。……うーん、扱い辛いかと言われたら覚える技も癖が多いのばかりでそうかもだけど。

 

 

「みんな、私と一緒に来てくれたから。みんなと一緒にいたい。そのためならどんなに大変でも、育てていきます。もちろん、コマタナさんもだよ?」

 

「ナタッ!」

 

 

 我慢できなくなったのか飛び込んでくるコマタナさんを抱き止める。ああ、それと。

 

 

「まだ負けてませんよ」

 

「うん?それで全員ならコマタナさん以外戦闘不能だろ。まさかコマタナさんでリベンジしようだなんて言わないよな?」

 

「一つ言い忘れてました。うちの子は負けず嫌いで……特にコマタナさんがいると、負けないんですよ」

 

 

 瞬間、伸びた腕がキノガッサを捕らえる。触れた相手に悍ましい記憶を与える手が触れたことで硬直するキノガッサ。その腕の主は、コマタナさんの気配を感じたのか目覚めたデスバーンだ。

 

 

「なっ……!?」

 

「デスバーンは、コマタナさんにだけは負けられないみたいなんです……!〝シャドーボール”!」

 

「デスッバァアアンンッッッ!!」

 

 

 

デスバーンの“シャドーボール”

 

 

こうかはばつぐんだ!!

 

 

 

 そして、持ち上げられたキノガッサに、他の手に形成された〝シャドーボール”を一斉に押し付け、巨大な〝シャドーボール”で包み込んで空中に浮かばせ、大爆発させるデスバーン。いくつもの〝シャドーボール”を重ねた特大〝シャドーボール”の火力に耐えきれるはずもなく、落ちてきたキノガッサは力なく崩れ落ちる。

 

 

「一本、取りました……!」

 

「…やるじゃないか、後輩……!」

 

 

 コマタナさんを抱え、デスバーンを背にそう告げると好戦的な笑みを浮かべるシオリさん。初めて、私を見てもらえた気がする。




 ガッチガチの舞踏ならぬ武闘派であるキレイハナと、〝きのこのほうし”を纏って〝マッハパンチ”を繰り出す〝マッシュパンチ”を使えるキノガッサ。トロピウス以外のシオリの手持ちです。現四天王最強なだけあって普通に強いです。

 ソハヤの課題、コマタナさん以外の手持ちでの戦闘。となるとやはりメインはデスバーン。騙し討ちがお得意になってきた。ソハヤの手持ちの共通点は「育成の難しいポケモンたち」です。

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