魔術王ソロモンと羊飼いの僕が魂を融合したら、チートすぎるマスターになってしまった件〜最強の力を共有した僕の聖杯戦争〜 作:bpro
「これで終わりだ」
ソロモンはとどめを刺すべく指輪の力を解放しようとする。その瞬間だった。突然目の前に現れた何者かによって阻まれてしまったのだ!!
「「!?」」
驚くソロモンとダビデ。それも当然だろう。完全に不意を突かれたのだから。
アサシンはソロモンが嵌めているグローブの上から、指輪を掴んで術式の発動を抑えていた。魔術での攻撃は確かに威力が高いが、術の発動に若干の時間差が生じるためこのように抑えられると発動できないのだ。
つまり……現在ソロモンとアサシンの立場は完全に逆転したことになる……!
「魔術にばかり頼っていては勝機はない」
アサシンは短くそう告げるとソロモンの腹に拳を叩き込むーー!!!強烈な一撃で内臓に直接ダメージを与えるような衝撃が走るーー!!!!
(ソロモン!!!)
ダビデは攻撃を食らったソロモンを見て思わず心の中で叫んでしまう……
(フッ…防御魔法である程度ダメージを軽減させられるがそれでもこの威力とは……さすがは上級者マスターのサーヴァントだな)
ソロモンは苦笑する。自分の正体を隠すため力を加減しなくてはならないとはいえ、舐めてもいられない相手だと認識を改めることにしたようだ。
「……面白い……!」
アサシンの攻撃を受けつつもソロモンの顔には笑みが浮かぶ。彼にとってこの戦いは非常に興味深いものになっていたのだ。
(あのマスター…相手がキャスターだから自陣はアサシンを選んだのだろうな。確かにキャスターはアサシンと相性が悪い面は否めない。ただの軽い男ではないようだ)
冷静に分析するソロモン。
そんなことを考えているうちにいつの間にか背後に回っていたアサシンから蹴りが入る……!拳法家らしきこの男は武術を得意としているらしい。鋭い打撃が次々に叩き込まれる!
(くっ……なんという速さだ……!)
予想外の攻撃を受けて体勢を崩すソロモン。そこに更なる追撃が加わる!拳を突き出し顔面を狙う!それをギリギリで避けることに成功するソロモンだが、避けきれず頰に擦り傷を負ってしまった……!
その後も攻防が続く中、目にも止まらぬ速さで動き回り連続でパンチやキックを放つ!ソロモンはそれをガードしつつ反撃の機会を窺うがなかなか隙を見出せない……!それどころか徐々に追い詰められていく始末であった。
(ふふ…あのキャスターはグローブで隠しているがやはり手に秘密があったようだね。そしてキャスターは長距離戦は得意だが接近戦には弱い。魔術発動の準備時間を狙って封じつつ接近戦に持ち込めば、いずれ物理攻撃による体力の限界が来るはずだ)
アサシンに指示を出していたのはウィリアムだった。
(アサシン…李書文。李氏八極拳の産みの親である最強の格闘家にして暗殺者。残念だが彼を倒すことはできないぞ。今は防御魔法で防いでるようだがいずれ体力と魔力に限界が来る)
ウィリアムはマスターとして的確に判断し指示を飛ばす。その冷静さはまさに歴戦の魔術師といった雰囲気であった。
(ソロモン……どうする?このままでは本気を出すしかないのか……だが魔術王だと知られるわけにもいかない)
ダビデはただ見守ることしかできない自分に苛立ちを感じていたーーー