魔術王ソロモンと羊飼いの僕が魂を融合したら、チートすぎるマスターになってしまった件〜最強の力を共有した僕の聖杯戦争〜   作:bpro

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33話 中間試験終了

友達同士で戦うことを余儀なくされたダビデとクランであったが、勝負はダビデに軍配が上がったようだ。

 

敗北したクランはしばらく呆然としていたが、やがて我に返ると悔しそうな表情を浮かべると共に唇を噛み締めていた。

 

 

(くそっ……負けたのか僕は……せっかくここまで勝ち上がってきたのに……ちくしょう……)

 

悔しさのあまり涙が溢れそうになるがなんとか堪えることが出来たようだ。

そんなクランの元にダビデがやってくると優しく声をかける。

 

 

 

「お疲れ様、クラン♪いい戦いぶりだったよ〜」

「……ふん、嫌味かよ……僕の負けだよ……」

 

ぶっきらぼうな態度で返事をするクランだったが、ダビデは手を差し出してこう告げた。

 

 

「君も、努力してきたんだね。悔しいが、勝負には勝ってもマスターとしては君の方が上だったようだ……」

 

その言葉にクランはハッとしたようにダビデを見る。彼女なりに賞賛してくれたのだとわかったからだ。

だがそこには微かに罪悪感と後ろめたさのようなものが含まれていたことにダビデは気付くことはなかった。

 

 

「おめでとう、ダビデさん。これで君は合格だね。だけど、僕はメダルを1つ奪われてしまうけど必ず追いついてみせる」

 

そう言って握手を交わす二人であった。

だがーーー

 

この日を境に、いや正確にはその前から・・・二人の友情関係は変わってしまったことをこの時のダビデは知る由もなかったのである……

 

***

 

「お疲れ様。サンジェルマン。さすがだね」

「マスターの命令通り、真の実力を出さず力を制御して勝利するーーなかなか上手くやれたものだ」

 

試合を終えたサンジェルマンに話しかけるダビデに、彼は満足そうに返す。

 

 

(マスターが一度命を落とし復活してから明らかに私の戦力も爆上がりしている。サーヴァントは契約によりマスターの影響を受けるからな…。それだけ彼女の魔力が桁違いになったということか。何が起きたか知らないが、ソロモン王が関わっているのは間違いないだろう)

 

 

仲間であるサンジェルマンも、ダビデとソロモンが「魂の融合」により魂を共有し、互いの資質を共有するチートな関係であるという、彼らだけの秘密を知らないため疑問を抱くばかりであった。

 

 

(まあ、今はいいか。何にせよ私の目論見は正しかったということに変わりはない)

 

 

こうしてダビデ陣営はメダル5つを獲得し、無事中間試験を合格したのであった。

 

 

ダビデ達は合格できたが、今回の中間試験により多くのマスター候補者が脱落していき、残酷な現実を突きつけられることとなったのだった……。

だがこれもまだ序盤なのである。聖杯戦争とは過酷な生存競争なのだ。油断はできないし、ましてや気を抜くなどもってのほかだ。

 

ここからさらに熾烈な争いが繰り広げられることになるのだからーーーー

 

 

***

 

 

 

 

「ーーー報告は以上です」

 

薄暗い部屋で少年が一人、何者かと会話していた。

その少年はーーダビデと対戦したばかりであるクランだった。

 

「彼女のキャスターについて探っても頑なに何も答えようとしません。やはり何か重大なことを隠しているとしか思えません」

 

クランの報告を聞いた男は少し思案した後、口を開いた。

 

 

「ふむ、そうか。だが君があの子と対戦するとはね。あの子はプリテンダーを持っていたのか。そしてそのプリテンダーもなかなか面白そうだ。情報が入手できたことは収穫だね」

 

男は顎に手を当てて口元に笑みを浮かべる。

 

「では引き続き調査を続けてくれ給え」

「わかりました。それでは失礼します」

 

そう言うとお辞儀してから部屋を出ていくクラン。

 

1人残された男は何かを企むように不敵な笑みを浮かべていたのだったーー

 

 

 

第一章完 

幕間を挟んで第二章に続きます。

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