魔術王ソロモンと羊飼いの僕が魂を融合したら、チートすぎるマスターになってしまった件〜最強の力を共有した僕の聖杯戦争〜 作:bpro
38話 ハワイに向かうダビデとソロモン
ある日のこと。
ダビデとソロモンが暮らす家に、彼らの仲間である英霊サンジェルマンが訪問してきたことが事の始まりだった。
どうやら立ち話というわけにも行かないような内容の話のようだ。ひとまず部屋に招き入れることにした。
「え?ハワイに行ってほしい?」
突然の申し出に目をぱちくりさせるダビデに対し、ソロモンは静かに紅茶を飲みながら話を聞いていた。
「ああ、そうだ。実は最近ハワイは異変が起きているらしいんだよ」
サンジェルマンの話によるとここ最近になってハワイでは異常気象が多発しており、このまま放置するとハワイ住民に影響を及ぼしかねない事態だそうだ。
今はまだ平穏だがいつ何が起こるかわからない以上早めに対処した方がいいと判断した魔術師協会は、現地の状況調査のために現地へ赴いてほしいということらしかった。
この任務を遂行すればダビデ陣営はポイントを得ることができ、解決できればかなり高ポイントを得られるとのことだったので是非引き受けてほしいということだった。
「済まないが君達2人で行ってきてくれないか?」
今回はサンジェルマンとロビンフッドは留守番することになっているようだ。
「わかった。引き受けよう」
即答したのは意外にもソロモンの方だった。
あまりにもあっさりと承諾したのでダビデは拍子抜けしてしまったようだがすぐに気を取り直して次の話題に移ることにするのだった。
「ではよろしく頼むよ。くれぐれも気をつけてくれたまえ」
それだけ言い残し去っていくサンジェルマンを見送ると彼はダビデの方を向き直り真剣な眼差しを向けてきたかと思うと唐突にこう言ってきたのだ。
「だが助けが必要であれば駆けつけるよ、マスター。その時は必ず呼ぶようにしてくれ」
その言葉を聞いたダビデは一瞬きょとんとしていたがすぐに笑顔になるとこう答えた。
「もちろんだ。その時は頼りにしているよ」
その言葉に満足した様子で頷くと彼は帰っていったのだった。残された2人は顔を見合わせると頷き合い、準備を始めることにしたようだ。
「だけどなぜ僕たち2人だけなんだろう?まあいいけどさ」
「気を遣ってくれたんだよ。遊びに行くわけではないがある意味旅行みたいなものだし楽しんでほしいんだろう」
そんなことを言い合いながら準備を進めていく彼ら。
2人で海外に行くのは初めてなので内心ワクワクしていたりするのだが、本来は任務なので浮かれてばかりもいられない。
だが陽気な性格のダビデは早く行きたくて仕方がないらしく落ち着かない様子だったので、ソロモンが苦笑しながらこう言った。
「ハワイへ行くには飛行機に乗ってもいいが、魔術で瞬間移動する方が早いからそうしようか」
それを聞いたダビデの表情がパッと明るくなる。海外にテレポートするとなると相当の魔力が必要だが魔術王であるソロモンならば問題ないだろうと考えたからだ。
そんな彼女の期待に応えるようにソロモンは呪文を唱えたかと思うと次の瞬間には別の場所に移動していた。そこはどこか森のようだった。周囲には草木が生い茂っており、鳥のさえずりも聞こえてくるほどである。ここが本当にハワイなのだろうかと思ってしまうほどだ。
「すごいな……一瞬でこんなところまで来れるなんて」
人がいない場所を選びこのような場所に出ることができるのだから彼の実力はやはり本物なのだろうと思い知らされる気分だった。
だが、少し歩いた先に広がる光景を見て2人は驚愕することになる。なんとそこは一面焼け野原の状態だったからである。
「何だか不穏だな…これは急いだ方が良さそうだ……!」
そんな呟きを残し走り出すダビデだったがそれに続いて走り出したソロモンの顔はどこか楽しそうでもあった。
物語の展開上、テレポートで入国してますが本来は不法入国になってしまいます。
小説の描写は省いてますが、魔術師協会の伝手があったので不法ではないという設定です。