魔術王ソロモンと羊飼いの僕が魂を融合したら、チートすぎるマスターになってしまった件〜最強の力を共有した僕の聖杯戦争〜 作:bpro
「面白いことを言う人間だな……よかろう、話を聞いてやる」
そう言うと男は両手を大きく広げて言った。
「我が名はクー。戦の神と呼ばれている」
その言葉に呼応するように辺り一面に光が差し込み始める。その光景はまるで神話に登場する光景のようだった。
そして同時に強い力を感じた。
「私はソロモンと申します。こちらはダビデです」
自己紹介を終えると早速本題に入ることにしたようだ。
「我々の調査によると、ある魔術師がこの地の神の力を強引に奪おうとし、その影響で異常気象が起きているようなのです」
「ふん、その人間の行いなのだから関係ないと言いたいのか?人間というのは責任をなすりつけ合う生き物だからな」
吐き捨てるように言うクーにソロモンは静かに反論する。
「いえ、そうではありません。我々は解決させたいと思っています」
「我々がその魔術師の愚行を止めようと思います。どうかお許しいただきたい」
そう言って頭を下げるソロモンとダビデに対してクーは言う。
「お前達の言い分はよくわかった……だがそう簡単に信用することはできぬな……」
クーは少し思案する素振りを見せた後、試すような口調でこう宣告する。
「人間共よ。ただ戦うだけで解決できると思うな。お前達に一つ試練を出そう。このハワイの地において伝承された『ある教え』がある。それをお前達が示すことができれば我々の負けを認めようではないか」
まるで謎解きのような宿題を出すクーに対してダビデとソロモンは頷いて答える。
「わかりました。それで貴方が納得してくださるのであれば喜んでお受けしましょう」
それを聞いたクーはニヤリと笑うとこう言った。
「いいだろう。ただし期限は三日だ。それまでに答えを示せなければ神の怒りをこの地に叩きつけることになるぞ?」
その言葉を聞き、ダビデとソロモンは真剣な表情で頷いたのだった。
***
ワイピオ渓谷を後にした2人は今度はキラウエア火山へと向かうことになった。
この山には様々な伝説が残っているが火山の女神ペレが住むとされる聖地でもある。
そんな場所に今回の騒動の原因となった魔術師がいるというのだ。ダビデは先程戦の神クーから聞いた話を思い返していた。
◆◇◆◇◆◇◆◇
「魔術師が手にいれようとしている神の力……それは雪の女王と呼ばれる存在だ」
クーは神妙な面持ちで話し始めた。こうして情報をくれるということは彼なりにダビデ達を信じ始めているのかもしれない。
「雪の女王ーー彼女は雪の女神として今も伝承されている。だが今は封印されて眠っている状態だ」
「女神様はなぜ封印されてしまったのですか?」
ソロモンの質問にクーは答えた。
「正確には自ら封印を選んだという方が正しい。それも人間の行動によって・・・」
人間が伝承しているハワイ神話では決して語られることなどない、神々しか知らぬ隠された神話ーーそれも悲しい神話があったのだという……。
◆◇◆◇◆◇◆◇
雪の女神は然るべき時が来るまで眠りについているはずだった。だがーーそれを邪魔する者が現れたのだ。
それが聖杯戦争に関わっていると思われる魔術師だ。その者の策略のせいでハワイ住民に危機が訪れてしまった。このままでは取り返しのつかないことになってしまうかもしれない……。
だからこそ自分達は戦わねばならないのだと決意を新たにしたダビデだった。