魔術王ソロモンと羊飼いの僕が魂を融合したら、チートすぎるマスターになってしまった件〜最強の力を共有した僕の聖杯戦争〜 作:bpro
(セッ……クス!!??)
ソロモンが口にした衝撃的な言葉に思わず顔が真っ赤になるダビデであったが、ソロモンは構わず続ける。
「私の魔力を分けてあげれば一気に上がることは間違いないね」
その時ダビデは、他のマスター候補生から聞いた情報が頭によぎっていた。
◇◆◇◆◇◆
「なぁ、みんなは誰をサーヴァントにしたい?」
たまたまマスター候補生が集まって雑談をしていたのだがダビデも声をかけられたので混ざっていた。
マスター達は自分が誰と契約しているか秘密にしているのだが、妄想や願望をみんなで語り合うことで発散していたのだった。
「うーん。英雄が良いなあ、ヘラクレスとか」
「ジャンヌ・ダルクはどうだろうか」
「私はやっぱりギルガメッシュがいいなー!」
英雄や偉人の名前を出し盛り上がる一同。
だがあるマスター候補者の言葉にダビデは固まることになる。
「チッチッ、そんなの彼一択だよ」
「彼って?」
「魔術王ソロモンさ!彼は最強にして最高の英霊なんだ!最高過ぎてヤバいくらいだぜ!?」
(え・・・・!?)
一斉に歓声を挙げるマスター達。
「魔術王か!何と言っても魔術の頂点に立つ男だもんな!強さは折り紙付きだよなー!」
「うんうん!彼の力は圧倒的だもん!憧れちゃうわー♡」
(まじゅつおう……?ソロモンが?)
「ねえ知ってる?噂だけど……ソロモンはもう召喚されて英霊として現界してるらしい。だけど誰とも契約してないんだって」
「ああ、その噂は聞いたことある!さすが魔術王、マスターと契約しなくても現界できるんだね。だけど並の魔術師じゃ契約に応じてくれないのか…」
「マスターはみんなソロモンと契約したいに決まってるさ!最強位の英霊だしな!」
「だけど、あのソロモンと契約できるなんて超一流の魔術師でもないと無理だろうなー、そうでもないと釣り合わないもん」
「あー、ゲームみたいに課金できたらいいのに」
「どんだけ課金したって無理だろw」
笑っているマスター達の会話を聞きながらダビデは衝撃の事実に胸の鼓動が早まるのを感じていた。まさかソロモンが最強位の英霊だなんて思いもしなかったのだから無理もないことだろう。しかも、自分よりも遥か格上の存在であると知り動揺を隠せなかったーー
◇◆◇◆◇◆
(ソロモンは魔術王…。魔術の世界で頂点に立つ男……。そんな男であれば魔力は計り知れないのだろうけど……)
ソロモンは一気に妖艶な雰囲気を漂わせ、ダビデの腕を掴んで囁いた。
「私と試してみないか?」
ソロモンはそう言って距離を詰めてくる。ダビデは思わず後ずさろうとするのだが壁に背中がついてしまう形になり逃げ場を失ってしまうことになる。
壁に手をついて壁ドン状態になるとそのまま顔を近づけてきたので反射的に目を瞑った瞬間唇を奪われたかと思ったその時――唇に何かが当たった感触があった。
(なんだこれ……?)
不思議に思って目を開けてみると目の前に顔があったので驚いたのだがその正体に気づくと一気に顔が熱くなるのを感じたのだった――
どうやらキスではなく指を当てられただけのようだったのである。ホッとした反面ちょっとがっかりしたような複雑な気持ちになったのも事実だった……。
「やめておくよ。男に抱かれる趣味は僕にはないから。どうせなら女の子が良いね」
そう言って戯けたように軽口で断るとソロモンは少しキョトンとした顔をしてなぜか笑い出した。
「ははっ…君だって今は女だろう」
どうやら冗談だったようだとわかり、ダビデはムっとする。
「……からかわないでくれ」
なんだかからかわれたような気がして少し不機嫌になったのだが、ソロモンはそれを察したようで謝罪してきた。
「ごめん」
そして今度は真面目な表情になると真っ直ぐに見つめてくる。その瞳には真剣な色が宿っているように感じられて思わずドキッとした。心臓の音がうるさいくらいに高鳴っていくのがわかるほどだ。
***
一方その頃。ある英霊が独り言を呟きながらカルデアを歩いていた。
「ダビデちゃん……どこにいるのかな?」