魔術王ソロモンと羊飼いの僕が魂を融合したら、チートすぎるマスターになってしまった件〜最強の力を共有した僕の聖杯戦争〜 作:bpro
2人はようやく目的地であるキラウエア火山に到着した。
そこは活火山であり溶岩が流れ出ている危険な場所でもあったのだが、なぜか火口から煙が上がっているのが見えた。どうやら何者かが活動しているのは間違いないようだ。
ダビデ達は警戒しながら中へと進んでいくことにした。するとそこには黒いローブを纏った女性の姿があった。女性はこちらに背を向けたまま動かない。
(あれが魔術師か……?)
そう思った瞬間、女性がこちらを振り向いた。紫の瞳を持つ美しい顔立ちの女性だったがその表情はとても冷たいものだった。
「貴方達、何をしに来たの?返答次第では容赦しないから覚悟しなさい」
淡々とした口調で告げる女性は不気味さを感じさせるが、ソロモンは淡々と答える。
「雪の女王の封印を解いたのは貴女で間違いないですね?ハワイの神々がお怒りです。今すぐ中止してください」
しかし女は首を横に振ると言った。
「嫌よ!やっと手に入れた力なのに手放すわけないでしょ!私の邪魔をするなら容赦しないわよ!」
激昂する女にソロモンは冷静に問いかける。
「では力ずくでも止めさせてもらいます」
ソロモンの言葉を聞いて女は不敵な笑みを浮かべると言った。
「へぇー、やれるものならやってみなさいよ」
その言葉を合図に戦闘が始まるのだった。
《ソロモン、この女は聖杯戦争参加候補者のマスターであれば、君が魔術王だとバレるわけには行かないようだね》
ダビデは意思疎通を使い話しかける。
ソロモンもそれに同意するように頷くと答える。
《そうだね、中間試験の時のように力を制御して戦わなくてはならない。だがーーこの女性は神の力を手に入れた可能性がある。いざという時は・・・君の『あの魔術』を使ってくれ》
ソロモンの言葉にダビデは頷く。そして2人は覚悟を決めると戦闘体制を取るのだった。
先に動いたのは女の方だった。
「喰らいなさい……!」
女が杖を振るうと無数の氷の矢が出現して襲いかかる。その数は数百にも及び避ける隙間すらなかった。だがソロモンの防御魔法により攻撃を防ぐことができたようで無傷であった。
だがこれで終わりではなかった。
なんと女の背後から巨大な氷柱が現れると、こちらに向かって飛んできたのだ。それを見たソロモンは咄嗟に防御壁を展開する。
ガキィィン!!と甲高い音が響き渡ると同時に衝撃が走る。なんとか防ぐことはできたものの、もし直撃していたらタダでは済まなかっただろう。
場所は火山付近だというのに不似合いな氷柱を見たソロモンは確信するように言った。
「……なるほど、これが雪の女王の力というわけですか……」
その言葉に反応した女はニヤリと笑うと答えた。
「そうよ、私は雪の女王の力を使えるようになったのよ!これで誰にも負けないわ!!」
高らかに宣言する女を睨みつけながらソロモンは言った。
「その力は確かに強力ですが……使いこなせていないようですね?」
ソロモンの言葉を聞いた女は不快そうに眉を寄せると叫んだ。
「何ですって……!ああ、そう。自分が言った言葉を後悔するが良いわ」
女は邪悪な笑みを顔に浮かべると両手をかざした。その瞬間、凄まじい冷気が襲いかかってくるのを感じた。
「雪の女神ポリアフよ、今ここに現れよ!」
それはまるでマスターがサーヴァントを呼び出すかのようであった。
次の瞬間、地面が凍り付きそこから現れたのは真っ白なドレスに身を包んだ美女の姿だった。その姿はまるで雪で作られた人形のようで美しかったが、その瞳は虚ろで生気を感じられないものだった。
「さぁ、雪の女神よ。目の前の敵を蹴散らすのです!」
雪の女神と呼ばれた存在はゆっくりと歩き出すと、ダビデ達に襲い掛かってきた。その動きは非常に緩慢であったが、触れたもの全てを凍りつかせる冷気を纏っているため油断はできない状況だ。
封印を解かれた雪の女神が敵となり、立ち塞がる状況にダビデとソロモンはどう立ち向かうのか?