魔術王ソロモンと羊飼いの僕が魂を融合したら、チートすぎるマスターになってしまった件〜最強の力を共有した僕の聖杯戦争〜 作:bpro
英霊サンジェルマンから依頼され、彼とサーヴァント契約を結んだダビデ。
そのことをソロモンに報告しに来たのだがーー
「ソロモン王!久しぶりじゃないか!」
何とサンジェルマンはソロモンを見るなり抱き着いたではないか!だがソロモンは迷惑そうに彼を押し除けた。
「私は男に抱きつかれる趣味はない」
と冷たく言い放つがサンジェルマンはまるで気にしてない様子だ。
「え……?君達、知り合いなのか?」
ダビデは2人が互いを知っている様子であることに興味を抱いたらしく尋ねてみたところ意外な答えが返ってきた。
「ああ、そうだとも。私とソロモン王は古くからの友人なんだ」
何でもサンジェルマンは生前のソロモンと面識があるらしい。この男は近世の伯爵だったそうだが、何とも不思議極まりない人物だと感じたダビデだった。
「しかし君が我々の仲間になるとはね」
「いやー、マスターを失って消えそうになっていたから、ダビデちゃんに頼んだんだ。だけどまさかソロモン王と契約していたとはね。やはりダビデちゃんは只者ではないようだ」
「ところで…なぜ僕の名前を知ってるんだい?」
ダビデは気になっていたことを尋ねた。するとサンジェルマンはニコリと微笑みつつ言った。
「ああ、絶世の美女と言っていい美少女がカルデアに現れたと聞いてね。君、けっこう話題になってるんだよ?」
意外な返答をされて困惑気味のダビデである。だがソロモンは神妙な顔で2人のやり取りを見ていたのだった。
一方その頃。
(ソロモン王……やはり貴方も来ていたのね……)
ある女性の英霊がソロモンのことを思っていたのだった・・・
***
ソロモンは、新たに仲間となったサンジェルマンと2人で話していた。
「サンジェルマン。君、私がダビデのサーヴァントだと知っていたんだろう?」
「はは、さすがソロモン王だね。君は擬態の魔術を使っていたようだが、私にはわかったよ」
ソロモンは念のため、ダビデと行動する時は擬態の魔術を使い、ダビデ以外の者には別の姿に見えるように幻想をかけていたはずだった。だが魔術や錬金術に長けているサンジェルマンにはお見通しだったようだ。
そして、サンジェルマンが見破ったのはそれだけではなかった。
「魔術王である君が簡単に見破られるはずなどない…君は、あのマスターのサーヴァントになったことで、本来の力を抑えているんじゃないのか?だから私にもバレてしまったわけだ」
(そこまで見抜いていたか……)
ソロモンは魔術界の頂点とも言える魔術師だ。その力はあまりに圧倒的であるが、サーヴァントというのは契約によってどうしてもマスターの影響を受けてしまう。
まだ初心者であるダビデでは彼の力を十分に引き出すことはできず、制限がかかってしまっていた。
そしてあまりに強大な力ゆえ、ダビデに負担がかかり壊してしまう危険性すらある。
故にソロモンの方が彼女に合わせて力を抑え、弱体化するしかなかったのだ。とはいえ、元々の能力が高いため、並大抵の相手ならば圧倒できるのだが……
「フッ、そこまで見抜いていたか」
「ねえ、君ほどの者がなぜそこまでしてあの子のサーヴァントになったんだ?確かにあの子は他の人間にはないものを感じるが…」
率直な疑問をぶつけるサンジェルマンだがソロモンは表情を変えずに答えた。
「彼女を見た瞬間、この人しかいないとわかったんだ。魂が惹かれたと言えばいいのだろうか……まるで崇拝したくなるような気持ちにさせられたんだ」
「へぇー意外だな。君にそんな感情があったなんて……」
(うん?それって、つまり……)
サンジェルマンはその感情に心当たりがあったがあえて口にしなかった。
「とにかくよろしく頼むよ」
「こちらこそ」
2人は握手を交わして別れたのだった。
***
サンジェルマンが新たにサーヴァントになったことでダビデのマスターとしての自覚は高まることになった。ソロモンは自力で魔力供給できるので自分が供給する必要がなかったが、これからは魔力をサーヴァントに供給しなくてはならなくなったからだ。
(魔力供給がなくなるとサンジェルマンは消えてしまう…いくら英霊が復活できると言っても大切な仲間だ)
ダビデはさらに魔術師の修行に励むようになったのである。ソロモンはそんな彼女に付き合い積極的に知識や技術を教えていくことになる。2人はそんな時間を過ごしながら、絆を育んでいったのだった。
そして訓練が終わってからもソロモンは毎日ダビデの部屋に遊びに行くのが日課となっていた。最初は戸惑ったダビデだったが今は慣れてきたようで笑顔を見せるようになった。
「今日もお疲れ様、ソロモン」
そう言って出迎えてくれる彼女の笑顔を見ると癒されるような気がするソロモンであった。
こうして、ダビデとソロモンは聖杯戦争という過酷な戦いに身を投じたとはいえ、充実した幸せを感じていたのだった。
だがある英霊の干渉により、波紋が起き始めることを彼らは知る由もなかった。