魔術王ソロモンと羊飼いの僕が魂を融合したら、チートすぎるマスターになってしまった件〜最強の力を共有した僕の聖杯戦争〜   作:bpro

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7話 シバの女王登場

ある日のこと。

ダビデは新たな英霊と出会うことになった。ある物を大事そうに抱えながら歩いていたところ、声をかけられたので振り返る。

 

 

それは美しい女性だった。おそらくエジプトの女性だろうか?高貴な振る舞いや品のある物腰は彼女の身分の高さを感じさせるものだった。英霊は真名を隠すので名前はわからないがーー

もし自分が男だったら興味を持ったり軽い口調で絡むかもしれないが、今の自分は女になったからかそんな気は起きない。

 

 

「貴女はダビデさん……ですよね?ソロモン王と一緒にいるのを見たから気になっていたのですわ」

 

女性は微笑みながら話しかけてきた。

彼女は自らを『キャスター』と名乗った。真名は名乗れないのだろう。それよりダビデは彼女がソロモンの名前を知っていることに動揺してしまう。

 

 

「ああ、英霊は名前を隠しているから警戒させてしまったかしら。私は……生前のソロモン王の妻の1人だったのです。だから彼を知っているのです」

「え!?」

 

 

まさかの人物の登場に驚くしかないダビデだった。

 

 

目の前の女性がかつてソロモンの妻だった……?信じられない思いでいっぱいだった。だが彼は生前それは多くの妻を抱えていたことは本人から聞いていたし王なのだから妻が多いのは仕方ないことだと割り切っていた。

 

しかし、目の前の美女がソロモンの元妻ということに複雑な気持ちも感じてしまい戸惑うダビデだった。

 

 

「良ければ少しお話しませんか?」

 

断る理由がないので彼女とお茶を飲むことにしたダビデ。それに彼女自身に興味もあったのだ。何せあのソロモンの妻だった女性なのだから。

 

 

 

 

「彼は元気かしら?最近姿を見ていないのだけれど……」

 

心配そうな表情を浮かべる彼女に対してダビデは少し考えてから答えた。

 

「ええ、元気ですよ。ただ最近は忙しいみたいで」

 

嘘ではない本当のことを伝えると彼女も安心したように微笑んだ後で言う。

 

 

「そうですか、それは良かったです」

 

 

そう言って首元を飾っているネックレスを触る。その仕草を見て綺麗だと思い、思わず凝視してしまうダビデに気付いたのか彼女は微笑んでこう言った。

 

 

「実はですね、ソロモン王が先日私にくださったのです。なんでも日頃のお礼だと言っていましたわ」

 

その言葉に衝撃を受けるダビデ。そんなはずはないと思いつつ、彼女が嘘をついているとは思えなかった。

 

 

 

(2人は会っていたのか……そして首飾りを贈るとは)

 

 

そんなことを考えているうちに段々とモヤモヤしてきた自分に気付くと同時に困惑する。

何故ここまで心が波立つのだろうと思いながらもその気持ちを押し殺すようにして笑顔を作ったのだったーーー

 

 

***

 

(はあ……なんか嫌な気分だなぁ……)

 

そう思いながらため息をつくダビデの姿があった。理由は言うまでもなく先程の出来事のせいである。

 

 

(別にソロモンが誰と会おうと僕には関係ないはずなのに)

 

そう思うものの胸のもやもやは一向に晴れないどころかむしろ大きくなっているような気さえする始末だ。

 

 

(なんでこんな気持ちになるんだろう……?)

 

そして大事に持ち帰ったある物に目を落とす。

 

 

(どうしようか、これ。他の奴にあげるわけにもいかないし……)

 

 

どうしたものかと考えていると部屋をノックする音が聞こえる。ビクッと肩を震わせてから慌てて返事をするとそこに立っていたのはソロモンだった。

 

 

 

「やあ、会いに来たよ」

 

ニコニコしながら話しかけてくる彼に対してぎこちない笑みを浮かべることしかできないダビデはなんとか平静を装って応対していた。

 

 

「どうしたんだ?何かあったのかい?」

 

心配そうに見つめてくる彼に申し訳ない気持ちになりながらもなんでもないと答えることしかできなかった。しかし彼は納得していない様子でさらに問いかけてくる。

 

 

「いや、明らかにおかしいだろう?何かあったとしか思えないんだが?」

 

そう言われて言葉に詰まるダビデだったが、意を決して打ち明けることにした。これ以上隠し通すことはできないと判断したからである。

 

 

「今日、君の妻だった女性の英霊と会ったんだ」

それを聞いて驚くソロモンだったが、黙って続きを促すことにしたようだ。そんな彼に感謝しつつ話を続けることにしたダビデ。

 

 

「彼女と会ってるんだね。お似合いだと思うよ。君も隅に置けない男だな~」

 

笑って冷やかしながらもつい皮肉めいたことを言ってしまったことに後悔するがもう遅いだろうと思っていたのだが意外にも反応はなかった。そのことに拍子抜けしていると今度は逆に質問をされてしまうことになる。

 

 

 

「……ダビデは嫉妬してるのかな?」

 

図星を突かれて動揺してしまったダビデであったがすぐに冷静さを取り戻すことができたので誤魔化すことに成功する。

 

 

「ははっそんなわけないさ。ソロモンの幸せを僕は願ってるのだから…だから邪魔なんてしないよ」

 

そう言うと立ち上がって部屋から出て行こうとするダビデだったがその手を掴まれてしまう。振り返るとそこには真剣な表情をしたソロモンがいた。

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