魔術王ソロモンと羊飼いの僕が魂を融合したら、チートすぎるマスターになってしまった件〜最強の力を共有した僕の聖杯戦争〜 作:bpro
「待ってくれ!私は君と話がしたいんだ!」
必死の形相で訴えかけてくるソロモンの姿に気圧されてしまいそうになるが何とか踏みとどまりつつ言い返す。
「何を話すっていうんだい?」
そう尋ねると彼は深呼吸をしてから言った。
「誤解だ。確かに彼女と一度会ったがやましいことは何もない。信じてくれ」
その言葉を聞いた瞬間、胸がズキッとした痛みに襲われるのを感じたダビデだったが気付かないふりをして言う。
「首飾りを彼女に贈ったそうじゃないか?彼女、嬉しそうに自慢していたよ。まあ僕には関係ないことだけどね」
(何を言っているんだよ僕は……!こんなこと言いたいわけじゃないだろ!?)
心の中で叫ぶも口は止まってくれない。するとソロモンの表情が悲しげに歪むのが見えた気がした。
「信じてくれないのかな?」
悲しそうに呟く彼の言葉に罪悪感を覚える。
「彼女は生前、色々な宝をイスラエルに贈ってくれたから何かお礼がしたかっただけなんだ。もちろん君にもプレゼントするつもりだったけど……」
そこで言葉を区切ると真っ直ぐにこちらを見つめてきた。その瞳からは強い意志を感じることができる。
「僕は十分君にもらってる。これ以上もらったらバチが当たるくらいさ」
冗談めかしたように言うダビデにソロモンは優しく微笑むと言った。
「ありがとう、私の愛しい人……」
その言葉を聞いた瞬間に顔が熱くなるのを感じたダビデは慌てて顔を背けると踵を返して机の上に置いてある包みを手に取るとその中身を彼に差し出すようにして差し出した。それを見た彼が驚きの表情を見せるのを見て満足げな表情を浮かべながら告げる。
「これをあげるよ。僕からの贈り物だと思って受け取って欲しい」
それを聞いたソロモンは一瞬驚いたような顔をした後で嬉しそうに笑うと受け取った後に大切そうに胸に抱えると言った。
「開けてみてもいいかな……?」
それに対して首を縦に振ることで答えることで肯定の意を示すことにする。
恐る恐るといった様子でリボンを解き包装紙を開ける様子を見守っている間はとても緊張していたがいざ中身を見た時の反応を想像するだけでワクワクした気分になってしまう。
だが喜んでくれるだろうかーー
「これは……チョコレート?」
「この前サンジェルマンにもらってすごく美味しかったから…君にも食べさせたいと思っただけだ。深い意味はないよ」
照れ隠しのために早口でまくし立てるように言うと彼から視線を逸らしてしまった。きっと今の自分の顔は真っ赤になっているだろうと思うと恥ずかしくてたまらない気持ちになるのだった。
そんなダビデの様子を見ていたソロモンは愛おしそうな目で見つめていたかと思うと不意に抱きしめてきた。
突然のことに驚いていると耳元で囁かれる言葉があった。
「ありがとう……とても嬉しいよ」
喜んでもらえたとわかりダビデはホッと胸を撫で下ろすとともに嬉しさが込み上げてくるのを感じた。
そしてお返しとばかりに抱きしめ返すとしばらくそのまま抱き合っていたのだった。
「ねえ、食べてみてもいいかな」
しばらくして体を離すとソロモンが尋ねてくる。それに頷くと彼は丁寧にラッピングを外すと箱を開け中からハート型のチョコを取り出した後、口に運ぶとゆっくりと咀嚼し始めた。その様子をドキドキしながら見つめているとやがて嚥下する音が聞こえたので感想を待つことにした。
(気に入ってくれるかな……?)
不安になりつつも期待を込めた眼差しを向けていると彼はにっこりと微笑んでくれた。それだけで嬉しくなると同時に安堵するダビデであった。
「うん、美味しいよ!口の中でとろけるような食感がいいよね!」
そう言ってもらえて安心したのか自然と笑みが溢れていたようでそれを見た彼もまた笑顔になっていた。
するとチョコの一つを手に取ってダビデの口に近づけてきたため反射的に口を開けてしまう。
それを口の中に入れると舌の上で転がすようにして味わった後、ゴクリと音を立てて飲み込んだ。
それを見て満足したように頷いたソロモンは再び手を伸ばしてくると今度は自分の口に入れた後で顔を近づけてきて口付けをしてきたかと思えば、舌で唇をこじ開けるようにして侵入させると舌を絡め合わせてきたではないか。
驚いて離れようとするものの後頭部を押さえつけられてしまっていて身動きが取れずされるがままの状態になってしまう。
甘いチョコレートの味を互いに味わい尽くすかのように貪り合いようやく解放された時にはすっかり息が上がってしまっていた。
「はぁ……はぁ……」
呼吸を整えているとソロモンの手が頬に触れてきて撫でられたのでくすぐったくて身を捩ってしまう。
「ふふ、可愛いなぁ」
うっとりとした表情で見つめられるだけで恥ずかしくなり俯いてしまうダビデだった。
(うう……なんだか悔しいな)