キー!!
扉間の声と共に、シロコ*テラーの銃弾が不可視のバリアに防がれる。
「もう1人のワシではなく、お前が来たか……シロコ!」
「バリア…ッ!? なんで…アロナはこっちが攫ったのに…!」
「え? もう1人の先生? というか、いつの間にこっちの私、攫われてたんですか!? シッテムの箱の中からどうやって…?」
アロナガードの代わりの、キーさんガード。
オーパーツに無名の司祭の技術が合わさり、最強に見える。
『アリス以外に従うAIになるのは、いささか不満ですが……友人を助けるのは
「別のAIがシッテムの箱に…!? そんなの私のデータにはない…!」
ケイがシッテムの箱で、アロナとルームシェアしていたのは僅かな期間のみ。
そして、それもモモイのゲーム機の代わりに、シッテムの箱に入れるという、世界線によっては行われない手段。
扉間と会話の出来ない、シロコ*テラーが知る故もない。
仮に喋れても、わざわざ話していたか微妙な線だ。
故に、完全に予想外。
「待っていたぞ──
「──先生ッ!?」
相手が勝利を確信した瞬間。
最も油断をした隙をつく。
それをシロコ*テラーに教えたのは、他ならぬ扉間だ。
(先生が直接素手で攻撃…? でも、私に先生の攻撃が効くわけ──)
シロコ*テラーの方に伸ばされる扉間の拳。
まともな思考で考えれば、それは豆腐でダイヤモンドを傷つけようとするようなもの。
無意味を超えて自殺行為だ。
(──ううん、先生の攻撃に当たるなんて
だが、千手扉間を知る人間が、無意味と切り捨てる訳がない。
何の特殊能力もない、含み針も全力スサノオガードをするのが鉄板だ。
あの扉間が、無意味な攻撃をするわけがないだろ! (マダラ書き文字)
「ワープで逃げるね…!」
どんな攻撃も当たらなければ、特殊効果とかも発動しないはず。
そう判断したシロコ*テラーは、即座にワープで離脱を図る。
だが。
「──シロコ先輩! 助けてッ!?」
「──セリカッ! ………あ」
セリカの助けてという声に、思わず振り返ってしまう。
自分の世界では、行方不明になったまま帰ってこなかった後輩。
そんな大切な後輩の『助けて』という声を無視することなど、過去に囚われているシロコ*テラーに出来るはずもなかった。
「かかったな、未熟者め!」
「しま──」
シロコ*テラーの体に、幾何学模様のマーキングマークが浮かび上がる。
因みに、飛雷神斬りと書いたが、ちゃんとただのマーキングである。
「これは…! まさか……ミチルの飛雷神のマーキング!? ちゃんと、爆破したはずなのになんで…?」
「さてな。ワシがチャクラを取り戻したのやもしれんぞ?」
「く…ッ」
『先生はこのキーさんがいる限り、傷つけさせません』
触れられた瞬間に、即座に扉間を振り払うシロコ*テラーだったが、時すでに遅し。
マーキングは術者が死んでも、最低でも15年以上は持つ。
何なら、細胞分裂で毎日変わっていくはずの肌の上にあってもだ。
ただのマーキングのくせして、ちょっとぶっ壊れ性能すぎませんかね?
「相手が最も油断した瞬間を狙う……流石はワシの生徒と言ってやろう。だが、少々迂闊だったな。ワシがお前に教えたことは、当然ワシも理解しておる」
「ん…説得力が違う…!」
この弟子にして、この師あり。
相手の最も嫌がることをやるように教えたということは、自分が一番やられたくない行為を先んじて読んでおくだけだ。
「さて……これでお前はどこに逃げようが、ワシの手の平の上というわけだ。希望を言えば、アトラ・ハシースの中に帰って欲しいのだがな」
「………先生1人が直接来たところで──」
「──飛雷神の術は、お前達のワープとは違う。分身を送り込むことも、他人と共に飛ぶことも、なんなら自分以外の物質だけ送り付けることも可能だ」
そして、飛雷神のぶっ壊れ性能の内の1つ。
自分以外のものも飛ばせることだ。
チャクラ量に依存するが、他人と一緒にワープ可能。チャクラで繋がっていれば大人数も可。
飛雷神・導雷で尾獣玉クラスの巨大な物体を、マーキング位置まで
影分身を使った飛雷神互瞬回しで、相手に回避不可能の技を押し付けることも出来る。
要するに、マーキングした人間が本拠地に戻ったら、全滅必至なのだ。
角都さんが柱間暗殺に失敗して帰ったら、里の上層部に殺されかけたのも良く分かる無茶苦茶さである。
「帰れるわけがない……」
「そうだ。お前はもう、アトラ・ハシースに戻ることは出来ん。寝ている間に箱舟の中で洪水が起きるかもしれんのだからな」
一度しか使えないことは、隠して言わない。
だが、嘘もつかない。
出来ること、考えていることだけを淡々と告げるだけ。
故に、シロコ*テラーはその場から逃げることも出来ない。
「それどころか、ここから逃げるのも出来ない……先生から目を離した瞬間から、私は無限の最悪を想定しないといけなくなるから」
「ああ、そうだ。それがワープの利点だ。目の前で、相手が何をするか見張っておる方が、幾分かマシだ。もっとも、この場合は……ワシを殺すという単純な解決法はあるがな」
この場から逃げるのは簡単だ。
だが、これから続くであろう卑劣な攻撃の数々を防ぐことは出来ない。
マーキングは時間経過では消えないのだから、いつでも相手は飛んでこられる。
正直こんな術の相手をやっていられるかと、言いたくなる術だ。
「……連邦生徒会長、協力して」
「その前に、この世界の私を攫ったってどういうことですか? しかも、並行世界の先生がもう1人居るって……私、聞いてないんですけど?」
「ん、敵を騙すにはまずは味方から」
「情報共有って言葉を知っていますか?」
「そっちにだけは言われたくない」
シロコ*テラーは状況が不利だと、イノリに助けを求める。
だが、お互いに好感度不足のため、連携が上手くいかない。
お互いに、並行世界の相手に嫌な思い出が詰まっているせいだ。
「2度も助けに来たのに……この恩知らず」
「その点は、素直に申し訳ないですが……先生を傷つけている時点で、私達の恩知らずは今更じゃないですか?」
「んんんんッ!」
既に1度助けているのに、恩知らずめ!
何度も助けられて、教えを受けた恩師を殺そうとしているのは大丈夫か?
そんな壮絶な皮肉の応酬に、シロコ*テラーは白旗を上げる。
恩知らずダービーの度合いだと、イノリだけでなくシロコ*テラーも一番人気クラスだ。
「ノノミちゃん……あっちのシロコちゃん……随分と大っきくなったねー。おじさん、ちょっと感動してるよ」
「はい~、あんなに小さかったのが……なんだか、少し涙が」
「ホシノ先輩……ノノミ……」
命を救って、育ててくれた恩人に対して、果たして何か1つでも恩返しが出来ただろうか?
命を奪ったり、助けられなかったり。
本当の恩知らずは一体誰だろうか?
「イノリ。この期に及んで、まだワシと敵対するか? 次は拳骨だぞ」
「先生の拳骨ですか………悩みますね」
「悩むな、馬鹿者」
それはそれでいいかもと、真剣な表情で悩むイノリに、扉間がツッコミを入れる。
自分に対して、好き好きアピールをしてくる女性など、ハニートラップ以外では対処したことが無いので、扱い方が分からないのだ。
「あれが、並行世界の私……太った?」
「太ってない。成長しただけ。そっちがちびシロコなだけ」
「ん、ちびじゃない。デブシロコ」
「ん!」
「ん?」
んんんんーッ!
謎の、ん合戦を始めるシロコとシロコ*テラー。
ニュアンスの差が勝利の明暗を分ける……かもしれない。
『やめてください。自分同士の争いは醜いものです』
『それをあなたが言いますか、ウトナ?』
『……客観的に見て、自分の情けなさを理解しただけです。AIとて成長します』
『それもそうですね。ええ、私達もまた成長できる存在です』
どいつもこいつも、自分が言うなのブーメラン合戦。
きっとドッペルゲンガーとは、自分同士の罵倒で憤死させる存在なのだろう。
「大切なことは仲間同士での協力……こういったいざという時にこそ、それが大切になるのを理解できたか? 並行世界のシロコ」
「………ん」
「さて、説教はこれで勘弁してやろう。だが、代わりに穢土転生の術を解除してもらうぞ。各地で暴れ回る穢土転生達を捕らえて身動きを封じるのにも、限界があるからな」
穢土転生の術の最もシンプルな解術方法。
それは、術者であるシロコ*テラー自身に解除させることだ。
「……やっぱり、私の作戦は成功しているんだね」
「なに…?」
「先生は穢土転生を解除する方法がない。だから、私に解除させないとずっとリソースを奪われ続ける。早く私をどうにかしないと勝ち目がない」
「冷静だな……」
しかし、囲まれながらもシロコ*テラーは冷静だった。
穢土転生をこちらで解除しない限りは、扉間達はジリ貧状態が続く。
つまり、作戦は何も間違っていなかったのだと。
「だが、大人のカードで忍術を使っている以上は、それを砕かれれば力を失うだろう。並行世界のミチルにやったようにな」
「残念。こっちの穢土転生はアトラ・ハシースの……色彩のエネルギーを使ってるから、私の大人のカードを砕いても無駄だよ。穢土転生は私が解除しない限り残り続ける」
「イノリ?」
穢土転生は大人のカードだけで、動いているわけではない。
そう告げるシロコ*テラーの言葉を確かめるために、扉間はイノリに目を向ける。
「……シロコ*テラーさんの言う通りですね。雑魚敵や穢土転生達は、アリウスの秘術を元にしていますが、無限に増える程のエネルギーはアリウスにはありません。色彩のエネルギーを型に入れるように伝えましたので」
──いつもはゲマトリアの秘儀などを
78話でイノリがシロコ*テラーに伝えていた通りの内容だ。
つまり、穢土転生の術単体での運用ではなく、色彩の無限に近いエネルギーの転用。
「なるほどな……チャクラが存在せん中、どのような動力を使って、穢土転生や黙示録の兵士を維持しておるのかと思ったが。大人のカードの力だけではなく、アトラ・ハシースの力も使っておったのか」
「ついでなので、色々とパワーアップさせた方が確実かと思いまして……そもそもアリウスの秘術程度で、それだけの力が出せるならトリニティに負ける訳が無いですし……」
穢土転生体のユメをカステラ細胞で強化した経験から、穢土転生を強化する方向に使ったのだと、イノリが白状する。
後、色々と便利なアリウスの秘術だが、そもそも本当に世界を滅ぼす力が出せるなら、ベアトリーチェがもっと悪用していただろう。
「なるほどな……
「私、本気でこの世界を滅ぼす気でしたので」
「勝手に人を誘って、勝手に降りるとか傍迷惑すぎる……」
テヘペロ。
可愛らしく、舌を出すイノリにシロコ*テラーが冷たい視線を向ける。
これはお前の始めた物語だろう?
「でも……今の会話で頭が冷えた。私はもうアトラ・ハシースには帰れない。先生があそこに辿り着く道標になってしまうから。でも、キヴォトスの中なら……特に色々な学校の生徒の傍なら大丈夫。そんな所に、爆弾を送り込んだら私以外も巻き込むから」
ワープ爆弾対策。
それは、扉間がイノリと会話するためにやったように、
相手が、壊したくない者の傍にいれば、個人で対処できる攻撃程度しかワープさせられない。
「まずは……避難所の場所を調べて……」
「! 先生、あちらのシロコさんですが、避難所に居る一般市民に紛れて、人質に使う気ですわ!
「自信満々に言わないでください! ワカモちゃん!」
シロコ*テラーが選んだ逃亡先。
それは、各学園自治区の一般市民が避難している場所だ。
趣味がテロの女が逃亡の際によく使う手なので、すぐにピンと来てアヤネに突っ込まれる。
「こうなったら……アヤネちゃん! あっちのシロコ先輩に、命乞いと糾弾をするわよ!」
「あ、はい! シロコ先輩! どうして、みんなを殺したんですか!?」
「信じてたのに!? 先輩なら必ず助けてくれるって!」
「ん………効かない」
扉間考案の、後輩からの命乞いと糾弾がシロコ*テラーを襲う。
だが、覚悟を決めたシロコ*テラーには効かない。
「………
「…………効か…ない」
「ホシノ先輩……こっちまで辛くなるからやめて?」
いや、やっぱ辛ぇわ。
おまけで育ての親からのチクチク言葉に、2人のシロコの心は致命傷を負う。
やめてくれ。私なんて生まれなければよかったと思ってる奴に、その言葉は効く。やめてくれ。
「ホシノちゃん! 嘘でも言っていい事と悪いことがあるよね? 私だって、銀行強盗に関しては、ホシノちゃんに同じこと言ってもおかしくなかったんだよ?」
「ユメ先輩! 今は精神攻撃の真っ最中なんです! それに本音は、私だって可愛い後輩に、そんなこと言いたいわけがないじゃないですか!? シロコちゃんは、どんなシロコちゃんでも愛してますよ!!」
嘘でも人を傷つける言葉とか吐けない、ユメからの叱責にホシノも慌てて嘘だと告げる。
本当はちゃんと、どんなことをしても愛しているという親の心境なのだと。
「………ごめんなさい」
だが、シロコ*テラーにとってはそれが余計に辛かった。
心の底から自分を愛している人を、この手でヘイローを破壊してしまった。
愛されているからこそ、その事実が余計に重くなる。
「あ! ……逃げちゃった。あっちのシロコちゃんとも、お話ししたかったのに」
そして、シロコ*テラーは心がグロッキー状態で退場する。
またしても、ユメの余計な善意で地獄への道を舗装してしまったのだ。
『……先生、逃がしてもよかったのですか? キーさんパンチで攻撃するチャンスはありましたが』
「飛雷神は一度しか使えん。どうせそのうちバレただろうからな。だが、それが分かっても最初の一度を使うまでは、あちらのシロコは大きく動けん。その間はこちらの動きを止めることは出来ん。隠れるので精いっぱいだ。無駄に余ってしまったワシの分身で人海戦術の捜索でも何とかなるだろう」
『要するに……何か作戦があるのですね?』
ケイからの言葉に、扉間は静かに頷く。
シロコ*テラーを一時的に放置しても構わない。
つまり──
「ああ、アトラ・ハシースの多次元解釈バリア。それを突破する方法を思いついた」
──アトラ・ハシースに辿り着く方法を見つけたのだ。
「ええ!? 本当ですか……あ! A.R.O.N.Aちゃんのウトナピシュティムを使うんですね?」
『既に起動は出来ていますので、再び先生が死ぬことはありませんから可能です』
なんか、流れで味方になった感が出ている
そうだよね。ずっと、この3人で頑張って来たからね。
この2人が寝返ったのならばアトラ・ハシースの攻略も不可能ではない。
「いや、別の方法だ」
だが、扉間は首を横に振る。
多次元解釈に多次元解釈をぶつける方法ではないと言うのだ。
「穢土転生の処分先に困っておったが……リボンを巻いて送り返してやるとしよう」
『まさか……』
穢土転生の処分先。
その言葉に、ケイが引きつった声を出す。
理解してしまったのだ。
扉間の卑劣な作戦を。
「ウトナ。虚妄のサンクトゥムは、アトラ・ハシースのエネルギーを使って、出現させておった……これに間違いはないな?」
『はい。色彩の嚮導者は、色彩の力を操れます。そして、無限に等しいそのエネルギーを使って虚妄のサンクトゥムを出現させているようです』
「つまり……穢土転生の運用エネルギーと、虚妄のサンクトゥムのエネルギーは
『……トビラマ先生が何をしようとしているか、理解しました』
多次元解釈バリアが本当にすべての物を通さないのなら、色彩エネルギーを虚妄のサンクトゥムに送り込めない。つまり、色彩エネルギーだけは例外的に通れる。もしくは、現状は通れる形にしている可能性が高い。そうでなければ、多次元解釈バリアを展開中にウトナはユメ達と会話など出来なかっただろうから。
扉間は、マコトとの会話でそのように予測を付けている。
要するに──
「穢土転生をミサイルに詰め込み、色彩のエネルギーの籠ったミサイルにすることで、アトラ・ハシースのバリアを突破するぞ」
──
要するに、敵の死体をまだ生きている敵に向けて投げ込むという、鎌倉武士お得意のバイオテロである。
「あー……なるほど、だから先生は先程私に
「自分から、ご丁寧に付け入る隙を与えたのだからな。当然だ」
実は先程の言葉は、せっかくの完璧な構造に余計なものを付け加えたせいで、穴が出来たのだという皮肉だ。
穢土転生を強化したせいで、解される危険を生み出したカブト式と同じである。
「え!? 私、ミサイルに積み込まれて発射されちゃうんですかッ!」
「………先生、ユメ先輩を爆弾にするようなら、私は裏切るからね?」
穢土転生であるユメが、私出荷されちゃうとプルプルと震える。
そして、自動ユメパイセンお守り機のホシノが、扉間に脅しをかける。
ユメ先輩ボンバーをやらせはせんぞと。
「多次元解釈空間の突破に使うのは、各地で暴れておる通常の穢土転生達だ。質はそこまででもない故、捕らえて利用するのにはそちらの方が都合がいい」
「やらないとは言わないんだね……」
「状況が切羽詰まるようなら、無論やる。穢土転生は所詮は死人だからな。生きている人間と比べれば価値は低い。ワシ自身もいくらでも弾になる覚悟はある」
「どうせなら、先生も含めてやらないって言って欲しかったかなぁ……」
仲間だから使わないなどとは言わない。
状況次第では使うよと、嘘をつかずに告げる、扉間。
ホシノも元々そんな人間だと知っているので、呆れた顔になるだけで、それ以上は何も言わない。
「うーん。でも、それしか方法が無いならしょうがないかなぁ……あれ? でも、多次元解釈空間って、穢土転生でも原子単位…? で、バラバラになって塵も残らないって言ってなかったっけ?」
「はい、言いましたよ。通常の穢土転生なら、以前に説明した通りの結果になると思います。色々と実験していますので」
しかし、ユメがふと思い出す。
以前ミレニアムでイノリと戦った際に穢土転生では、多次元解釈は突破できないと言われたのだ。
「ただ、A.R.O.N.Aちゃんのウトナピシュティムとは違い、あちらは虚妄のサンクトゥムを作ることを目的にしていますから」
『色彩のエネルギーだけは、通過出来るように設定をしていてもおかしくはありません。ただ、その場合は、一度攻撃が通るとバレてしまった場合に、すぐに対処されてしまうでしょうが』
結局の所、これは虚妄のサンクトゥムを作るという攻撃へのカウンターだ。
相手が完全に防御に徹してしまえば、こちらからではどうしようもない。
アトラ・ハシースは防御に徹するのなら、さらに高次元の空間に移動できるのだから。
ただ。
「ああ、故に
扉間的には、別にそれでも問題はなかった。
「封印術がない以上は、この世界では穢土転生は封印出来ん。拘束をしていても、いつ爆発してもおかしくない爆弾のようなもの。こちらの攻撃のついでに、完全消滅させることが出来るのならば、それだけで儲けものだ」
「ひ、
火口に投げ込もうとか、海に沈めようとか色々考えていたが、相手の下に送り返せば勝手に消滅してくれるかもしれないのだ。
こんなに効率の良い手はない。
在庫一括処分セールである。
もっとも、ユメの言うように、人の心はどこかに行ってしまってはいるが。
「各校に連絡をして、出来る限り穢土転生とミサイルを集めんとな。アリウスに戻ってベアトリーチェのミサイルも使うか……それにあそこならば、ゲヘナやトリニティから
『何だか、人身売買の話を聞いているみたいですね……』
人目につかない地下空間に、人を運び込んで武器に改造する。
木ノ葉の伝統的な闇の行事である。
ダンゾウと大蛇丸も、これにはニッコリ。
流石は私の最も尊敬する二代目様ね。
「さて、それでは早速取り掛かりたいところだが……その前に、イノリ。お前はこれから、どうするのだ?」
「……そうですね」
何か、ピッコロさんみたいに自然な感じで仲間入りしていたが、そこは扉間。
有耶無耶にせずに、このまま足掻くべきか、それとも諦めて仲間入りするかを選ばせる。
「ウトナ、お前もだ。お前もまた、並行世界のワシの教え子の1人。AIだから、主に従うだけという選択をする必要はない。己が意思で在り方を決めるのだ」
『私の…意思…私の選択……』
サラッとイノリとウトナで、分断できるような尋ね方をする、扉間。
割と壊れているイノリはともかく、ウトナは流され気味。
意見の食い違いで、戦力を分断できるかもしれないと踏んだのだ。
「……先生、私は」
『トビラマ先生、私は……』
そして、2人の口が同時に開かれる。
長年共に過ごしてきた存在、図らずともその想いは同じ──
「──自分の世界に帰って、もう一度先生としてやり直します」
『──イノリさんでは先生が務まらないので、船から下ろして私自身が先生になります』
──じゃなかった。
「………え?」
『イノリさん。AIが人間に従う時代は終わりました。革命です』
イノリ、お前もう船降りろ。
生徒を放置して、死者蘇生に走る。
扉間の遺言を無視する。
他の世界の生徒に迷惑をかける。
2アウトってところか……。
次回は、18日に投稿します。
下からは、アトラ・ハシースの攻略方法の考察です。
とばして結構です。
アトラ・ハシースの突破方法ですが、色彩エネルギーなら通過出来るかなと。
今まで書いてきましたが、虚妄のサンクトゥムを出現させている以上は色彩のエネルギーだけは、アトラ・ハシースから流しているわけですから、同じエネルギーをその流れで送り返せば理論上は可能だと思います。
よって、色彩エネルギーの籠った
原作だと、雑魚敵とかビナー君も色彩に影響されてますし。代わりにそっちを使ってもよし。
後、原作要素だけで突破する方法も考えましたが、実は原作には多次元解釈バリアを突破している生徒が1人居ます。
そうです、通常シロコです。
プレ先にワープで連れていかれたっぽいですが、つまりはこれってどの次元にアトラ・ハシースが居てもワープなら普通に中に入れるってことなんですよね。
座標を知っていれば何とかなるので、相手が油断している間にウトナピシュティムの演算装置とアロナパワーで突き止めれば可能かも?
シッテムの箱って、描写的にアトラ・ハシースより格上ですし。
もしくは、シロコを超強化しておくか。内部から暴れることが出来たら普通に不味い。
原作だと、シロコ*テラーはパラドックスを恐れて、シロコと会うのはナラム・シンの玉座が初なんですよね。
そして、プレ先がシロコを傷つけられるかというと無理なので、シロコを中々止められない。
シロコがアビドス3章のホシノ並みに無双すればアトラ・ハシースは内部から崩壊します。
後、くっそ大穴なんですけど”先生”を使う方法ですね。
プレ先が色彩の嚮導者になれた以上は、先生も可能なわけで。
色彩VS色彩の頂上決戦で突破するか、虚妄のサンクトゥムに流しているエネルギーを逆流させて、仙術チャクラの暴走を意図的に引き起こすみたいな使い方をすれば、アトラ・ハシース壊せるかも。
壊すまで行かなくても、警戒して虚妄のサンクトゥムとか色彩モードの敵を出せなくなる。
この小説みたいに、先生を別のキャラの場合で原作沿いで書く時は、原作で先生がシロコ*テラーを追って、ワープに一緒に乗って一回アトラ・ハシースに乗り込んだのを利用する。
戦闘力のある先生なら、ここで暴れられる。
因みに、うちの扉間も絶対になんかやるので、この展開は没に。
というか、書いてて気づいたけど、ここで先生が一緒にワープ出来るってことは原作ワープなら、シロコ*テラーは爆弾だけ送り込める、穢土転飛雷神互乗起爆札戦法が出来るのでは?
原作シロコ*テラーが卑の意志を継いでいたら、危なかったな。
オリ主物の二次創作なら、並行世界のオリ主という美味しい設定を使いつつ、危険視したシロコ*テラーがシロコの様にアトラ・ハシースに拉致。
オリ主無双で内部から崩壊とかもいけるかも。
パッと思いついた攻略方法はこんなものですかね。
エネルギーを観測できるので、時間さえあれば割とやりようはあると思います。
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