IS~Ichika Strange~ あるいはこんな織斑一夏 作:Exnyas
本作の一夏があらすじで『Ichika』表記な理由の一端が明かされます。
食堂でしっかりと昼食を取り、迎えた午後。
隣の1組と合同で取り組む事になった、ISの起動訓練。
ISスーツ姿になり、第3アリーナに出た俺たち2組を待っていたのは、同じくISスーツ姿で仁王立ち……否、ガイナ立ちをするモモセンパイの姿だった。
IS学園支給の黒い……スクール水着状のISスーツに身を包んだその姿は、モモセンパイの抜群のスタイルがこれでもかと強調されており、強い色香がにじみ出ている。
同時に、緻密な計算と卓越した技術で彫られた彫像のようでもあり、見る者を性別問わず惹き付ける魅力に溢れている。
その証拠に1組で、唯一白いISスーツを着込んだ四季某が、顔を赤くして俯き、前屈みになり、股間に手を当てたまま微動だにしない。
十中八九、モモセンパイが放つ色香に刺激され、股間の四季ジュニアが臨戦態勢になってしまったのだろう。
これで口を開かなければ、極上の美少女なのだが……
「待っていたぞ一夏! さあ、私と戦え!」
……口を開くとコレだもんな。
俺を見つけるなり、嬉しそうな表情でそう言うモモセンパイだが……
「アリーナを破壊する気ですか」
「むう、なら組手でも構わんぞ」
「私が構うわド阿呆」
──ズパァァンッ!──
「い”っだぁ”!!」
……背後から音もなく現れた織斑先生の、音を置き去りにする
「ぐ、ぐおお……ジジイのゲンコツぐらい効いたぁ……!」
後頭部から白煙を上げつつ、しゃがんでそう呻くモモセンパイ。
辰姉は苦笑している。
「さて、コイツは放っておいて授業を始めるぞ」
「い、良いんですか?」
「ああ。保護者の鉄心さんから許可は得ている。コイツが暴走したら、遠慮なく叩き伏せろとな」
「っく、あの妖怪ジジイめ。小癪な真似を……」
言って立ち上がるモモセンパイ。
「ちなみに言っておくぞ、川神」
「……くっ、う……何です?」
「2発目以降の
「なあっ!?」
モモセンパイが驚くのも無理はない。
何故ならIS学園の生徒が在学中に使う金銭は、基本的に実家からの仕送りで手に入れる以外、調達の手段が無い。
在学中の生徒は、バイトが禁止されているしな。
オルコットのように国家代表候補生であるとか、俺のように企業の後ろ楯があるなら話はまた別だが。
「使える小遣いを減らしたくないなら、態度を改めろ」
「……わ、分かりました」
「分かったらクラスの列に戻れ」
「は、はい」
すごすごと1組の列に戻るモモセンパイを、黙って見送る。
下手に口を開けば、あの
「では、授業を始める」
「まずみんなには……そうね。各クラスで4人ずつのチームを作ってもらうわ。ただ、1組は四季くん、川神さん、板垣さんを除いてちょうだい。それで人数が足りなくなっても構わないわ」
「2組は織斑くんとオルコットさん、篠ノ之さんを除外してくださいね」
「考えるのがメンドーなら、それぞれのクラスで、出席番号順にテキトーに分かれちまえ」
織斑先生を除く3人の先生の指示で、1組も2組も、それぞれ指定されたメンバーを除き、4人ずつのチームを作った。
1組は4人チームが8個で、2組は4人チームが7個。
2組は都合1人余るはずだが、その1人は昼休みに体調不良を起こし、早退しているため、結果として余りが出なかった。
「よし……では織斑・川神・板垣の3人と、オルコット・篠ノ之・四季の3人は、それぞれでチームを組め」
言われたとおり、俺はモモセンパイと辰姉でチームを組む。
これは今日の昼休み、食堂で織斑先生と話した内容そのままだ。
オルコットと箒、四季が組まされたのは意外だが。
「あとは……1組の8チーム。それぞれ代表を1人選んで、チーム対抗のじゃんけんをしなさい。最後まで勝ち残ったチームは、2人ずつに分かれて、織斑くんか四季くんのチームに入るのよ」
こうして俺と四季のチームに2人ずつ増員があり、5人チームが2個と、4人チームが14個出来あがった。
そこからは簡単だ。
織斑先生が4人チームを3個と織斑組を。
山田先生が4人チームを4個。
ミューゼル先生が4人チームを3個と四季組を。
フォール先生が4人チームを4個。
それぞれ見る事が決まった。
「……では織斑には、私が監督するメンバーのリーダー役を頼みたい」
「俺ですか?」
「ああ」
他の先生たちを見ると、確かにそれぞれリーダーが決められているようだ。
山田先生のところは1組の見知らぬ子が、ミューゼル先生のところは四季が、フォール先生のところは
のほほんさんもなかなか立派な双球を持っているな。
「分かりました」
「よろしくね、織斑くん」
「ああ、よろしく」
「さて、リーダーが決まったら、まずは今回の訓練で使う量産機を決めてもらう。織斑、チームメンバーに打鉄・ラファール・オウガの3種を分かりやすく説明しろ」
「はい」
言われたとおり、俺はチームメンバーに分かりやすく……俺以外のメンバーが全員初心者である事を念頭に、3種の量産機について説明を始める。
まず打鉄。
防御性能に注力された機体で、攻める事より守る事に向いてるIS。
拠点防衛なんかが適役だな。
その分機動力は据え置きだけど、基本動作訓練で使うならうってつけだ。
次にラファール。
火力と機動力に注力された機体で、ガンガン行こうぜを地で行く。
打鉄が本陣守護ならラファールは鉄砲隊。
高い火力と機動力は魅力だが、ラグが大きいからちょっとクセがある。
「織斑くん、ラグって何?」
「んー、例えるなら蛇口にホースを繋いで蛇口の栓を捻った時、ホースから水が出てくるまでにかかる時間かな。ラファールは他の学園配備量産ISに比べて、このホースが少し長いんだ」
「ホースが長い……ラグが大きいとどうなるの?」
「瞬間瞬間の行動にコンマゼロ数秒の遅れが生じるから、その遅れを計算しながら操縦する必要が出てくる」
「……つまり刹那のタイミングにクロスカウンターを打つにしても、コンマゼロ数秒の遅れを予測して打たなければならないのか」
「そういう事。まあ、後継機のラファール・リヴァイヴなら、そこまでラグは無いんですが」
最後にオウガ。
打鉄に勝る機動力と、ラファールに次ぐ火力を持つ機体で、学園配備量産ISの中ではラグが一番小さい……と言うかほぼゼロ。
打鉄に拠点を防衛させ、その前でラファールが銃壁を築くなら、オウガは敵の雑兵を蹴散らす切り込み役。
「腕部打撃装甲と」
「脚部打撃装甲?」
「相手を殴るために形成された腕の装甲と、相手を蹴るために形成された足の装甲の事。つまりオウガは世界でも数少ない、近接格闘武装を積んだISなんだ」
俺の言葉を聞き、モモセンパイの目つきが攻撃的になった。
「ほう、近接格闘武装か。ISで格闘……なるほどな」
「いちくんとモモちゃん、私の得意分野だね」
あとオウガは学園配備の量産ISの中で唯一、
「
辰姉がそう口にすると、織斑先生が寄ってきた。
「
「織斑先生は出来るんですか?」
「私か? 不甲斐ないが無理だな。仕組みを教える事は出来ても、自分では出来ない」
織斑先生曰く、自身が知っている限りでリボルバー成功者は、アメリカの国家代表【イーリス・コーリング】さんのみで、彼女でさえ成功率が40%を超えないらしい。
……俺も
「ちなみにコーリングのリボルバーは4連だ」
「それでも成功率40%止まり。発動を2回試みて1回発動するかしないか。発動を3回試みてやっと1回発動する……まさしく絶技ですね」
「……ってな訳で、これから使う量産機をざっと説明したけど、みんなはどれを使いたい?」
……結果は言わずもがな。
満場一致でオウガに決まった。
釈迦堂さんと同じく、世界に知られる武術家の1人、モモセンパイの『銃を無くし、剣も無くしたら、最後に頼れるのは自分の肉体のみ。なら、殴る・蹴るは出来る方がいい』と言う言葉で決まったような物だ。
「ちなみに1つ補足だ。IS多しと言えど、拳で殴ったり、肘打ちしたり……膝蹴りをしたり、足で蹴ったりは、オウガをベースに開発・カスタムされた……オウガ系列の機体と、さっき言ったコーリングが駆る【ファング・クエイク】系列のISにのみ許された、いわば特権だ。他のISで殴る・蹴るをしても、相手のISにダメージは全く入らないし、自分のISの
『はい!』
ちなみに山田先生のチームはラファールに、ミューゼル先生のチームは打鉄に、フォール先生のチームも打鉄に、それぞれ決まったらしい。
そうして運ばれてくる無数のオウガ。
聞けば2年や3年の整備科に所属する生徒が、配備訓練の授業で、運搬用ロボットを動かして運んでいるらしい。
「……織斑先生」
「何だ?」
「運ばれてきたオウガですけど、1機だけ、手にバンデージを巻いているんですが、あれは?」
「あれか? あれは入学試験に際し、織斑が自ら内部パラメーターを調整し、着用……山田先生を倒したオウガだ。織斑が施した調整がそのままになっている」
「一夏お前、山田先生を倒したのか!?」
「ギリギリでしたけど」
モモセンパイの質問を肯定する。
アサルトライフルとサブマシンガン、ショットガンは全弾撃ち尽くし、弾切れ。
大型
ミサイルは撃つ端から弾頭を撃ち抜かれ、爆風でこちらがダメージを受ける始末。
リボルバーキャノンは数少ない有効打だったが、装弾数が少なく、途中で
「となったらもう、格闘しかないな……って」
吹き飛ぶ山田先生を
「……いちくんはアレかな? 格闘ゲームのキャラクターか何かなのかな? 聞いたことがある技ばっかりなんだけど」
「飛燕疾風脚、サプライズ・ローズ、タイガーキック、幻影脚、空砂塵、飛燕斬……龍虎に餓狼……なるほど、KOFだな? 私もいまでもたまにゲーセンでやるぞ。女性格闘家チームが好きだ」
「ちなみに織斑の場合、KOF系列の足技・蹴り技は全てマスターし、自分で放つ事が出来る。何ならKOF系列のみならず、スト
「ちょ、織斑先生、そこまで言います!?」
「そうは言うがな。これまでに発売されたゲームに登場するキャラクターの足技・蹴り技は、ひととおりマスターしているし、全部放てるだろう?」
「それは、そうですが」
「ゲームキャラの技か……私も覚えてみようか」
ちなみに束姉は俺の同類で、束姉の場合は拳技・殴り技の全てを網羅しており、俺より技のレパートリーが豊富。
ゲームキャラの技はもちろん、アニメやマンガのキャラクター技さえ使えてしまう。
禁じ手は某
「さあ、無駄話はここまでだ。起動訓練を開始する。織斑は他のメンバーに説明をしながら、バンデージオウガを起動させろ。他のメンバーは織斑の説明を聞いた後、各自オウガを起動しろ」
切り替え切り替え。
さーて、頑張りますか。
原作との主な変更点
1.IS
2.ISラファールの
3.
4.一夏は
5.一夏が格ゲーの足技・蹴り技キャラ化している
主人公を改変してスーパー化させると、名前がローマ字化するという古の風習がありまして。
本作の一夏もスーパー化済みなので、タグに『Ichika』があります。
本作のヒュームはマジこい仕様の『ジェノサイドチェーンソー』ではなく、KOF仕様の『ジェノサイドカッター』を放ちます。
なんならカイザーウェイブや烈風拳、ダークバリアやゴッドプレスなども容易く放ちます。
マジでルガールです。
続きはまたいずれ