IS~Ichika Strange~ あるいはこんな織斑一夏 作:Exnyas
拙いバトル描写ですまない。
『Bピット織斑、聞こえているか?』
アリーナに備え付けられたピットの片側、Bピットに織斑先生の声が響く。
「こちら織斑、良好です」
ピットのコンソールマイクに返事をする。
『Aピットのオルコットは既にアリーナにいる。お前も専用機を起動し、カタパルトに乗れ』
「了解です」
織斑先生に言われたとおり、俺はクッキーを起動し、システムチェックを走らせ、オールグリーンである事を確認したのち、右手にディバイデッド・ライフルを、左手にオクスタンランチャーを、それぞれ
「管制室織斑先生、どうぞ」
『織斑だ』
「Bピット織斑、カタパルトに乗りました」
『……確認した。ではこれよりアリーナへ射出する。準備は良いか?』
「準備オーケーです」
『善戦を期待する。5カウント後に発射だ。カウントスタート……5……4……』
クッキーのハイパーセンサーをアクティブ。
……ISを検知。
イギリス製第三世代型IS【ブルー・ティアーズ】
パイロット:セシリア・オルコット
『3……2……』
特殊武装を検知。
思念操作式浮遊砲台……通称【BT兵器】
合計6基。
内訳はレーザー砲タイプ4基、ミサイル砲タイプ2基。
『1……射出っ!』
織斑先生のカウントがゼロを数えた瞬間、体に一瞬だけ重力がかかるが、クッキーの
トンネルを抜けるとそこは、アリーナの上空だった。
IS学園第3アリーナ。
IS学園に7つあるアリーナの中で最大の規模を持ち、その収容人数は大規模なスタジアムに匹敵する。
その膨大な収容人数を誇る観客席は、全校生徒はもちろん、全教師のみならず、いつの間に招かれたのか、外部の人間も交え、全席埋まっていた。
「……管制室」
『こちら管制室の織斑だ、どうした?』
「第3アリーナの観客席に、見知らぬ外部の人間が山ほどいるんですが?」
『言い忘れていた。お前たちが今日ISバトルを行うという情報が、どこかから漏れていたようでな……連中の目的は、お前だ。織斑』
「はい?」
『拡散してしまった情報の中に、男性IS適合者による初ISバトルという物があってな』
「察しました……つまり、観客席にいる学外の人間の大多数は、俺のデータを取るために、どこかから集まったんですね?」
『有り体に言えばそうなる。しかも正規ルートでの入場だ。人数が人数だし、今さら追い出せない』
「防諜は何をやってんだ」
いっそ……束姉の【
「見せ物になる気は無いんだけどなぁ」
言いながら飛翔し、オルコットの前で止まる。
「やっと来ましたわね?」
「悪いな、待たせた」
「レディを待たせておいて、管制室とお喋りですの?」
「……IS学園の防諜が杜撰だとクレームを入れてたんだ。見ろよこの部外者人数」
言って俺はアリーナの観客席を見渡すように、その場で水平にゆっくり一回転する。
すると観客席から拍手が上がった。
「手でも振って差し上げれば?」
「お断りだ。見せ物になる気は無い」
俺がそう言うと、オルコットは『そうですか』と言い、右手を横に突きだし、その手に銃身の長いライフルを
「ではミスタ・織斑。一曲、踊ってくださいますか?」
『ではこれより、1年1組のクラス代表選出ISバトルを開始する。制限時間は30分。その間に相手の
オルコットのライフル
『……試合開始!』
「このセシリアとブルー・ティアーズが奏でる
「あいにく、
オルコットは手にしたライフルの銃口を、俺は左手のオクスタンランチャーの銃口を、それぞれ互いに向けて、引き金を引いた。
瞬間、互いに身を捩り、飛射体を躱す。
「やりますわね、アレを躱すとは……」
オルコット……俺が初撃を躱せた事を誉めてくれるのはありがたいが、1つ忠告だ。
「俺のオクスタンランチャーは、実弾モード時はアサルトライフルだ!」
──ドガガガガガガガ!──
「なあっ!?」
オクスタンランチャーの銃口から迸るマズルフラッシュと共に、凄まじい量の弾丸がオルコットに襲いかかる。
「まさかアサルトライフルでしたの!?」
「行くぜぇ!」
オクスタンランチャーの一斉射を
「喰らえっ!」
「ぐうっ!」
ブルー・ティアーズのチェストアーマーに、ディバイデッド・ライフルの
「まだまだぁ!」
そのままディバイデッド・ライフルの
──ドンッドンッドンッドンッ!──
「キャアアッ!」
「オオラァッ!」
ディバイデッド・ライフルのゼロ距離射撃をまともに受け、怯んだオルコット。
その隙を突いてディバイデッド・ライフルの
ハイパーセンサーが観客の『何と野蛮な』とか『品の欠片もない』といった、苦情にも似た声を拾うが、知った事か。
「く……侮っておりましたわ。まさか、ミスタ・織斑がここまでの遣い手でしたとは」
蹴り飛ばされたオルコットは、スラスターを炊いて姿勢を立て直すと、手にしたライフルをこちらに向け直す。
それを見た俺は、オルコットの次の手がライフルによる射撃だと判断……背中にマウントしていたグラビティー・テリトリーを可動させ、体の側面でシールドモードにする。
「本気で参りますわ……舞いなさい! ティアーズ!」
オルコットがそう言うと、ブルー・ティアーズのショルダーアーマーと、スカートアーマーに付いていた羽根のような部分が外れて浮き、変形……先端に銃口が現れた。
「お行きなさい!」
そんな言葉と共に、4つの羽根飾りがこちらへ飛来し、銃口からレーザーを発射してきた。
「なるほどな! これが特殊装備、BT兵器ってやつか!」
俺は飛んでくる無数のレーザーを躱し、あるいはディバイデッド・ライフルの
「な!? レーザーを剣で!?」
「オオオオオオッ!」
「ならばっ!」
オルコットがライフルからレーザーを発射。
俺はそれをグラビティー・テリトリーで防ぎ、エネルギーモードに変えたオクスタンランチャーで反撃。
「くっ! さっきはアサルトライフルでしたのに!」
オクスタンランチャーのレーザー弾を必死に躱すオルコットだが、俺はその姿に違和感を覚えた。
「(……何だ? この感じ……何かを企んでるのか?)」
俺がオクスタンランチャーで反撃を始めた瞬間から、BT兵器のレーザーが止まっているのだ。
それどころか、場所すら変わっていない。
完全に止まっている。
「(これは……もしかして?)」
瞬間、俺の頭の中に1つ、仮説が思い浮かんだ。
もしかして……もしかしてオルコットは。
本体の操縦とBT兵器の操縦が、同時には出来ない……?
「(……弱点か?)」
俺は気付かれないよう、オルコットをオクスタンランチャーで撃ちながら、ゆっくりゆっくり位置を変え、浮遊・停滞しているBT兵器の1基に近付くと、ディバイデッド・ライフルの
直後、ボンと爆発し、黒煙を上げ、斬り付けたBT兵器が、アリーナの地面へ落ちていった。
「!? わたくしのティアーズが!」
「(やっぱりな!)」
「もしかしてとは思ったが……オルコット、お前……本体の操縦とBT兵器の操縦、同時に出来ないんだな?」
「悟られましたわね……ええ、まだ練習中でして」
「ならこの勝負、いただきだ!」
俺はフォース・レイを放ち、オルコットにレーザーを浴びせる。
同時に無数のホーミングレーザーを放つフォース・レイの直撃を避けようと、空中をジグザグに飛ぶオルコットだが、回避に脳のリソースを割いたせいで、BT兵器の操縦が疎かになる。
その少ないチャンスを見逃さず、オクスタンランチャーレーザーで1基ずつ丁寧に、オルコットのBT兵器を落としていく。
ついでに、スカートアーマーにマウントされたままだった、おそらくはミサイル砲タイプのBT兵器も破壊する。
「キャアッ!」
残ったのはオルコット……ブルー・ティアーズ本体のみ。
「さあオルコット……ここから俺に勝てる手段はあるか?」
俺がそう言うと、オルコットは『インターセプター』と言って、右手にライフル、左手にナイフのスタイルになった。
どうやらまだ
「……わたくしは、まだ諦めてはおりませんわ!」
「そう来なくちゃな!」
俺は肩のターミナス・キャノンのバレルを展開し、エネルギーバイパスを接続、発射のためのエネルギーチャージを開始する。
「……レーザーキャノン!? 撃たせませんわ!」
俺が肩に展開したターミナス・キャノンを見たオルコットが、発射を阻止しようと、手にしたライフルを乱射してくる。
俺はそれを見て、ターミナス・キャノンにオルコットのレーザーが当たらないよう、身を捩ったり、グラビティー・テリトリーで防ぎながら、オルコットに向け、
ドンッという音と共に吹き飛ぶ景色。
「なっ!? 専用機を受領して1週間足らずで、もう
「でぇいやぁっ!」
「がはっ!」
トップスピードに乗ったまま、膝をオルコットの腹に叩き込む。
オルコットは体をくの字に曲げ、肺の中の空気を吐き出した。
そのままオルコットに、オクスタンランチャーを実弾モードで一斉射を浴びせ、肩のターミナス・キャノンの砲門をオルコットに向ける。
「コイツで終わりにしてやる! ターミナス・キャノン、発……」
『そこまで! オルコット、シールド・エネルギーエンプティ。この勝負、織斑の勝利とする』
「……ありゃ?」
どうやらオクスタンランチャーの実弾モード一斉射で、ブルー・ティアーズの
「おっと」
絶対防御が発動し、ブルー・ティアーズが装備解除されたオルコット。
俺はオクスタンランチャーとディバイデッド・ライフルを
ターミナス・キャノンのエネルギーチャージを解除する事も忘れない。
「み、ミスタ……織斑……」
「オルコット」
「荒々し、い……人、ですわね。レディの、お腹に……あんな、膝蹴りなど……」
「悪いな」
「おかげ、で……新しい、扉を……開きそうに、なった、ではありませんか……」
息も絶え絶えにそんな事を言うオルコット。
……新しい、扉?
「男性に、荒々しく、組み……伏せ、られて……」
「……おい」
「わたくしを、力……尽くで、無理やり……」
コイツ……どこがとは言わんが、ビショビショじゃねぇか!
ISスーツを貫通するほど濡らしてやがる!
「おい」
「嫌がる、わたくしを……何度も、何度も……」
「それ以上喋るな」
「そんなぁ……扉のカギを外したのは、ミスタ・織斑……ですのにぃ……殺生、ですわぁ……」
俺はオルコットを地表に降ろし、駆け寄ってきた織斑先生に引き渡す。
「オルコット、大丈夫か? えげつない速度と威力の膝蹴りを受けたようだが」
「な、何とか……んうっ!」
「……おい織斑。オルコットの様子、おかしくないか?」
「……新しい扉を開きかかったらしいです」
「は? 新しい扉……?」
オルコットを抱き上げたまま首を傾げる織斑先生に、
《俺から膝蹴りを受けて、マゾヒストの扉が開きかかったらしい》
《はあ?》
《オルコットの局部を見てくれ。ISスーツを貫通するほど濡らしてる》
言われて織斑先生はコソッとオルコットの局部に手を当てる。
「っひぃん」
局部を触られた事で喘ぐオルコット。
そんな彼女を無視し、手に付いた液体を見た織斑先生の眉間に、深い皺が寄る。
《こんなに……なるほど、重傷だな》
《後は任せました》
《引き受けよう……非常に面倒だが》
織斑先生は、スーツのジャケットを脱ぐと、それをオルコットの体にかけ、まるで労るようにしながら、アリーナを立ち去る。
その背中を見送って、Bピットに戻る俺。
「……確かに被弾はゼロに出来たけど、心には被弾したなぁ……疲れた」
Bピットでクッキーを装備解除しながら、そんな事を口走る俺だった。
セシリアの下腹部に膝蹴りを入れる一夏。
これにより外道一夏概念誕生か?
そして下腹部に膝蹴りを入れられた事により、Mの扉に手をかけてしまったセシリアが爆誕。
腹パン絶頂セシリアが手招きをしているぞ?
……どうする一夏?
自分で自分の首を絞めているぞ?