IS~Ichika Strange~ あるいはこんな織斑一夏   作:Exnyas

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あとがきにアンケートを追加しました。


17.クラス代表就任祝い、開催にて

15時ジャストから始まった、オルコットとのお茶会。

 

互いに用意した飲み物を飲み、オルコットが自ら焼いたというマフィンを食べながら、あれやこれやと話をした。

 

……オルコットがメシマズ?

どこ情報だ?

マフィンは美味かったぞ?

 

改めて自己紹介をしたり、趣味や特技。

将来の夢やISについての考え方。

得意な教科や苦手な教科。

他にも幼少の思い出など、いろいろな話をして、お互いの理解を深めた。

 

好きな異性のタイプを話した時には、オルコットが食い気味の反応を示した。

曰く『わたくしの好きなタイプの異性は、織斑さんですわ!』との事。

 

オルコットフィルターを通した俺とは、勇猛果敢で力強く、普段から女性に対して無双の振る舞いで、それはきっとベッドの上でも変わないはずの男だと言う。

 

キラキラと瞳を輝かせながら『わたくしを抱いてくださいませんか?』と言われたときは、正直、正気を疑った。

 

虐げられるように荒々しく、ろくに前戯も施されず、襲われるように、奪われるようにして、俺に処女を捧げたいのだとか。

 

……あの膝蹴りで、腹部ではなく脳が逝ったのでは……と感じた俺はドン引きしたし、束姉は爆笑していた。

 

その後、束姉により、オルコットのバストサイズ測定が行われた。

具体的には束姉がオルコットの双球を直に揉んで調べた。

 

結果、俺に抱かれるためには、モモセンパイや辰姉と同じく、バストサイズが足りないと言われたオルコット。

 

『なるほど……わたくし、それなりのサイズだと自負しておりましたが、まだ足りませんのね? どれほど足りませんの?』という質問をして『目指すは束さんぐらい』と返されたオルコットは『壁は高いですわね。ですが必ずや貴方好みのサイズに致しますわ。お待ちになっててくださいまし』と答えた。

 

……まあ、そんな感じのお茶会で仲良くなった(?)俺たちは、別れ際、俺と束姉がオルコットをセシリア呼び、セシリアが俺を一夏呼び、束姉を(たばね)さん呼びする事を決めた。

 

「では一夏さん、また明日。束さん、またいずれ」

 

「ああ、また明日な」

 

「ばいばーい」

 

何故か小走りで立ち去るセシリアの背中を見送りながら、セシリアは双球で勝負するのではなく、尻……いわば双臀で勝負するべきだろうと呟くと、束姉が吹き出した。

 

「ぷくくくく……確かに、安産型の立派なヒップだったもんね」

 

「あれ、確実に大台(メートル)乗ってるだろ」

 

あれじゃ『セシリア』じゃなくて『セ尻ア』だよ。

 

そんな話をしていると、再度ガントレットのディスプレイが開き、クッキーが、千冬姉からの着信を告げた。

 

俺はガントレットのディスプレイを外し、スマホのように耳に当てる。

 

「はい、もしもし」

 

《……もしもし? 織斑か?》

 

……呼称が織斑。

つまり千冬姉はいま、教師モードって事だよな?

 

「はい、織斑です」

 

《クラス代表選出戦直後の、休んでいる時間に申し訳ないが、制服に着替えて教室に来てくれ》

 

「制服に着替えて教室に、ですね? 分かりました」

 

何かあったかな?

クラス代表選出戦が終わったら、あとは休みだと聞いていたが。

 

《あと、連れて来れるならでいいから、束も連れて来い》

 

「束さんも?」

 

「ん? 私に用事?」

 

俺は耳に当てていた、取り外したディスプレイを、スピーカーモードに変える。

 

「ちーちゃん?」

 

《ああ、束。織斑と一緒にいたのか》

 

「うん。戦後のいっくんを労ってたから」

 

《ならちょうどいい。身なりを整えて、お前も織斑と一緒に来てくれ》

 

織斑先生によると、俺が束姉を貪っている間に、俺のクラス代表就任パーティーの開催が提案され、織斑先生と山田先生はそれを承認した。

 

喜んだクラスメイトはサッと話し合い、会場設営チームと飲食物買い出しチームに分かれ、設営チームは教室の飾り付けを……買い出しチームは購買に向かい、さまざまなお菓子や飲み物を買い漁り、今しがた準備が終わり、後は主賓……俺を待つだけになった。

 

「……ちーちゃん。話を聞いた限りだと、束さん別に要らなくない?」

 

《それなんだがな》

 

会場設営が終わる少し前、俺たちとの茶会が終わったセ尻ア……もとい、セシリアが合流し、クラス中が慌ただしい事を知り、その理由を訊ねた。

 

クラスメイトから説明を受け、理由を把握したセシリアは、なら束姉も招待してはどうかと提案。

 

IS開発者と直接話すチャンスがあれば、開発者からしか聞き得ない話で、ナニカを掴めるかもしれないから、と。

 

これにクラス中から賛同の意が集まり、満場一致で束姉も招く事になった、と織斑先生は語る。

 

「なるほどね」

 

《織斑のクラス代表就任祝いの場だ。どうせなら世間話程度に、小娘共にISの事などを語ればどうだ。現場の意見を拾う良い機会になるんじゃないか?》

 

「言われてみれば、確かにそうかも」

 

昔、揚羽さんが言ってたっけ。

『現場の事を知らん元請けは愚か者だ。そんな元請けだから、どこにも需要のない、無駄な商品を作るんだ』って。

 

「分かった。参加するよ。作業着に白衣で良いかな?」

 

《ああ、構わん。では、待っているぞ》

 

「すぐ行くよ」

 

俺たちは通話を切ると、2人で身支度を整え、教室へ向かった。

 

 

──

 

────

 

──────

 

 

「……という訳で、1年2組のクラス代表は、織斑くんに決まりました。はい、拍手」

 

教室にて。

山田先生にそう紹介され、教壇に立ってペコリと頭を下げると、クラス中から盛大な拍手が上がった。

 

「そして、織斑くんのクラス代表就任を祝して、織斑くんが所属する九鬼財閥極東本部宇宙開発部から、部長の篠ノ之博士が、織斑くんのお祝いに来てくださいました」

 

……という口実になっている。

もちろん、織斑先生や山田先生、箒は当然として……一応の関係者という事で、セシリアにも話を通してある。

 

「おめでとう、いっくん。宇宙開発部の部長として鼻が高いよ」

 

「ありがとう、束姉」

 

「……ねえねえ、おりむー」

 

俺と束姉の気安い呼び方に何かを察したのか、クラスメイトで唯一の萌え袖制服の美少女……布仏本音(のほほん)さんが声をかけてきた。

 

「ん? どうしたんだ? のほほんさん」

 

ちなみにのほほんさんが俺を『おりむー』と呼ぶのは、何も今に始まった事じゃない。

 

何なら授業初日のその日からおりむーと呼ばれてるし、俺もその日から、彼女の事をのほほんさんと呼んでいる。

 

「おりむーは、篠ノ之博士のどこが好きなの?」

 

「あー……」

 

「その、ねえ?」

 

のほほんさんの質問に、俺と束姉は揃って苦笑した。

 

「んっと……のほほんちゃん、でいいのかな?」

 

「はーい」

 

「いっくんと束さんの場合……いっくんが束さんに惚れた訳じゃなくて、束さんがいっくんに惚れたの」

 

束姉のそんな発言を聞き、教室中から黄色い悲鳴が上がる。

教室の隅では織斑先生が『誰が恋バナで盛り上がれと言った』と愚痴をこぼし、それを山田先生が『まあまあ』となだめている。

 

「……とりあえず織斑」

 

「はい」

 

「クラス代表就任、おめでとう。頑張ってクラスを盛り立ててくれ」

 

「はい!」

 

「良い返事だ。さて、堅苦しいのはここまでにしよう。せっかくパーティーの開催を承諾したんだからな。束と恋バナで盛り上がるのは、パーティー中だけにしろ?」

 

言って織斑先生が手をパンパンと二度鳴らすと、俺以外のクラスメイトの半分が椅子から立ち上がり、手にしていたビニール袋の中身を、テーブルの上にサササッと並べる。

 

ビニール袋の中身は、3割が紙皿や紙コップなどの食器類で、残り7割がお菓子やお惣菜、弁当類、酒の肴として親しまれている系の食べ物と、各種飲み物だった。

誰だ、ツマミを買い込んだのは。

 

「時間は……そうだな。18時までとしようか。ちなみにパーティーの終了時刻は、食堂の業務終了時刻と同じだ。明日の朝まで食堂は利用出来なくなるから、しっかり飲み食いしておけよ?」

 

織斑先生のその言葉で、1年2組は小さな宴会場と化した。

 

それから少しして、持ち寄られた飲食物の約半分が消費された頃、1年2組の教室に、お客さんがやってきた。

 

IS学園の2年生で【(まゆずみ) 薫子(かおるこ)】と名乗ったその来客は、新聞部の部長で、校内新聞を作るために俺のインタビューがしたいらしい。

 

クラス代表就任おめでとうパーティー中なので、手早くお願いしますねと伝えると、黛先輩はそれを承諾し、ICレコーダーを片手に、あれこれ質問をしてきた。

 

『織斑くんの本当の気持ちが知りたい』と言うので、ストライクゾーンど真ん中火の玉豪速球をブン投げてやったのだが、黛先輩は愕然とする事を繰り返していた。

 

本当の気持ちが知りたいって言うから、本当の気持ちを言っただけなのに。

 

そうして10~12ほどの質問に答えた頃。

黛先輩が『もっと知りたいけど、これ以上聞いたら、枠内に収まらない。号外を刷る必要が出てくるわ』と言いだした。

 

どうするんですか、と聞いたら『惜しいけど、写真を撮って終わりにする』との事。

 

最初こそ俺がソロで撮影されたが、束姉が俺に抱きついた瞬間にシャッターが切られたのを皮切りに、あれよあれよとクラスメイトとツーショット写真が撮られ、ついには織斑先生や山田先生も巻き込み、クラス全員で写真に撮られる事になった。

 

ちなみに写真はあとでくれるらしい。

 

そんなこんなで時刻は18時を少し回った頃。

クラス代表就任おめでとうパーティーが終わり、クラスの片付けが済んだ後、俺は居住区に戻るため廊下を歩いていたのだが……

 

「もう! 事務所ってどこなのよ!」

 

……廊下の端でそう喚き散らす、1人の少女を発見した。

小柄な体格で焦げ茶色の髪をツインテールにした、見知らぬ少女。

 

「おーい」

 

俺は少女に声をかけた。

 

「え? だ、誰?」

 

俺の言葉に、驚いた表情を浮かべる少女。

 

「俺は織斑一夏。このIS学園の1組2組に所属している」

 

「織斑一夏……あ、セカンドマンね? アタシ、鈴音(リンイン)(ファン)鈴音よ。中国の代表候補生をしているわ」

 

ファン・リンイン……中国の代表候補生か……にしては日本語上手いな。

 

「よろしく……で? その中国代表候補生が、こんな時間にこんな場所で何をやってんだ?」

 

俺がそう訊ねると、ファンはボストンバッグを廊下に降ろし、ガックリと項垂れた。

 

「アタシね? 本来なら入学式にもちゃんと出て、正式にIS学園に在籍するはずだったの。でも本国の頭の固い連中が、書類手続きでヘマをやらかして、手続きが遅れちゃってね……急遽、身1つで編入って形になったの」

 

「……それで?」

 

「日本に来たまでは良かったんだけど、IS学園に来るためのモノレールが故障しててさ。やっと復旧したのがさっきなのよ」

 

IS学園は陸路だと、学園が建つ人工島と本土を繋ぐモノレールが唯一の道。

そのモノレールが故障したとあっては、大幅なタイムロスも仕方ないだろう。

 

一応、モノレールの線路の下には道路も通ってはいるが、基本的に歩行者は通行禁止だし、車両も本土側のゲートで止められ、ゲートで許可証を提示し、IS学園から確認が取れない限りは入れない仕組みだ。

 

「なるほど」

 

「で、IS学園に着いたら着いたで、編入手続きをしてもらうために事務所を探してたんだけど、IS学園ってメチャクチャ広いし、建物はどこも内装が似通ってるじゃん? 迷っちゃってさ」

 

言ってファンは頭をガシガシと掻き、深い溜め息を吐いた。

 

「……話は分かった。ちょっと待ってろ、何とかしてやれるかもしれん」

 

言って俺はファンに背中を向けながら、ガントレットからディスプレイを取り外し、千冬姉のスマホに電話をかける。

 

千冬姉は数コールで電話に出た。

 

「もしもし? 織斑先生ですか?」

 

《……ああ、私だ。どうした? こんな時間に》

 

「実はですね、教室棟の端で迷子を保護しまして」

 

《迷子だと? 名前とか分かるか?》

 

「ええと、名前はファン・リンイン。中国の代表候補生で、本来なら入学式に出席するはずだったんですが、書類手続きで問題が生じ、急遽編入という形になった、と聞いています」

 

《ファン・リンイン……ああ、報告書にあったな。分かった。織斑、ソイツを寮監室まで連れてきてくれ。後は私が引き受ける》

 

「分かりました」

 

プツンと通話が切れたのを確認し、俺はディスプレイをガントレットに戻しながら、ファンに向き直る。

 

「ファン」

 

「あー、ごめん。お願いだから鈴音、もしくは(リン)って呼んで? 名字呼びされるのは好きじゃなくて」

 

何か事情があるのだろう。

まあ初対面だし、深くは聞くまい。

 

「分かった。ならリンと呼ばせてもらう」

 

「ありがと。アンタの事はなんて呼べばいい?」

 

「そうだな……このIS学園には織斑が2人いるから、もう片方と区別するためにも、一夏って呼んでくれ」

 

「イチカね? 分かったわ」

 

「それでリン。リンをこれからこのIS学園の学生寮寮監室に連れていく。寮監が何とかしてくれるそうだ」

 

「寮監室ね?」

 

「ああ。少し歩くけど、着いてきてくれ。ちなみに寮監がもう1人の織斑で、俺の義理の姉で、名前は千冬。1年2組の担任だ」

 

俺はリンを伴って、寮監室に向かって歩き始めた。




本作のセシリアは、初期状態だとセ尻アです。
ヒップは104程度を想定。
……オルコッ党の皆さんごめんなさい。


原作との主な変更点

1.薫子は割と真面目
2.薫子が写真撮影の際に数式を出題しない
3.鈴が一夏と遭遇する
4.鈴は一夏のセカンド幼馴染みではない

……りんちゃうなう。

第17話以降、四季姉弟はどうしよう?

  • 必要、一夏に絆されろ
  • 必要、一夏のかませ犬
  • 不要、フェードアウト
  • 四季姉弟よりマジ恋メンバー出そうぜ
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