月のプププランド   作:AmanatuTaruTaru

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そこでは、じゆうにとぶ。ゴハンもたべる。おひるねもする。


月のキアナちゃん

まぁるいまんまるお月様

地球という青い星の暗い夜を照らしてくれるお月様

 

生き物が住めない寒々とした小さな星というのは昔のお話

今ではなんと大地に草木が生え、大気があり、空を見上げれば何処までも広がる青い空があります

そんなお月様には神様がいます

地球の神様 兼 お月様の神様。ややこしいですね

 

ぽかぽか陽気に照らされた小さい丸いお家

そんな可愛らしいお家に神様は住んでいます

 

ちょっとばかりお家の中を覗いてみれば、すやすやと寝ている神様がいるではありませんか

神様の名前はキアナちゃん

お月様のように綺麗な髪色をした女の子

暖かいお布団に包まれて寝息を立てる姿はちょっとやそっとじゃ目を覚まさないでしょう

そんな神様が寝ているお家に近づく小さな影が一つ…二つ…三つ…おやおやどんどん増えるじゃありませんか

 

"わにゃにゃ"

"わにゃわにゃ"

"わにゃわわにゃ"

 

オレンジ色をした身体に鏡餅を連想させる輪郭の顔

縦長の目をして愛らしさを感じさせるお月様のようにまんまるな生きものがよちよちと歩いています

そんな小さな生きものたちは力を合わせてお家の扉を開くと寝ている神様に近づくとわにゃわにゃと鳴いています

いったい何を言ってるのでしょうか?もしかして起こしにきたのかな?

 

「うぅーん……わにゃちゃん…もうちょっと寝かさせて…」

 

しかしキアナちゃんはお布団の中に潜り込むように深い眠りに付こうとします

これにはわにゃちゃんと呼ばれた小さな生きものたちは困ってしまいます

中にはお布団の上に登って直接揺すって起こそうにもそのままキアナちゃんの抱き枕にされてしまう始末

もちもちと柔らかくて温かいのでしょう。キアナちゃんの顔が更に安らかな顔になっていきます。可愛いですね

 

"わにゃ!"

"わにゃわにゃ!"

 

埒が明かないと判断したのでしょう

小さな生きものたちは一斉にベッドの周りを囲むと力を合わせて何と持ち上げてしまいました

見た目に反して力持ちです

そのままえっさらほっさらと聞こえるようにわにゃわにゃと声を合わせて運んでしまいます

道中で色々な生きものに見られてしまいますが特に気にした様子はありません

あえて言うならまた神様が寝過ごしてるという察する気持ちがあるぐらいでしょう

 

そうして運ばれた先はのどかな風景と似つかないとてもしっかりした建物でした

未来的と称されるような建造物の数々に小さな生きものたちはやや場違いと思わせてしまいます

世界観が急に変わったとしか思えない境目から住民も代わり、そこにいるのは神様のように背が高くて長い四肢を持つ人と呼ばれる生き物です

されどもそんな人たちも神様を見ての反応は変わりません。あえて言うならまた寝過ごしてるという察する気持ちとこんな子が神様かぁという残念な気持ちが混ざってるぐらいでしょう

 

小さな生きものたちが建物の中にある一つの部屋に辿り着くとベッドを下ろして一息吐きます。お疲れ様

部屋にはキアナちゃんと同じ髪色でロールにしている女の子と、紫芋を連想する髪色をした綺麗な女の人がいました

それぞれがまだ眠っているキアナちゃんを見るや否や呆れ顔なご様子です

 

「馬鹿キアナ…またワドルディたちに運ばれたんですか…」

 

「もうキアナちゃんってば……ワドルディちゃんたちもありがとうね」

 

どうやら小さな生きものたちはワドルディと呼ばれているようです

小さい働き者を労うように優しくもちもちとしてあげればワドルディもわにゃわにゃとされるがまま

そんな光景に癒されながらもまだ夢の世界に旅立っているキアナちゃんを起こさなければなりません

 

「さて…いい加減起きてください寝坊助キアナ。何度も繰り返して恥ずかしくないんですか」

 

「うむえぇ……えっ!?ブローニャに…芽衣先輩!?」

 

「おはようキアナちゃん…もう地球時間で言えばお昼前よ?」

 

キアナちゃんの鼻を摘まんで起こしにかかったのはブローニャちゃん

仕方ないなぁとちょっと甘やかし気味な声にも聞こえる芽衣ちゃん

起こされたキアナちゃんはすこーしばかり頭の中が起動するのに時間がかかったようですが、ようやく今の事態を飲みこめたようです

 

「えぇと…ほら、ちょっとこの前の宿題をやっててさ…」

 

「嘘ですね。夜遅くまでゲームをしててそれが原因で寝坊したのはログを漁ればすぐにわかることです」

 

デン!と音が出そうにブローニャちゃんが突き付けたのは時間が記載された紙でした

そこにはいつの時間に電力と通信が発生したかが分かります

もしもキアナちゃんが真面目にお勉強をしていればそこまで消費しないであろう電力の数値が深夜の時間に跳ね上がってるのが丸分かりでした

 

「プ、プライバシーの侵害!」

 

「失敬な。たとえ趣味のゲームと言えども月の電力諸々の管理は当然のことでしょう?」

 

「プライバシーと言えば…キアナちゃん、あなたまたラーメンばかり食べてるとカワサキから聞いたわ。空の律者もそうだけど偏食なのは辞めなさい」

 

「うぐぅ…め、芽衣先輩まで…」

 

「一応ここにいるカワサキも崩壊獣の一種ですからね。大王様のキアナに逆らえないのを分かってて食べてますよね?」

 

なんということでしょう

地球の神様であるキアナちゃんは自堕落気味な生活を突かれて涙目です

しかも普段の食生活まで暴かれる始末です

どうやら月にいる不思議な生きものは崩壊獣と呼ばれているらしく、キアナちゃんはそんな生きものたちの王様でもあるようです

 

「何より定例会議…という名のお茶会もあると分かっててこれですからね。後でテレサ学園長にも怒られるのでは?」

 

「それだけは勘弁してぇ!また宿題増やされたらたまらないよ!」

 

「なら早く着替えて整えましょう。職員はともかくあの子経由で色んな人に知られるわよ?」

 

キアナちゃんは猫のプリントのパジャマ姿から指をパチンと鳴らせば一瞬で姿が変わります

可愛らしいパジャマは白を基調としたドレスのような姿に早変わり

神様パワーを存分に使って神秘的な女神様の変身ぶりにワドルディたちも思わず拍手喝采の雨あられ、キアナちゃんは自信に満ちた顔でむふーとしてます

 

「相変わらず器用な力の使い方ですね…ところでこの子たちみたいにホムの形は崩壊獣はまだ出ないんですか」

 

「それはまだ…結局崩壊の繭があの子の影響を受けただけで私の一存じゃどうにもならないだろうし」

 

「むぅ…地球のマスコット人気シェアをワドルディが取りつつある現状はホムファンとしては見過ごせない…いやワドルディも可愛いんですけど」

 

どうやらブローニャちゃんはワドルディも可愛がりつつも別のマスコットも愛しているようです

小さい生きものが溢れるようになった月でもホムがまだいないことに残念がってる様子でした

 

「既存の崩壊獣がほとんど見なくなった代わりにこの子たちが出るようになったのよね…地球も地球で拒絶するより素直に受け入れたのも驚きだわ」

 

「まぁ…恐ろし気な猛獣より親しく小さい生き物のほうが好かれますよ芽衣姉さん」

 

「意外と働き者だしね。うりうり」

 

神様に直接愛でられてるワドルディですが自分も自分もと言わんばかりに小さな生きものがキアナちゃんに群がります

小さくふわふわとした生きものが群がる分には至福なのかキアナちゃんも顔もちょっとだらしなくなってます

 

「あれ?そういえば芽衣先輩とブローニャは先に来てたけど他はまだ遅れるの?」

 

「ゼーレとウェンディは途中アインシュタイン博士に呼ばれてたので遅れるかもしれませんね」

 

「学園長も空の律者のほうに向かって行ったけど…たぶん来ないわよね」

 

「あはは、空ちゃんこういう場ってあまり好きじゃないしね」

 

キアナちゃんの脳内にいくつかの記憶が駆け巡ります

今こうして何気ない会話を楽しめるのも、小さな生きものたちを愛でれるのも、そして争い合ってたかつての半身とも和解に近い形で決着が付いたことも

 

大きな大きな戦いが地球でありました

人と文明の生き残りを賭けた、キアナちゃんが何度も何度も挫けかけた戦いがありました

 

それでも挫けなかったのはひとえに美しくない世界であっても少しでもマシにするための意地でした

それでも立ち上がれたのはキアナちゃんを支えてくれる友達の存在でした

 

芽衣ちゃんも、ブローニャちゃんも、そんな友達のひとりです

沢山の苦悩と喜びと分かち合った大事な人たちです

 

そして今、お茶会の用意を済ませた部屋に遠い遠い星からやってきた友達がやってきます

キィィィンと鳴り響き、星のような輝きと共に一瞬で弾けました

 

それはワドルディのように小さくまんまるな生きものです

ピンク色でなやみのなさそうな顔をしたその子を見たキアナちゃんは喜びの声と共にあいさつをします

 

遠い星からはるかぜとともにやってきたわかものが、なぜ地球にやってこれたのか分かりません

それでも確かなことは、小さな生きものとキアナちゃんはとても仲良しなことです

 

「いらっしゃい、カービィ!」 "はぁい!"

 

 

 




不思議な生きものたち
とっても怖い怪物だった崩壊獣も今では小さく穏やかな生きものになった
地球でも崩壊獣の代わりに現れたそうだけど地球の人たちはあっさり受け入れたみたいだ
働き者のワドルディたちは月でも地球でも人気者
マスコット人気の高まりに旧来マスコットファンは危惧してるようだけど大丈夫、一緒に可愛がればいいのさ!

キアナちゃん
太陽系第三惑星「地球」の神様
だけどラーメンと友達が大好きな可愛い女の子
今では小さい生きものたちに大王様と言われてるようだけど王様らしいことはしたことはない
お勉強を頑張りながらも今日も気ままに飛んで、食べて、眠る日々は素晴らしきかな

カービィ
遠い遠い星からやってきたキアナちゃんのお友達
でも最初に出会った子は足の不自由なウェンディという女の子だったんだって
たくさんの人たちとお友達になったけどそろそろ前に住んでた家が気になって帰ろうかなと考えてる



スターアライズ仕様のため、全員生存&ハッピーエンドを成し遂げた
代わりに難易度は本編崩壊3rdを超える魂が飛び出る辛さExtraと化した
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