月のプププランド   作:AmanatuTaruTaru

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カービィの楽しい気持ちに さそわれて、開拓者は もちろん、はじめましての トリスビアスもカービィダンスに くわわった!
ダンスはとってもカワイイのに、お歌はパワフルボイスの カービィさん。
こんど みんなで歌おうね!(ドキドキドキ…)


EX:オンパロスのひと時

 

 

強敵であった

火を追う旅路にだいたい付き纏ってくる黒衣の剣士

その剣捌きはオンパロスが誇る剣士ファイノンを一蹴し、分身殺法から繰り出す斬撃の嵐は大英雄とて捌くのは容易ではない

 

だが倒した

 

「相変わらず油断ならない相手だった…」

 

ファイノンにとって黒衣の剣士は同郷の皆を殺し、故郷を滅ぼした復讐相手

例え頭で今は勝てないと分かっていながらも目の前にそれがいるなら暗い感情が復讐を果たせと囁いてくる

ファイノン一人では勝てなかっただろうが、今は心強い味方がいる

 

自分と同じ黄金裔である三人の幼子であるトリスビアス、死に愛された少女キャストリス

そしてオンパロスの"外"から来訪されし開拓者と…今も脳裏に浮かぶピンクの少女と同じ色をした球体に、赤と青の姉妹

彼らがいなければファイノンは黒衣の剣士を倒すことは叶わなかっただろう

 

「しかしファイノン様…あの剣士はいずれまた…」

 

「ああ…撃退こそ出来たがまた来るだろうな…」

 

キャストリスも不安の声を出すがファイノンもまた分かっている

幾度も神の種火を巡った戦いで決定的な一撃はお互い与えられないままであるが、純粋な実力は黒衣の剣士のほうが上回っている

今でこそ撃退できてもこのままでは誰が犠牲になるかわからない

 

「だいじょーぶだよファイちゃん!今回だって返り討ちにできたんだから「ボクたち」は無敵だぁ!」

 

「不安なのは分かりますが種火は護れて「あたしたち」の消耗も少ないことを喜びましょう」

 

「そうそう!「あたちたち」だけじゃ無理だったけど今はグレーちゃんにピンクちゃん、ロザちゃんリリちゃんもいるちね!」

 

そうだ

これからも続く火を追う旅路に命さえも些事と言える中で、心強い仲間がいるのも確かだ

共に戦った来訪者たちを一目見ようとした時、ファイノンとキャストリスは固まった

 

増えていた

 

ピンクの球体…可愛らしい見た目ながらも大食いで悩みのなさそうな顔をしているカービィ

開拓者…見た目こそは好青年なのにゴミ箱を漁るわ突然土を食い出すわ奇行の絶えない穹

 

「……??」

 

「……????」

 

増えていた。三人ずつに

 

「おー、穹お兄さんもカービィみたいに増えるようになったのね!」

 

「とりあえずバッドの俺と槍の俺は増やせるようになったけど帽子の俺だけはまだだな。ピノコニーにいるかホタルがいれば増やせるんだけど」

 

「ホタルちゃん?なんで?」

 

「さぁ?なんでだろ?」

 

「馬鹿ロザリア…きっとこれは愛の力って奴だよ。ひゅーひゅー」

 

「俺って元から可愛い美少女だけどバリエーションを増やすために女の俺も増やせるようになりたいところだな」

 

"ミュミュ…ミュミュミュ?ミュミュゥ…(あなたって…本当に人間?どうやって増えてるの…)"

 

あまりの光景に脳裏に宇宙と猫を宿している

なんなんだろうこのおかしな光景は

 

「あ、そういえばファイちゃんとキャスちゃんは見るのはじめてだっけ?」

 

「凄いよなー。"天外"の人たちって「ボクたち」みたいに増えることができるんだよ」

 

それって"天外"の人だからと片付けて良いことなんだろうか?

オンパロスの外の人たち怖いな…普通に分裂できる人だらけなんだ…

 

「あ、あの…なぜ穹さんとカービィさんは増えてるのですか…?」

 

"はぁい!"

 

「? そりゃ踊るためだからな?」

 

そうなんだ…"天外"の人たちって踊るために増えるんだ…

キャストリスは未知なる世界にまたしても宇宙猫を脳裏に宿した

 

「ミュージックスタート!」

 

火種を守り、強敵を打ち倒した時に彼らは踊る

ロザリアの声と共に各々が踊り出し、開拓者はキレッキレのダンスを披露し、カービィは小さい球体ボディの全身を使い、ロザリアとリリアはアイドルらしい可愛らしい踊りと笑顔を披露する

音楽こそ流れて無くても不思議とその踊りを見れば脳内に聞いたことのない演奏が響き渡る

身体が自然とウキウキと動き出す脳内の音に耐えきれないように、トリスビアスの三人も混ざって一緒に踊り出した

 

「…よし、僕も踊るか!」

 

「ファイノン様!?」

 

その光景を見ていたファイノンも踊り始めて混ざろうとしていた

ダンスとしてはぎこちない上に足も手も動きが揃っていないがそこは持ち前の身体能力とセンスでカバー

そして顔も良いので不思議と踊りとして成立していたが、突然の行動にキャストリスも驚きは隠せない

 

「キャストリスお姉さんも踊らないの?」

 

「こういうのは一丸になって踊るのが楽しい。一体感を感じる…」

 

「えっ……い、いえ…その…私は踊りなどしたことは…」

 

「なら今の機会に経験しておくといいぞ。よし!バッドの俺と槍の俺はキャストリスの後ろに付け!」

「おう!」「よし!」

 

"きゃす!いっしょ!おどる!"

 

「グレーちゃんとピンクちゃんに負けちゃいられないわ!「あたちたち」も続くのよ!」

「いいね!」「わかりました」

 

「えっえっ」

 

気づけば困惑するキャストリスを囲むように陣形を取っている

キャストリスは踊りなんてしたことはない。黄金裔として神の血が流れ、それ故に死の祝福こそ受けているがそれを除くと普通の女の子と変わらないのだ

踊りと言えないような、精々リズムを取って身体を揺らし、ステップを踏む程度が限界だ

しかし可愛らしい美少女はそれだけでも絵になる。かわいいね

 

「いいよ!可愛いよキャスちゃん!」

 

「ああ。俺ほどじゃないけどキャストリスも美少女だからな」

「その謎の自信は何処から来るのグレーちゃん」「グレーさんにとっての美少女ってなんなんでしょうね」

 

「中々悪くないわね!キャストリスお姉さんもアイドルを目指せるわ!」

「大丈夫、誰もが最初はニュービー。リリアを見習えばすぐに歌って踊れるアイドルになれるよ」

 

「うぅ…うぅぅ……!!」

 

何か、とても恥ずかしい思いをさせられてる気がした

踊りは楽しいかもしれないけど、穴があったら埋まりたい辱めを受けてる気がする

 

"わぁい!わぁい!"

 

カービィが中心となって歌って踊る宴は続く

それは外部からの観測されない未開の地オンパロスでの、楽しいひと時であった

 

そうしたひと時すら金糸を辿ってひとりの黄金裔に状況が伝達する

火種が守られたこと、"天外"からの来訪者がなぜか増える手法を持ち合わせてること

 

「……ふふ」

 

死の少女がぎこちない踊りと言えないような踊りをしながら不思議と周囲に溶け込むことができる環境に後方保護者面しながら微笑んでいた

不確定要素が多いがそれでも身に宿すのは浪漫の神権

感情こそ消えて久しい半分の人の身であれども、愛し愛され歌い踊る浪漫を求めるもう半分の神の血は金糸から伝わる情景に一種の悦楽を与えてくれる

 

火を追う旅は喪失の道

その中では命さえも些事となる

 

だが、もしも……

あの不可思議な"天外"の来訪者がそのような予言も覆せたのなら……

 

ありえない"もしも"に身を任せるようなことはしない

しかしそのような都合の良い浪漫を引き起こすことこそ火を追う旅の最終地点に相応しい

 

ああ───

できるなら、この黄金の叙事詩に欠けることのない一筆が始まることを祈るばかりである───

 

 




カービィ     説明不要に踊れる。歌い始めると周囲が破壊される
開拓者くん    キレッキレに踊れる。ピノコニーではアベンチュリンとダンスバトルもした
ロザリアちゃん&リリアちゃん もちろん歌って踊れる

トリスビアスちゃん      子供ダンスだけど踊れる。可愛い
ファイノンさん       ぎこちないけど一応踊れる
キャストリスちゃん       踊れない。可愛い

モスちゃん          踊れる。王子様なので
アグライアさん        踊れる。優雅かつ美しく
ヒアンシーちゃん      踊れない。アイドルじゃないから…でも素質はありそう
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