ユメニオチル   作:OrengeST

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第十五話:カウンセラー

 ぼそぼそとした話声で目を覚ますと、一瞬、三宅は自分がどこに居るのか分からなくなった。

 頭が重く、こめかみがじんじんとする。

 

 慣れた手つきで頭の上に押しやった手が壁を撃ち、痛みでようやく、自分が保健室のベッドで寝ていたことを思い出した。眼鏡は頭のすぐ横に置いていた。

 

 眠りすぎたのか、眠る前より気怠いような心地がする。

 なんとか上半身をベッドから起こすと、先ほどまで聞こえていた声が止んでいることに気が付いた。

 

 枕の近くに置いていた携帯電話で時間を確認すると、すでに、十四時を回っていた。五時間近く眠っていたことになる。

 

 携帯電話を見つめ、三宅は逡巡した。

 授業が終わり美亜子と合流するまでにはまだ時間があるが、あまりベッドに長居すると重病人だと判断されかねない。そろそろ部屋を出るべきだろうか。

 

「……三宅君? 凄い音がしたけど、だいじょうぶ?」

 

 遠慮がちな、控え目な女性の声が聞こえた。養護教諭だろう。

 寝起きで朦朧としていたために気付かなかったが、それほど強かに手を打ち付けていたらしい。もはや狸寝入りはできそうにないと、三宅は諦めた。

 

「はい。寝惚けて、手を壁にぶつけてしまって」

 

 カーテンの向こうに向かって答える。三宅がベッドを降りてカーテンを開けると、そこには養護教諭の横にもう一人、椅子に座っている女性がいた。

 

 年の頃は二十代だろうか、髪をぴっちりと撫でしつけて、かしこまった雰囲気があるが、クリーム色のスーツが見た目の印象を柔和にしていた。

 

「ごめんなさいね。起こしちゃったかな?」

 

 スーツの女は、申し訳なさそうに眉を下げた。

 

「いえ……」

 

 三宅はそれとなく、女を観察した。この学校の教師では無い。来客にしても、保健室にやってくるというのは、どういうことだろう。

 

 スーツの女は訝しげな三宅の視線に気づき、繕うように微笑んだ。首から下げていたストラップを掲げて示す。そこには、女の名前が書かれていた。

 

「わたし、スクールカウンセラーの新堂晴陽《しんどうはるひ》です。今日から、よろしくね」

「はあ……自分は、三宅です」

 

 なんとなく、流れで自己紹介をする。

 養護教諭が、何かに気付いたような声を上げた。

 

「あっ。三宅君は放送、聞いてなかったわよねえ。晴陽さんにはね、皆のメンタルケアをお願いしているの。もし悩みとか、不安なことがあれば、気軽に話してちょうだいね」

 

 気づかわしげな表情をして、養護教諭は三宅を見つめる。

 三宅にも事態が呑み込めてきた。

 

 この晴陽というスクールカウンセラーの設置は、昨日の千紗都の一件へのフォローなのだろう。

 よく考えて見ずとも、学校で女子生徒が倒れて救急搬送、意識不明とは、かなりセンシティブな状況だ。職員室の神経質な様子にも得心がいく。

 ヒステリックだった神代の胸の内にも、千紗都の一件が暗い影を落としているのかもしれない。

 

「三宅君も、話したいことがあれば、何でも話してね」

 

 機会があれば、と社交辞令的な返答をしようとした三宅は、口を開きかけて思いとどまった。これは、存外都合がいいかもしれない。

 

「……あの、実は」

 

 三宅は、昨日倒れた千紗都が、幼い頃からの友人であることを説明した。驚いたような表情をした晴陽は、養護教諭と顔を見合わせると、椅子から立ち上がった。

 

「もしよかったら、他の部屋に行きましょうか。ここだと、三宅君も落ち着いて話せないでしょう?」

「はい……。助かります」

 

 晴陽は慰めるように微かな笑みを浮かべ、「いいのよ」と言って、三宅を先導した。

 ベッドの脇に置いていた鞄を回収して、晴陽に従う。

 

 晴陽の後ろを歩きながら、三宅は内心でほくそ笑んだ。美亜子と合流するまでの時間つぶしに好都合な手段が見つかったのは、幸運だった。

 

 しばらく校内を歩いて辿り着いたのは生徒相談室で、三宅が初めて入る部屋だった。使われている所も見たことはない。

 晴陽が部屋の鍵を開けて、中へ入っていく。

 

 相談室の中は狭かった。化学準備室や工作準備室のような、普通の教室の半分ほどの大きさだ。

 机が対面するように二つくっつけられ、机の手前には椅子が置かれている。それ以外にはファンヒーターが置かれているくらいで、殺風景な部屋だ。

 部屋がほんのりと生暖かいのは、午前中に使われていたからだろう。

 

 部屋に入り、ヒーターのスイッチを入れた晴陽は、窓側の椅子に座った。自然と三宅は、廊下側の席に座る。

 ごぉっ、と音を立ててファンヒーターが動き始め、温風はすぐに狭い部屋を満たしていく。

 

 晴陽は最初、他愛のない話を始めた。

 都内の大学で臨床心理学を学んでいたことや、大学卒業後は銀行に就職したものの、不登校になった甥と接するうち、かつて世話になったスクールカウンセラーを目指そうと思ったことなどを、三宅に話して聞かせた。

 

「元々、高校生のころ、スクールカウンセラーにお世話になったことがあったの。年の離れた妹が病気で亡くなって……すごくショックで。

 何日も塞ぎ込んでたんだけど、誰かに話を聞いて貰ううちに、自分の気持ちを整理できるようになった。

 もちろん、これは私の一例でしかないから、三宅君が話したいと思うことを、話してくれたらいいの。話したくないことは、胸にしまっておいてね。

 それと、今日の会話の内容は、必要に応じて学校の先生や保護者の方と共有して、不安や悩みの解消を手伝えるようにするからね」

 

 晴陽は柔らかな笑みを浮かべて言った。その表情には人懐っこさが滲み出ている。

 

 そんな晴陽の話に都度、頷きながらも、三宅は冷静な目で彼女を観察していた。

 

 晴陽の自己開示は、彼女のパーソナリティに踏み込んだもののように聞こえる。返報性の原理と言っただろうか。

 自己開示によって自らを信頼させ、また相手が相応に悩みを打ち明けやすくなる心理的効果があるという。これが彼女なりのカウンセリング手法なのだろうと三宅は思った。

 

 ただひとつ三宅にとって予想外だったのは、学校や保護者に話が共有されるという点だった。

 そうなると迂闊なことは話せない。

 どんなことを話そうかと考えて、つい先ほどの、彼女が臨床心理学を学んだという話が気になった。

 

「晴陽さんは臨床心理学を学んだんですよね。夢には、詳しいですか?」

 

 三宅の頭に浮かんでいたのは、夢の心理学的側面だった。

 

 美亜子との捜査はいわば、特定の規則に基づいて事件が起きているという、実証論寄りのアプローチだ。

 だが、果たしてそれだけでよいのか、という疑念が三宅の中で強くなっていた。

 特に、今朝の夢での、夢子との遭遇がその想いを強固にした。超自然的な洞察を要する何かが、事件の裏には潜んでいるのではないかと思ったのだ。

 

「夢? 専門じゃあないから、知悉しているとまでは言えないけど……内容次第かな」

 

 一瞬、晴陽は困惑の色を顔に浮かべたが、すぐに微かな笑みを取り戻して言った。

 

「例えば、夢で見たものの意味を解読したいと思えば、どうしたらいいでしょう?」

「そうねえ。夢はよく、無意識の象徴とされているわね。その象徴にどのような意味を見出すのかは、議論が割れるところなのだけど……」

「フロイトや、ユングなんかはどうなんでしょうか?」

 

 夢と精神分析、というジャンルで思い浮かんだ二人の学者の名前を上げた。晴陽はそれを聞くと、僅かに浮かべていた笑顔を引きつらせた。

 

「ああ、フロイト。有名よね。でも彼より、彼の弟子にあたるユングの方が、三宅君の望む答えに近いかもしれない。

 ユングはね、夢の内容だけでは無くて、夢を見る人の背景に着目していたの。夢に無意識——個人的無意識や集合的無意識が反映されていると唱えていた」

 

 晴陽はすらすらと、話を続けた。

 

 個人的無意識とは、個人の経験や記憶に基づく抑圧した感情や潜在的な思考を指し、集合的無意識とは、神話などにも見られる人類普遍のイメージを指す——と晴陽は語る。

 

 それらは元型と呼ばれ、例えば、知恵の象徴としての老賢人だとか、愛や生命の象徴としての太母、といった具合である。

 ブリテンの魔術師、アーサー王伝説のマーリンなどが、まさに老賢人と言えるだろう。

 

 具体的な分析手法は次のようである。夢に現れたものから連想する事物について、夢を見た本人があげていき、どのような無意識が表象化しているのかを検討するという。

 

 ユングが相談者から夢を聞き取って夢分析をした記録など、いくつかの事例も交えて説明をしてくれた。

 

 三宅は話を聞きながら、そうした分析は分析者の抽象化能力に大きく依存してしまうような気がした。

 ただ、元型が示唆するイメージは分かりやすい。

 老人を追いかける夢なら、無意識に知恵を追い求めている、という具合なのだろう。いささか狂気じみた夢ではあるが。

 

「では……元型の中に、若い女性や少女、というものは存在するんでしょうか?」

「うーん。……あったかもしれないけど。ごめんなさい、よく覚えていないの。広く言えば、先ほどの太母、なのかしらね」

 

 晴陽は首をかしげて少しの間考えていたが、それ以上は記憶に無いようだった。元型については、改めてインターネットや図書館で調べるしかなさそうだ。

 

「何か、三宅君が気になることがあるの?」

 

 不意に、晴陽が質問側に回った。三宅はどう答えるべきか一瞬迷ったが、千紗都との関連を正直に話すことにした。

 

 神代やクラスメイトの様子を見るに、すでに千紗都は鮎川の兄や黒い女の夢と関連付けられつつある。自分以外の生徒からも同様の話が晴陽に伝わる可能性があるなら、今、晴陽に話をしたところで、さしたる支障はないだろう。

 

「……黒い女って、知ってますか?」

 

 三宅は黒い女の噂や、千紗都がそれに巻き込まれているかもしれないことを話した。

 真剣な眼差しで話を聞いていた晴陽は、思いつめたような表情をした。

 

「そういう話があるのね……。確かに、怖い話。でも……あまり気にしすぎない方がいいと思う。インターネットには、注目を浴びたいだけの人だって、いるんだから」

「新堂さんは、信じられませんか?」

 

 晴陽は、首を横に振った。

 

「そうじゃなくてね。こうした真偽不明の話は、信じるか信じないか、という主観的な話から距離を置いて、事実か事実ではないか、客観的な判断をするべきだと思っているの。

 インターネットには、あまりも主観的な情報が多すぎる。夢の内容だって、そうよ。

 誰がどんな夢を見ているのか、夢を見ている本人にしか分からない以上、発言が事実かどうかは分かりっこない。

 何が事実で、何が事実ではないか……警察のような中立的な捜査機関によって()()()に掛けられた事実から、予断なく真実を吟味していくことが大切だと思うの」

 

 晴陽は宥めるような調子で、冷静に語りかけた。

 

 三宅は小さく唇を噛んだ。彼女の言葉は当を得ていると三宅も思う。

 だが鮎川の兄や、それ以外の人が意識不明になって随分と経つが、警察では事件性を考えていない。

 

 それは晴陽の言う通り——そして美亜子の言っていた通り、夢があくまで主観的意識に過ぎないことが、警察が動かない理由なのだろう。

 

 事実が客観的に明らかにされないならば、どうするのか。その答えは分かっている。

 美亜子や自分のちからで、主観的事象から事実を仮定して調べていくしかないのだ。

 たとえ晴陽や、ほかの常識的な人間に否定されたとしても。

 

「確かに、新堂さんの言う通りかもしれません。もう少し、落ち着く必要があるのかも」

 

 もはや晴陽の前で夢の話は無用だろうと思い、三宅は目線を落として、態度を繕った。

 

「もし、三宅君がそうした、より客観性の高い事実を調べたいと思うなら、私も何か協力できるかもしれないわ」

「いえ、だいじょうぶです。御舟さんが倒れて、僕は、冷静じゃなかった……。何かに原因を求めたかっただけだと思います」

 

 さも冷静に自己分析をしてみせる。これ以上の会話に収穫は見込めそうにないと思い、三宅は早々に会話を切り上げようとしていた。

 目線を伏せたまま、動かさずにいる。

 そんな三宅の目を、晴陽はじっと見つめていた。

 

「三宅君は、とても内省的なタイプなのね」

 

 思わず、三宅は視線を上げる。吸い込まれそうな黒い瞳に視線がぶつかると、微かな既視感が、三宅の頭を通り過ぎていった。

 

「……そうなんでしょうか。自分では、わかりませんが」

「あなた、本が好きでしょう。私の妹も同じだったから、分かるの。

 こだわりが強くってね、自分で作ったしおりがお気に入りだった。もし妹が生きていたら、三宅君とはいい友達になったでしょうね」

 

 自分のことを見透かしたような言葉に、三宅の胸の内は細波立った。だが同時に、晴陽が妹に深い愛情を抱いていたことが伝わってきて、不快感を露わにすべきか、慰めるべきか、分からなくなって口ごもってしまう。

 

 沈黙に耐えきれず、三宅は晴陽の話題に踏み込むことにした。

 

「その……妹さんは、いつ亡くなったんですか?」

「もう、四年前になるかな。長い間、病院に入院してたの」

 

 晴陽が口にした病院の名前は、千紗都がいままさに入院している病院だった。おそらく、重い病を患って亡くなったのだろうと、三宅は察した。

 晴陽は堰を切ったような勢いで、妹の思い出話を始めた。

 

「あの子、本を読むのが好きだったの。特にファンタジーね。なかなか外出もできないから、空想の冒険譚に浸るのが、あの子の楽しみだった。

 ちょうどFREAMが世に広まり始めた頃で、起きては読書、寝ては夢、なんて調子で。あの子は本当に、空想が好きだった」

 

 妹の姿を想起するように机の一点を見つめ、晴陽は寂しそうな表情を浮かべた。

 三宅には、その妹の気持ちが分かるような気がした。

 

 健康な身の自分を投影するのは烏滸がましいかもしれないが、自分は勿論、今を生きる現代人にとって、FREAMは健康や精神衛生を保つために不可欠なものになっている。

 数々の宗教や神話がそうであるように、人種や性別を超えて、人間と空想は切り離すことができないのだと思う。

 

「でも、私はあまり、FREAMは好きではないの」

 

 不意に、ぽつりと、晴陽がつぶやいた。

 

「そうなんですか?」

「起きてる妹と過ごす時間が、減っちゃったしね。それに、心理学を学んだ人間としても、好きになれない面がある」

 

 三宅は、時たまテレビで見かける老齢のコメンテーターを思い出した。

 

 その人物は、人が夢に傾倒することの危険性を説いていた。夢と現実の区別がつかなくなり、犯罪性向の高まりや夢依存による回避性人格の形成が進む恐れがあると、居丈高に捲し立てていた覚えがある。

 

 こうした伝統主義で新しいものを批判したがる人間は、バーチャルゲームの隆盛期にも、ゲームは犯罪を助長するなどと根拠のない批判を繰り返していたのだろう。三宅は鼻白んでコメンテーターを見ていたので、FREAMに批判的な若年世代の考えに、興味が沸いた。

 

「それは、どういう理由なんですか?」

「無意識よ」

 

 予期しなかった言葉に、三宅は思わず首を傾げた。

 

「無意識……?」

 

 晴陽は、頷く。

 

「そう。夢が無意識の表象だということは、さっき話をしたよね。

 だから夢を操作するということは、反対に、少なからず無意識に影響を与えているはずなのよ。

 無意識が捻じ曲げられれば、次第に人格を変えていくことにもつながる。それは、最初は、泉に投げこまれた小さな砂礫かもしれない。

 泉は綺麗なままよ。でも、一日、一年、数十年と積み重なっていくとしたら。

 泉は汚れて、いずれ砂礫で埋まるかもしれない」

 

 同じような懸念を示している心理学者は多いのだと、晴陽は付け加えた。

 

「でも、それは」

 

 三宅が言いかけると、晴陽は自嘲するように肩を竦めた。

 

「ええ、わかってる。まだ現段階では、懸念でしかない。あなたに言った、主観ね。これからFREAMが使われていく中で、人間や脳への影響は、明らかになっていくはずよ」

 

 三宅は何も言えなかった。

 

 日常に馴染み切った習慣や思想、技術や機械が異常を引き起こして初めて、その危険性が認知されることも、人類の歴史に違いない。

 特に利便性や快楽を追い求めた人間の破滅的結末は、枚挙にいとまがないだろう。

 

 エネルギー社会における環境汚染、農薬、飲酒、喫煙、原子力——近代でかまびすしい議論を経て、危険性が見直されたものたちだ。

 

 三宅の脳裏に、四肢の焼け焦げたラットが浮かびあがった。

 

 快楽を求め、電流の流れる網を歯牙にもかけず、狂ったようにドーパミンレバーを押し続けるラットだ。

 

 その姿がみるみる、服を着た人間に変わっていく。二本の脚をどす黒く燻ぶらせて、苦痛と快楽に顔を恍惚とさせながら、人間は更なる快楽を求め続ける……。

 

 背筋の寒くなるような心地がして、三宅は我に返った。

 

「三宅君?」

 

 晴陽の瞳が、こちらを覗き込んでいた。

 

「え? ああ、はい」

「あの、もう時間も経つから、三宅君が言い残したことが無ければ、今日はこれで終わろうと思うんだけど……」

 

 言い辛そうな困った表情をして、晴陽が言った。

 

「ええ。もう、だいじょうぶです。勉強になりました」

「それならよかった。なんだか、ごめんなさいね。私ばっかり話していたような気がする。もし、また話したいことが有ったら、相談室に来てね」

 

 照れたように笑って、晴陽は立ち上がった。

 部屋の時計を見ると、時間はもう十五時半に近かった。一時間以上話していたようだ。

 

 

 

 相談室の前で晴陽に別れを告げ、三宅はオカルト研の部室に向かった。美亜子はまだ来ていないだろうが、部室で美亜子を待つことに決めた。

 これくらいの時間なら、気付けば十五時を過ぎていたから授業に出なかった、という教師への言い訳は使えるだろう。

 

 歩きながら、三宅は別れたばかりの晴陽のことを考えた。

 

 新堂晴陽の話には、聞いているうちに引き込まれるところがあった。スクールカウンセラーというだけあって、話を聞くだけでなく、話す能力にも優れていると感じる。

 心理学への造詣もあるから、今後、聞きたい話もでてくるかもしれない。

 

 そういえば、晴陽はユングだけでなく、フロイトも知っているような口ぶりだった。有名な御仁なので興味はあったが、完全に訊きそびれてしまっている。明日にでも訊ねてみようと、三宅は思った。

 

 ふと、小さな疑問が沸いた。

 最初、夢には詳しくないと彼女は断っていたが、話を聞く限り、それなりの知識はあるようだった。ただの謙遜だったのだろうか。

 

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