まだ太陽が昇り切っていない早朝。どこかの
「おはようございます、フレイヤ様」
「あら、アクス。おはよう。今日はお母さんじゃないのね」
「お戯れを」
いつものようなやり取りをし、いつものように若干むくれるフレイヤ。彼女の反応に指示を聞きに来ていた幹部たちから『お前何してんだコラ』といった視線が投げかけられたが、『じゃあ、
そんないつも通りな朝の光景だが、居住まいを正したアクスは真っ直ぐにフレイヤを見つめてから『眷属を多少増やして欲しいです』と告げた。
「アクス、血迷ったか?」
「しまった。昨日、強く叩きつけ過ぎたか?」
「
「いや、あいつがいたら余計にややこしくなる」
ざわめく兄弟。舌打ちのみの副団長。無言を貫く団長と否定的か中立な反応をそれぞれが見せるが、エルフとダークエルフの2人だけは逆の反応を示した。
「昨日に気付くべきだったぞ、愚ペイジ」
「俺は賛成だけど、大丈夫? 指揮の経験とか」
「たまにヘディンおに……様に教えてもらってるよ」
「おい、僕たちを置いてきぼりで何話してるんだ? お前らオッタルかよ!」
完全に蚊帳の外になったアルフリッグが【フレイヤ・ファミリア】最大の侮蔑を言ったことで一瞬だけ部屋内が
環境が変わっても平常運転な幹部たちに呆れつつも、ひとまず話し合いだろうと彼女はヘディンの方へ目を向けた。
「ヘディン、説明なさい」
「はっ! フレイヤ様の御慈悲に咽び泣け。一字一句聞き逃すなよ?」
安定のディスりを入れつつも、ヘディンはアクスのやらんことを自身の解釈で話し出す。
昨日の話では、フレイヤの財産であるこの館のみを守護することで話が進んでいた。しかしながら、ヘディンの脳裏にふとある不安事項が思い至った。
──これは、街も守らなきゃ駄目ではないか……と。
人間、誰しも生存欲求はある。そして、その欲求が絶望的な状況になればなるほど強くなり、いずれは理性すらかなぐり捨てた暴徒になってしまう。
たとえワルサの兵たちを退けても、辛くも生き残った住人の視界にアクスが守ったことで無事な豪華絢爛な建物や潤沢な物資が目に入るとする。さて、町の人間はどうなるか。
『すべては戦争が悪い! 後のことは明日の自分任せよう』な考えを持ったヒャッハー軍団が
「私としては仮の住居ということで放置でも良いのだが、
「え、違うよ?」
まさかの梯子外しにヘディンの眼鏡が脈絡もなく罅割れる。その音を合図にガリバー兄弟がここぞとばかりに『不勉強だぞ(キリッ』や『妄想垂れ流し更年期エルフ』と煽り散らかし、いつもは仏頂面で舌打ちを機関銃の如き連射速度で掻き鳴らすアレンでさえも口元を歪ませながら『外してんじゃねぇぞ』と中々に鋭い指摘を見舞う。
これにはヘグニも擁護出来ずに視線を明後日の方に向けるが、ヘディンとの距離が離れているにも拘らず奥歯を食いしばる音が聞こえてくる。
その音にヘグニだけが内心『ヤッベー』と焦っていると、何やら涼やかな声が聞こえてきた。
「ん? どう違うんだ、"アクス"?」
いつもの呼び方はどこへやら。優しい親戚のおじさんが語り掛けるような口調に周囲は『アカン』と警笛を鳴らすが、既に全員ヘディンの射程圏内。流石にフレイヤが居る中で魔法をぶっぱすることはないだろうが、アクスの説明いかんによっては並行詠唱中の魔導士を邪魔するような行いに早変わりなため、早々にアクスを切り離す決断をした全員がいつでもフレイヤの保護を最優先で動けるように見守っていると……。
「えっと、フレイヤ様はデートでこの街を出て行くんですよね?」
「そうね」
「帰ってきた時にこの場所以外が燃えてたり、破壊されてたり、道端に血や死体が散乱してたら帰りたいですか?」
「正直、気分は良くないわね。私にとって眷属のあなたたちはもちろん大事だけど、地上の子供たちも多少愛してるわ。それに、この街には私を慕ってくれる子たちが居るもの。そんな子たちの亡骸を跨ぐことは出来ないわ」
ヘディンの認識は
これはヘディンは決して悪くない。『ヒャズニング』という孤島でホワイトエルフ側に生まれ、一族から王族でないにもかかわらず勝手に『理王』として掲げられたことで人心掌握や権謀術数を修めてしまった弊害である。
だが、フレイヤ至上主義であるこのファミリアにとって女神の神意を推し量れぬことは『臣下』としては落第点で、『無能』の誹りを受けても仕方のないこと。
軍師としてはヘディンの考えがもてはやされるだろうが、
「はぁー……。"俺"としたことがとんだ道化だ。自分で自分を殺したい」
「あ、インテリ眼鏡が
「ただの鬼畜エルフじゃねぇか」
「ようやく自分が
「お前ら、いい加減懲りろ!! エセ知的エルフが可哀想だろ!」
『お前が言うな、愚兄』
またしても火に油を注ぐガリバー兄弟。しかし、その言葉をヘディンは無視してフレイヤに跪く。
予想だにしなかった行動にそれぞれは酷く驚いたものの、フレイヤだけは微笑を浮かべながら『この街を守るのに何人の眷属が必要?』と問うた。
名誉を挽回するチャンスを与えられたことにより深く頭を下げたヘディンは、はっきりと『最低で20人』と断言する。
「このあたりの地形は平坦。城壁から見れば、夜襲でも相手の位置は分かるでしょう。相手もまさかこちらに防衛部隊が居るとは想定していないはず。よって、
「相手に手練れが居たら?」
「手練れといってもオラリオの冒険者と比べれば芥も同然。それに、こいつには新たな魔法があります。LV2を量産することが出来れば、1人や2人など物の数ではありません」
「人数で押してくる可能性は?」
「高いかと。ですが、愚ペイジに指揮経験はありません。なので、最低で20人です」
「魔法の検証もしなければならないし、あの子がいつ起きてくるかも分からない。かなり急ぐ必要があるわね。あの子が起き次第、私はデートの準備に町へ行くつもり。ヘディンには苦労を掛けるかもしれないわよ?」
「女神の御心のままに」
ヘディンはアクスの方を指差しながらも淡々とフレイヤの疑問に答えていく。
アクスの魔法については未知数だが、文面から見る限りでは彼に触れた存在は軒並みLV2になるという法外なもの。ならば、アクスを遊撃兼
時間稼ぎさえしてくれれば、後はもう踏み潰すだけ。勝利は確定というわけだ。
「なら、ヘディンとアルフリッグたちは有望そうなやる気のある子を選別して連れてきてちょうだい。オッタルはあの
『はっ!』
指示を下された面々はそれぞれ自らに課された指示をこなそうと移動を開始する。それによって部屋が僅かに騒がしくなる中、
「あの子も、もうちょっと愛想よく……出来なさそうね」
1柱だけ残った部屋でフレイヤはまるで問題児を評価をするように呟くが、その声は誰にも聞こえることはなかった。
***
どこかの
「みょーん」
「みょーん……」
蕩けたチーズがのせられた平たいパンにかぶりついたアクスとヘグニがそれぞれチーズの伸びにご満悦しながら
ただ、周囲を極度に気にしすぎる性質のヘグニにとってはかなり居心地が悪い。イヤそうに周囲に視線を向けるが、その度にアクスが笑顔で手を引いては彼を良好に保つ。
そんな彼らは、やがて1件の大きな鍛冶屋へたどり着いた。
「ごめんください」
「じゃ、じゃ……邪魔を……する」
「おや、これは珍しい。ダークエルフの旦那、今日は何用で?」
珍しい種族の来訪。その身なりから察するにどこかの高名な傭兵と察した店主がゴマすりをしながら近づいて来る。そのため、下に居る
「これが専用の器具で巻き上げるタイプ。これが足に引っ掛けて弦を引き上げるタイプ。……珍しいね、連射タイプもあるんだ」
「そうなんですよー! うちは鍛冶ギルドに所属しておりまして、日夜大量の武器を──」
「アクスは何か気になった武器はある?」
話を聞いていないヘグニの様子に店主が意気消沈する一方、アクスは遠距離武器が飾ってある棚から長い筒を手に取った。
銃──銃身にライフリングのないマスケット銃と呼ばれるこの代物は
「火薬の匂いがしてたから想像してたけど、中々品揃えが良いね。て、てて店主。た、玉を……く、くくれ」
「へ? ……あっ、あー。試射用の玉ですか」
どもりまくり、噛みまくり、主語がないという三重苦なためか、ようやく試射がしたいことを把握した店主の手からいくつかの玉と火薬が入った包装紙が渡される。相変わらずのコミュ障具合に自己反省会を開きつつも、ヘグニはアクスを連れて鍛冶屋の裏手に回り、さっそく装填作業へ入った。
「珍しいから選んだと思うけど、良い着眼点だよ。銃は達人でも素人でも一定の威力……そこらの人間を殺せるし、装填方法と射撃方法さえ分かれば素人が兵士になる。後は、音が大きいから威嚇にも最適だ」
「でも、なんでオラリオには無いの?」
今度は饒舌に武器について説明しながらヘグニは包装紙の先端を食いちぎり、中の火薬を火蓋を開いた火皿に少々。火薬がうっすらと乗ったら火蓋を閉じ、今度は残りの火薬と弾を銃口に投入し、長い棒を銃口に挿入してから何度か突っつくことでしっかりと押し固める。
説明しながらだったので時間は3分と言ったところだろうか。ヘグニが『覚えた?』と言ってきたため、アクスが先ほどの行程を思い返しながら首を縦に振ると、ヘグニは真正面にある的にマスケット銃の銃口を向けてから引き金を引く。引き金を引いて少しすると、シュッという火薬に引火する音聞こえ──雷鳴のような銃声が鳴った。
「すごい……」
「こんな物かな。……オラリオで通用しない話だけど、音は言わずもがなだね。後は熟練の射手でも1発外せば反撃にあう。デメリットを許容できるほどのメリットはないんだ」
ペラペラと解説をしていくヘグニにアクスはすっかりマスケット銃に関する関心を失ってしまう。その横ではせっかくのビジネスチャンスを不意にされたことに武器屋の主がものすごい形相を浮かべていたが、一通り話したヘグニは手に持っていたマスケット銃を指差すとたどたどしく注文をし始めた。
「て、てて店主。これ……とお、同じ物を10……いや20丁ほ、欲しい」
「は……はぁ?」
「あ、後は近接の武器を適当に。それとく、く、クロスボウ……も欲しいな。よ、40ぐらい……」
「ヘグニお兄ちゃん、そんなにいる?」
「最低20人だからね。昨日、遠くから見させてもらったけど、あの様子だとそれ以上増えると思うよ。"一般人でも良いから"って参加する人も居るかもね」
「だ、旦那。そんな大量の武器をどうするおつもりで!?」
ようやく注文が出来たことにほっとするヘグニであったが、店主としては耳を疑うしかなかった。
ただでさえ高価なマスケットに加えてクロスボウや近接武器。一体どこに戦争に向かう気かという注文に、ついつい口を挟んでしまう。
しかし、ヘグニは目の前の人間が何を言っているのかさっぱり分からないのか困った表情を浮かべながらアクスの方を見ると、意図を察した彼が説明を始めた。
「僕たちは【フレイヤ・ファミリア】です。訳あってここに拠点を構えていますが、この地域は現在紛争中。フレイヤ様の財貨を守るのための武器を売ってもらえないでしょうか?」
「ふ、フレイヤ様!?」
まさか
とはいえ、とてつもないほどのビッグチャンス。かの美の女神の眷属に武器を降ろしたとなれば、『箔』が付く。勘定の中に『美の女神のお墨付き』というとてつもない分銅が追加されたことで心の情勢が一気に傾いた店主は、顔つきを上客に接するような満面の営業スマイルへと変えた。
「まさか、女神様の眷属の方々とは……。大変失礼いたしました。すぐさまご用意させていただきますが、よろしければお運びいたしましょうか?」
「アクス、どうする? 僕たちでも運べる量だけど」
「あ、じゃあここに届けてください」
こうしてフレイヤの住居(仮)に武器の手配を済ませたアクスたちは、ボフマンのサインが入った商会の証文を持ちながらぶんぶん手を振る店主に見送られながら
途中で初めてラクダを見たことでアクスのテンションが上がるが、そこの店主の話を聞いた後で唐突に『フレイヤ様のお尻が2つになっちゃう』と中々に柔らかいクッションを実費で購入する奇行を見せたものの、それ以外は特に何事もなく帰って来た。
すると、帰った瞬間に門の傍に立っていたオッタルに担がれたアクスは屋敷の中庭に連れて来られる。そこには既に様々な種族から選出されたらしい30人の集団が出来ており、ヘディンから訓示のようなものを聞かされていた。
「一時的にだが、貴様たちの中からフレイヤ様の眷属になる者を選出する! 我々が望むのはただ1つ、この街を蛮族から守ること! 気概がない者や怖気づいた者は早々に申告し、この場から去れ!」
覇気の籠った声を前に4~5人ぐらいは抜けるかと思いきや、全員が真剣な面持ちでヘディンを──そして彼の後ろに居るフレイヤを見る。その眼差しは冒険者のような欲望に塗れたぎらついた目ではなく、奴隷の身ながらも衣食住という人間としての生活を送らせてくれた神に対する感謝と敬意。そこに、以前までの日常を壊したワルサへの憎悪が一撮みほど入っていた。
「良いだろう! ではこれより選別を──」
「必要ないわよ、ヘディン。全員、一時的に私の家族に迎え入れるわ」
「フレイヤ様!?」
「何度も言うけど、時間がないもの。それに、あなたが提示したのは最低限。後詰はいくらあっても良い。違う?」
ここから20人まで選別する気でいたが、フレイヤの鶴の一声で30人は【フレイヤ・ファミリア】の眷属となることが通達される。
ただ、事前に『ファミリア入りは一時的な物で、フレイヤがこの地を去る際には再びファルナを封印すること』と『再びファミリアに入りたければボフマンの商会で頭角を見せ、彼に許しをもらってから推薦状とともにオラリオへ会いに来ること』を条件づけた彼女は早速、眷属化の作業を行っていく。
「あなた、オーザだったわね。励みなさい」
「この一命に懸けて」
「アンワル、この街を頼むわ」
「はっ!」
「ヨナ、ハーラ……。あなたたちは駄目。昨日も言ったでしょ? まずは経験を積みなさい。ナセル、昨日の話を撤回して悪いけど、この子たちのついでにこの街を頼むわね」
「ついでとは仰らないでください! お任せください!」
眷属になる者──否、買い上げた者たちの『名前』や『関係』を言いながらイコルを垂らしていく。奴隷ではなく人間として扱われていることに、彼/彼女たちは目尻に涙を浮かべながら神との契約を受け入れた。
やがて、28人の勇士候補が生まれたと同時にフレイヤは今一度宣言する。
「あなたたち28人に命じます! 私たちが帰って来るまでこの街を守りなさい!」
『はっ!』
ヘディンとは比べ物にならない程の圧倒的なカリスマに、全員はその場で頭を垂れる。その後、具体的な方針についてはヘディンに任せたフレイヤは、アクスとオッタルを連れて館へと戻っていった。
長い廊下を歩きつつ、彼女はアクスに『どこへ行った』や『買い物するならばこの区画』といった情報を共有──というか、初めてのお使いをしてきた子供の感想を聞く母親のように聞いていた。
「アクス、大商人が居そうな
「
フレイヤには『デートに使う金銭は自分たちの金で』という不文律が存在している。ゆえにおそらくは大商人当たりから話術や賭け遊戯などで財布を頂戴するのだろうと、アクスは大きな酒場がある区域や行き方を説明した。
そんなことをしていると、フレイヤが私室にしている部屋が見えてくる。『着替えてくるわ』と言って部屋の前で待機していた侍女たちへと姿を消した彼女に、『相変わらずだなぁ』と言う感情を持ちつつもオッタルと部屋の前を陣取ったアクス。圧倒的に手持無沙汰だったが、なんとオッタルからアクスに話しかけてきた。
「武器は何を用意した?」
「適当に近接武器を見繕ってもらって、後はクロスボウと銃? とかいうのを注文してた」
なかなかにあやふやな返答だったが、オッタルは少し考え込んだ後に窓の外から見える先ほど眷属となった集団を指さす。そのまま『剣』、『槍』、『あのエルフとハーフエルフは弓だ。矢の量産もさせておけ』と言葉足らずながら色々と伝えてきた。
伝え先がヘイズだったら『ちゃんと分かる言語にしてくれます?』と煽るところだが、ここに居るのは【フレイヤ・ファミリア】随一の良心。オッタルの言動から編成についてのアドバイスを送っていると察したアクスは、『他に何か気になることはありませんか?』とさらに助言を欲する。
普段、助言をしても的外れ。もしくは『猪が上から目線で語ってんじゃねぇぞ』と憤慨する者が多いためか、オッタルは少しばかり目を見開く。しかし、少しばかり微笑んでから『そうだな』と再び色々な事をアクスへ教えた。
高所を陣取った物量作戦。少数を率いての攪乱。そして、ファルナを得ていない一般人でも
ほとんどが暗黒期に
「ヘディンが言うには、エルフやパルゥムは夜目が効く。それに、いくら冒険者であっても目や喉といった急所は脆いもの。物量や攪乱で混乱させ、毒を塗った矢で狙撃をするのも効果的だ」
「あ、そういえば町には警備隊とか居るのが普通ですよね? 無駄に動き回られると邪魔ですし、犠牲が出るのでは?」
「俺たちとしては町は関係ない……が、フレイヤ様がご帰還された時に死体を晒すのは心象が悪い。そうなると話し合うべきだろうが、俺たちは部外者だからな」
「なら、ヘディン辺りに説得させに行きなさい。あの子の話術ならなんとかなるでしょ」
フレイヤと関わった者たちには既にワルサがやってくる可能性について情報共有が為されているものの、町の人々はその限りではない。
【フレイヤ・ファミリア】としては別に正義の味方でもないので捨て置いても良い存在だが、仮にもここはフレイヤが拠点としている町。ゆえにどうしたものかと考えていると、扉が開かれる音と共にフレイヤが口を挟んできた。
どうやら話を聞かれていたらしい。オッタルとアクスは『お耳汚しを』と片膝をつけて謝罪するが、構わないと告げたフレイヤが改めてオッタルに指示を出す。
「私がこの町でデートの準備をしている間、護衛は最低限にしなさい」
「ですが、それでは御身に危険が……」
「アレンが居ればなんとかなるわよ。むしろ、デートに監視なんて野暮って分からない? それに、まだこの子は小さいのよ? 叔父さんたちは何をすれば良いのか……。分かるわよね?」
『御意』
主神の命であれば仕方がない。オッタルたちの返事にフレイヤは笑みを浮かべながら廊下を歩いていき、完全に姿を消したと同時に立ち上がった2人は顔を見合わせる。
「町を守るのはお前だ。今後はどうする?」
「まずはヘディン様と合流しましょう。そこから眷属になった方々を含めて編成を考え、僕の魔法がどのぐらいになるのか検証を行います。出来れば、眷属と非眷属の比較もやりたいです」
スキルや魔法の中には、同じ派閥──同
『私の秘密、教えてあげますね~』と言いながら教えてもらったそのスキルは、発現者の一定範囲内に存在する同
これは、ひょっとするとひょっとするのではなかろうか。
「仮に非眷属にも適応できたら、お前はこの派閥から抜けられなくなるな」
「叔父さん、僕はここを離れる気はないよ。皆が居るもん」
大人──それこそ冒険者と呼ばれる者たちは損得勘定で動くことが多い。そのため、有用すぎるスキルを持っている人間が抜けられるだけでこれまでの日常が瓦解する可能性があるのでが、このパルゥムはそんな俗っぽい考えでは動かないらしい。
その理由が自分たちであることに多少の気恥ずかしさはあったものの、オッタルはアクスの頭をワシワシと撫でると彼を連れてヘディンたちの元まで戻っていった。
***
一方、同時刻。
「ハッ! 今、"お姉ちゃんが居るからここに居る"ってアクスのラブコールが聞こえた気が!」
「ヘイズ様、ついに業務のし過ぎて頭が……」
「ヘイズ様! 寂しいからって私に抱き着かないでください!」
「ロナ~、勘違いしてはいけないですよ~。アクスが居る時は"選べました"が、今は"一択"なんですから~」
アクスが居ないことで業務1つ1つの密度が上がり、達成時刻も付随して遅れに遅れる。さらにはアクス欠乏症の上司が副官の1人に纏わりついているため、中々に修羅場となっていたとか。
思った以上に話が進んでいないのである。申し訳ない。
(これから魔法に確認や編成で1話。そのままワルサ戦に入る予定だが、未定)
どのぐらいの時間軸?
アリィ王女が眠りこけている時間です。
町の防衛
まぁ、考えればあり得そうだなと思って。
自分たちが大変なのに豪華絢爛で物資が大量にある宮殿なんてあると、そりゃそうなる。
最悪、扇動されて住人が敵に回る可能性もあるのも厄介ポイント。
ヘグニさんの武器講座
お前、そんな饒舌だったんか(※アクス限定)
戦王とは呼ばれているので、王族のたしなみで武器とか知ってるかなと。
オッタル
すっかり知り合いのおじさんである。清涼剤が居るのが大きい。
一時的な眷属化
参加者は原作で亡くなった奴隷の人たちの名前を参照。
当然ながら、出て行く前に恩恵は封印する予定。
ヘイズ
スキルは生えて無いです。これが素です。
豊穣作戦した後がこわぁい。