アクスがカンカンに熱した網に1枚ずつ肉を乗せていく。
網の下に敷かれた真っ赤な炭から放たれる熱気に白い脂身が徐々に溶けてていき、透明な脂が肉から網へ、網から下の炭へと落下する。その油を受け止めた炭はジュッ、ジュッと液体が気体に変化する音を立てつつも、周囲に油のあま~い香りを巻き散らし、周囲でその匂いを嗅いでいた団員たちやディアンケヒトの顔を緩ませていく。
「アクス、もう良いのではないか?」
「まだや。内臓系は焼いて焼いて……真っ黒になるまで焼いて。脂落として味磨くんや」
「今度は誰から聞いてきたんじゃ」
またぞろ変なところから教わってきたらしいことを宣いつつ、トングを開閉して威嚇してくるアクスにディアンケヒトは呆れる。
その間にも肉にはじわじわと火が通っていき、やがて皮目がちょうど良い焦げ加減になってくる。良い塩梅だと判断したアクスが肉をひっくり返すと、液状になった脂が炭に勢いよくかかって火柱が上がった。
「うぉわ、いきなり火柱立たせんなよ。火事になったらどうすんだ」
「はーい」
慌てず騒がず、アクスは近場に置いていた氷系統の魔法で作ってもらった小さな氷を数粒乗せて火柱を鎮火させる。その堂に入り過ぎた
こう見えてアクスはグルメだ。いや、自分で美味な物を取捨選択するグルメと違って『ホイホイ食事に誘われた末に舌が肥えた』と言った方が正しいだろう。
ここ1年の記録を遡ると、タケミカヅチから『全員出払って寂しい』と湯豆腐をご馳走され、デメテルから野菜をご馳走されている。そして、ほんの最近では【フレイヤ・ファミリア】の
良く言えば愛され系。悪く言えば
閑話休題。
おそらくは先ほどの焼き技術もそういった経緯で神から学んだことなのだろう。相変わらずな多才ぶりに焼いた端から肉を皿の上に乗せていくアクスをディアンケヒトは呆れ半分、感心半分で見ていた。
しかし、そんな焼き作業をしている最中の彼らの耳に苦しそうな声が聞こえてきた。
「あの、私もうお腹が……」
「何をおっしゃってるんですか、アミッドさん。もうあなた1人の身体ではないのですよ?」
「いえ、"秘薬の材料的に"そうなのですが……。もう少し言い方を……」
「ほら、イヤイヤ期の赤ん坊じゃないんですから食べてください」
立ち上がろうとするアミッドの肩を抑え、肉を突き刺したフォークを彼女の口元に近づける団員たち。ただ、彼女のお腹は既に限界に近く、心なしか一部分がちょっとふっくらしている。
それでも団員たちは心を鬼に──数人ぐらいは『あんたは体つきはともかく、背が小さいんだから』と神々が言うには
そんな傍目から見れば度重なる重労働でいよいよ謀反されたのかと疑うような光景だが、
そんな具合に【ディアンケヒト・ファミリア】の団員たちは現在、治療院と宿舎に囲われるようにある中庭にて和気あいあいとまるで慰安イベントのような様相で騒いでいる。
なぜ、このようなアット
試作品という効き目が実証されたサンプルのおかげで一気に量産の目途が立ったかと思いきや、根本的な問題によって量産計画自体が白紙になった。
これは翌日にアミッド以外が同じ手順で秘薬を作ってもらって発覚したのだが、この薬は
恐れていた懸念が現実となったことで乾いた笑いを浮かべながら涙を流す聖女(アミッド)を前に、団員たちは即座に常日頃から備えていた対抗策の発動を決意する。
【ディアンケヒト・ファミリア】は決してアミッド・テアサナーレという突出した個に依存する集団ではない。彼女が18階層へ往診に向かった場合などの不在も治療院を回せるように『緊急シフト』という形で備えている。
決済などのアミッドの手が必要な書類については彼女より上の存在であるディアンケヒトを無理矢理働かせ、マルタやベルナデットなどの古参たちで在庫やシフトの調整を行う。
そして、秘薬についてもあくまで
それらの対処によってアミッドは血を抜きながら最後の調合をするのみという一見すると非人道な環境に置かれたわけだが、そんな緊急シフトの中にはアクスの名はなかった。
理由は簡単。彼はそこら辺を歩きながら治療していくのが特徴の妖怪なため、いつも通り放っておいた方が回り回って治療院へやって来る緊急外来の量をかなり減らせるからだ。
こうして団員たちのアミッド愛に溢れた対策で業務面は安定するものの、肝心の彼女が別の問題に直面していた。
それは材料の不足。これでもアミッドによって並から
対策として増血剤を作ってはアミッドに飲ませたものの、それだけで溢れるほど血が増えないのは医療に詳しい彼らが1番よく分かっていた。
そのため、団員たちは既に退院していたフィンを頼る。医療に疎い彼は顔を引き攣らせながらも、『血を増やしたいなら肉じゃないかな』と未だ本調子じゃないフィンを気遣った
『最近は脂の少ない赤身の方が美味しいんだよね』という実感が籠ったフィンの言葉について、団員たちは聞かなかったことにしたとかなんとか。
そんなことがあって現在、緊急シフトで色々頑張ってくれた団員たちを巻き込んだ慰安焼肉と洒落込んでいる。
アミッドも世間一般的に言えば若い女性。最初こそアクスからの『あーん』を推進剤に、照れながらも野菜と肉をバランスよく食べてはいた。
しかし、それは本当に最初だけであった。彼女の体形的に入る量は少なく、次第にアクスの力でも入らなくなってくる。彼らもれっきとした医療者ゆえにあまり血が増えなさそうな気配を感じた全員は、アミッドへの対応をアクスという
そうして『焼いた野菜が食いたければ焼き野菜にしろ』と言わんばかりに怒涛の肉責めを続け、一部の人間が『泣いてるアクス君も良いけど、アミッド様も中々……』と自分の主義を
「もう……無理です。……うっ」
「なるほど、数か月といったところですね」
「馬鹿なこと言ってないで運ぶぞ。俺らの血が使えたら良かったんだが……、これで間に合うのかねぇ」
それは10か月後には何が産まれるのか。そのことについて小1時間ほど問い詰めたかったアミッドだが、給餌染みた暴食の影響で吐き気に苛まれてそれどころではない。すっかり歩けなくなった彼女は、そのまま複数の団員たちによって宿舎の方へ運ばれていった。
後に残された団員たちは思い思いに肉を焼いては食べていたものの、一向に減らない肉に段々と嫌気が差してくる。
「どうするよ。この肉」
「患者用の食事に回すって言っても、この量は連日食事に出すことになるわよ?」
「バランス悪いよな。いっそのこと、他のファミリアに配るか?」
流石に退院近い患者でも肉の連食はバランスが悪いだろう。暦では春だが、オラリオの気候ではこのまま放置すると腐ってしまう。
どう消費しようかと悩んでいた彼らだが、肉を口に含んでもちゃもちゃとしていたアクスが手を挙げた。
「
「口の中の物、全部呑み込んでから喋ろうねー」
「…………」
「いや、噛むなよ。飲み込めよ」
内臓系特有の『何時吞み込んだら良いのか分からない現象』に四苦八苦しながらも、何とか飲み込んだアクスの口から【ヘスティア・ファミリア】の名前が告げられる。
「あー、【リトル・ルーキー】の所だっけか」
「ディアンケヒト様、どう思います?」
「良いも何も、このままでは腐るのであろう? せめて、有意義に使ってやろうではないか」
たしかに
そこまで考えを巡らせたディアンケヒトだが、それを1から10まで話せばアクスがうっかり喋ってしまうだろうと言葉を濁す。素直で扱いやすいところが可愛らしい眷属だが、素直過ぎるのもまた考え物だと彼は多少苦労の色が濃いため息をついた。
そうして、全員が満足いくほど肉を食った後にアクスは大量の肉から差し入れ分を切り出してもらい、さっそく【ヘスティア・ファミリア】の
***
「掃除、大変そう」
新たな【ヘスティア・ファミリア】の
【ディアンケヒト・ファミリア】は特に衛生には力を入れているということもあってあの人数でようやく維持管理できている。そのことを考えると、普段はダンジョンに行ったりバイトをしている【ヘスティア・ファミリア】はどうやって管理をしているのか気になった。
「ごめんくださーい」
「はいはいはい! もしかして団員希望者……って神父君か」
ヘスティアからの
そこには
「あぁ、アクスか。久しぶりだな」
「お久しぶりです、タケミカヅチ様。……何やらお取込み中のようですね。一旦出直させていただきます」
「いや、逆にありがたいかもしれない。アクス、【ディアンケヒト・ファミリア】は末端の構成員を守るものだろうか?」
当たり前のことを聞いてきたタケミカヅチにアクスは首を傾げつつも『当然』と答える。
ファミリアは主神と眷属という縦の繋がりもそうだが、眷属同士という横の繋がりもある。ファミリアで生きる以上は上の存在から色々聞いては自分の中へ反映し、今後来る後輩の世話をし、その後輩が次の後輩に向けて──といった具合に組織が成長していくのだ。
「たしかにな。そう言われたらそうだが……」
「うちも……。いや、元か。ヘファイストスファミリアは基本的にはそうですね。はねっ返りだったからか、いつの間にか距離を置かれてしまいましたがね」
ヴェルフの自虐はともかく、ファミリアというものは言わば運命共同体だ。どこからか『嘘を言うなっ!』と言われそうだが、ダンジョンという閉鎖空間で英雄ではない1人の力などたかが知れている。
互いに助け合いながらそれぞれが自分の役割を十二分に果たすことで階層主を倒し、階層を踏破し、栄光を手にする。
そういうと、【ロキ・ファミリア】が良い例だろう。フィンという司令塔の指示を1軍が速やかに実行し、ラウルやアキが全員に伝わりやすいようにかみ砕きながら2軍を動かす。
しかし、一朝一夕でそんな連携は取れるはずはない。憎しみ合っていればそういった連携は難しいはずとアクスは話を終える。
「ぐぬぬ。ロキの所を褒められるのは"アレ"だけど、たしかにあそこはすごいよ」
「えぇ、【ロキ・ファミリア】は実力のある方々が多いので、グランド・デイで実際に見るまでは第1級冒険者の方を前にした戦い方だと思ってました」
「たしかに個々の実力もありますが、【ロキ・ファミリア】の強みは連携だと僕は思ってます。その真逆が【フレイヤ・ファミリア】ですね」
【フレイヤ・ファミリア】は言うなれば超個人主義の集まりだ。女神の寵愛を一身に受けるために他者と戦って血を流し、自分を高め、周囲を蹴落とす。徒党を組むこともあるとヘイズは言っていたが、それは自分よりも強大な存在に挑むためやダンジョンで資金を集めるためといったかなり限定的な場合に限るらしい。
「あそこはなぁ……。今の話の参考にはならないな」
「なにか、お悩みですか?」
「神父様、【イシュタル・ファミリア】について何か情報は持っておりませんか?」
リリルカの質問にアクスは首を左右に振る。【ガネーシャ・ファミリア】ということでカジノには先日出入りしたが、ヘイズやオッタルの送迎を含めた【フレイヤ・ファミリア】からの
理由は多々あるが、大半は先ほどリリルカが言った通りの【イシュタル・ファミリア】で説明は付くため、それを察した男たちは『そうだよな』と口を揃えて行った。
「うーん、ファミリア的に言えば守るんだろうけどねぇ。でも、理由が分からないんだよね」
「事情は分かりませんが、自分から入団したのでは?」
「いや、あの娘は……春姫はおそらく売られたんだと思う」
聞き捨てならない言葉に目を丸くするも、流石に言い過ぎたとタケミカヅチが手で自らの口を塞ぐ。それ以上彼は何も言わない様子に、アクスは自分の身の上話を話し出した。
「僕は大抗争で両親を亡くしましてね。そこから団長に助けられて、【ディアンケヒト・ファミリア】に入りました。今も末っ子みたいな感じで接されてますから、その春姫様そんな感じではないのでしょうか?」
『いやー、ないない』
全員が揃って手を左右に振る。そんな一斉に否定しなくても良いのではないかと思ったが、ヘスティアたちも何かしら掴んでの言動なのだろう。今更ながらベルと命が居ないことをアクスが気づくものの、先ほどの問いかけから凡その推測をした彼は『【ディアンケヒト・ファミリア】の出る幕はない』と自らを律した。
「何やら皆さんお忙しいようなので、お暇させていただきます。後これ、お得意先からもらった物で消費しきれなさそうなので、おすそ分けに」
「あぁ、ありがたくいただくよ」
「そうしてください。出来れば先ほどから仰られている
【ヘスティア・ファミリア】のことだ。多かれ少なかれ、その春姫と呼ばれる人を救い出すために歓楽街に乗り込むのだろう。彼らが勝とうが負けようが関係はないが、勝った場合は再びここに戻ってくる。その時にでも使ってくれれば良いとアクスは思った。
しかし、相手は【イシュタル・ファミリア】。アクスの見立てでは人数以外は【ロキ・ファミリア】以下のファミリアだ。
それでも評価に
「
「え、その……だね」
「
「っ! あぁ、今夜だ。春姫も一緒に居るなら、今夜帰って来る」
アクスのこれ見よがしな質問にリリルカとタケミカヅチが答える。【ディアンケヒト・ファミリア】に所属しているアクスは直接的な戦闘支援は出来ないが、『これぐらいなら』と懐からいくつかの
「
「これしかないので恐縮ですが。後、これを」
恐縮どころではない支援に目を丸くする一行を他所に、アクスは詠唱を開始する。見た目から負傷はないみたいなので体力を回復する1節を込めた治癒魔法を発動させると、緑色の光が応接室を満たした。
「いきなりどうした!?」
「ヴェルフ様たちはご存知かもしれませんが、治癒魔法にステイタスアップが乗るようになりました。いつ頃お戻りかは分かりませんが、半日は保つかと。皆様の無事とご武運をお祈りしております」
桜花の驚く声に適当な返事をしながらアクスはさっさと
正直何に気を付けるのかよく分からないものの、余計なちょっかいを駆けられないとアクスはクールにその場を去った。
「サポーター君、神父君って……」
「リリも思ってますので言わないでください」
「うむ、粋な益荒男になっていっているようだな。いや、暇があれば色々教えた甲斐があったというものだ。なんだ、ヘスティア。その目は」
アクスが去った後、快活に笑う男神に対して非難の目が集中したのだが、それはそれである。
***
【ヘスティア・ファミリア】の
歓楽街の入り口には守衛代わりのアマゾネスが居り、その周辺にも【イシュタル・ファミリア】の眷属と思われる
とはいったものの、外周をぐるっと回っても特に物騒な気配はない。そうなると完全な奇襲が成功する形になるので、普通に考えれば【イシュタル・ファミリア】とは関係ない人々も巻き込んでしまうだろう。
娼婦であろうとも人間だ。ならば、助けなければアミッドの望む願いとは逸脱してしまう。
問題は本人であるアミッドがアクスを歓楽街に行かせたがらないことだが、このままここで待っていたらどさくさに紛れて治療行為ができるのではないか。そんなクソガキレベルの悪知恵を働かせていると──。
「あ、アクス」
「ちっ、あの猪め。まさかこいつも引っ張り出すとか言うんじゃないだろうな」
どうやら知らず知らずのうちに
しかし、そうなるとなぜアクスが来たのか。彼もそれが疑問で『ではなぜ来た』と問いかけるが、高圧的に問いかけたせいでアクスはすっかりビビってしまう。
「あ、あぁぁの。な、成り行きで」
「もっとハキハキ喋れ! この愚パルゥム!」
「ふひぃっ!?」
それでもLV.6のヘディンを相手に何かを言おうとするものの、よくよく聞き取れないことにキレた彼が苛立たしげに問い返す。
ヘグニも彼らのやり取りの一部始終を見ていたが、動くことは出来なかった。彼は重度の『コミュ障』なのだ。
すると、アクスの姿を隠すように4人のパルゥムが姿を現す。
「おい、インテリヤクザ。うちの同胞に何をやっている」
「将来有望な同胞になにガンつけてんだ、鬼畜エルフ」
「眼鏡かけてれば知能指数が上がると思ってるエルフめ。その大事そうな眼鏡をぶち割ってやろうか?」
「お前ら、本当に血の気多いな!? それはそれとしてヘディン。アクスに何をした」
大鎚、大斧、大剣を持ったパルゥムが殺気をまるっきり隠さずにヘディンを威嚇し、その行動に槍を持ったパルゥムが慌てつつもこれまた怒気を隠さずにヘディンへ詰め寄る。
一触即発ともいえる空気に周囲が騒ぐ中、『通してくださーい』と全く邪気がない声と共にヘイズが乱入してきた。
「ヘディン様、うちのバカ弟子がご迷惑をおかけしました~」
「ふん、私はここに来た理由を問うただけ。それをこいつが碌に報告しないからな。だから注意した、それだけだ」
多勢に無勢といったところだろうか。ここで争うのもバカバカしいとヘディンは去っていく。後に残されたアクスは、アルフリッグたちガリバー兄弟とヘイズ、後はすっかり厨二状態になったヘグニに【ヘスティア・ファミリア】をボカしながらアクスがここまで来た理由を伝えた。
「なーるほど。抗争になるとケガ人が出るから、近くで見張ってようとしたわけね」
「そ、そんなこと。ナイヨ」
「バカ弟子、"仏の顔も3度まで"って極東の言葉。知ってる?」
「あ、アクス。目を背けし貴様の思惑をわ、我は既に……」
『黙ってろ厨二』
無限の連携どころか一刀のもとに切り伏せられて膝を折るヘグニを他所に、アルフリッグは兜を脱いでからアクスに目線を合わせる。青色の瞳がアクスを映し、まるで覚悟を問いかけているような雰囲気に彼がつい
すると、アルフリッグは分かっていたことを知ったみたいに息をついた。
「ヴァン。お前たちの隊は関係ない奴の避難誘導に徹しろ。他の者にも【イシュタル・ファミリア】以外の奴には手を出さないよう厳命しておけ」
「なっ、アルフリッグ様! どうして!」
アルフリッグの指示にハーフパルゥムの青年が食って掛かるものの、次男であるドヴァリンと3男のベーリング、4男のグレールの視線に押し黙ってしまった。
しかし、それでもヴァンの納得いかないという表情が見えたアルフリッグは、再び息を吐き出しながらギルドの方を指差した。
「一般人に手をかけてみろ。ギルドが何を言ってくるか分からない。あそこが何を言って来ようが問題ないが、ここにある財貨は全てフレイヤ様の物。それをみすみすあの白豚にくれてやるほど俺たちは愚かではないだろう」
「っ! たしかに! 全員に伝えてまいります!」
「あぁ、頼んだ」
命令を伝達するために
「あぁ、フレイヤ様がお決めになったことだ」
「ついでに色々目障りだったしな」
「とくにあのカエルは許さん」
「潰したら良い音をたてそうだ」
かなりのフラストレーションがたまっているのだろう。物騒な言葉を言いながら彼らは去っていく。
後にはアクスとヘイズ他
「後のことは私たちに任せなさい。あなたは【ディアンケヒト・ファミリア】。関与されたとみなされたくはないでしょ」
優しげなヘイズの言葉にアクスは頷くのみ。
抗争の最中、両ファミリアとは違う勢力が勝手に治療をする。一般人のみならず、敵味方分け隔てなく治療する存在は一般人や部外者にとっては救いの神のように移るだろう。
ただ、抗争をしている存在にとっては
あまり面識がない【イシュタル・ファミリア】からであれば
部隊の運用的に
ただ、『はい、そうですか』と引き下がれないのも彼が物事の道理を理解できないぐらい若いからだろう。つい、気になったことを問いかけてしまう。
「師匠は……。僕が邪魔なの?」
「ごめんなさい、排除しなきゃいけないぐらい邪魔なの」
治療の拒絶は何度かあった。しかし、今回は違う。
今までなぁなぁで済ませていた
しかも、それを今まで『バカ弟子』と笑っていたヘイズに叩きつけられるとは思わなかったアクスは、感情の起伏が追い付かずに涙を流す。
それでも
「怪我をしないで。怪我したら……【ディアンケヒト・ファミリア】に。ロナさんもイルデさんも気をつけて」
そう言って
「行きますよ」
『はい』
ヘイズの号令に
アクスは優しい。おそらく歳を重ねればその優しさでもってさらに多くの者を癒すだろう。
しかし、
住む場所が異なることはヘイズも分かってはいた。ただ、それでも師匠と慕ってくれた子供にはこの姿をあまり見せたくはなかった。
こうして──【フレイヤ・ファミリア】が歓楽街に侵攻。すぐさま神イシュタルの送還をもって、【イシュタル・ファミリア】は壊滅した。
バカ弟子バカ弟子言ってるけど、この人も狂信者なんです。たまにアク吸いキメる子も居るんですけど、フレイヤ様になるとガチギレするんです。
お肉
美味しく食べれなくなったらガチで不健康になってると思ってます。
ホルモンは焦がすんや…。
お肉の出所
もちろん(無断で)狩り。ティオネ曰く、ちょっと行ってバレずにちょっと狩ってきたらしいです。
ヘスティア・ファミリア
結成して1年も経ってないのに自分より格上の奴らに喧嘩を売りまくるやべぇやつ。しかも借金をしているのに、気長に返そうとしてるんだぜ。こええよ。