最近、episodeフレイヤの小説版を買いました。
72:ご注文は
ヘスティアが攫われてから優に数日が過ぎた。その間に行方不明になっていたヘスティアとベル。ついでにアイズがオラリオに帰還し、それと同日にラキア王国との終戦と賠償交渉が為された。
結果で言えばオラリオ側の圧勝という面白みに欠ける結末となったものの、冒険者はともかく一般市民にとってはかなり抑圧された環境下で暮らしていたのは間違いない。
そんな状態から戦勝という一安心かつ、輝かしい結果が知らされたらどうなるか──弾けるのは当たり前だ。
オラリオの至る所で『戦勝記念』と書かれた旗が掲げられ、酒やツマミが飛ぶように売れていく。さらにはこんな日にダンジョンに赴くなど馬鹿らしいと冒険者も参加し、瞬く間にオラリオは昼間から飲んだくれが蔓延る飲兵衛の町となった。
ただ、そんな中でも働く存在のおかげで世の中は周っている。彼──アクス・フローレンスはまさしく
***
「ていっ」
気の抜けた掛け声と共に繰り出されたブリューナクの刃先がコボルドの魔石を貫く。核を失ったコボルドは瞬く間に灰になる様子を見届けたアクスは、後ろを振り返りながら持っていた地図に『掃除完了』を現す印をつけた。
アクスが行っているのは下の階層へ続く所謂正規ルート以外に居るモンスターの間引き。冒険者たちの間では『
本来は【ロキ・ファミリア】辺りが2軍を投入して行う
なお、アクスに頼んだ理由については『そこら辺の上級冒険者よりも話が通しやすく、金で解決できる派閥の人物』らしい。本当のことなのにぐぅの音も出ないが、もう少しオブラートに包んで欲しいというのが話を聞いていたアミッドの感想であった。
そんなこんなで5階層の奥まった場所──モンスターがよく食料と求めて来る
ここのモンスターを間引けばようやく帰れるということで多少気を緩ませながら足を踏み入れるが、なにやら
「同士討ち?」
種類はゴブリンにコボルド。さらにはパープルモスやウォーシャドゥと千差万別で、それぞれは一様に壁際に追い込まれた2匹のモンスターに襲い掛かってはそのうちの1匹である紅い帽子を被ったゴブリンの返り討ちに合っている。
ゴブリンの手に持っている武器が木などで出来た
──冒険者の感覚っていうのはバカには出来ないよ。現に僕もこの親指には助けられているからね。
そこら辺の冒険者──
「せぃっ」
これまた気の抜ける声で槍を右から左へ、左から右へと振るっていくアクス。ここでようやく2匹のモンスターを壁際に追い詰めていたモンスターたちが後ろから来た脅威に気付くが、既に周囲に居たモンスターは数匹。そのまま何も出来ずに全滅してしまう。
後に残されたゴブリンとホーンラビットは助けてもらったものの、突然現れた冒険者ということでアクスを警戒する。
しかし、アクスは背負っていたバックパックの中からパープルモスの毒に対応した薬の瓶を取り出すと、いつでもその場から飛び退けるように身構えながらゴブリンの方に向かって瓶を転がした。
「使う?」
「あ、アリがとう……。ミスター」
どうせ言葉が通じないだろうと独り言を呟いたアクスだったが、返事どころか
それに本能に従ってアクスに襲い掛かるようなこともせず、薬を真っ先に後ろで蹲っていたホーンラビットに飲ませるという『優しさ』にアクスはもはや彼らをそこら辺に居るモンスターとして見れなくなっていた。
「言葉、分かるんですね。……もしかして、外見で虐められました?」
「イえ。我々はダンジョンで生マレましたガ、彼らとは違ウ存在。ですが、ミスターのようニ冒険者でもない存在でス」
たどたどしくも丁寧な言葉づかいで話すゴブリン──レットは自分たちが他のモンスターと違うことや、そう言った『イレギュラー』は珍しいがたまに起こること。その
どれもこれも十把一絡げで俄かに信じきることが叶わない説明の数々だったが、現に目の前には人間とコミュニケーションを取ることが出来る理知的なモンスターが居る。アクスにとってそれだけで十分だった。
「だけど、レット……さんたちはこれからどうするんですか? たしか、仲間を探してたんですよね?」
「イえ、ここに居たらしい仲間ハ手遅れでしタ。なので、これから帰ろうかと思ってたところを見つカリ……本当ニ助かりマした」
「それは別に良いですよ。だけど今は冒険者が居ない分、モンスターも増えてますよ?」
冒険者も危険だが、レットの言い分だとダンジョン内のモンスターも彼らを狙っている。最終手段である冒険者に擦り付けることが難しい現状で未だ間引き作業が終わっていない下に潜るのは危険だとアクスは注意しつつ、かといって
「うーん、誰か居ません? 頼りになる仲間とか」
「他の皆は上層に居るト大騒ぎになリまス……。このアルルもアルミラージですガ、二足歩行を封印してもらっていますシ……」
「キュー」
思い出したかのように二足歩行を始めるアルミラージことアルル。たしかにこんな上層でアルミラージが居た場合、即座にギルドが討伐隊を招集する事態に発展する。
聞けば彼らのリーダー的存在はリザードマンらしく、そんな存在がここまで来ると考えると──大混乱必至だ。
それでも悩んでいる暇はない。
「【ガネーシャ・ファミリア】に頼むかなぁ。あそこなら、テイマーの人沢山いるからテイムしたって言い張れるし」
「ち、地上ヲ見れるのですカ!」
「キュウー!」
「もちろん、色々約束は守ってもらいますけど……。まぁ、悪いことにはならないかと」
地上という言葉に目を輝かせるレットとアルルに、アクスはバックパックの中身をひっくり返した。
***
中にあった薬を
「うわァ、これが青空……」
「キュー」
「静かにしててくださいね」
リュックの隙間から見える青い空。太陽がさんさんと照り付ける光景にレットもアルルも目を輝かせていた。
そんな彼らに小さく注意をしながらアクスは【ガネーシャ・ファミリア】のホームへ急ぐ。『アイアム・ガネーシャ』といういつもながら奇妙な名前の象の頭を持つ巨人像の股座にある扉を開けると、大勢の団員がアクスの方を見た。
「お、アクス。どした?」
「往診か? 後で薬もらいてぇんだが」
「アクスー、来年の怪物祭の臨時治療院について後で
ところかまわず回復行為をしてくる奇行はあるものの、冒険者どころかオラリオに住む一般人含めて上澄みの善人で通っているアクスに向かって団員が声をかけて来るが、彼はそれらに『治療院で聞いてください』と答えながらガネーシャと話をしていたシャクティに声を掛けた。
「ガネーシャ様、シャクティさん。こんにちは」
「おぉ、アクス! こんにちはだぁ! そしてぇっ、俺が──」
「アクスか。こんなところでどうした?」
暑苦しいガネーシャの言葉を遮ったシャクティが膝を折って問いかけてきたため、これ幸いとアクスは彼女だけに聞こえる声量で
はじめこそテイムの仕方について聞いてきたと思ったシャクティが『うちに入るのか?』と茶化すが、『交渉してついて来てもらった』というアクスの言葉と
「ちょっ、ちょっと応接室まで来てくれ! ガネーシャ、お前も来い!」
「シャクティよ、そんなに慌てずともガネーシャは逃げ──」
「早くしろぉ!」
シャクティの怒声に団員たちは彼女たちを一瞬だけ見るものの、すぐに『あー、いつものか』といった具合で視線を外す。
そんなやり取りの末にアクスは応接室まで連れてこられた。
ここは知り得た秘密をガネーシャが大声で外部に漏らさないように防音機能を徹底的に高めており、彼が全力で叫んでも外に声が漏れ出すことはない。つまるところ、ここなら
「アクス、そのバックパックの中……。"
「なにぃ!? アクスゥ、"
「ぜのす?」
レットとアルルをバックパックから出した途端、ガネーシャは『ガネーシャ驚愕っ!』と無駄なポージングで驚くを表現する。しかし、その無駄に洗練された無駄な動きをする主神を無視することにしたシャクティは、何も知らずに保護してきたアクスに『お人好しが服を着て歩いているような奴だな』と今更ながらな感想を漏らしながらアクスたちをソファに座るよう促し、
「私もあまり知らないが、
「らしい?」
「私も話は聞いているが、こうして確認したことは初めてなんだ」
そう言いながらしげしげとレットたちを見るシャクティ。実力も上な高身長ということでビビり散らしていた彼らの心情を他所に、彼女はレットたちの行動がまるっきり人間のようだと感じた。
特にレットについては、肌色に塗ったりと色々施したら
しかし、シャクティにとって解せないことがいくつかある。その内の1つはアクスが
モンスターは人類にとって不倶戴天の敵。いくらテイマーがたくさん在籍しているという理由であっても、ダンジョンに居る
「アクス、私たちに何をさせたいんだ?」
「この方々を仲間のところに返してあげて欲しいんです。きっと心配してると思うんで」
「だが、
まるで拒否しているかのような強い言葉。応接室が瞬く間に剣呑とした空気に塗り替えられる。
ただ、そんなシャクティの疑問にアクスは肯定する。なにせ、【ガネーシャ・ファミリア】は長い間、
余談だが、憶測で物事を語ってはいけないというのが
命に直結するような施術を行う
それでも下界の子供は天界に居た時分の神のように全知全能ではない。何事も『絶対』はあり得ないように、事実とかけ離れた憶測や推測が横行することも少なくない。
しかし、そんな『憶測』でも
「
「アクス、なぜそれを! ……あっ!」
「ガネーシャ……」
語るに落ちるとはまさにこのこと。呆気なく関係性を認めたガネーシャにシャクティは呆れを通り越して憐れみを向けつつ、アクスに詳しい根拠の説明を求めた。
たしかに昨今では地上にモンスターが出てくることは多々あるが、
そう考えると、
そこからダンジョンに住むモンスターとテイム済のモンスタ──-つまりは、一般社会に溶け込めるほどレットやアルルなど大人しいモンスターが違うことを一般市民や冒険者に認識させる。
それが真の目的といえるのではなかろうか。
「どうでしょう? 当たらずも遠からずだと自負してます」
「お前、そんなに推理できたか?」
「フィンさんから物事を推理するコツを伝授していただきまして……」
──良いかい、アクス。物事を考える時は1回事象をバラバラにしてから関係性を組み合わせていくんだ。そうすることで見えてくるものもきっとあるはずだよ。
半年前ぐらいにパルゥムの光になることを目標にしている中年《フィン・ディムナ》から聞いたとおりに物事をバラし、組み上げ、予想した末に行き着いた根拠だと話すアクスに、シャクティは『また
流石に色々教育し過ぎではなかろうか。第2の
「しかし、アクス。確かにその意図はガネーシャにはあったが、そこに居る……」
「レットでス、神ガネーシャ」
「あぁ、レットたちが襲わないと確証できた?」
ガネーシャの疑問は尤もだった。ダンジョン内という特殊な空間で、何の知識もない冒険者がモンスター相手に矛を収めることが出来るだろうか。
答えは否である。それが出来るのは一握りの病的なまでのお人好しと揶揄されるぐらいには、命を懸けて探索に向かう人間から見てふざけた行為だ。
しかし、この質問に対してアクスは『話しかけられたから』と事も無さげに答える。
「それだけか? モンスターだぞ?」
「話せるのなら、交渉の余地はありますよ。僕的にはモンスターも人間も襲い掛かって来るのなら、等しく"敵"ですから」
これはアクスの持論にはなってしまうが、暗黒期や最近のようにラキア王国との戦争を体験した彼にとってモンスターと人間は
『人を傷つける』という観点から見れば、人間も戦争や大抗争での
『人間と違う』という観点から見れば、人間もまたヒューマンもエルフも獣人もパルゥムもアマゾネスで分けられ、どこからさらに細分化がされる種族もある。
『言葉が通じない』という観点では、レットたちはアクスに攻撃を仕掛けることなく礼を示すことで対話の糸口を広げてくれた。
つまるところ、彼らは種族が違うが言葉と心を通わせられる生物に他ならない。それをモンスターというだけで偏見を持つような感性はアクスにはなかった。
これは元々アクスが持っている気性もあるが、なにせ彼はおぎゃーと産声を上げた時からオラリオに居る生粋のオラリオっ子である。必然的に毎年の
つまるところ、アクスはガネーシャが意図した通りに育った稀有なケースと言える。このことから、ガネーシャの両眼から滝のような涙が流れたのは言うまでもない。
「うおぉぉ、ウラノォス! お前の悲願は叶ったぞぉ!」
「ウラノス様?」
またしても機密を漏らすガネーシャに、シャクティは憐憫を通り越して極寒の視線で彼を見る。ただ、
「意味は分かるな?」
「混乱が起きるから……ですよね」
相変わらず妙なところで頭のキレるアクスに
モンスターは何度も言うが、不倶戴天の敵だ。『どうせろくでもない奴らなんだ、見つけ次第殺るぞ』や『モンスターは殲滅する! 1匹残らずだ!!』と躍起になる奴らも当然居る。
そんなやつらの前で『モンスターの中に良いやつが居るんですよー』と宣っても、良くて対立。悪くてオラリオを舞台にした穏健派と強硬派による内乱の勃発だ。
今はイヴィルスの動きもあるし、なによりモンスターの問題は非常に根深い。おそらくはシャクティが寿命を迎えても意識改革すら成し得ないような途方も無く、根気のいる計画であるだろうと彼女も感じている。
すると、今度はガネーシャがいつもの騒々しさから一変してアクスに尋ねてきた。
「アクス、ついでに聞かせて欲しい。お前の考えでは、このことが世間に……特に冒険者に広まったらどうする」
「死者が増えます。"絶対に"」
明確な意思を持って答えたアクスの言葉。それを聞いたガネーシャも
いくらガネーシャや背後に居ることが確定したウラノスでも、
共闘できるかもしれない。自治権を認められるかもしれない。もしくは……敵対するかもしれない。
数多くの『たられば』が両者の間で交わされるが、そんな数多の結果の中にはいくつかの
1つは対立。文字通りどちらかが全滅するまで戦い合う道だ。
ガネーシャのみだがイヴィルスが資金源として
むしろ、
そして、2つ目は冒険者の戦意喪失だ。
双方が交流したという前提の話になるが、そうなると
「今悩んでも詮無いこと……だな」
どちらの懸念に進んでもオラリオにとって痛手になるのは間違いないが、絶対に懸念が当たると決まったわけではない。そうならないためにガネーシャも手を尽くしてきたし、現にアクスのような
ならば、今はそんな暗い懸念に暗くなるよりも現状をどう対処するのかが肝要と、いつもの調子に戻ったガネーシャは元気よくシャクティを呼んだ。
「シャクティ! 今からギルドに行ってウラノスに会いに行くゾゥ!」
「分かった。アクス、彼らをバックパックに。狭い思いをさせるが、すまない」
「いエ、感謝シまス」
レットたちも状況を理解しているから、素直にバックパックに入ってくれる。
そして、ようやく準備が整った彼らはガネーシャの無駄にポージングしながら移動するという妙技を見せつけられながら移動を開始した。
流石に民衆の神と言うだけあって……というか、いつもながら奇天烈なことをしているために目立たざるを得ない状況。アクスのバックパックに
「もしかして、これを見越して……」
「いや、あれはガネーシャの素だ。そこまで考えていない」
策略かと思ったら、どうやら違うらしい。
そうこうしている間に一向は中央広場に足を踏み入れる。後も少し歩けばギルドにたどり着くが、ダンジョンに向かう冒険者たちがごった返しているのでバレたら一巻の終わりである。細心の注意を払いながら歩いていると、近所の屋台からガネーシャに声を掛ける者が居た。
「あ、ガネーシャ」
「おぉ、ヘスティアか。先日はすまなかったな! 息災か?」
「むしろこっちが謝るべきだよ。僕の不注意のせいで迷惑をかけたね。それに神父君も、アレスを止めようと飛び出してくれてありがとう」
シャクティの絶対零度のごとき視線を後ろから受けたガネーシャは珍しく普通に謝罪するが、ヘスティアはそれすらも自分の責任だと逆に謝罪する。その辺が神望があると言われる所以なのだろうが、謝罪をしながらもテキパキとじゃが丸君を揚げては包装する姿は歴戦のバイト戦士を思わせた。
「そうだ。君たちお昼はまだだろう? 店長ー」
「もちろんだよ。【ガネーシャ・ファミリア】にはお世話になってるからねぇ。それに、アクス君はこうでもしないといつも治療したらさっさとどこかに行っちゃうんだよ」
「神父君……、そういうところだぜ」
恰幅の良い女性からの許可を得たヘスティアはアクスの
「おいおい、代金はいらないよ」
「我々はやるべきことをやっているに過ぎないからな。そういうことは孤児院の子とかにやって欲しい。それと、5つ分もらえるだろうか? 我々も冒険者だからな」
「あぁ、分かったよ。たしかに冒険者じゃこの小ささは足りないか。ベル君も最近よく食べてねぇ~」
「レット、アルル。私はおそらく神ウラノスが居る祈祷の間には入れない。だから、その前に餞別として渡そう。……せっかくオラリオに来たんだ、食ってから帰れ」
「ミセス……」
「まだ未婚だ。それに、私はお前たちを完全に信用するには仲間を失い過ぎている。ファミリア……群れの流れは長である私でも安易に変えられないことは覚えていて欲しい」
呼び方についてシャクティは少々眉間に皺を寄せる。ただ、相手はモンスターということでじゃが丸君を渡しながらもレットたちに、彼女は1つのファミリアを治める団長として自身の立ち位置を話した。
シャクティも長くオラリオに住んでいる冒険者だ。職業柄、長くこの街に居る分だけ大勢の仲間を失っている。
それでも彼女が
妹であるアーディ・ヴァルマは子供の自爆攻撃に巻き込まれて死亡した。仮にこれがダンジョンでモンスターに殺されていたら、おそらくシャクティは
彼女も上級冒険者や【ガネーシャ・ファミリア】の団長という皮を破ればただの人。血の縁が強いのは、至極当たり前のことである。
さらに言えば
ここではしごを外す真似は、主神と契約を結んだ眷属としてはあり得ない。
「アーディが居たら、こんな風にしてたのかもな」
「そうだろうな。ガネーシャ、しんみり」
毎度ながらこの神はいちいち大げさにしないと気がすまないのだろうか。レットたちとわちゃわちゃしているアクスの姿に首がもぎ取れそうなほど上下に振るガネーシャに、もはや何も言えなくなったシャクティはじゃが丸君を食べ終えたレットたちを再びバックパックの中に戻していく。
「私は外で待っている」
「よし、では行くぞアクス。ガネーシャについてこぉい!」
もはや目と鼻の先のギルドに向かってガネーシャは走り出し……ギルド職員に『走らないでください』と注意される。さっそく出鼻をくじかれた彼だが、用件を言うと珍しく窓口辺りで待機していたロイマンが恭しく礼をしながら案内してくれる。
「神ウラノスは祈祷の間でお待ちです。それとアクス、分かっていると思うが失礼のないようにな」
騒々しいガネーシャが居る時点でそれ以下の失礼はないように思うのは気のせいだろう。ロイマンの言葉を聞き流したアクスが腕を振りながら意気揚々と階段を下りていくガネーシャについて行く。
そして、祈祷の間と呼ばれる飾りっ気の無い部屋にたどり着き、目を伏せているウラノス──の横に居た黒衣の存在を見た瞬間にアクスは。
「ぎゃああ! 怪人黒マントだぁっ!」
ものすごーく失礼なことを叫んでしまった。
9月も炎上案件に放り込まれる可能性が大です。俺はアクスじゃねぇ!
ダンメモのレフィーヤストーリーより引用。
間引き…延々沸いてくる敵…BETA…うっ、頭が
レット、アルル
原作では要所要所で活躍する子たち。原作と違ってレットがたどたどしいが、これを機に言葉を学び直したと思ってくだされば。
ちなみにこの場合の悪手はアクスが攻撃を仕掛けて死ぬこと。レットは原作と同じLV.4と同等の実力者なので、最悪アクスは返り討ちにあって死亡する。
そして、アクスが死亡したことで【ディアンケヒト・ファミリア】がヤバくなり、連鎖的にそこら中のファミリアがヤバくなり、回り回ってウィーネを地上に出した際やリドたちが地上へ出た時の殺意がマシマシになる。
そして、【ヘスティア・ファミリア】への風当たりが台風クラスとなる。
そりゃ(暗黒期や大抗争で人間同士が殺し合う現場を見て来たら)そうでしょ。
むしろ、警戒を解いて話しかけて来るだけどっかの快楽殺人鬼よりマシな部類。
ガネーシャ
今までの自分たちの考えが芽吹いて感無量。守護らなきゃ…。
フィン
事あるごとに将来有望な同族に色々教え込む中年。そろそろ往診中に変なことを教えて来る神様よりも厄介な存在になりつつあるのではなかろうか。
怪人黒マント
たまに夜中のオラリオを徘徊したり、廃墟を研究室にしてアイテムを作りだしたり、ダンメモでは色々はっちゃけたりする人。
一体、どこの愚者なんだ。