イクイノックス 育成ウマ娘イベント   作:土見

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【レース結果が1着ではなく、かつ1着がドウデュースでもなかった場合】


[クラシック級4月前半]皐月賞の後に・眩むような

 

 

 

(ワアアアアアッ!!)

 

クラシック三冠の1レースめ、皐月賞。

 

そのゴールを先頭で駆け抜けたのは、

イクイノックスではなかった。

 

「っ、あ――

 勝てな、かった……」

 

「……いやあ、さっすがクラシック!

今日は完敗!」

 

「――次は、絶対に勝つ。」

 

 

   ―//―//―//―

 

 

「と、トレーナーさん、私……」

 

Ωまずはおめでとう!

 

「……え?」

 

かなり落ち込んだ様子で戻ってきた

イクイノックスに、最初に自分の感想を伝える。

 

クラシック競走に出走できるウマ娘は

ほんのひと握りで、さらにその中で上位入着。

悔しいのもわかるが、祝福されるべきでもある。

 

もちろん勝利できれば一番ではあるが……

あのパニックから上位入着できるというのは

ひとつ大きな自信に繋がるかもしれない。

 

それに、自分で選んだ作戦をどうやって

実現するかの手段を選ぶ点については

判断ミスらしいものは見当たらなかった。

 

レース中の話は聞かなければわからない。

もしかすると見ている側からは気付けないような

タイプのミスがあったのかもしれない。

 

そういう部分を知って潰していくために

これから入念にフィードバックを

重ねていく必要はあるが、今は――

 

Ωあれだけ頑張ってくれて、嬉しかったよ

 

「い、いやいやトレーナーさん、

私は、トレーナーさんの指示通りに

走れなかったですし――」

 

それでも後ろ向きなイクイノックス。

彼女流の方法で自分の気持ちを伝えたほうが

いいのかもしれない。

 

Ωなら、次はできるようにすればいい

 

次、というところを強調する。

まだ、イクイノックスとのレースは

始まったばかりなのだから。

 

イクイノックスはその意図を汲んでくれたのか

少し顔を緩めて。

 

「……えっと、次……って、どのレースを……?」

 

Ω当然、ダービーだけど……

 

「……で、ですよね……。」

 

イクイノックスの笑顔が固くなる。

 

皐月賞で好走し、距離や舞台も問題がない。

体力的にも問題が無いように進めてきた。

ここでわざわざ目標から外す必要はない。

 

もちろんイクイノックスだって

そのことは理解していたはずだが……

 

「――ぅ、うぅ~~~っ……」

 

皐月賞を経験して、あらためて

日本ダービーというレースの重さを感じたのか

胃の痛そうな唸り声をあげてしまった……。

 

一般的にダービーはクラシックの中でも

特別視されることの多いレースだ。

 

出走するウマ娘もトレーナーも観客たちも、

今日よりももっと熱くなっているだろう。

 

それに、ドウデュースのことも気にかかる。

彼女の目的を考えると、日本ダービーは

最高のコンディションで挑んでくるだろう。

 

そんな彼女に立ち向かうには、こちらも

全力を出せるようにしないといけない。

 

課題は多く、超えるべき壁もたくさんある。

しかし、光明が見えないわけでは決してない。

 

世代の統一戦、日本ダービーへ。

調整と練習の日々はまだまだ続く。

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