イクイノックス 育成ウマ娘イベント   作:土見

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[クラシック級5月後半]日本ダービーにむけて

 

 

 

「……よし、今日も10セット終わり……!」

 

日本ダービーに向けて練習を重ねるなかで、

イクイノックスは少しずつ自信を

つけているように見えた。

 

不安を隠すのが上手くなったのかもしれない。

そう思って質問したこともあったが――

 

Ω本番までに一番鍛えたいところはどこ?

 

「……メンタル、ですかね……」

 

苦笑いまじりではあるが、そう答えてくれた。

 

本人に自覚はなさそうだが、走りそのものや

知識の面だけであれば十分ダービーでも

通用する自信があるという意味にも取れる。

 

とはいえこれを指摘すると、

言葉を引っ込めてしまいそうだったので

言ってあげることはできなかったが……

 

とにかく、無意識にでも彼女に

自信が備わってきたのならとても嬉しいことだ。

 

Ω(絶対にもっと、G1を勝っていける)

 

イクイノックスのさらなる勝利のためにも、

お互いにできることをコツコツと積み上げた。

 

 

   ―//―//―//―

 

 

そうして迎えた、日本ダービー当日。

 

手元にまとめた資料の最終確認をしながら

イクイノックスを待っていると――

 

「お、お疲れ様です……」

 

Ωおはよう、今日も頑張ろう!

 

「は、はは……」

 

やはり固くはなっている。

皐月賞の時と同じようにデータの振り返りを

するための準備を始める。

 

想定できるレース展開。その場合のプラン。

前回のレースも踏まえて、位置取りを

見ておきたいウマ娘。

 

皐月賞での好走も影響したのか、

イクイノックス本人も注目されていた。

マークしてきそうなウマ娘も確認する。

 

Ω君はもう立派に追われる側のウマ娘だから

 

「うぅ…… そんなたいそうなウマ娘じゃ

ないんですけど……」

 

たいそうなウマ娘だよ、と笑うと、

イクイノックスは緊張と安心の混ざった

複雑そうな顔で笑いかえしてくれた。

 

これで緊張がほぐれきるとは

さすがに思っていないが――

 

Ω気にせず走っておいで

 

集合の時間も迫っている。

精一杯自分も笑顔を作って、

イクイノックスを送り出した。

 

 

   ―//―//―//―

 

 

(ワアアアアッ!!!!)

 

(……すごい、歓声)

 

(やっぱり頭はくらくらするし、

まっすぐ立つのも大変だ)

 

(……でも)

 

「イクイ!」

 

「……ドウ、えっと――」

 

「イクイもさ、負けられないと思うんだよ!

ここはG1で、しかもダービーで――」

 

「でも!」

 

「それでも、アタシが勝つ!」

 

「もちろんイクイ以外にもだって、

アタシより前でゴールさせない……!」

 

「アタシは兄ちゃんのためにも、

絶対にダービーウマ娘になる!!」

 

「ドウ……」

 

(空気がぴりぴりする)

 

(私は、ドウみたいな自信と信念は

まだ持てない。けど――)

 

「……わかってるよ。

でも、簡単に負けてあげられないのも、

ドウならわかってくれるよね?」

 

(みんなが持っているような、

大きな目標でもないけど)

 

(私は、せめて期待されたぐらいは――)

 

(トレーナーさんとドウに、

胸を張れるようなウマ娘になりたい)

 

「……もちろん! イクイも皆も、

お互い全力で!」

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