イクイノックス 育成ウマ娘イベント   作:土見

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[クラシック級7月前半]夏合宿(2年目)スタート!

 

 

 

「……そっか、そうだよね。

ドウは特別メニュー……」

 

「うん、アタシはここから

凱旋門賞に向けての調整だからね!」

 

「世代の代表として! キッチリ

みんなのぶんまで頑張ってくるために!」

 

トレセン学園名物、夏合宿。

合宿所に着くなりイクイノックスの前に現れた

ドウデュースは――

 

次に目指すレースが凱旋門賞であること、

特別メニューになるから一緒に練習をこなすのが

難しいことを教えてくれた。

 

相変わらず、丁寧で気の回る子だと

感心する。が……。

 

「……たぶん、そうじゃなくても

同じメニューは難しかったと思う。」

 

「? なんで?」

 

                        

「……え、脚のダメージ……?」         

                        

「ええ、少し筋肉がいたんでいるようですね。   

日常生活や軽いトレーニングには         

支障が無いと思いますが……」          

                        

「高負荷なトレーニングやレースを        

長く続けるのは、リスクがやや高いような     

気がします。」                 

                        

「しばらくすれば治るものですから、       

少しの間我慢していただければそういった     

レースも走れるようになると思いますが……。」  

                        

 

ダービーの後、医師から告げられた内容を

ドウデュースにも共有する。

 

イクイノックスの親友であり、

きっとまだまだ戦うことになるライバルだ。

言っておくべきだと判断したが――

 

「……そっか。まあ、この先どうなるかは

そっちに任せます。でも――」

 

「イクイ、アタシが先に最強になっても

恨みっこなし、ってことでいい?」

 

「……ドウ……」

 

「……うん、頑張ってきて。

私も私で、国内でちょっとずつ頑張るから。」

 

それからドウデュースは、イクイノックスに

聞こえないような小声で。

 

「――菊花賞、行けるんですか?」

 

胸の痛くなる言葉だった。

 

理論上は、出走するだけならどうにかなる。

きっと好走も、イクイノックスの身体能力を

考えれば不可能ではないだろう。

 

ただ――

それでも、自分はまだ決めかねていた。

 

Ω……まだ、考えてる

 

イクイノックスにとって菊花賞は、

とても重要なレースだ。

もちろん出るなら勝ちたいだろう。

 

だが、今の状況で菊花賞を見据えた

長距離向けのハードなトレーニングは

相応のリスクを背負うことになる。

 

それがどういう結果をもたらすのか、

どっちの選択肢を取るのが一番

イクイノックスにとって幸せか――

 

それで決めかねている……というのを

言葉を濁しながら、かいつまんで

ドウデュースに伝える。

 

「そうですか……。

イクイのこと、よろしくお願いします……!」

 

ドウデュースも、話を聞いてなんとなく

察してくれた部分があったのだろう。

 

頭を下げてから去っていくドウデュース。

……自分も、覚悟を決めて準備にかかる

必要がある。

 

大きな分岐点になるかもしれない、

そんな夏合宿が始まろうとしていた。

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