イクイノックス 育成ウマ娘イベント   作:土見

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【成功パターン】


[シニア級2月前半]バレンタイン

 

 

 

(そろそろ、バレンタイン……

トレーナーさんに日頃の感謝を伝える

いい機会だとは思う、んだけど……)

 

(いったい、何をあげれば

トレーナーさんは喜ぶんだろう……?)

 

(お菓子に変な意味とかあったらダメだし、

だからといってチョコっていうのも

ありきたりすぎるかもだし……)

 

(あんまり奇をてらいすぎるのも

外した時が怖いし、そもそも贈答品の

相場観もわかんない……!)

 

 

   ―//―//―//―

 

 

「……ドウって、バレンタインとか、

トレーナーさんに何か贈ったりする……?」

 

「ん? うん、大袋のやつ一緒に開けるよ?

兄ちゃん、甘いお菓子そんな食べないけど!」

 

「ドウ、それって本当にプレゼント……?

単純に一緒にチョコ食べてるだけじゃ……」

 

「……確かに!」

 

「ど、ドウ……」

 

「あはは、さすがに冗談だって!

ま、でも兄ちゃんは高いチョコあげるより

アタシがレース勝ったほうが喜ぶだろうし?」

 

「何を贈るかももちろん大事だろうけど、

結局イクイが何を思ってどう贈るかだと

思うよ、アタシは!」

 

「別に説明でも言い訳でもなんでもしたって

いいんだしさ、そんな話せないような

仲じゃないんでしょ?」

 

「……そう、だけど……。」

 

「ま、イクイが不安なのもわかるけど……

いいじゃん、アタシにくれるぐらいの

ラクな気持ちで考えて渡せば!」

 

「……ドウ、私まだドウにチョコあげるって

一言も言ってないけど……?」

 

「…………え、くれないの?」

 

「……まったく……」

 

(何を思って贈るか、かあ……)

 

 

   ―//―//―//―

 

 

春のG1戦線へ向けての動きが

慌ただしくなってきたある日。

 

「トレーナーさん、えっと、その……

これ、日頃の感謝を込めてと言いますか……」

 

Ω……チョコレート?

 

「あっ、いえ、その、いや違わないんですけど!

本当に、ただただ贈り物というかっ……!」

 

SNSで少し前に広告を見たことのある、

近くのデパートに出店している少し値の貼る

チョコレート、だった気がする。

 

どうしてチョコレートを……と考えてから、

今日の日付を思い出した。

 

Ω……ああ、今日ってバレンタインか!

 

「――えっ?」

 

「トレーナーさん、忘れてたんですか……?」

 

他のウマ娘の動向やレースについての

情報収集で忙しくすっかり忘れていた……。

 

Ωごめん、お返しは今度用意するから……!

 

「……いえ、これがいつものお返しなので。」

 

「その、最近は…… 少しだけ、本当に少しだけ

次のレースが楽しみなんです。」

 

「次は何があって、どうするのが最適解なのか。

もしかしたらようやく、私はレースの

入口に立てたんじゃないかなって……」

 

「そう思えるように、ちょっとだけ。

だからこれは、私をそう変えてくれた

トレーナーさんへの感謝の気持ちというか。」

 

Ωイクイノックス……

 

「……ありがとうございます、トレーナーさん。」

 

それから間もなくイクイノックスは

図書室に行ってしまったが――

 

自分とイクイノックスの今までの歩みを

振り返りながら、貰ったチョコを

つまんだのだった。

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