イクイノックス 育成ウマ娘イベント   作:土見

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[シニア級10月後半]天皇賞(秋)(シニア級)の後に・天賦絢爛

 

 

 

(――キタサン先輩は、何度も走って、勝って、

それでみんなに愛されるウマ娘になった)

 

(私は、その背中に憧れた。

私の中に、どうしても諦められない目標が

できてしまった。なら――)

 

(私も、そうなりたいなら……!)

 

「や、あああっっ!!」

 

「イクイノックス、イクイノックスだ!!

すべてを蹴散らす天賦の才!

これが、イクイノックスだあぁっ!!」

 

(ワアアアアッ!!)

 

「おいおい、宝塚記念の時は

『これでも勝てるのか』って思ったけど……」

 

「ガチになったらこんなヤバいのかよ……!

今日のイクイノックス、誰が勝てんだよ……!」

 

 

   ―//―//―//―

 

 

「イクイノックス! 鮮やかに颯爽と駆け抜けて

今、ウィナーズ・サークルに立ちました!」

 

「――あの、っ!」

 

「これを見ている観客の皆さん、それに……

 今トゥインクル・シリーズを走っている皆。」

 

「次は、ジャパンカップに出走します。

 誰が相手でも、全力でお相手させて

 いただきたいと思っています。」

 

「……最高のレースを、一緒に走りましょう。」

 

「お、おいおい……!

トゥインクル・シリーズ全体に対する

挑戦状かよ……!?」

 

「い、いやでも、実際今の中距離路線なら

イクイノックスは最強の一角だろ……?

そんな子が発破をかけたってことは……」

 

「ジャパンカップ、ヤバいことになるだろ……!」

 

「イクイノックス、こういうことやるイメージ

全然なかったけど…… 案外、アツいタイプの

ウマ娘だったりするのか……?」

 

 

   ―//―//―//―

 

 

地下バ道から戻ってきたイクイノックスは、

扉を閉めるなり大きく息を吐き出した。

 

Ωお疲れ様……イクイノックス?

 

「ぅ、ううう……!

なんかノリで言い過ぎた気がします……!」

 

「いや、心にもないことを

言ってるわけじゃないんですけど……

それでも、大言壮語が過ぎるというか……」

 

久々に不安そうなところを見せた

イクイノックス。思わず笑いそうになる。

 

ただ、それと同時に少し安心している

自分もいた。イクイノックスの本質は、

大きく変わってはいない。

 

Ω誰も君の言葉をそう思ってはいないよ

 

イクイノックスを諭す。

彼女が去った後の観客席のざわめきは、

間違いなく発言を笑うようなものではなかった。

 

一瞬だとしてもきっとたくさんの人が、

自分の理想の「今年のジャパンカップ」を

思い描いただろう。

 

「……なら、いいんですけど……」

 

とにかく、あらためて次のレースは

ジャパンカップになった。

 

間違いなく今までで一番の激戦になるのは

わかっているが……

 

Ωイクイノックス、いける?

 

「――はい、いけます。……いきます!」

 

力強い返事だった。1ヶ月後のジャパンカップが

素晴らしいレースになるよう、こちらも全力で

サポートすることを心に誓う。

 

今年の集大成は、もうすぐそこまで

迫ってきていた。

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