転生したら5番目の竜種だった件   作:Rin1411

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ドラゴンの兄と現状確認

 「つまり私はこの世界に転生したということですか?それも竜種というものに…」

 

 「であろうな。我の知る限りお前の言うものには心当たりがない。しかし、異世界から召喚される者や転生者は稀にいるが異世界転生、それも人から竜になるなど前代未聞よ」

 

 あのあと目が覚めた私は目の前のドラゴン…ヴェルドラさんからいろいろ伺った。その結果ここは死後の世界ではなく私が今まで生きてきた世界とは別の世界だという結論に達した。

 これだけでもお腹いっぱいなのにもう一つ、私はドラゴンに転生していた。目が覚めた私のことを未だに妹なんて言ってきてこいつどんなやばいドラゴンかと思って触れてみたら私が竜だからだといわれた。試しに水面に映る自分を見てみたら全身緑がかったゼノ・ジーヴァがいたのだから驚きだ。

 ついでに生まれたてだからか私の知るサイズよりだいぶ小さくてかわいいと思った。

 …ライオンの子供くらいの大きさかな?

 

 「異世界人は世界を渡る際に特殊な能力を獲得する。お前が人から竜に転生したのも、もしかしたら世界を渡る際に生じた「何か」なのかもしれんな」

 

 「確かに、今思い出してみると私が死にそうになってた時に頭の中で声が響いてたような気がします。「庭仕事しよう」とか「モンスターだったら」とか思った後に」

 

 「成程、ならば今回竜に転生したのはその「モンスターだったら」という念によるものかもしれんな」

 

 なんとなくだけどなんで私がこうなったのか分かってきた。緑のゼノ・ジーヴァ…仮にゼノ・ジーヴァ亜種になったのは私がそう思っていたからだろう。だがこうして思い返すと疑問がもう一つわいてくる。

 

 「でも私、「モンスターだったら」って思った時、この姿とは違うのを思い浮かべていたんです」

 

 「ほう、どのような姿だ?」

 

 「私、死ぬ直前までモンハンっていうハンターになってモンスターを狩るゲームをやってて、その中でも一番好きだったムフェトジーヴァっていうモンスターを思い浮かべていたんです」

 

 「その、ムフェトジーヴァとやらはその姿ではないのか?」

 

 「一応は同一個体ですね。モンハンではゼノ・ジーヴァが成長した姿がムフェトジーヴァでしたから。生まれたてだからまずはゼノ・ジーヴァからということなら説明はつきます。ですが、そうなるともう一つ疑問が出てくるんです」

 

 「疑問?」

 

 「はい、私の知るゼノ・ジーヴァの体色は緑じゃなくて青白い感じなんです」

 

 そう、私の中で生まれたもう一つの疑問はこれだ。私が知る限りゼノ・ジーヴァは亜種のようなものが実装されたなど聞いたことがない。思い浮かべるにしても、あんな状況じゃ緑色のゼノ・ジーヴァなんて思い浮かべるのは無理だ。

 

 「成程、もしかするとそれはほかに能力を獲得したからかもしれんな」

 

 「能力、ですか?」

 

 「うむ、竜に転生したのが「モンスターだったら」という念によるものだと仮定しよう。お前はそれ以外にも「庭仕事しよう」と念じたと言っていたな。それに由来する能力も獲得したのではないか?」

 

 「庭仕事に由来する能力、ですか?そもそも能力ってどうやって確認したらいいんだろ…」

 

 《解。主人(マスター)は転生の際にユニークスキル『園芸師(ハグクムモノ)』、『治療者(ナオスモノ)』、『冥灯龍(ゼノ・ジーヴァ)』、『恋愛者(コイスルモノ)』、『学習者(マナブモノ)』の5つを獲得しています》

 

 「おぉ、5つも獲得ってあれ?今の誰?」

 

 《解。ユニークスキル『学習者(マナブモノ)』の効果です。能力が定着したため、反応を速やかに行うことが可能となりました》

 

 学習者か…能力ってこんなこともできるんだ。

 ちなみに学習者ってどういうことができるの?

 

 《解。ユニークスキル『学習者(マナブモノ)』の効果は思考加速、解析鑑定、並列演算、永久記録の4つが主な効果です》

 

 1つの能力でも複数の効果があるのね…

 

 「おい、いつまで考え込んでいるつもりだ」

 

 あ、ヴェルドラさん忘れてた。

 

 「すみませんヴェルドラさん、中々に便利なスキルがあったもので」

 

 「便利なスキルか、それはそれとして妹よ、「ヴェルドラさん」とは随分他人行儀ではないか?」

 

 「はい?」

 

 「だから、我は兄でお前は妹なのだぞ。なぜ兄たる我に対してそんな他人行儀なのだと聞いておる」

 

 「えっと…私たちは血のつながった兄妹、ということなのでしょうか?」

 

 「いや、我ら竜種は竜の姿をした肉体を仮のものとした精神生命体、血のつながりのようなものはない」

 

 「ではなぜ?」

 

 「ついに!我が末っ子ではなくなるからだ!」

 

 「…はい?」

 

 ヴェルドラさんが胸を張って答えるが意味が分からない。先ほどまでの博識なあなたは何処へ?

 

 「えっと…末っ子?」

 

 「うむ。竜種は元々はこの世に4体、お前が生まれたことでこの世に5体となった。これまで末っ子であった我も、ついに妹が生まれ兄となったのだ!」

 

 もうどこから突っ込んでいいのか全然わからない。

 

 「竜種ってほかにもいたんですね?」

 

 「おるぞ。中でも我が兄はこの世界とそこに住む生命を創り出しておるからな」

 

 さりげなくとんでもない爆弾ぶっこんできたなこのドラゴン。

 

 「ええ!竜種って神様かなんかだったりするんですか⁉︎」

 

 「いいや、確かに我ら竜種を神の様に崇める者共もおったが基本気ままに生きておる。我もそうであったしな」

 

 「ちなみにいままでどのように過ごしてたんですか?」

 

 普通に気になる。今となっては自分もドラゴンだし今後の参考に…

 

 「よくぞ聞いてくれた!ではまずは我が戯れに滅ぼした吸血鬼族(ヴァンパイア)の都の話を「すみませんやっぱり結構です!」何故だ!その時ブチ切れてた女吸血鬼の話もあるのだぞ‼」

 

 ブチ切れるだろそりゃ!だめだこのドラゴン参考にしちゃヤバい奴だ~…ていうかよくよく見たらヴェルドラさんなんかの膜?みたいのに覆われてるもん、全体何かやらかして封印みたいなのされたでしょこれ!

 

 「そ、それはそうと何故私はヴェルドラさんにとって妹なのでしょうか⁈」

 

 話を戻そう。このままヴェルドラさんのやらかし談聞き続けたら絶対胃が痛くなる。

 

 「そうであったな。して我ら竜種は誕生より兄弟としての間柄で通ってきたのだよ。だからこそ我の後に誕生した竜種であるお前は我の妹という訳なのだ!」

 

 なんという理屈も何もない暴論。というかこのドラゴンも分かってないなこれ。

 

 「という訳で今後ともよろしく頼むぞ妹よ!」

 

 ヴェルドラさんがこちらに手を伸ばしてきた。握手のつもりなのだろう。こちらは妹なんて認めた覚えはないのだが…

 

 ……だけど。

 

 「分かりました。こちらこそよろしくお願いしますね。「お兄様」」

 

 私はその手に触れた。暴論もいいところだ。ヴェルドラさん…お兄様に関わるとろくなことがなさそうだし。でも悪いドラゴンではないのだろう。今も凄く嬉しそうだし。それに私は()()()()()()()()()()()()()()()()。郷に入っては郷に従えなんて言葉もある、これからはこの兄をうんと困らせてやるのも一興だ。

 

 こうして私は刺されて死んで、竜種の末っ子として転生して、だいぶダメなドラゴンの妹になった。

 

 

 

 

 そしてそれから少しの時が経ち、私たちに運命の出会いがもたらされる…




ステータス
名前:なし
種族:竜種
加護:なし
称号:なし
魔法:なし
技能:ユニークスキル『冥灯龍(ゼノ・ジーヴァ)
   ユニークスキル『学習者(マナブモノ)
   ユニークスキル『園芸師(ハグクムモノ)
   ユニークスキル『治療者(ナオスモノ)
   ユニークスキル『恋愛者(コイスルモノ)
耐性:物理攻撃無効
   自然影響無効
   状態異常無効
   精神攻撃無効
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