転生したら5番目の竜種だった件   作:Rin1411

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お待たせしてしまいすみません。
今後は更新頻度は下がりますが早めの更新を心がけます。


魔王襲来編
来訪者


 「必ずお役に立って見せます!どうか我輩達を配下に加えてくださいませ‼」

 

 「お願いします‼」

 「何卒‼」

 

 「「「シード様‼」」」

 

 「あははは…」

 

 「こいつらこっちに来たのか」

 

 近いうちにまた会うんじゃないかとは思ってたけど、まさかこんなに早いなんてね。しかも私の部下希望で…

 

 「ガ~ビ~ル~…」

 

 あ、リオが怒りで妖気駄々洩れになってる。

 

 「リオ、気持ちはわかるけど妖気は抑えてね」

 

 「はい…」

 

 そんなしょんぼりしないで…

 

 「では、斬りますか?」

 

 「あっ、ちょっ、待たれよ!我輩の話を聞いて頂きたい‼」

 

 シオンも落ち着こうね。

 

 

 

 

 改めてガビルさん…じゃなかった、ガビルから話を伺ったところ勘当された後私に仕えたくてここに訪れたってことが分かった。

 それにしてはやけに遅かったような…

 

 「つーか、徒歩とはいえ結構かかったな」

 

 「ギクッ!」

 

 ギク?

 

 「大方、地図を忘れ湿地帯を出たところで道に迷ったのでしょう?」

 

 「ギクギクッ‼」

 

 当たりみたいだね…

 

 「えぇその光景がありありと浮かびますよ。ガビルが地図を忘れて見栄で突き進むなんて何度もありましたし」

 

 「ま、待てリオよ!我輩が地図を忘れたことなんてせいぜい…せいぜい?」

 

 数えきれないくらいあるんだね。

 

 「そもそも、私に合わせる顔がないとか言っておきながら何故シード様のもとに?私がシード様に仕えてることは言って…なかったですね」

 

 まぁ、だいぶごたついてたしね。

 

 「うむ、我輩はリオの隣に立つにふさわしき戦士となるため、シード様のもとで己を鍛えなおそうと思ていたのだが、まさかお前もいたとはな」

 

 「戦士って…そういう意味じゃなかったのに…」

 

 そう言えば戦場のど真ん中で勢いで告白したのに隣で戦いたいって勘違いされたんだっけ。

 ゴブタから聞いたけどあれはだいぶひどいかな。

 

 「でも、鍛えなおしたいならリムルの方がいいんじゃないかな?」

 

 「シード⁉俺を再びデスマーチに叩き込む気か⁉」

 

 ファイト!

 

 「確かにリムル様に仕えるのも不満はありませぬ。しかし、我輩はあの時シード様に救われました。そのご恩に報いたいのです。そして…」

 

 

 「私は名を与えた子達を絶対に見捨てない」

 

 

 「…その広き器に、感服した次第でございます」

 

 そっか。

 

 「そこまで慕ってくれてるんなら、私も応えないとね」

 

 「では‼」

 

 「歓迎するからしっかり働くように、まずはガビルの部下たちに名前を付けよっか」

 

 「「「わ~い‼」」」

 

 ふふっ、賑やかになるね。

 

 「そういえば、何で親衛隊長もいるの?」

 

 「見聞を広めよと父が送り出してくれたのです。断じて勘当されたわけではありませんよ」

 

 「え⁉我輩を慕って着いて来てくれたのでは?」

 

 「いえ違います。一応は兄上を尊敬しておりますが、それよりもソウエイ様に憧れておりまして」

 

 「ガーン…」

 

 ソウエイのイケメンにやられちゃったか。

 

 

 そんなわけではじめての大人数の名付けに挑戦。まぁ、リザードマン100人くらいなら問題にならないけどね。

 ちなみに親衛隊長、蒼華(ソーカ)とその部下達はリムルが名付けた。

 

 「ふぅ、100人分の名付けって思ったより大変、ってガビル?」

 

 なんでそんなにそわそわしてるの?

 

 「何を羨ましそうにしているんですか?」

 

 あ、そういうこと。

 リオが呆れてる。

 

 「シード、少しいいか?」

 

 リムル?

 

 「どうしたの?」

 

 「俺というより『大賢者』が提案があるみたいでな」

 

 『大賢者』が?

 とりあえず繋いでみよ。

 

 《告。個体名:ガビルに名前の上書きによる試行実験を行うことを提案》

 

 名前の上書きか…面白そうだしやってみよっかな。

 そうと決まれば魔素を調整して。

 

 「あなたには『ガビル』って名前があるでしょ?…!」

 

 きた。名付けの魔素流出。

 ガビルも光ってるみたいだし実験は成功だね。

 

 「名前の上書きってできるんだな」

 

 「そうみたいね」

 

 まぁ、リオの一歩後ろの強さになるよう調整したから、今後とも励むように。

 

 

 

 

 

 あれから名を与えたリザードマン達はドラゴニュートへと進化した。ソーカとその部下達はリオと同じように人型に近い進化を、ガビルとその部下達はそこまで変わらなかった。

 

 「ガビル、調子はどう?」

 

 「おぉ、シード様!」

 

 ガビルには封印の洞窟でヒポクテ草の栽培に挑戦してもらっている。

 

 「ご覧ください!ヒポクテ草の栽培に成功しました‼」

 

 おぉ!ガビルって結構優秀…これって…

 

 ガビルが差し出した鉢植えから生えていたのは。

 

 「これ、雑草だね…」

 

 「…え?」

 

 当たりが静まり返る。

 

 「フンッ‼」

 

 リオがガビルに渾身の右ストレートをかました。

 

 「グホォッ‼」

 

 あらら、吹っ飛んでっちゃった。

 

 「フ~ッ、フ~ッ」

 

 「どうどう」

 

 

 

 

 「全く!早々に失態を働くなんて‼」

 

 あの後、ガビルを治して町に戻ったんだけど、リオはご立腹のままだった。

 ちなみにもうすぐハクロウの稽古の時間のため着物から袴に着替えた。

 

 「それにしても、よくあの洞窟で雑草なんて生やせたね」

 

 「昔から現場を引っ掻き回すことに関しては一流なんです!もう少し落ち着いて物事を見れればよいのですが…」

 

 「そこは今後に期待かな」

 

 人望はあるし、行動力もあるんだから将来有望だよ。多分…

 

 「そういえば、ガビルに言いたいことたくさんあったんじゃないの?」

 

 「…今は、胸の内にしまっておこうと思います」

 

 今は?

 

 「ガビルは私の隣に立つにふさわしい戦士になると言っていました。ならば、それまで待とうって、そう思うんです」

 

 「そっか。こんなに一途に想ってくれる人がいて、ガビルは幸せ者だね」

 

 「そういうシード様こそ、リムル様に想いを打ち明けないのですか?」

 

 「リオもそれ言う?リムルは友達だよ」

 

 だけど…

 

 「…でも、そうだね、リムルと一緒に歩む未来もいいかもしれない」

 

 まぁ、今はそんなことに現を抜かしてる暇ないし、落ち着いたら改めて考えようかな。

 

 『シード、緊急事態だ』

 

 『リ、リムル⁉』

 

 なんてタイミングで…

 

 『ソウエイから思念伝達があってな、北の空から武装集団が来てる』

 

 私はすぐにリオに目配せした。リオもほかの子から伝達が来たため表情が引き締まってる。

 

 『わかった、これから向かう。数は?』

 

 『500だってよ』

 

 500か、果たしてどう来るか…

 

 「リオ、行くよ」

 

 「ハッ!」

 

 

 

 

 リオを伴って町のはずれに向かうとそこにはリムルとベニマル、シオン、シュナが来ていた。

 上空を見るとペガサスに乗った集団がこちらに向かっている。

 

 「あれがソウエイの言ってた武装集団?」

 

 「あぁ、しかし統制のとれた武装集団か、一体何しに来たってんだ?」

 

 できれば争いは避けたいな。

 そもそもどこの集団なんだろ…

 

 「あれ、もしかして…」

 

 遅れてカイジンがやってきた。

 

 「おいおいなにしてるだカイジン、早く避難してくれよ」

 

 「いや、ちょっと心当たりが…」

 

 心当たり?

 

 「昔、酒の席で退役した老将に聞いたんだ。ドワーフ王の直轄に極秘部隊がいるってな」

 

 「奴らがそれかもしれないって言うのか?」

 

 「あぁ、なにせその部隊は…天翔騎士団(ペガサスナイツ)

 

 つまり、彼らはドワーフ王国の部隊ってことだね。

 

 そして次々と降りてくる中、一人の男にカイジンは驚愕し跪いた。

 

 「お久しぶりでございます」

 

 そっか、この人がリムルの言ってた…

 

 「ガゼル王よ」

 

 ガゼル・ドワルゴか…

 

 「久しいなカイジン、それにスライム。余…いや、俺を覚えているか?」

 

 リムル、がっつり覚えられてるね。

 

 「王よ、本日は何かご用があるのでしょうか?」

 

 「なに、そこのスライムと災禍級(ディザスター)の本性を見極めてやろうと思ってな、今日は王ではなく一私人として来た。物々しいのは許せ、こうでもしないと出歩けぬのでな」

 

 そりゃ立場があればね。

 でもディザスターって誰のこと…ってあ、ベニマル達が殺気立って…

 

 「…あー今は裁判中でもないし、こちらから話しかけてもいいんだよな?」

 

 「当然だ」

 

 そう言えばドワルゴンで裁判にかけられたって言ってたね。

 

 「まず名乗ろうか、俺の名はリムル。スライムなのはその通りだが、見下すのはやめてもらおう」

 

 リムルは人間態になった。

 

 「これでも一応ジュラの森大同盟の盟主なんでな」

 

 「ほう…人の姿で、剣を使うのか」

 

 あれ?ガゼル王、一瞬こっちを見たような…

 

 「そんなに警戒しないで欲しいんだけどな」

 

 「それを判断するのは俺だ」

 

 ガゼル王は剣を抜きリムルに向ける。

 

 「貴様を見極めるのに言葉など不要、この剣一本で十分だ」

 

 なかなか豪胆な性格してるなぁ…

 

 「この森の盟主などという法螺吹きには、分というものを教えてやらねばなるまいしな」

 

 煽らないで!収集つかなくなっちゃうから!

 

 「我らが森の盟主に対し傲岸不遜ですよ、ドワーフ王」

 

 あ、トレイニ―さん。

 

 ドライアドであるトレイニ―さんの登場に騎士たちが動揺している。

 

 「なるほど、森の管理者がいうのであれば真実なのだろう。法螺吹き呼ばわりは謝罪するぞリムルよ」

 

 これで収まる「だが」わけないよね…

 

 「貴様たちの人となりを知るのは別の話。リムルよ得物を抜けい!」

 

 なんで私の方も見たの?もしかしてディザスターって私のこと⁉

 

 「まだ無礼を重ねると「いいよ、トレイニ―さん」」

 

 排除を試みようとしたトレイニ―さんを制し、リムルがガゼル王の前に出て刀を抜き構えた。

 

 「俺が無害で愛らしいスライムだってことは(こいつ)で証明するしかなさそうだ」

 

 リムル、やるんだね。

 

 「分かりました。では、立会人はわたくしが行いましょう」

 

 リムルとガゼル王が剣を構え向かい合う。

 

 「始め!」

 

 トレイニ―さんの声が響く。同時にリムルはガゼル王に斬りかかるが受け流される。切っ先を突き出すが、それも避けられ弾かれた。

 

 「リムル様…」

 

 「大丈夫ですシュナ様。リムル様は必ず勝ちますとも‼」

 

 不安そうにするシュナをシオンが励ましているけど…

 

 「カイジン、あれって」

 

 「あぁ、簡単に流されちまってる」

 

 やっぱりそうだ。でもあの剣裁き…ッ!

 

 ガゼル王から妖気に似たものが発されている。直に当てられているリムルが硬直した。

 

 《告。エクストラスキル『英雄覇気』です》

 

 英雄覇気?

 

 《対象を委縮させ、屈服させる効果があります》

 

 対処法は?

 

 《気合いです》

 

 え?いやそれは《気合いです》…はい。

 

 「うおおおあああっ!!!」

 

 リムルが雄たけびをあげて覇気を振りほどいた。ガゼル王も驚いたのか目が見開いている。

 

 …本当に気合なんだ…

 

 「では次はこちらからだ」

 

 一言呟くとガゼル王の姿が消えた。

 

 これって、ハクロウの…

 

 迫る一閃をリムルは紙一重で避ける。

 

 もう一撃来る!

 

 周囲に金属同士が強くぶつかり合う音が響いた。

 

 「クロベエの刀じゃなかったら真っ二つだったな」

 

 さらに上から迫る剣を、リムルは刀で防いでいた。

 

 「…ふっふはははははははははははッ‼こやつめオレの剣を受け止めおったわ‼」

 

 急に態度が変わったガゼル王に、リムルが戸惑っている。

 

 「降参だ、俺の負けでいい。邪悪な存在ではないと判断した」

 

 「勝者、リムル=テンペスト!」

 

 トレイニ―さんの宣言に、みんなは歓声をあげる。

 

 「さて、次は「私、ですよね」ほぅ…」

 

 私は刀を抜き、ガゼル王の前に出る。

 

 「シード?」

 

 歓声が静まり、視線が私に集まる。騎士たちは私が前に出るとリムル以上に警戒しだし、なかには剣に手を伸ばす者もいたが…

 

 「よしなさい」

 「よせ」

 

 私とガゼル王の声が重なる。

 それにより騎士たちの手が剣から離れ、駆け出そうとしたリオが止まった。

 

 「ちょっシード?ガゼル王も」

 

 リムルも出てくる。

 

 「リムルよ、貴様が邪悪でない存在であることはわかった。しかしこの女、災禍級(ディザスター)もそうだとは、簡単に言えるものではない」

 

 「なんなんですか、そのディザスターって」

 

 「魔物の危険度だ。オークロードとの戦いの折に貴様が発した妖気からそう判断された」

 

 ゲルミュッド相手に怒ったときかな…

 

 「意味は分かりました。ですが私にはシードという名前があります。いちいち危険度で呼ばないでください」

 

 「ではそうさせてもらう、シードよ、貴様を見極めさせてもらうぞ」

 

 「ぜひとも見極めてください。トレイニ―さん!」

 

 私は再び立会人を任せるべく、トレイニ―さんを呼んだ。

 

 「はい、では両者…始め!」

 

 トレイニ―さんの宣言と同時に私とガゼル王は地を蹴る。

 

 「ハァッ‼」

 「セィッ‼」

 

 両者の剣が衝突し、辺りに衝撃が走った。

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