お久しぶりです。お兄様。
お兄様がリムルの胃袋に入って二週間が経過しましたね。
しっかり『無限牢獄』の解析はしていますか?私の目がなくなったからって、怠惰な生活を送ったりしていませんか?
もし怠惰な生活が発覚したらお姉さま達を交えて家族会議を行うとしましょう。
さて、追及はここまでにして、お兄様が気になっているであろう私とリムルの近況を報告させていただきます。
まずはリムルの近況報告からいたしましょう。お兄様と別れた後、彼は私をそのまま「ヴェルシード」と呼んでいましたが、さすがに長くて呼びづらいと思ったので「シード」と呼ぶように言っておきました。
リムルはその愛らしいスライムボディを駆使し、日夜魔物や鉱物、草などを捕食し、いくつものスキルを入手しております。時には何倍も大きい魔物も捕食しています。スライムが雑魚モンスターなんて誰が言い出したんでしょうね?
あと、大きい蝙蝠を捕食した時に声も手に入れていました。念話ってなんとなく違和感あったんで助かりました。…まぁ、スライムのどこに発声器官があるのかという疑問は残りましたが…気にしたら負けですね!
さて、リムルのことはここまでにして、私の近況報告もしなければなりませんね。
私はというと現在…
「…」
リムルは目の前で起こっていた光景に戦慄していた。
「次は私の番ね!」と自信満々に駆け出して行ったシードが黒蛇の目の前で転倒したかと思うと…
頭からバックリいかれていたのだから…
「シードぉぉぉぉぉぉ‼」
…黒蛇に頭から飲まれそうになっております…
タスケテ…
「…」
「…」
私はその後すぐリムルに救出され事なきを得た。
…リムルに顔向けできなくなってるけど…
そう、私が一年間もお兄様の元を離れなかったのにはもう一つ理由がある。それはすなわち…
致命的なまでに四足歩行が下手ということだ。
一応お兄様から教わって人型に擬態できるようにはなったのだが…その…服がなかったこと忘れて擬態したことでお兄様の前にありのままの自分をさらけ出してしまったのだ。
え?竜形態の時も何も着ていない?いいえ違います。鱗に包まれるからセーフなんです。セーフと言ったらセーフなんです。異論唱えたらビッグバンしますよ?ゼノ・ジーヴァの大技ブチかましますよ?
…とまぁ、この調子で何度も転びまくり、その度にリムルに助けられているのだ…
「…まぁ、こんなこともあるさ!24年も人間として生きてたんだから、急に四足歩行しろってなってもさ!」
リムルの暖かいフォローが心にしみる。この人絶対前世ではモテモテだったよね?
「はぁ…せめて服があればなぁ…」
「まぁ、シードの『学習者』の記録を俺の『大賢者』に読み取らせれば、簡単な服は作れるかもなん「それ詳しく!」うわっ!」
話を伺ってみたところ、製法さえわかってしまえば簡単な服を一着作るのはリムルの『大賢者』と『捕食者』を駆使すれば簡単にできるとのこと。
…これ、いけるかも。
私は前世ではいろいろな本を読み漁っていた。それこそ医学書を始めそのほかの技術書やらとにかく読んでいた。内容を完全に覚えてはいないがそこは我らが『学習者』が魂の情報から読み取りすべてを記録してくれていたのだ。
おかげでいつ読んだかわからない衣類の製法なんてのもあって、それをリムルの『大賢者』に読み取ってもらえば行けるかもしれない。
もう一つに私のスキル『
「…ねぇリムル。ちょぉーっとお願いがあるんだけど…」
…結論から言えば私の読みは当たった。生地なんかはリムルから分けてもらったヒポクテ草なる植物を原材料となりうる植物に私の『園芸師』で『学習者』さん主導のもと組み替えることに成功。それをリムルに捕食してもらい、ついでに私の『学習者』の衣類に関する情報を念話を利用してリムルに送信。
すると数分後にあら不思議…
「できたーーー‼」
「やったー!リムル大好きー!」
一着のワンピースができました!サイズは以前私が一瞬だけ人に擬態した時のサイズを衣類の情報と一緒に送っていたため問題なし!着色料とかはないから真っ白で膝丈くらいの簡素なものだけど、今の私にはこれが最高級ブランドの一品より輝いて見える!やっぱり服って人類の生み出した神器なんだ!
「それじゃあ早速着させてもらうね!」
「おう!」
リムルに断りを入れて私は岩陰に隠れると早速人化。素早くリムルが作ってくれたワンピースを着用すると岩陰から出た。
「どう…かな?」
sideリムル
俺は今、女神を目撃しているのかもしれない。
「どう…かな?」
岩陰に隠れるまではライオンの成体くらいの大きさをしたカッコいい緑色のゼノ・ジーヴァだったのが少しして出てきてみれば、つい今しがた『大賢者』が作ったワンピースに身を包んだ美少女が現れた。
身長は157㎝くらいか?小柄でスレンダーな体つきで背中までまっすぐ伸びた緑の髪と同じく緑色の瞳、顔立ちはそこらのアイドルなんかっよりよっぽど整っている。
さらにはワンピースから延びる白い腕と脚も清潔さを醸し出している。
何というか、無性に抱きしめたくなる。守ってあげたくなる感じの美少女‼
「いいぞ!すっごく似合ってる‼」
「そんなに褒められると照れるなぁ…人間の姿って言ったって、髪と瞳の色は変わったけどそれ以外は前世の姿を再現してるんだよ」
そっか、なんか見覚えあると思ったら多分あのニュースだな。
うん、可愛い…
《告。個体名:リムルテンペストの感情の増幅を確認》
…うっせぇやい…
sideヴェルシード
リムル、なんだかすっごく褒めてくれたなぁ…
でも褒めすぎだよ、うぅ…こっちまで恥ずかしくなってきちゃった…
《告。ユニークスキル『
「ん?『学習者』、今何か「シード、そろそろ進まないか?」え?あぁ、そうだね、行こうか」
この場にとどまるわけにもいかないため、先に進むことにした。
『学習者』の伝えたかったことは後でも確認できるしね…
それからまた二週間が経ち、私たちはというと…
甲殻トカゲにエンカウントしていました。
「よし、毎回のごとく俺が捕食して「私にやらせて」え?ちょっ、おい、シード?」
私はトカゲに向けて歩みだす。うん、これならやれるね。
トカゲは大きな口を開けて私に突進してくる。
「ふっ!」
私は突進してくるトカゲにパンチを食らわせた。するとトカゲは後方へと勢いよく吹っ飛んでいく、最後は壁に大きな音を立てて激突し、そのままめり込んで動かなくなった。
「「…」」
私たちはこの光景を見て唖然とした。うん、これ力加減覚えないと人死に出るね…
私は力加減を覚える決心をした。
(…シードを怒らせることは絶対やめよう)
リムルも決意を新たにしていた。
(…あのトカゲを殺したとき、何も感じなかった。人間だったときはこんなことなかったのに…竜になった影響、なのかな?)
一抹の不安が私をよぎった…
それから数日、私たちはついに門にたどり着くことができた。
「ようやくたどり着いたか」
「じゃあ開け…わっ!」
私がドアを開けようと近づいたところでゆっくりとドアが開かれた。
『隠れるぞ!』
『うん!』
私たちは即座に岩陰に隠れた。
そして扉が完全に開き、洞窟に三人の人間が入ってきた。
「ふぅ…やっと空きやしたぜ。鍵穴まで錆びついてやすよ」
「仕方ねぇって、300年も手入れされてなかったんだ」
「封印の洞窟を調査しろだなんて、ギルドマスターも無茶ぶりよねぇ。いざというときは『
男性二人に女性一人、話を聞く限りこの洞窟の調査に来たみたいだ。
『冒険者、みたいなものかな?どうする?』
『今はこのままやり過ごそう。シードはともかく俺の姿見られたら討伐だーって騒ぎ立てるかもだし』
「お二人とも、もっと寄ってくださいよ。あっしの『
男の一人がほかの二人が寄ったのを確認すると拳を合わせた。すると彼らの姿は見えなくなったが、足音から洞窟の奥に進んでいくのが分かる。
「
「覗き見し放題とは、なんてけしからん奴だ、今度友達になる必要があるな」
「私は女の子のほうと友達になりたいかな」
「そ、そうだな…」
リムルの邪な思いはシードの純真によりかき消された。
三人組の気配が無くなると私たちは門の外に出た。
そこには太陽の光が差し込み、あたりには木々が生い茂っていた。
「久しぶりの陽光だなぁ」
私は日の光を浴びながら体を伸ばす。
「なんか近づいてきてね?」
「ほんとだ」
少しすると私たちの前に数匹の狼の魔物が現れた。
「グルルルルル…」
威嚇してる?
「何の用だ?」
リムルが一歩前に出て尋ねると狼たちは一目散に逃げ出した。
「なんだったんだろ?」
「さぁ?」
そんな疑問をよそに、私たちは進み始めた。
ユニークスキル『
効果
成長促進:自身の魔素を流し込んだ植物の成長を促進する。
栄養充填:自身の魔素を流し込み植物の不足している栄養の代用にできる。
品種改良:自身の魔素を流し込んだ植物の内、外の形状を組み替えられる。ただし質量以上の組み換えは不可能。
ユニークスキル『
効果
???
???
運命改変:とある条件下の運命改変。条件達成により効果が停止する。