薄い夕暮れの光が、遺跡の出口から射し込んでいた。壁に刻まれた古い紋様がその光に照らされて浮かび上がる。それはどこかで見たことのある紋様のように思えたが、具体的な記憶はつかめない。遺跡の外では、森が静かにざわめき、夜の帳が降りる準備をしているようだった。
私はそっと息を吐いた。今はただ、この静寂を受け入れるしかない。けれども、心の中にはざわつく感情が止まらない。仲間たちの犠牲や痛みが、頭の中をぐるぐると回り続けていた。
リリシアがそっと隣に歩み寄ってきた。その青い瞳には疲れと憂いが混じっているが、どこか安堵の色も浮かんでいる。
「外の空気を吸うと少しは落ち着くわね。」彼女は私に微笑みかける。けれどもその声には、私たちが置かれている状況の厳しさがはっきりと滲んでいた。
「リリシア、私は――」私は言葉を探しながら口を開いた。だが、彼女は優しく首を横に振った。
「あなたが全部を背負う必要はないのよ、アリセア。でも、それでもそうしようとするのがあなたね。」
その言葉に、私は何も言い返せなかった。ただ、胸の奥がぎゅっと締め付けられるような感覚に襲われた。
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セラヌスが少し離れた場所で、槍を持ったまま空を見上げていた。その姿には、彼女が抱える孤独と葛藤がにじみ出ているようだった。私は彼女に何か声をかけようと足を踏み出しかけたが、ためらってその場に留まった。
「セラヌスも自分と戦っているのよ。」リリシアがそっと囁いた。「それぞれが、自分の咎や願いと向き合っている。あなたが気にかけるのは大事だけれど、時にはそっとしておくことも必要だわ。」
私はうなずいた。リリシアの言葉には、いつも不思議な力がある。彼女は私たちの一歩先を歩いているように見えるけれど、実際は私たちをそっと支え、導いてくれる存在だった。
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遺跡の出口近くに集まった私たちは、次の行動を話し合い始めた。アストリスが遺跡内で発見した古い石板を持ち出し、そこに記された文字を指し示した。
「この記号、咎の起源についての何かを示しているように思えるわ。」彼女は慎重に言葉を選んでいるようだった。「だけど、まだその全貌は掴めない。」
コンヴァリアがそっと石板に触れた。その手は微かに震えている。彼女もまた、刻印の力に振り回されながら、それでも仲間のために戦い続けている。
「咎は私たちのすべてを蝕んでいく。でも、この遺跡には、それを断ち切る方法が隠されているかもしれない。」フローリアが静かに言った。その言葉はどこか希望を含んでいた。
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私は静かにその場を見つめていた。仲間たちはそれぞれに悩み、傷つき、それでも前を向こうとしている。彼らの姿が、私の中にある不安や恐怖を少しずつ和らげていくのを感じた。
「次に向かうべき場所は、間違いなくこの石板が示す場所だ。」私は小さな声で言った。
リリシアが微笑んでうなずいた。「そうね。だけど無理はしないで。あなたが壊れてしまっては、私たちは進むことができないわ。」
その言葉が、私の心に深く刻まれる。そして私は、これからも彼らと共に歩む決意を新たにした。
遺跡を後にする私たちの背中に、夕暮れの光が優しく降り注いでいた。