洞窟の入り口で立ち止まり、私は周囲を見渡した。光の届かない闇の奥から、かすかに冷たい風が吹いてくる。肌に触れる空気は重たく、どこか湿り気を帯びていた。
「先に進む前に少し休もう」とリリシアが提案する。私たちはそれに同意し、洞窟の一角に身を寄せた。アストリスが小さな光を灯し、周囲を照らすと、壁面には奇妙な蔦の模様が浮かび上がった。それはまるで、自分を嘲笑うように蠢いているように見えた。
「コンヴァリア、少し休んだら?」アリセアが優しく声をかける。
彼女の言葉に頷きながらも、私は内心で答えを出せずにいた。胸の奥に潜む蔦の暴走、それが仲間たちにどれほどの負担をかけているのかを考えるたび、心が重くなる。この力が何のためにあるのか、自分でもわからなくなっていた。
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休息中、仲間たちは食料や水を分け合い、それぞれの疲れを癒していた。しかし、私は一人、洞窟の奥へと足を進めた。暗闇の中、蔦のざわめきが私の耳に直接響いてくる。これ以上、私の存在が仲間を危険に晒すのは耐えられなかった。
「ここで終わりにするべきよ……」自分に言い聞かせるように呟いた。
再生の蔦を発動させ、私の体を包み込むように絡ませる。この力を完全に封じ込め、私自身をも閉じ込める。それが唯一の解決策だと思った。
しかし、その瞬間、背後からアリセアの声が聞こえた。
「やめて、コンヴァリア!」
振り返ると、彼女の瞳が強い光を宿していた。私が何をしようとしているのかを理解したのだろう。彼女は震える手を伸ばしながら、私に歩み寄った。
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「一人で抱え込まないで」とアリセアが言った。
彼女の声は静かだったが、その奥には強い決意が感じられた。私は思わず足を止める。彼女がここまでの旅路でどれほどの苦難を乗り越えてきたのかを思い出した。霊契の印を抱えながら、それでも彼女は歩き続けている。
「でも、私は……」言葉が喉に詰まる。
「あなたは仲間よ」とアリセアが続ける。「私たちがいる限り、あなたは一人じゃない。」
その言葉に胸が熱くなった。私の中で何かが変わり始めるのを感じた。ずっと自分の力を恐れていたけれど、それは仲間たちのために使えるものだと信じてみたいと思った。
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仲間たちの元に戻った私は、リリシアやフローリアの優しい眼差しを受け止めた。彼らが私を信じていることが、何よりも力強い支えになっていた。
「先に進みましょう」とアリセアが静かに提案する。
洞窟の奥へと歩みを進める中、私は再び自分の力を見つめ直す。咎の力は恐ろしいものだ。それでも、この力を制御し、仲間のために役立てる道を探したいと思うようになった。
洞窟の出口に差し掛かったとき、ふと視線を上げると、空には無数の星が瞬いていた。その光は、私に新たな希望を与えるような気がした。