ソロ専アルバイター、ダンジョン配信者になる-回収屋バイトのわたしは零細配信会社に見初められる 作:こしこん堂
「くそっ!!」
誰もいない深夜の公園で、そのへんのゴミ箱にやり場のない怒りをぶつける。
蹴りを食らってひしゃげたそれを見ても気持ちは晴れず、むしろ苛立ちが募っていく。
「何が配信してねぇだ!?バッチリしてんじゃねぇか!!」
あんな地味な格好で配信なんてするわけねぇと油断したのが仇となった。
6日前、命からがら八王子ダンジョンから逃げ帰った俺に待っていたのはチャンネルの大炎上と登録者がすっからかんになった俺のチャンネル。
そして…
「免許停止だと…?ふざけんなっ!俺はBランク探索者茶羅之助様だぞ!」
あの配信をきっかけに迷宮組合の捜査が入り、今までやってきた手柄の横取りやアイテムの私掠、ダンジョン内でのカツアゲなんかもバレちまった。
そのせいで免許の無期限停止。実質の剥奪を食らった。
おかげで今じゃ無職の無収入。
探索者や世間の連中からも後ろ指をさされ、どこに行っても卑怯者、仲間を見捨てた薄情者と揶揄されるようになった。
おかげで深夜にしか街を出歩けないようになっちまった。
「これも全部あの女のせいだ…!あいつさえいなきゃこんなことには…!!」
あの女…辻 吹とも子!あいつだけは絶対に許さねぇ!
あいつのせいで俺の輝かしい探索者人生がめちゃくちゃになっちまったんだ。
だったらお前の人生もめちゃくちゃにならなきゃフェアじゃねぇよなぁ?
「つえぇっつっても所詮はガキ。いくらでもつけ入る隙はある。あいつらにナシつけてみるか?何度か女紹介してっから頼めば動いてくれんだろ。あれだけかわいくて強いならいい商品に…」
思案にふける俺の前に人影が立ちふさがる。
青いロングコートを羽織り、フードで顔を隠した薄気味悪いやつだ。
「あっ?んだてめぇ?」
「茶羅之助さん、ですね?」
高めの声が唸るように言う。
「質問に答えろや!てめぇが誰かって聞いたんだよ!」
「やっと、見つけた…!」
なんだこいつ?通り魔か?もしそうなら、ちょっとやりすぎちまっても正当防衛で片付くよなぁ?
「来てくれてありがとなぁ。サンドバッグくんよぉーーーーっっ!!!」
手加減なしの全力の右を通り魔に叩き込む。Bランク探索者の一撃だ。魔力を持たないパンピーが食らえば最悪顔面粉砕コースだろう。
パンピーには到底見えない速さで打ち込んだはずの拳は…左手の小指で受け止められた。
「なぁっ!?」
どれだけ力を込めても拳は一ミリも進まねぇ。通り魔は俺の拳を思ったよりも小さな手で掴み、力任せに骨ごと握砕した。
「…あろっ?」
「…さんに手を出した罪!その身で償えぇーーーっっっ!!!」
「ほんげあぁあああああっっ!!!!?」
今回は盤外編
アニメで言うところのCパートです