ブルーアーカイブ_メインストーリー_Low%RTA_19時間11分45秒   作:蟻広

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友達に特定されました...こんな人生の恥をかき集めてシチューにして煮込んだ様なやつを、よく知る友人に知られました...
ねえ、友人L(仮名)君、聞いてますか!?聞いてるのなら自分で自分をぽかりと殴って、これに関する記憶を消してください!お願いです、マジでお願いですから!(懇願)

‶( /ω°)<ひょ、評価バーに色が付いたでござる...
丁度評価に☆2が付けられてた夢を見たところだったので、リアルで息が止まりました。私に対する家族からの評価は、偏屈な学者サマ(嘲笑)と云ったものなのですが、きっとこれを機に尊敬されるようになると思います。
皆も、評価、よろしくね!(あとついでに感想も、お気に入りも、その他諸々も)

評価してくださった方々、まっこと御礼申し上げます。


間狂言ってのは、つまり、間に行われる狂言と云う訳で、要するに裏話と云う訳なんですね 3

先生に連れられ、私は矯正局へとやってきた。トリニティとは大きく異なる威圧的な建築様式に、思わず息をのむ。直線を多用した無骨な外観は、軍事要塞を思わせる。灰色の壁面は、恐ろしく堅そうだ。コツコツと指で叩いてみる。壁はぶ厚いようで、反響はしない。

先生は中に入っていってしまった。私にその許可は下りていない。このまま外で待つしかないのだ。

 

暇だ。空を見上げる。きらきらと輝く太陽を視界に収めないよう注意しながら、雲を見る。千切れ、くっつき、悠然と雲は流れていく。少し注意して眺めると、うっすらと雲の向こうに月の光っているのが見える。もっと注視すれば、星々でさえ見えそうだ。

そこまで考えた時、ふとヴァルキューレに解放された時の、黒々しい空を思い出す。そのまま天を仰いでいると、涙が頬を伝う感触があった。あの時から私はすっかり涙もろくなってしまった。まるで幼子だ。そんな風に自嘲しながら、私はハンカチで涙を拭う。

ハンカチを見つめる。端にはモコさんの名が刺繍されている。それを見るとまた涙があふれる。

本当に幼児みたいだと思いながらもハンカチを目に押し当て、物思いにふける。思えば、私も薄情な人間だ。世間を見渡してみ給え。世の中には刎頸の交わりとなった友を、たとえ死しても思い続ける者の話などが有り触れておる。翻って私はどうか。私はモエのことをほとんど忘れていた。過去のことと割り切り、もはや思い出すことも少ない。そもそも先生に彼女の開放について直談判したのも、後輩の言葉によるものだ。

 

そんなことを考えているうちに、いつの間にか涙は止まり、そして先生もやってきた。

先生は何やら疲れた様な苦笑を浮かべている。モエを出すのに手古摺ったのだろうか。その後ろには、モエが居た。身長も伸び、二年前と大きく異なる出で立ちだ。自らの変わらないどころか、少し縮んだまである体が頭を過り、少し悲しくなる。

だが、彼女の様子はどこか変だ。何となく嫌な予感がする。端くれの更に端くれとはいえ、私も正実。こういった勘は良く当たる。私が彼女の出だしを窺っていると、彼女はこちらに駆け寄り、声を上げた。

「今北産業~!いやー、もんおちゃn変わってなさすぎがでちょっとこれsYレなってない――「モエ?」すいません。」

洒落になってないのは、その喋り方の方だ。彼女は先生にぺこぺこと謝っている。彼女は気を取り直した様子で、大仰な身振りをしながら一つせき払いをし、また私に話しかけてきた。心なしかその姿は私よりも小さく見える。人間としての器だろうか。

「まあ漏れは謙虚だからそんな事では怒んにあ、僕の勝ちだ。「モエ?」誠にごめんなさい。反省しるます。

(´・д・`)ソンナー件おり、なんかEろEろあったらしいけど!

(( ゚Д゚)_σ異議あり!?)(;・∀・)ダ、ダイジョウブ…?だた━━━(゚A゚)━━━??????漏れは全然あの時のことも思い出せねーまま、刑務所警備員として過酷な生活で、膝に矢を受けてしまってな...それはともカキコ、おもてなしもできなイグザクトリー(その通りでございます)」

もはや何を云っているのか理解できない。一々入ってくるジェスチャーが鬱陶しくて仕方がない。声色もころころ変わるもんだから、聞き取り辛くてしょうがない。呆れを含んだ目で先生の方に視線を遣ると、先生は苦笑いを浮かべている。戻ってきた時の苦笑の意味がようやく分かった。むしろこれに対して苦笑で済むとは、先生はきっと列聖されるだろう。間違いない。

 

モエは急に地面に蹲り、床を叩き「フタエノキワミ、アッー」と叫び、壁に頭を打ち付け、再び叫び始めた。

「『Exactly(その通りでございます)』ってよォ~~...

『Exactly』ってのは分かる。スゲー良く分かる。正確って意味だからな...

お前の言葉は正確だってことだ...

だが、『その通り』って部分はどういう事だああ~~~っ!?通りって道って意味じゃねーかーーーーーッ!

ナメやがってこの言葉ァ、超イラつくぜェ~~~ッ!!その通りって肯定の言葉じゃあねえだろーーー!?

通れるもんなら通ってみやがれってんだ!チクショーーッ!

どういう事だ!どういう事だよッ!クソッ!

『その通り』って、どういう事だッ!

ナメやがって、クソッ!クソッ!」

長年の刑務所生活でどうやら頭が狂ってしまったようだが、いい加減に止めて欲しい。さっきから周囲の視線が痛い。というかそのギ○ッチョの物まねにしたって、普通こんな道の往来でやるか?彼女はきっと羞恥心だとか人として最低限の尊厳だとか、そういったものを全て捨て去ってしまっているに違いない。

 

アーメン。おお、神よ。貴方は何故モエに斯様な試練を課すのか。

きっと万神殿(パンテオン)は忙しいのだ。神よ、もう少し待っていてください。きっと天の国にも働き方改革の波はやってきますよ。

 

いかん。彼女のふざけた態度のせいで、私にも影響が出てきている気がする。少なくとも私は神に祈りを捧げるとき、このようにふざけた事は無かった。

私はモエを放置したまま先生に近寄り、彼女について尋ねる。

「あの、先生。彼女は、その、どうしてしまったのですか?」

 

先生によると彼女は、矯正局の中で交流を絶ち、そのせいで精神病を発症したのだと云う。精神病のせいで矯正局に入れられたのに、そこで精神病を発症するとは...何というか、何というかである。

彼女に呆れた感情を抱きながらため息を吐くと、モエはいきなりロケットのような恐るべし勢いでジャンプし、へんてこなポーズをとりながら私の前に着地する。凄い身体能力だ。ちょっとだけ憧れる。

 

彼女は「やはりシャーレか...私も同行しよう。堀本院!」と、自分でネタを完結させてから歩き始める。

先生が慌てた様子で「あ、そっちはシャーレじゃないよ。こっちに行かないと」と彼女の行き先を修正する。モエはそんな先生の手を取り、自らの頭を撫でさせたあと、「なでぽ、ガッ!」と云って自らの頭をはたいた。

どうしよう。まったく意味が分からない。というかガッって「なでぽ」じゃなくて「ぬるぽ」だろ。

 

そんな突っ込みを入れてみるも彼女は止まらない。「カカッっとダッシュして終わり!閉廷!以上、皆解散!」と叫びながら猛然とシャーレに向かっていった。皆解散という事は帰れと云う事だろうか。いや、そんなことまで考えていないだろう。勢いだけで意味も考えずに喋っているに違いない。私と先生は互いに顔を見合わせる。彼は苦笑を浮かべたままだ。私は苦々しい表情を浮かべているだろう。私は先生に続いて彼女を追った。

 


 

シャーレに到着すると、こちらを発見した彼女は「もうだめだぁ...おし(ry」などと云いながらこちらに近付いてくる。どうやら鍵が無くて入れなかったらしい。先生が呆れているのが手を取るように分かる。

先生は再び苦笑を浮かべて歩を進め、シャーレの中へと入る。

 

シャーレの部室はどこだろうと思っていると、このビルディング全体がシャーレだと云うから魂消た。その中でもメインで使っていると云う事務室に案内してもらう。やたらと近代的な通路を抜ける。一々金のかかってそうな部屋や設備を見ながらふと思う。ここでは一体何人程が働いているのだろうか。きっと大組織に違いない。そんな期待を込めて先生に訊いてみると、何とシャーレに所属しているのは実質一人に過ぎないのだと云う。輪番制のため、多くとも二桁を超える事は無いようだ。

...連邦生徒会に文句がある。こんなにでっかい建物は、果たして要るのだろうか。私は絶対にここまで大きくなくても良いと思う。常識的に考えて、一個の部活に下手な学校よりも大きい建物を与えるのは、馬鹿の所業だ。実際に先生も、まだシャーレに何があるかも良く分かっていないと苦笑していたのだから。

これほどに資金が余っているのなら、某蛮族学園などに施しをしてやって欲しい。ヒナさんが風紀委員長になってくださったお蔭で蛮族の襲撃は減ってきているが、それでも飢えた蛮人がたびたび我が領土を侵犯するのだから。

若しくはアビドス。彼の学校は砂漠化とそれに伴う人口流出のせいで崩壊の危機にある。歴史ある学校が消えるのは惜しいものだ。私だってアビドス砂漠緑化のために募金しているのだ。カイザーという、黒い噂もある企業主権なのが気がかりだったが、きっと大丈夫だろう。だって大企業なのだから。

 

そんなことを考えているうちに、早事務室に着いた。そこには書類が山積みになっている。無駄な部分はハイテクなのに、ここはアナログなままなのかと変なところで感心してしまう。

事務室を山出しの田舎者のようにキョロキョロと見渡していると、先生がすごくいい笑顔で私たちの退路をさりげなく塞ぎ、「じゃあ、ちょっと仕事を手伝ってくれないかな?」と聞いてくた。

とてもニコニコとした、いい笑顔なのだが、寒気を感じるのはどうした訳だろう。とはいえ私の通常業務も書類作業なのだし、先生に対する恩もある。喜んでやらせて頂こう。モエもどうやら同じ気持ちなようで、「ゆっくりしていってね」と腹立つ声と顔で云っている。とはいえ彼女は、2年間も刑務所に居たのだから、足でまといにしかならないとも思うが。

私がデスクに座って先生に適宜質問しながら業務を進めていくと、モエもデスクに座り、「はーいよーいスタート」と云って業務を開始した。

 

さらさらとペンの音が響く中、私はピュウと口笛を吹く。ようやく書類の山の登頂─登頂?─書類の山を地中に埋めることに成功したのだ。

休憩ついでにモエの様子を見る。彼女はちゃんと仕事しているのだろうか。

…どうやら仕事はしているようだ。遅々として進んでいないが。一応デスクには向かっている。少なくともすぐバレるサボり方はしていないようだ。

 

休憩も兼ねて給湯室に向かう。ココアはなかったため、コーヒーをいれる。そのまま飲んでみると驚くほど苦かったため、砂糖もいれる。

先生の仕事も一段落したようで、彼もコーヒーをいれにこちらに来た。その後ろで、まだ仕事のほとんど終わっていないモエが、「仕事ノ進捗ニ犠牲ハ付キモノデース」と片言で話しながら倒れた。どうせすぐ起き上がるだろうから心配はしない。先生はそれでも、彼女に向かって「もう少ししたら私も手伝うから、一緒に頑張ろう」と声をかけている。

 

彼女はすぐにムクリと起き上がり、アムロ、いっきまーすと云って再び仕事を始めた。

猛然たる勢いだ。どうやらさっきまではサボっていたらしい。

 

そういえばと思い出す。後ろ向きに歩けば、コーヒーを零しにくいという話があった。いい機会なので試してみよう。カップを持ったままくるりと回り、そのままデスクに向かおうとすると、先生に止められた。彼の云うには、後ろ向きだと物にぶつかってあぶないということらしい。成程、盲点であった。そこに気付くとは、やはり天才なのだろう。

教師の聖職は、生半可な者では務まらんと云う事が証明されたわけだが、先生はこの偉業に少しも頓着せずにさっさとモエの所へ行ってしまった。これこそ聖職の証だろう。

 

自分でも良く分からない考えを振り払い、先生の後に続く。ちゃんと前を見て、カップを落とさないよう一歩々々そろりそろりと歩く。

先生の困惑したような声が聞こえる。どうやら彼女は意外にも書類仕事が上手だったらしい。ちゃんとやっていれば、あと一時間ほどで終わったろうに。彼女が苦しんでいるのは残念でもないし当然だ。

 

手伝おうかとも考えたが、もうすでに先生が手伝っているし、これ以上はかえって邪魔になるだろう。することもないので、デスクでコーヒーを飲みながら本を読む。出来るキャリアウーマンと云った感じで実に格好が良い。ちらりとモエの方を見ると、彼女もこちらを見たが、すぐに目を逸らして仕事に戻った。良い事なのだろうが納得がいかない。具体的には凄いねと云った感じで褒めて欲しい。

少し苛ついた心を鎮めるために、コーヒーに口を付ける。甘し甘し。

 

ちびちびと飲んでいると、もうコーヒーもなくなった。いよいよ本格的に暇だ。もう帰ろうかしらんとも思う。ただそうなると、何となく私がはぶられているみたいで嫌だ。せめてあと一人いれば、その人に付いて行けたのだが...

 

はっと息を吞む。妙案を思いついた。私は机に地図を広げる。シャーレの本棚にあった地図帳の地図だ。その地図には、トリニティの地理が明瞭に示されている。私はその地図を見ながら、各地からの報告と照らし合わせ、蛮族の侵入しやすい場所などを探っていく。こんなこと、もう正実の本部ではとっくに行われているだろうが、所詮は暇つぶしなのだから構わない。これは意外に楽しく、いつの間にやらモエの仕事も片付いていた。

 

「いや~」モエが口火を切る。嫌な予感がゾクゾクと私の背中を這い回る。

「うわ、私の仕事、多すぎ?洒落になってないおwww。ポッチャマは仕事が終わったら、いつもベランダにでて、疲れた目を癒すんだゾ。先生半端ないって!書類処理しながら他ん奴に目ぇ通してるもん。そんなん出来る、普通?出来るんなら云ってや...」

まあ、確かに。そんな妙技は私には到底出来そうもない。そのうえ、たとえそれをしていなかったとしても、先生は私よりはるかにはやく書類を捌くのだ。先生が処理した書類は、少なくとも私の二倍ほどはあったのに、終わった時刻がほとんど同じだったと云う事が証明しているだろう。

ただ、それはそれとして、彼女は本格的に大丈夫だろうか。いろいろと、特に情緒が不安だ。これが演技であれば良かったのだが。

 

その後、モエの相手をしていると、いつの間にやら帰る時間となった。彼女は暇つぶしには最適だ。しかし、モエがトリニティに戻ってくるまでそれに晒され続ける先生は大変だろう。今度カウンセリングでも受けさせてみようか。

…いや、他人の心配よりまず我が身だ。なんせモエがこのままだった場合、今度は私たちがそれに晒されるのだから。私は、今度モエに良い精神科を紹介してやろうと思いながら、帰路に就いた。




モエの台詞の一部にはこちらのhttp://monjiro.net/様を使わせていただきました。

最初はモエの枠にブラボの狩人様が入る予定だったという恐怖...
狩人様「おしまいんざみらー」
それはそうと、インテルメディオとは適当に開いた辞典に載っていた言葉で、意味はフランス語で幕間とか間狂言とからしいです。
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