「これから、席替えします。」
担任の先生がクラスのみんなに向けて言う。
席替えの日はいつもより、憂鬱だ。
ここは、偏差値90。それでいて運動神経も抜群なごく少数しか入れない学校。
その名も天海乃川学園。
また異性と隣同士で居るのは嫌だなぁ…。
せめて、今回は女子でお願い。
そう思いながら…祈る。
黒板に席の場所が貼られた。
萊華深結葉《らいかみゆは》。これが私の名前。
特技とか趣味とかそう言うのに興味ないし
何にもない。
私は目立たず、隅にいる人間だから…。
ただひとつだけ除いて。
私は大体この家は必ずしもみんなこの学園出身なんだ。
運動はそれほどでもないけれど成績が良くて特待制度でこの学園に上がった。
周りも移動し始め、私自身も選ばれたその場所に移動し座り込んだ。
あれ…隣の人はいない…。
と思ったとき
「遅くなってすみません。」
とか言ってるけど彼女が遅れてくるのも当たり前に日常化してる。
それどころかむしろ授業出ない時も多いし…
「
担任が最後まで言い終わらなかったのは注意しようとした担任を彼女が鋭く睨んでいたから。
その迫力に思わず教師も怯んだ。空気が重たくなる。
「
担任に向けてそう言い放ったので担任もそれ以上何も言わなかった。
そうして何事も無かったように隣に座った。
「え…」
思わず目を疑って動揺してしまった。
ありえない。
なんでよりにもよって…
ていうかさっき幻覚かと思ったけど仕事って言わなかった?
まだ私たち中学生で仕事とか出来る年齢じゃ…
ないはずなのに。
彼女は不思議過ぎる
隣の机をチラ見すると名前が見えた。
『
さっきもそうだ。
彼女が居ると一瞬で空気が変わる。
彼女がこの空間を支配する。
同じ女の子だけど、女子と思えないしちょっと怖くて近寄りがたい。
風花ちゃんは2学期にやってきた転校生。
クラスメイトと喋っていても、すぐ受け流すし自ら喋りかけることはない気がする。
「キュウッ」
そう鳴いたのは、いつも風花ちゃんの肩に乗って側にいるペットのリス。
本来学校てペットは禁止なのだけど、彼女だけは当たり前のように連れてきてるし。
相棒みたいな存在なのかな…。
「可愛いっ!」
その可愛さから思わず声を出してしまって、風花がこっちを向いた。
「あっ、すみませんっ!」
思わず謝って頭を下げて反省したけど、
「別に」
ふいっと顔を逸らしてしまった。
この態度普通の人ならそっけないし冷たいと言うだろう。
だけど彼女にとっては
首にかけていたヘッドフォンを耳につけると音楽聴いてる。
彼女は余計なことにも関わりたくないらしい…
やっぱりこんな隅っこの透明人間存在感の私なんかが喋れる相手じゃない。
2時間目が終わり休憩時間。
すると、向こうから話しかけてきた。
「あんた…萊華深結葉よね?」